ELLI -エリ-
【えり】
| ジャンル | アクションアドベンチャー |  | 
| 対応機種 | Nintendo Switch | 
| メディア | ダウンロード(681MB) | 
| 発売元 | フライハイワークス | 
| 開発元 | BandanaKid | 
| 発売日 | 2019年7月11日 | 
| 定価 | 1,800円(税8%込) | 
| プレイ人数 | 1人 | 
| レーティング | CERO:A(全年齢対象) | 
| セーブデータ | 1個 | 
| 判定 | 良作 | 
| ポイント | シンプルでとっつきやすい操作性 ひらめきが重要なゲーム性
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概要
スウェーデンのゲーム開発会社「BandanaKid」が製作したアクションアドベンチャーゲーム。
時の守護者「エリ」を操作しつつ3Dで描き出されたマップを進み、「ガスティ」なる人物に奪われた時のクリスタルを取り戻す物語。
ゲームはほぼ一本道で制限時間はない。
特徴
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ゲーム中は一貫して残機制(3機)をとり、画面左上の3つのハートで表される。敵は登場せず、以下の条件でハートを1失う。
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炎や矢などのトラップに触れる。
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一定以上の高さの落下。
 
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銅鑼や石碑がリスタート地点および回復ポイントになっていて、近づくとリスタート地点として登録でき、さらにハートが全快する。石碑はセーブポイントでもあり、近づいた時に自動でセーブも行われる。
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銅鑼は小区画ごとに、石碑は大区画ごとに存在する。
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ロード時は最後に訪れた石碑からリスタート。
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トラップに触れても、ハートがまだ残っているならば戻される事なくそのまま進める。
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落下したがハートが残っているという場合、最後に訪れた銅鑼に戻される。つまり小区画単位でのやり直しになる。
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落下でかトラップでかを問わず、ハートをすべて失った場合は最後に訪れた石碑からの、つまり最後にセーブした所からのやり直しになる。
 
アクション
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大きく分けて、ジャンプ(Aボタンで1段まで出せる)、調査・会話(Yボタン)、杖(L2orR2ボタン)といった行動がとれる。
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敵は登場せず、攻撃用のアクションもない。
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杖
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使うと念波のようなものを周囲に発生させる。
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念波を当てると、透明になっているアイテムや足場が可視化される。
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念波を受けて稼動する仕掛けもある。
 
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時間の亀裂でのアクション
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ゲームの節目で「時間の亀裂」と呼ばれる異世界を攻略する必要がある。
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「時間の亀裂」内部では横スクロールアクションとなる。右へ右へと進み特定の場所にたどり着けばクリアとなる。
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ジャンプが2段まで出せるようになり、横方向に小ダッシュも出せるようになる。小ダッシュは空中でも出すことができ飛距離を稼ぐのに活用可能。
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白い水面のようなものがエリを追いかけてくるが、これに追いつかれると時間の亀裂のはじめからやり直し。
 
ギミック
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移動する足場
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各所に登場する。乗ると一定時間後に消滅するもの、周期的に移動する・壁から生えたり引っ込んだりするものがある。
 
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赤・黄・緑・青のリングと台座
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特定のエリアでは、赤・黄・緑・青のリングと、それをはめ込む台座が対になって存在する。
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扉や足場が指定する色のリングを台座にはめ込むことで、作動させることが可能。
 
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魔法使いのアイテム・スイッチ
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魔法使いに話しかけると近くの台座に木箱・石箱や石球を召喚してくれる。
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木箱は火がつくと燃えてしまう。奈落の底に落ちたりしたら、再度魔法使いに話しかけることで再生産してくれる。
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いずれも持ち運び可能で、持っている時に投げるか足元に置くかできる。特定のスイッチの上にセットすることで先に進む道が開ける。
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石で出来ているタイプは重く、持っている間は移動速度がやや低下するほかジャンプすることが出来ない。
 
 
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爆弾
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地面に咲いているように設置してある爆弾。拾ってから一定時間たつと爆発する。
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投げたり足元に置いたりできるほか、基本爆発すると次の爆弾が定位置に再生成される。
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爆風に巻き込まれるとダメージを受けるが、岩やヒビの入った壁を破壊できる。
 
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ワープ装置
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踏むとどこか遠くにワープするスイッチのようなもの。
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ただし石や爆弾といった何かしらのアイテムを手に持っているときは使えない。
 
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制限時間スイッチ
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特定のスイッチは調べてから一定時間経つまで、道を阻む扉や罠が解除する効果がある。
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制限時間内に赤い宝珠状のアイテムを集め切ることで開く扉もある。
 
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金銭
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宝石のようなアイテムがいたるところに散らばっており、集めるとお金として使うことが出来る。
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金銭は主人公エリの着せ替えアイテムの購入に使える。
 
評価点
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簡素ながらも絶妙に頭を使う難易度
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敵が出て来ず、物を運ぶかジャンプすることがメインとなり、非常にとっつきやすい。また単調なゲームになると思いがちだがそうでもない。
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特に中盤の暗闇につつまれた洞窟では、道なき道を進むスタイルをとらされる。先に進むには柱や梁の上、あるいは壁から何気なくはみ出たような石が足場としなくてはならないケースも。足場に対して抱きがちな固定観念の裏をついてくるため、先に進めたときの感動は大きい。
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爆弾の使い方もワンパターンではなく、ワープ装置を越えた遠くの場所にある障害物を爆破するために頭を使わなくてはならないケース、物を破壊するのではなく、重石として使わなくてはならないケースなどバリエーションが様々。
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足場からの転落死が多くなるゲームバランスであるが、リスタート地点が多くストレスフルに感じる場面は少ない。
 
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描きこまれたマップ
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ポリゴンの輪郭は粗くない。ゲーム攻略中に眺めることになるステージの遠景も良く描きこまれている。
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緑溢れる丘や、崖に作られた遺跡、一寸先も闇の洞窟、火山などバリエーションにも富んでいる。
 
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ボリューム
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マップは1本道ではあるものの、探索をして先に進めるようなギミックがちりばめられている。先を急ぐプレイをしていてもクリアに5時間程度はかかるためボリュームはなかなかある。
 
問題点
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日本語がおかしい一幕あり
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機械装置のような無生物の前に行って特定のボタンを押すと調べられるのだが、このとき何故か「調べる」ではなく「話しかける」と表記される。
 
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物語の設定が活かされていない部分
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時間の守護者という触れ込みだが、時間に関連するアクションは本編に全く登場しない。
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道中で出会うNPCとのイベントが味気ない。たまにゲームの攻略法のヒントを口走ることもあるが大半が世間話をするだけであり特に意味のある会話を楽しむことは出来ない。会話が聞けるのもリロード等しない限りは一度きり。
 
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その他
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キャラクターデザインが海外特有のもの。素朴なデザインであり、本作に可愛さや萌えを求めることは出来ない。
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本編中、殆どイベントと呼べるイベントがない。ゲームのプロローグとエピローグにムービーは挟まれるが、妙にキャラクターの動きがカクついている。
 
総評
ジャンプと物の運搬を主軸に置いたシンプルなアクションアドベンチャーであるが、先に進むには時にジャンプや運搬の仕方で頭を使う必要があるため、独自のやり応えを発揮している。
ステージの背景となる自然も上手に描きこまれており、ひとつの景色としての楽しみもある。
最終更新:2024年08月10日 17:17