FORMATION SOCCER 95 della セリエA
【ふぉーめーしょんさっかー きゅうじゅうご でっら・せりえあー】
| ジャンル | スポーツアクション |  
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| 対応機種 | PCエンジン スーパーCD-ROM2 | 
| メディア | CD-ROM 1枚組 | 
| 発売元 | ヒューマン | 
| 開発元 | ヒューネックス | 
| 発売日 | 1995年4月7日 | 
| 定価 | 9,800円 | 
| プレイ人数 | 1~4人 | 
| 備考 | アーケードカード対応 SFC版あり
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| 判定 | なし | 
| ポイント | バンチとバステンが実名で登場 | 
 
概要
その当時、サッカーゲームといえば国別対抗戦であり、Jリーグも発足直後だったばかりにもかかわらず、セリエA(イタリアのサッカーリーグ)を舞台として製作されたゲーム。正式なライセンスを取得しているため、セリエAの選手が実名で登場する。
年度は94-95。登場するチームはACミラン、ユヴェントス、サンプドーリア、ラツィオ、パルマ、ナポリ、ローマ、トリノ、フォッジャ、クレモネーゼ、ジェノア、カリアリ、インテル、レッジャーナ、フィオレンティーナ、パーリ、ブレーシャ、パドヴァの18チーム。隠しでヒューマンオリジナルチーム、日本代表チーム、マスターズチームが用意されている。
SFC版は1995年3月31日に発売。定価10,479円。
システム
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ゲームモードはフリー対戦のエキシビションとセリエAを戦うリーグ戦モード。その他にコーナーキックやPKを練習することができるプラクティスモードがある。
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1つのチームを2人で操作することによって、最大4人までのプレイが可能。
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真上から見下ろし、縦スクロールのゲーム画面。
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ボールを持っていない時、相手がボールを持っている時、ボールをもっている時で、行動が変わるが基本的にはIボタンが強い動作(ロングキックやロングパス)、IIボタンが弱い動作(弱めのパス)になる。ボタンの押し具合によって強弱をつけることも可能。
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怪我やイエローカードなどの概念がある。
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国籍の概念こそないが、スターティングメンバーは最大で3人のイタリア人以外の外国人と、その他のイタリア人で構成されている。
問題点
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SFC版にあった与えられた目標をクリアする「シチュエーションモード」が削除されている。
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バティストゥータのガリバルディポーズやドヴァリエリのムカデパフォーマンスといったシュートパフォーマンスが軒並み削除されている。
賛否両論点
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ゲームの難易度としては高め。なによりもシュートを打つことすら難しいので、ACミランを操作していてもCOMに大量失点で負かされることもしばしば。相当な練習を積まなければならない。
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なによりも時代が早すぎたということ。その当時は欧州サッカーが日本ではそれほど知られていなかったので、なじみのない無名イタリア人が大量に登場するゲームになってしまった。
評価点
資料的価値の高さ
まず、サッカーチーム運営シミュレーションならデータ化されている事もあるが、クレモネーゼやフォッジャといった現在は二部リーグのセリエB常連のマイナーチームをサッカーアクションとしてプレイできるのは、このゲームだけだろう。
    
    
        | + | クリックで展開 | 
| チーム | 著名な選手 |  
| ACミラン | バレージ、マルディーニ、デサイー、ボパン、サヴィチェビッチ、ファンバステン |  
| ユヴェントス | コーラー、パウロ・ソウザ、R.バッジオ、デル・ピエロ、フォルトゥナート、デシャン |  
| サンプドリア | ゼンガ、ミハイロビッチ、フリット、マンチーニ |  
| ラツィオ | ボクシッチ、シニョーリ、ネスタ |  
| パルマ | コウト、ブローリン、アスプリージャ、ゾラ、センシーニ |  
| ローマ | アウダイール、フォンセカ、バルボ、トッティ |  
| ジェノア | カズ |  
| インテル | パリゥウカ、ベルカンプ |  
| フィオレンティーナ | トルド、ルイ・コスタ、バティストゥータ |  | 
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印象的なのはバレージとファンバステン。サカつくユーザーなら「バンチ」と「バステン」の方がなじみがあるかもしれない。バレージはイタリア・世界屈指のDF、ファンバステンはオランダ・世界屈指のFW。欧州サッカーがメジャーに少し前に引退しているので、実名の状態で遊べるのはプレイできるのはこのゲームぐらいだろう。
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なお、ファンバステンはこの当時、負傷による長期離脱中。ベンチ外なのはこの状況が反映されてのことなのだろう。結局は試合に出ることができないまま引退を強いられている。
 
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ユヴェントスはバッジオとデル・ピエロというWCCFのような夢の競演が実現している。もっとも、様々な事情からバッジオはこの年限りで退団。チームを転々とすることとなる。
 興味深いのはフォルトゥナートがいるということ。この選手はマルディーニと並ぶ逸材として期待されていたが、白血病によって1995年に23歳の若さで他界している。
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パルマは、スポンサーのパルマラットの莫大な投資の元、スクデット(リーグ優勝)を目指すべく邁進していた頃、結果的にはこのメンバーが黄金期のメンパーではなかったかと思われる。
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このメンツから、ネスタやトッティ、デル・ピエロが台頭するがまだブレイク前で能力値はさほど高くはない。
もう一つ、重要なのはこのゲームがボスマン判決以前の世界観で作られているということである。
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ボスマン判決とは、サッカー選手のボスマン氏がチームを退団して別のチームに移籍しようとしたら、所属元のチームが横槍を入れてきて破談になったのをきっかけに起こした裁判のことである。
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結果、チームが契約が切れた選手に対して所有権を主張することが禁止になり、EU領域内のクラブはEU加盟国の国籍を持つ選手を外国人であっても同国人として扱わなければならないことが定められた。
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このため旧来の移籍金ビジネスは崩壊した。現在では複数年契約をし、残った契約期間を買い取ってもらうと形で実質的な移籍金としている。また、EU内であれば選手保有の制限がなくなったこともあって選手構成の自由度が高まった反面、選手の流動化や賃金の高騰化を招いて、大量のクラブが破産することになる。
 
総評
ゲームとしてはこれといって特徴がない。
難易度の高さはあるが、そつなくまとっている代わりに、目を見張る部分もない。
ただ、前述のように資料的価値が高いのでゲームアーカイブス化してほしいところではある。
最終更新:2022年09月19日 16:45