ザ・キャッスル
【ざ きゃっする】
| ジャンル | アクションパズル |  
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| 対応機種 | FM-7、X1、PC-6001mkII、PC-8801、PC-9801、MSX、SG-1000/SC-3000 | 
| メディア | テープ、フロッピーディスク、ROMカートリッジ | 
| 発売・開発元 | アスキー | 
| 発売日 | 1985年7月 | 
| 定価 | 3,800円(テープ版)、6,800円(FD版)、5,800円(ROMカートリッジ版) | 
| プレイ人数 | 1人 | 
| 配信 | プロジェクトEGG:2016年2月9日/700円 | 
| 判定 | 良作 | 
 
概要
PC初期のアクションパズルゲームの名作。アスキーソフトウェアコンテストの第2回グランプリ作品を製品化したもの。
プレイヤーはラファエル王子となり、魔王メフィストにより囚われてしまったマルガリータ姫を救出するためにグロッケン城を探検していく。
キャッチコピーは「恋する王子の100の冒険」。
システム
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100部屋を誇る大迷宮ともいえるグロッケン城から、奥深くにとらわれているマルガリータ姫を救出することが目的。
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王子は縦2キャラ横6キャラ分のジャンプが可能。ジャンプ中や落下中の方向転換も可能。ジャンプボタンを離さない限り障害物にあたってもジャンプが途切れることはない
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敵や刺に触れる、リフトやエレベーターと障害物に挟まれる、落ちてくる障害物につぶされる、酸素ボンベ無しで水に触れる等で1ミス。例外的に「無敵光線」を浴びた状態(時間制限あり)だと何れもミスにならない。
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城内の部屋は6色の扉でいたるところが塞がれており、開けるためには対応する色の鍵を消費して進めていく。
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扉を開ける際には足元に床がないと開けられないので注意。
 
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グロッケン城には2か所に森の妖精が囚われている箇所もあり、彼女たちを救出しないと姫が囚われている部屋の鍵(赤い鍵)は手に入らない。
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壺などのオブジェクトは1つだけなら横方向に動かすことができる。
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オブジェクトや敵をリフトやエレベーターに乗せた状態で上昇中に壁や天井に挟まった場合(もしくはエレベータの下に置かれた状態で(リフトの下に置くことは不可能)エレベータが下りてきた場合)は破壊される。
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オブジェクトを敵に向かって押し込む(挟む必要はない)か、頭上に落とす事で敵を倒すことができる。一度倒した敵は復活しない。なお敵がオブジェクトを押す事はない。
 
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城内にはそのほかにも多彩なオブジェクトがあり、時には大量に落ちてくる障害をかいくぐって突破しなくてはならない部屋もある。
 
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長丁場になるゲームのためか、セーブ機能がある。ただしセーブの際には命を1失うので注意。
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命に関しては城内にある命の水をとるかスコア1万点ごとに増やすことができる。
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スコアアップ方法は鍵や得点アイテムを拾うことのみ。
 
 
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アクションパズルゲームにしては珍しく時間制限は無い。「エレベーターで必須オブジェクトを破壊されてしまう」など、結果的に時間制限のある部屋も存在するが。
評価点
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迷宮探索系の要素とアクションパズルの組み合わせが絶妙。
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アクションパズルとしての完成度の高さもさることながら、限りある鍵をどの扉で使っていくかを考えて攻略をしていく要素もあり非常に奥が深いゲーム構成。
 言うなれば100部屋すべてをひっくるめてのパズルゲームともいえるべき構成のため、迷宮探索としても完成度は高い。
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敵の動きも差別化がされており、アクションゲームとしての完成度も十分。
 
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ゲーム画面はカラフルでキャラクターも愛らしいデザインであり、非常にとっつきやすい。
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BGMもメルヘンチックな良曲。
問題点
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詰みを誘発しやすいシステム。最悪セーブデータが無駄になり最初からやり直し。
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よく言えば「100部屋すべてをひっくるめてのパズル」だが、逆に言うと余計な扉に鍵を使ってしまった事で鍵が足りなくなる事も。
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破壊したオブジェクトは部屋に入りなおしても復活しないため
、操作ミスで簡単に詰みが発生する。
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ただし部屋から出ずに自殺すればオブジェクトも復活する(自殺ボタンもある)。
 
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水中を移動可能になる酸素ボンベは取得後にミスをしても復活しないため、水中エリアでの操作ミスは命取りとなりやすい。
 
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BGM自体はいい曲なのだが、基本的にスローテンポで長丁場なゲームであり、そこへ短めのフレーズを延々と繰り返しているのでどうしても眠気を誘う。
総評
アクションパズルに迷宮探索の要素を加えた非常に奥の深い名作アクションパズル。
難易度はかなり高いもののとっつきやすい構成であり、比較的多機種に移植されていることもあり遊ぶハードルは低いので、歯ごたえのあるアクションパズルを求めるなら一度は遊んでみてほしい作品。
余談
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画面の解像度の関係から、機種によって一部の部屋の構造が異なる。
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640ライン表示可能なFM-7,X1,PC88,PC98と640ライン表示不可能なMSX,SC-3000/SG-1000,PC60で異なる。
 
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前述の森の妖精を救出した際に、初期に出た機種では妖精のヌードの一枚絵が表示される。
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本作にはコピープロテクトが施されており、不正コピーしたソフトでゲームを進行してもエンディングが見られない仕掛けが施されている。
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その内容もちょっとした?遊び心があるためか、昔のコピープロテクト発動結果の一例としてよく引き合いに出されることが多い。
 
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続編として同じシステムを用いてさらに難易度を向上させた上級者向けの作品である『キャッスルエクセレント』も存在する。
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更に高難易度化が図られており、オールクリア時には鍵が全く余らないといった具合に詰みが顕著になってしまった。
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よりにもよってファミコンに移植されているのはこの『キャッスルエクセレント』の方で、オリジナル版から色々とシステムやルールが変更されているものの、その殆どが
”改悪”
としか言いようがない内容になっている。
 なおファミコン版『キャッスルエクセレント』ではファミリーベーシック用のテープレコーダーか、後日アスキーから発売されたターボファイルが無いとセーブが出来ないという酷い仕様でもあった。
 
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ノーライセンス版ではあるが、韓国で発売された携帯ゲーム機『GP32』でも『Raphael』のタイトルで移植されている。
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現在はPC88版がプロジェクトEGGで配信中。また『MSXマガジン永久保存版』(2002年)でMSX版無印とエクセレントの両方をプレイできた。
最終更新:2020年11月28日 19:30