コンフィデンシャル ミッション
【こんふぃでんしゃる みっしょん】
ジャンル
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ガンシューティング
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対応機種
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アーケード(NAOMI)
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販売・開発元
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セガ
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稼働開始日
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2000年11月
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プレイ人数
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1~2人
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判定
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なし
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ポイント
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スパイ版『バーチャコップ』 微妙なボリュームと難易度
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バーチャシリーズ
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コンフィデンシャル ミッション (DC)
【こんふぃでんしゃる みっしょん】
対応機種
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ドリームキャスト
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メディア
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GD-ROM 1枚
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発売元
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セガ
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開発元
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ヒットメーカー
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発売日
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2001年6月14日
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定価
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5,800円(税抜)
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周辺機器
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ドリームキャスト・ガン、アーケードスティック ぷるぷるぱっく、ドリームキャスト・マウス対応
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廉価版
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ドリコレ 2002年5月23日/2,800円(税抜)
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判定
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なし
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※共通項目は省略
概要
セガの子会社のヒットメーカーが「007シリーズ」や「ミッション:インポッシブル」などのスパイ映画をテーマに開発したガンシューティングゲーム。
基本システムは同社の『バーチャコップ2』がベースとなっており、いわば「姉妹作」と言える作品で、各所でミニゲームが差し込まれる点が最大の特徴。
『バーチャコップ』とのシステム上の差異
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ステージセレクト機能が存在せず、必ず1面(MISSION 1)からのスタートとなる。
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筐体の設定次第では、開始直前に各プレイヤーのガンコントローラーの照準調整(10秒間)が可能となる。
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画面上の残弾表示が一般的な拳銃用の弾倉(装弾数6発)に変更、現在のライフ数は赤背景/黄文字の「CMF」エンブレムに変更されている。
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拳銃のリロードは、ガンコントローラーの銃口を画面外に向けた時点で自動的に行われ、トリガーを引く必要はない。
ドリームキャスト版では照準検知方法の都合上、ガンコントローラー使用時は画面外を狙ってトリガーを引く必要がある。
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『バーチャコップ』では銃火器を持った敵1人ずつに「ロックオンサイト」が表示されていたが、本作では複数人に一斉表示される。
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また、ロケットランチャーを持った敵は『バーチャコップ』と異なりロックオンサイトが表示されないようになっている。
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敵の武器を持った手または腕を撃って倒す「ジャスティスショット」は健在だが、本作ではその後に2回の追い撃ちが可能。
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ステージ中で差し込まれるミニゲーム「オペレーション」は表示されたロックオンサイトを撃つのが基本方式。
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武器アイテムがフルオート射撃・装弾数45発の「アサルトライフル」のみに減ったが、ライフ回復用も含む複数のアイテムが追加。
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また、これらのアイテムの出現方法も特定の敵を倒した際に固定で落とすのみとなった。
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各アイテム紹介
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エンブレム
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C(赤)、M(青)、F(緑)の何れかの文字が書かれた金色のエンブレム。3文字を揃えるとライフが1つ回復する。
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現在のエンブレム数は残弾表示の真下・ライフ数表示の横にそれぞれ表示されているので、2人プレイ時は分け合いが重要。
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アタッシュケース
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アガレスのロゴが入った銀色のケース。撃つと3000点、更に中から1枚5000点のディスクが3枚現れる。
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なお、3面の中盤に一瞬だけ画面端を横切る敵を倒すと落とすアタッシュケースのみ、撃つと即座にライフが1つ回復する。
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グレネード
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緑色の大きな手榴弾。撃つと爆発し、周囲の敵とアイテムを撃った扱いになる。手榴弾兵を倒すとよく落とす。
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ボディアーマー
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黒色の防弾着。取得するとそのプレイヤーの被弾ダメージを1回肩代わりしてくれる。登場頻度は低め。
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これを取得しているときに敵の攻撃を受けると画面が黄色く点滅する。
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レーザーサイト
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銀色の銃に付いた赤いレーザーサイト。しばらくの間、銃で狙っている箇所を赤い点で表示してくれる。
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ドリームキャスト版ではガンコントローラーの照準検知方法がアーケード版と異なるため、一切登場しない。
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ステージ中の一般人を誤射した際にはライフが1つ減るだけでなく50000点も減点される。
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これでスコアが0点を下回った(マイナス点となった)場合は、スコア表示の文字色が赤になる。
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コンティニューをした際は得点の下1桁目に1点が入る以外にも、現在のスコアが5%分も減る。
ストーリー
ある国の軍事衛星が何者かにジャックされた。諜報機関「CMF(Confidential Mission Force)」が捜査を開始。
その結果、CMFは軍事衛星への不審なアクセスを探知、その発信源がとある歴史博物館であることを突き止めた。
CMFは真相調査の為、凄腕エージェントのハワード・ギブソンとジーン・クリフォードを博物館へ潜入させた…。
ステージ一覧
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各ステージ紹介
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MISSION 1
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博物館に潜入したハワードとジーンは守衛を気絶させ情報室に侵入、パソコン内の情報をディスクにコピーしていた。
2人はそのパソコンから、敵の正体がかつて某国で軍事独裁政権を敷いていた男が率いるテロ組織「アガレス」と知る。 データコピーも終了、ディスクが取り出され全て首尾よく終わろうとした所、ディスクが謎の銃弾に弾かれてしまう。 2人の存在を嗅ぎつけたアガレス幹部に奪われたディスクを奪回するべく、2人はアガレス戦闘員と銃撃戦を繰り広げる。
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舞台が博物館であるために第2シーンから一般人が複数登場してくるが、敵との配置も含めて全体的な難易度は低め。
複数付くロックオンサイトや、ほぼ全て登場する各アイテムと、『バーチャコップ』との違いに落ち着いて慣れよう。
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オペレーションは「粘着弾で毒ガスの吹き出し口を塞ぐ」「1発限りのロープ銃を命中させショートカットする」の2つ。
失敗すると前者は長時間視界が歪んだままの銃撃戦を余儀なくされ、後者は進行ルートが展示室から貯蔵庫に分岐する。
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ボスは衛星との通信拠点として偽装されている歴史博物館の偽館長。背が低く肥満体系だが動きはそこそこに俊敏。
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当初は2階から銃撃を行うが、一定ダメージを与えると1階に落下、展示物に隠れながら遠隔操作で各兵器を操ってくる。
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MISSION 2
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先の任務からアガレスが軍事衛星の開発スタッフ「リーナ・ミハイロヴァ」を拉致、不正改造を強いている事を突き止めたCMF。
そのリーナが鉄道で移送される事を知ったCMFは、彼女を確保・救出すべく、ハワードとジーンを鉄道スタッフとして送り込む。 仕掛けた盗聴器によってリーナが荷物室に幽閉されていることを知った2人は彼女を救出、最後尾の貨物車を目指し突き進む。
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狭く細長い箇所での戦いとなり、敵の不意打ちや一般人の配置もより周到になっており、難易度は適度に上昇している。
また、リーナを帯同して進むため、各所で彼女が画面内に入った状態で銃撃戦を繰り広げる場面も多く、誤射には要注意。 中盤の列車の屋根では雪原上をスノーモービルで移動してくる敵を撃たねばならないため、相当の射撃技術も問われる。
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オペレーションは「ボタン連打でリーナを引き上げる」「列車の赤い止め金を連射で弾き飛ばす」の2つ。
何れも失敗すると成功ルートよりも難しい敵配置または余計な敵と戦わされるという形で極僅かにルート分岐する。
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ボスはアガレスの軍隊を統括している、黄色いひげを蓄え茶色のロシア帽を被った男、通称「将軍」。
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自身は歩兵戦闘車を操り、ミサイル砲での攻撃や中に備蓄しているロケットランチャーや狙撃銃で攻撃してくるほか、
部下であるMi-8武装ヘリによる銃撃や、スノーモービルに乗った敵数人を空中投下させつつの攻撃も行ってくる。
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体力ゲージは多く見えるが、プレイヤーの乗る列車の貨物を銃撃で落とすと敵の近くで爆発・大ダメージを与えられ、
ゲージが約半分になるとヘリを撃墜・歩兵戦闘車に直撃させることができ、4分の1前後にまで大きく体力を減らせる。
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MISSION 3
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リーナからアガレスは既に衛星システムの改造を終え、それを潜水艦に移し本拠地を発とうとしているとの情報を知ったCMF。
ハワードとジーンはシステム奪回のためアガレスの孤島に潜入。小型砲台が張り巡らされたスライダーを抜け、中枢を目指す。
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最終面かつルート分岐が無いだけあって、敵の配置が非常に厳しい。登場した順番を見極めないと被弾は確実といって良い。
後半は遠距離から遮蔽物や人質に体を半分ほど隠した状態で狙いをつけてくる敵も多くなり、弾を外さぬ狙撃が必要となる。
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ボスはアガレスの総帥(名称不詳)。当初は手榴弾・飛来してくるディスクを大量に撒きつつ、黄金の拳銃で攻撃してくる。
一定のダメージでステルス迷彩服を起動し、閃光手榴弾を使った直後の剣での切り付けやミサイル付ロボットも用いてくる。
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体力が僅かとなるとステルス状態が解け、ひたすらに拳銃を撃とうとしてくるので、こちらもひたすらに撃ち込もう。
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2人は総帥を潜水艦へ叩き落すが、彼は島の自爆装置を起動し潜水艦で逃亡。2人は衛星を逆操作し、潜水艦の撃沈を試みる。
オペレーションは「衛星のサイトを操作し、アガレス総帥の乗った潜水艦に重なった瞬間に撃つ(トリガーを引く)」のみ。 1人プレイ時はCPU操作の緑の照準と合わせ、2人プレイ時は1Pの赤・2Pの青の照準を潜水艦に合わせ、撃たなければならない。
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失敗するとアガレス総帥は逃走・主人公らは島の自爆から脱出できず任務失敗、スタッフロール無しのバッドエンドになり、ゲームオーバーになってしまう。
成功すると潜水艦は衛星のレーザーで両断され爆発。2人はボートで島を脱出し、スタッフロール兼NG映像集が流れる。
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評価点
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スパイものの世界観を活かした演出・デザイン
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ステージ中に差し込まれるカットシーンやオペレーションは『バーチャコップ』に無かった演出で、スパイものの雰囲気を盛り上げている。
オペレーションの内容も大半がそれぞれ違った形でプレイヤーの射撃技術を問うものとなっており、ゲーム的にもメリハリがつけられている。
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主人公のデザインや各ステージの偽の博物館・列車・敵基地とモロに『007シリーズ』を意識しており、好きな人にはたまらないだろう。
敵もロシア系の装備を用いた組織で、博物館では偽の警備員と戦闘服を纏った者が混在して出るなど、その面でも実にそれっぽく細かい。
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主人公2人の掛け合いも『007シリーズ』を意識したジョークが多いハワード、真面目で冷静なツッコミ役のジーンと特徴的である。
敵が被弾した際のボイスも非常に豊富。どことなく『ゴールデンアイ 007』を彷彿とさせる、演技が大げさすぎて笑いを誘うものも。
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雑誌での取材でデザイナーの提案で入れたと明かされた、エンディングの演出もスパイ映画っぽさを存分に感じられるものである。
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サウンド面も細かく、BGMはスパイものらしい軽妙なものに始まり、以降は激しい曲調や地味ながら緊張感を煽るものがメインとなる。
また、主人公らの拳銃(ワルサーP99)の発砲音もゲーム中でサプレッサーが付いているため、あえて地味なものが使用されている。
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上級者には嬉しいシステム
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敵の何処に弾が当たったかが分かる表示が出たり、トリガーを引きながらスタートするとゲーム中に撃ったものの得点が出るなど配慮されている。
ランクイン時にはスコアに応じて腕前を表わすレベル表示がされるため、ノーコンティニューや最高レベル「SSS」を目指したやりこみもできる。
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また、コイン投入時のリロード説明場面で、画面内に描かれた筐体のタイトル内のロックオンサイトを撃つとサイト無しでのプレイも可能。
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選択時は画面に「
Sight-Invisible mode. Are you sure?
」の文字が表示され、またロックオンサイトを撃てば通常モードに切替が可能。
賛否両論点
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武器アイテムやルート分岐の少なさ
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『バーチャコップ2』では装弾数2倍の自動拳銃を始め、当たり判定の広いショットガン、貫通機能のマグナムなど計5種の武器アイテムがあった。
これらによる難易度緩和も大きく、如何にダメージを受けず維持できるかというスリルもあっただけに、今作のそれは希薄と言わざるを得ない。
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ルート分岐も明確に「分岐」と言える規模のものは1面のみと、『バーチャコップ2』の2つよりも少なく、武器の少なさも相まって飽きやすい。
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これらの分岐もオペレーションの成否によるものしかないため、ゲームに慣れてしまうと自然と同じルートで進むようになってしまう。
『バーチャコップ2』や『THE HOUSE OF THE DEAD』ではプレイヤーの選択による分岐があったため、その点でも見劣りしてしまう。
もっとも、この点は今作と同じAM3研が以前に手掛けた『ロストワールド・ジュラシックパーク』とほぼ同じで、意図的な作風ではある。
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全体的に閉鎖空間が多く地味な各ステージ
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『バーチャコップ』では舞台を街とすることで実に様々な状況が用意されていたが、今作ではスパイものというテーマ故か全体的に地味。
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1面の歴史博物館は今までにない舞台で撃てる小物も他より多く、ルート分岐も有りと地味な印象や閉鎖空間の印象は薄めではあるものの、
2面の列車はこのようなゲームでは珍しい狭小空間だが舞台の都合上似た光景が続き、外の景色も殺風景な雪原のみで代わり映えしない。
全編に渡って屋内で進行する3面の敵基地は潜水艦ドックという開けた箇所はあるが、床も壁もコンクリート造りで地味な印象は拭えない。
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弾切れ時のリロードを促すシステムボイスが無い
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発砲音や発射エフェクトの地味さも相まって、初心者には「弾切れとリロードをすぐに理解できず敵に撃たれる」状況が発生しやすい。
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ただし『ロストワールド・ジュラシックパーク』と同様、ゲーム開始前にリロード方法の説明専用の場面を挟んではいる。
問題点
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複数表示されるようになったロックオンサイトの弊害
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これにより難易度が『バーチャコップ』から明らかに上昇しており、敵へのズームインもあまりしないので遠距離の敵が撃ちづらい場面も多い。
遠距離の敵が多い3面では後者の傾向が顕著で、最終面とはいえ一般プレイヤーにはあまりにも厳しい場面しかないと言っても過言ではない。
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ただし、プレイヤーの銃が連射出来なかった『ロストワールド・ジュラシックパーク』と比べれば、今作は普通に連射できるだけマシと言える。
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後に稼働した『バーチャコップ3』では「銃の装弾数増加」「敵を出来る限り集団で出す」「時間を遅くする機能追加」でこれを改善している。
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地味に難しい2面のリーナ救出のオペレーション
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「筐体のスタートボタンを連打する」という、今までこのジャンルにほとんど求められなかった「ボタンを連打する技術」が必要になる。
筐体設定やノーダメージでいる時間が長いとなる高ランク状態では、相当猛烈な連打をしないと失敗扱いとなってしまうので難度が高い。
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プレイヤーの体力の消費はもちろん、筐体のスタートボタン周辺の傷みにも繋がってしまうため、あまり良いシステムとは言えない。
総評
『バーチャコップ2』譲りのわかりやすいゲームデザインに、『007』のようなスパイものの要素を足したことで、独自性を打ち出した作品。
だが、全体的に地味な各ステージに、『バーチャコップ2』から削減された武器アイテムやルート分岐と、全体的なボリュームの薄さが目立つ。
複数付くロックオンサイトと巧妙な敵配置による難度面での嫌らしさもあり、「良くも悪くも普通」なガンシューティングゲームと言える。
余談
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海外市場においては、『ロストワールド・ジュラシックパーク』と同様の半密室型のシアタータイプのSDX筐体も販売されていた。
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1面のオペレーションに登場する特殊工作ツールの開発番号をよく見ると、それぞれ766番・574番となっている。
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この数字はナムコおよびコナミがそれぞれ各所で用いている公式の愛称「765」「573」から1を足した数である。
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拳銃を装備している雑魚敵は、攻撃時に結構な速さでの連射を行ってくるのだが、実はこの表現は間違っていない。
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装備している拳銃はフルオート射撃が可能な旧ソ連製の「スチェッキン・マシンピストル」。組織の設定的にも理にかなっているのである。
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一方で1面ボスの拳銃は「シルバーのベレッタ・92」であるため、きちんと単発射撃のみを行うようになっており、芸の細かさが窺える。
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ゲーム中の2P側キャラクターであるジーンを演じているのは、格闘技イベントでの巻き舌アナウンスで有名なレニー・ハート氏である。
移植
2001年6月14日にはドリームキャストに「ドリームキャスト・ガン」「ドリームキャスト・マウス」対応のうえでほぼ忠実に移植されている。
様々な射撃練習モード「AGENT ACADEMY」や、各ステージの敵の配置とBGMを変えた高難度モード「ANOTHER WORLD」などが追加されている。
前述の通りガンコントローラーの照準検知の違いから、アイテム「レーザーサイト」の削除や最終オペレーション変更がなされている。
最終更新:2025年03月16日 14:38