極悪同盟 ダンプ松本

【ごくあくどうめい だんぷまつもと】

ジャンル プロレス
対応機種 セガ・マークIII/セガ・マスターシステム
メディア 1MbitROMカートリッジ
発売・開発元 セガ・エンタープライゼス
発売日 1986年7月20日
価格 5,000円
プレイ人数 1~2人
判定 なし
ポイント 業界初の実名を用いたプロレスゲーム


概要

当時大人気を博していた全日本女子プロレス*1のヒールユニット・極悪同盟を主役にしたプロレスゲーム。
アーケード版からの移植作品であり、女子プロレスが舞台及び実名の使用許可を取った初めてのプロレスゲームでもある。

システム

  • プレイヤーは極悪同盟陣営またはフレッシュギャルズ陣営*2のタッグチームから1組を選択して相手チームと戦っていく。
    • 極悪同盟のタッグチームはダンプ松本・ブル中野組とコンドル斉藤・JIKI JIKI*3組から選択。 フレッシュギャルズ陣営は長与千種・ライオネス飛鳥組*4と立野記代・山崎五紀組*5から選択。
  • 一般的なプロレスゲーム同様、相手にダメージを与えてダウンさせ、3カウントのフォールをとることで決着。
    • 但し、タイムオーバーは即ゲームオーバー。
  • 極悪同盟陣営の選手についてはリング外にある凶器をとることで一定時間凶器攻撃が可能。
    • フレッシュギャルズ陣営の選手については凶器攻撃ができない代わりにコーナーポスト上からの攻撃が可能。
    • また、リング外で相手を壁にたたきつけてダメージを与えることも可能。
  • 10ラウンド勝利ごとにチャンピオンベルトが得られ、舞台が移動するとともに対戦相手のタッグチームも交代する。

評価点

  • この手のゲームとしては初めてヒールレスラーを主役としたプロレスゲームであること
    • ヒールレスラーを主役としたプロレスゲームは現在においてもあまり例がないため、作品の個性は十分発揮されている。
  • 当時の女子プロレスのエッセンスをふんだんに盛り込んだ設定
    • 極悪同盟贔屓の悪徳レフェリングや凶器攻撃を盛り込んだ設定はヒールレスラーを主軸にした設定とうまくマッチしている。

問題点

  • 展開が単調
    • 基本的にダウンさせた後ロープに飛ばし大技で大ダメージを与えるの繰り返しで体力を減らしてそのままフォールという戦法で先に進めるため単調。
    • リング外の凶器攻撃やコーナーポスト攻撃の概念もあるものの、前述の戦法を使ったほうが安定するため作業感が強くなりがち。
  • 試合のバリエーションに乏しい
    • タッグチーム固定・同門対決不可となっているため、そういった面ではやや物足りない。

総評

初の女子プロレスゲームかつ実名使用のプロレスゲームであり、ヒールレスラーを主役に据えたことで差別化にも寄与しているが、展開の単調さがネック。
単調なゲーム性をもう少し解決すれば化けたかもしれないだけに惜しい作品。

余談

  • 海外マスターシステムでは『Pro Wrestling』で発売。
    • キャラクターが変更され女子プロではなくなっている他、BGMも一部変更されている。
  • 本作はファミコンでの発売も予定されていたが、残念ながら発売中止となっている。
最終更新:2024年06月15日 13:06

*1 発売日当時は日本唯一の女子プロレス団体であったが2005年3月31日に解散している

*2 ベビーフェイス陣営には決まった呼称が存在しなかったのと、後述のタッグチームの合成からであると推測される

*3 ゲームオリジナルの覆面レスラー

*4 このタッグチームはクラッシュギャルズの名で活動しており女子プロレスブームを巻き起こしていた

*5 このタッグチームはジャンピング・ボム・エンジェルス(前身名はフレッシュ・コンビ。1986年3月に改名)の名で活動していた