本項では『バーチャコップ』『バーチャコップ2』を併せて紹介します。判定はどちらも「良作」です。



バーチャコップ

【ばーちゃこっぷ】

ジャンル ガンシューティング


対応機種 アーケード(MODEL2)
発売・開発元 セガ・エンタープライゼス
稼動開始日 1994年9月
プレイ人数 1~2人
判定 良作
ポイント テクスチャ付きガンシューティングゲームの元祖
同社のフル3Dガンシューティングゲームの始祖
バーチャシリーズ

概要

バーチャレーシング』『バーチャファイター』を手掛けた鈴木裕氏による『バーチャシリーズ』の第3弾として、1994年に第1作目がリリースされたフル3Dのガンシューティングゲーム。
開発はAM2研が行い、基板には『デイトナUSA』で当時最高峰の3Dポリゴン描写力とテクスチャマッピングを見せつけた「MODEL2」を採用し、従来では難しかった臨場感や未来感を実現した。
ゲームシステムは1992年のコナミ製の『リーサルエンフォーサーズ』とほぼ同じだが、本作は滑らかで迫力のある3Dポリゴンの描写が受け、後の同社の3Dガンシューティングゲームの礎となった。


ストーリー

ウォーターフロントの近未来都市「バーチャシティ」。
その平和を守るバーチャシティポリス(VCPD)に、「この街の大企業「EVL社」がギャングやテロリストなどの犯罪組織に武器を密売している」との噂が入る。
この噂に対しVCPDは捜査に乗り出すも、この捜査を行っていた敏腕刑事ジョナサン・ハーディが何者かに暗殺されてしまい、捜査は打ち切られたかに見えた。

1か月後、ジョナサンの息子であるマイク・ハーディ(通称レイジ)は父の敵を討つべく刑事となり、VCPD第2分署に新設された「特捜課」に配属された。
レイジは分署一の射撃の名手、ジミー・クールス(通称スマーティ)とコンビを組み、父が遺した1枚の写真を頼りに、武器密売組織との戦いを繰り広げる。
ハイテクを駆使した強力な武器と装備に身を固め、凶悪犯罪に立ち向かう第2分署特捜課。バーチャシティの人々は彼らを「バーチャコップ」と呼んだ…。


基本システム

  • 装弾数6発の回転式拳銃「ガーディアン」を用いて、画面上に次々と現れる犯罪者たちを撃って倒して(無力化して)いく。
    敵の攻撃を受けるか、ステージ中に登場する一般市民(人質)を誤射すると1回につき一律1ライフを失い、全て無くなるとゲームオーバー。
    • 銃の残弾数は画面下に表示されており、リロードには、ガンコントローラーの銃口を画面外に向けた状態で引き金を引く必要がある。
    • 現在のライフ数は残弾数表示下のハートマークで表わされ、開始時のライフ数はデフォルト設定では5個(設定できる最大数は9個)となる。
  • 登場する敵のうち、銃火器による攻撃を行う敵は円形の「ロックオンサイト」が表示される。
    • 敵の攻撃タイミングはサイトの色で表される。 黄緑 の順に変わっていき、赤になると攻撃される。
    • 手榴弾・斧といった飛び道具での攻撃や、斧での斬り付けといった直接攻撃はサイトが表示されないので要注意。
    • サイトが表示されている敵を速く倒すほど高得点を得られる(後述のジャスティスショットは5000点で固定)。
      表示されていない敵は一律500点なので、少し待つとサイトが表示される敵はそれまで待ったほうが高得点を狙える場合もある。
  • 雑魚敵は1発銃弾を当てると倒せるが、倒す際に特殊な条件を満たしているとスコアボーナスとなる。
    • 同じ敵に3連続で撃ち込む「3ポイントショット」、武器を持った手または腕を撃って倒す「ジャスティスショット」が該当する。
      • 前者は下記のスコア倍率ゲージの増加に向いているがリロード頻度も増えてしまい、次の敵に撃たれやすいリスクがある。
        後者はスコアボーナスが5000点と非常に高いが狙うことが容易ではなく、また1発決めるとそれ以上は銃撃が当たらない。
    • 敵に銃撃を当てると画面上部のスコア倍率ゲージが貯まっていき、計50発でフルとなり倍率が上昇、最大9倍まで増えるが、
      上記の行為でライフを失ってしまうと倍率が2つ減少し、貯めていたゲージもゼロに戻ってしまう。
    • ステージ中に点在する赤いドラム缶のうち幾つかは4発撃つと爆発し、周囲の敵を倒せるが、この場合はスコアが入らない。
  • 特定の敵を倒したり、背景物を撃って破壊すると、武器またはライフ回復アイテムが出てくることがある。
    アイテムは撃って取得でき、武器アイテムは一部を除いて使い捨て、ライフ回復アイテムは即座にライフが1つ回復する。
    • ただし、武器アイテムの使用中に敵から被弾すると、通常装備の「ガーディアン」に戻ってしまう。
      なお、人質を撃ってライフを失っただけでは装備は戻されないが、コンティニューした場合は戻されてしまう。
+ プレイヤーの使用できる武器・アイテム一覧
  • ガーディアン(通常装備・装弾数6発・リロード可能)
    • バーチャコップが用いる架空の大型拳銃。回転式拳銃でグリップ部は茶色*1と古風な外見だが、設定上は最新技術が用いられている。
      銃身の上に備えたレーザーサイトは生体反応を探知でき、人間などの生物には低殺傷弾・非生物には破壊力の強い弾として作用する。
      • ゲーム的には通常装備ということもあっていささか貧弱。リロード可能な武器アイテムを確実に入手し、維持したいところ。
  • マシンガン(装弾数30発・使い捨て)
    • トリガーを引きっぱなしでの連射が可能な、UZI短機関銃。『1』『2』ともにゲーム中で最初に入手可能な武器アイテムでもある。
      フルオートの連射速度は早くはない*2が、通常装備に比べればリロード無しに30発も撃てるので、登場頻度の高さも含め使い勝手は良い。
  • ライフル(装弾数24発・使い捨て)
    • トリガーを引くと必ず3点バースト発射される、CAR-15自動小銃。敵がよく装備しているが、武器アイテムとしてはあまり登場しない。
      連射速度はマシンガンより速く3ポイントショットボーナスを取り易いが、こちらは3点射システムの関係上発射可能数は実質8回でありすぐ通常装備に戻ってしまうので、使い勝手は良くない。
  • オートマチック(装弾数15発・リロード可能)
    • 通常装備の攻撃性能はそのままに、装弾数が2倍以上となった自動拳銃。外見はアメリカの刑事モノでお馴染みのベレッタ92F。
      リロードの頻度が半減するため非常に強力。『1』『2』共にこれを維持できるか否かで難度が大きく変わると言っても過言ではない。
      ただし維持している最中に別の武器を誤って取得しないよう気を付ける必要が生じる、という地味に煩わしいデメリットもある。
  • ショットガン(装弾数6発・リロード可能)
    • セミオート散弾銃。これまた外見はアメリカの刑事モノでお馴染みのイサカM37風。
      当たり判定の大きさが魅力で使い易いが、逆に敵に近接した人質の巻き込み誤射に注意。また装弾数は通常装備と一緒なので、頻繁なリロードが必要。
  • マグナム(装弾数6発・リロード可能)
    • 障害物の貫通機能が付く回転式拳銃。やはり外見はアメリカの刑事モノでお馴染みのスミス&ウェッソン風。
      これが入手出来る個所は大抵障害物が多いため、通常装備よりは使えるが、当たり判定と装弾数は通常と変わりない。また貫通による人質誤射などのミスも生じがちなので注意が必要。
  • ライフ(ライフ回復アイテム)
    • 赤いハートマーク入りの、縦長で白色の四角いライフマーク。
      • 大半は一瞬だけ姿を現す、プレイヤーを攻撃しない敵を倒すと出現するが、中には特定の手順を踏む必要があるものがある。

筐体の種類・解説

『バーチャコップ』『バーチャコップ2』で計4種類の筐体が出回った*3
何れもゲーム内容に変わりはないが、プレイ感覚はそれぞれで多少異なる。

DX(デラックス)タイプ

  • 50インチのプロジェクションTVと、独立式のガンホルダー兼コントロールキャビネットを備えた超大型筐体。
  • 同社の大型汎用筐体「スーパーメガロ」がベースのコントロールキャビネットにスピーカーを内蔵した筐体と、
    スピーカーの位置がTV筐体の下に移動した代わりにガンホルダー部が小型化した筐体の2種が存在する。
    • 後者は後の『THE HOUSE OF THE DEAD』などの同社製ガンシューティングゲームにも、各所に改良を加えつつ使用された*4
    • 他作品のDX筐体すらなかなか見かけない現在の日本国内では、何れもほぼ稼働していないであろう、非常に希少な筐体である。

Pタイプ

  • ハーフミラー式の筐体。ナムコ製『スターブレード』の様な特殊な鏡を用いて、20インチのブラウン管の映像を拡大*5させた筐体。
    下記のアップライトタイプよりもゲーム説明ボード兼ガンホルダーが手前に出っ張っているため、リロード時に銃をぶつけやすい。
    また、スタートボタンも各ガンホルダーの真上にあったりと、筐体設計の発展途上にあった事を感じさせてくれる筐体と言える。
    • この筐体が使用されたのは『バーチャコップ』『バーチャコップ2』のみで、稼働開始から約25年を経た現在では希少な筐体。
    • 『1』の海外用パンフレットでは筐体のタイプ名として「Pioneer Cabinet」があるが、それがPタイプを指しているかは不明。

アップライトタイプ

  • ハーフミラー式の筐体。29インチのブラウン管の映像をそのまま反射させているシンプルな筐体。Pタイプより横幅が僅かに狭い。
    Pタイプと比べてゲーム説明ボードとガンホルダーが分離して出っ張らなくなったため、リロードは若干やりやすいかもしれない。
    • こちらの筐体も、後の同社製ガンシューティングゲームの小型版・普及用筐体として、各所に改良を加えつつ使用された*6
    • 当時から多く出回った事が影響しているのか、現在でも残存している個体が多く、プレイできる筐体の大半はコレと言える。

ガンコントローラー

  • 形状は作中で主人公が使っているガーディアンの形状がそのまま再現されており、色は1P側が青色・2P側が赤色となっている*7
    • 筐体と同じく、このコントローラーは他のセガ製ガンシューティングゲームにも変更を加えつつ使用された*8

ステージ一覧

各ステージは「初級」「中級」「上級」と分かれているが、真のエンディングを見るためには初級→中級→上級の順でのプレイが必須となっている。

+ 『1』各ステージ紹介
  • 武器闇取引を阻止せよ(初級)
    • ジョナサン・ハーディが遺した情報を頼りに、バーチャシティ第2埠頭でのギャング団の武器密輸を突き止めたレイジとスマーティ。
      白昼堂々と行われている闇取引を阻止すべく埠頭へ急行した2人は、現れるギャングたちを撃ち倒しながら、埠頭を捜索していく。
      • 初級ステージだけあって最初は敵が1人ずつ登場するが、徐々に敵と人質の配置が難しくなり、攻撃までの速度も速くなっていく。
        人質と重なるように登場する敵や、ロックオンサイトの無い飛び道具や斬り付け攻撃を行う敵もそこそこに出るなど、意外に難度は高い。
    • ボスは下記の「キング」の弟で、ダーティファイトでプロレス業界を追われ、下記の兄共々バーチャシティの裏社会であるギャング団のボスとなった大男「コング」。
      • 左右に移動しながら4連装ロケットランチャーを連射し、追いつめられた際は投降を装って拳銃で攻撃してくる卑劣漢。
  • 地下兵器庫を壊滅せよ(中級)
    • 埠頭での闇取引摘発の結果、ウェストアリーナの工事現場の地下に、ギャング団が武器密造工場を建設していることが判明。
      工事現場に急行したレイジとスマーティは、ギャングたちが築いた防衛線や罠を何とか捌きながら、密造工場へと進んでいく。
      • 難易度は順当に上昇しており、最序盤以外は相当数の敵が一度に登場したり、攻撃速度が速い敵と人質とが混ざって連続登場し始める。
        攻撃してくる敵の前に壁役として攻撃を行わない敵が出てきたり、ダンプカーに乗って体当たりを行う敵も出るなど、トリッキーな配置も多い。
    • ボスは上記の「コング」の兄で、「奴の行くところすべて戦場と化す」と言われる傭兵あがりの殺し屋の大男「キング」。
      • 攻撃は基本的に部下任せだが、自身も時折遮蔽物の上に立って火炎弾を連射し、追いつめられた際は弟と同じく拳銃で攻撃してくる。
  • 敵本拠地に潜入せよ(上級)
    • これまでの捜査・摘発による物証から、「EVL社が武器密輸を行っている」噂が事実であると確信したVCPDおよびバーチャコップ。
      巨大な悪を見逃すことのないレイジとスマーティはEVL社本社ビルに急行。地下駐車場からの強行突入を行い、黒幕の逮捕を目指す。
      • ビル外部や内部エントランスの序盤はおとなしいが、やはり敵の本拠地だけあって、オフィス突入後は敵の怒涛の攻勢が待ち受ける。
        攻撃速度はほぼ全員が尋常でなく速く、そんな敵を倒すごとに新たな敵が続々と現れるため、一瞬の油断が即被弾に繋がるといって良い。
        また、敵が人質を自らの前に飛び出させた上で狙いをつけてきたり、人質が乱戦の最中に出てくるなど、誤射という面でも非常に難しい。
    • ボスはEVL社の社長で一連の事件の黒幕である「エルドン・ヴァイル」。本人は生身での戦いを挑まず、自らのデスクの下に隠されていた小型戦車で攻撃してくる。
      • 移動用にキャタピラ、武装として右側にロケットランチャー・左側に機関銃を搭載しているが、これらは銃撃で破壊および弱体化が可能。
    • 初級→中級→上級の順でプレイしていると、各ステージで出ていた黒い戦闘ヘリ*9=真のラスボス「ジョー・ファング」がボス撃破後に登場する。
      • 彼は世界各国で指名手配中のテロリストであり、様々な組織で幹部を務めた切れ者。エルドン・ヴァイルの右腕として暗躍していた。
        戦闘では左右に飛びつつ、ヘリの左右に搭載されたロケットランチャーから、速度の異なる火炎弾とミサイルをそれぞれ連射してくる。
        エルドンのそれとは異なり、ヘリの武装は撃っても弱体化が不可能なので、攻撃をおろしながらひたすらヘリ本体に撃ち込むほかない。

評価点

  • 3Dポリゴンを用いた各演出
    • 3D空間を進みながら『バーチャファイター』のような人型の敵や人質が続々登場し、出現した敵にはズームイン・アウトが行われるなど、
      MODEL2基板を活かした臨場感は当時としては非常に高く、コナミの『リーサルエンフォーサーズ』には無かった斬新な演出でもあった。
      敵を撃った際のリアクションも、被弾した箇所を押さえながら倒れる、大げさにきりもみしながら吹っ飛ぶなど、多彩に用意されている。
    • 敵に表示される「ロックオンサイト」もポリゴンを用いており、ズームインと共にサイトが合わさる演出は近未来感を感じさせる。
    • ガンシューティングゲームお約束の「ドラム缶が大爆発」といったド派手な演出も取り入れられており、爽快感も損なわれていない。
  • 「ロックオンサイト」の存在
    • 『リーサルエンフォーサーズ』とは異なりどの敵が攻撃を行ってくるかが分かるため、初心者でも理解しやすいデザインとなっている。
      これを逆手にとって、サイトの表示がされない攻撃を行う敵を要所要所で配置するといった難易度調整という面でもうまく働いている。
    • 後にこのシステムはヒットメーカー(セガAM3研)が2000年に発売した『コンフィデンシャル ミッション』にAM2研の許諾*10の上で導入された。
  • 出来の良いサウンド
    • 作曲は以前に『エイリアン3 ザ・ガン』を担当し、後に『ガンブレードN.Y.』や『電脳戦機バーチャロン』を担当する小山健太郎氏。
      SF的な作品を得意とする氏だけあって、近未来感を感じさせる独特な音色にギターやドラム、オーケストラヒットが組み合わされた曲が主。
      曲のペースとしては意外にスローなものが多く、ボス戦や上級ステージ以外ではあまり緊張感を煽らないような作りであるのも特徴的。
    • 銃声などのSEも国内外のドラマやアクション映画で聞くようなものが使用されており、「刑事モノらしさ」も感じられるものとなっている。
      • 特にリロード時のSEはシリーズ作品を通して使用されたほか、ガーディアンの発砲音は『バーチャコップ3』でも再び使用されている。

賛否両論点

  • 激しめな難易度曲線
    • ステージ紹介で書いているように、初級ステージから人質と重なるように登場する敵が出てきたりと、難易度曲線がピンキリな面がある。
      全ステージの要所要所で人質が突然目の前に出てくる、画面の端や壁役の敵の裏から敵が素早く攻撃してくるなどの意地悪な配置も多め。
      総じて、簡単な場面やオートマチック使用時は簡単だが、上級ステージなどの難しい場面はシリーズ中でも上位に入る難しさと言える。
      • ボス戦もその傾向があり、初級・中級は生身故に弾1発で怯ませられ、攻撃法も撃ち落とせるミサイルにほぼ終始するので難度は低め。
        上級は怯ませられない乗り物に搭乗し、かつ連射で攻撃をキャンセルしなければならない機関銃もあるため、そこそこの強さである。
        ラスボスも上級ボスからの連戦・乗り物に搭乗・攻撃法はミサイルのみだが弾速が速くかつ4発ほど連射してくるため、難度は高い。
    • ライフ回復は筐体のゲーム説明には書いてあるが、入手が難しくほぼ隠し要素であるという点も難度の高さに拍車をかけている。
    • 後の同社製・同ルールのゲームと比べると各所で若干の不親切さが垣間見えるが、腕前があればノーコンティニュークリアは可能である。
      また上記の攻撃が激しい場面であっても、どうやってもダメージが回避できない理不尽な攻撃は存在しないため、極めるとノーダメージクリアも十分可能。
  • 誰もプレイしていない際に流れるアドバタイズデモが地味
    • 3Dゲームの黎明期故か、アドバタイズデモは初級ステージの埠頭での「ゲームルールの説明」と「オープニングデモ」の2つだけしかない。
      そのため、一見客にはどのような流れで進み・遊べるゲームなのかが分かりづらく、他にどのようなステージが登場するかも一切分からない。
    • この点は『2』でも改善されず*11、2003年リリースの『3』でようやく「各ステージのプレイデモ」が挟まれるようになり解決した。

問題点

  • 得点表示が7桁でカウンターストップ(9,999,999点が上限)する
    • スコア倍率を9倍に維持した状態で「3ポイントショット」「ジャスティスショット」を連発すると容易にカウンターストップしてしまう。
      そのため、ハイスコアを競うスコアラー間ではこれがあまりに容易であったことから不評を買い、ゲーム雑誌のスコア集計も早期に終了した。
    • 後の移植版ではすべて8桁に増やされており、カウンターストップが無くなった。
  • 真のエンディングを見るにはステージ順が固定されてしまう
    • 練習用途や各ステージのエンディングを見る場合にしか他のステージを選択する必要が無いのは痛いところと言える。
  • ライフルの使い勝手が悪い
    • その性質により事実上8回しか撃てない、一般市民への誤射のリスクが孕む、マシンガンと異なり単発撃ちができないなどと欠点が目立つ。
      3点バースト連射で近距離の敵に対して3ポイントショットを取りやすい利点こそあるものの、プレイヤーからは要らない武器扱いされがち。
      • この点は『2』でもそのままだったが、『3』でのライフル「G36C」はフルオート連射への変更など各性能が強化*12されている。

総評

『バーチャシリーズ』では初の革新的なテクスチャ付き3Dポリゴンを用いたことで、現在の一般的な3Dガンシューティングゲームの礎を築いた作品。
類似作の『リーサルエンフォーサーズ』から差別化や難度調整も行われてより万人向けの作品となっており、その品質は今でも十分に良作と言える。
稼働から約25年を経た現在は『1』は『2』以上に希少となっている。このジャンルに興味のある人ならば、見かけたら是非プレイしてみるべきだろう。


余談

  • 上級ステージの舞台であるEVL社の入口周辺やエントランスロビーは当時のセガの本社がモデルで、規模を大きくさせたものとなっている。
    該当ビルは2019年に取り壊されたために現存しないが、エントランスの左端にあるエスカレーターなどの雰囲気は本作から感じ取れる。
  • 通常ではお目にかかれないテストモード内には、各種の没データが多数収録されている。
    • 基板上のディップスイッチを変更することにより、通常では変更できない「HUMAN TYPE」や「RELOAD TYPE」の箇所が変更される。
      前者は敵の被弾個所にロボットの様にスパークが走るエフェクトが入り(ROBOT)、後者は弾切れ時に自動でリロード(AUTO RELOAD)される。
      • 倒した敵にスパークが走る着弾エフェクトは、後に『3』にてガーディアンの「低殺傷弾を撃てる」設定を活かす形で正式導入された。
    • サウンドテストでは敵用に使われているボイスの他に、主人公2人を含めたカットシーン用と思わしき没台詞が多数収録されている。
      • 当初は後々の『THE HOUSE OF THE DEAD』や『3』の様なストーリー解説用の本格的なカットシーンが入る予定だったと推測できる。
    • エミュレーターでの映像となるが、隠し設定没ボイスが確認できる。
  • 本シリーズと同じAM2研製の『バーチャファイターキッズ』の家庭用移植版では、パイのエンディングで今作が取り上げられている。
    • 内容はアクション女優であるパイが倉庫でスタントを繰り広げるもので、デフォルメされた黒服やコングもゲスト出演している。

移植

1995年11月24日にセガサターン版が発売され、1年後の1996年10月25日にサターン版ベースのWindows PC版が発売された。
また、2002年8月15日にはプレイステーション2に『バーチャコップ リ・バース』として下記の『2』と共にリメイク移植されている。

  • セガサターン版・Windows版はAM2研の別チームによる移植であり、非常に高い精度の移植がなされている。
    専用コントローラーとしてアーケード版とほぼ同じ造形*13の「バーチャガン」が同時発売・同梱発売された。
    • アーケードモードのほか、射撃練習場での射撃練習および2人対戦モードが可能な「トレーニングモード」や、
      難易度ノーマル・ライフ5個・コンティニュー無しでの腕前が査定*14される、『バーチャファイター』譲りの「段位認定モード」が追加。
      BGMは全てアレンジ版となり、アーケード版では未使用に終わっていたBGMの幾つかが「トレーニングモード」で使用されている。
    • オプションも変更範囲が幅広く、3段階の難易度変更のほか、コンティニュー回数・ライフ数はそれぞれ最初から9回・9個に設定可能。
      各プレイヤーの攻撃判定の範囲調整「GUN LOOSENESS」、ロックオンサイト表示のオンオフ切替といった難易度を更に上昇できるものや、
      ラスボス撃破後に追加される項目には各ステージが左右反転するミラーモード、武器アイテムをポーズ中に選べる「GUN SELECT」もある。
      • 設定次第で低難度にも更なる高難度にも調整することが可能で、初心者にとっても設定を変えればゲームを楽しみやすくなっている。
  • バーチャコップ リ・バース』に関しては該当ページを参照。

バーチャコップ2

【ばーちゃこっぷつー】

ジャンル ガンシューティング


対応機種 アーケード(MODEL2A)
発売・開発元 セガ・エンタープライゼス
稼動開始日 1995年9月
プレイ人数 1~2人
判定 良作
ポイント 前作をベースに57.5fps化
アクションシーンが増加
難易度曲線も順当化
バーチャシリーズ

概要(2)

前作のヒットを受け、AM2研の別チームがMODEL2の改良版「MODEL2A」基板にて開発した第2作目。
「NONSTOP 3DCG SHOOTING GAME」というキャッチコピー通り、描写速度が前作の30fpsから57.5fpsとなり滑らかとなった他、
各ステージでカーチェイス・豪華客船内での追跡・電車内での乱戦といった動的な要素や、2択制のルート分岐が導入された。


ストーリー(2)

EVL社の事件から1年後。バーチャシティポリス第2分署特捜課に新たに女性捜査官ジャネット・マーシャルが配属された。
犯罪心理分析のプロフェッショナルである彼女を加え、レイジ、スマーティらバーチャコップは新たな事件の捜査に当たる。
それは、EVL社の背後関係の捜査が進む中、この街の巨大銀行であるバーチャシティバンクの副頭取が遂げた謎の事故死。
彼が資金浄化を行ったEVL社の莫大な闇資金の消失、そして武装強盗団による強盗事件。何か大掛かりな計画が進んでいる。
果たして、バーチャコップは街の平和を武装強盗団やテロリストによる破壊と暴力の手から守れるのだろうか?


システムの変更・追加点

基本的なシステムはほぼ前作と同じだが、スコアシステムの大幅な変更やルート分岐システムなどが新たに採用された。

  • スコアシステムの変更
    • 前作のAC版で容易にカウンターストップが達成されたためか、前作と比べて敵を倒した際のスコア自体が大幅に減った。
      また、倍率は廃止され、ロックオンサイトが出てから時間がたつほど撃破時の得点が減少していくというシステムとなった。
      • 撃破時の得点は下限が200点、上限は500点。ロックオンサイトが未表示の敵を倒した際は250点となった。
    • 「3ポイントショット」「ジャスティスショット」システムは継続したが、後者は5倍の倍率がかかるボーナスに変更された。
  • ルート分岐システムの追加
    • 初級・中級ステージの中盤では、2つある行き先看板のうち1つを撃つという形で次に進むルートの選択を迫られる。
      各ルートで敵配置などの難易度や獲得できるスコアや武器アイテムも多少変わるため、特定ルートを選択する必要性もある。
  • キャラクター選択システム
    • ゲームスタート時に1P側・2P側のどちらを使用しているか/最初のステージをどれにするかで、使用するキャラクターが変わる。
      ゲームプレイには直接影響しないが、各ステージの開始・終了時に登場する他、被弾時とコンティニュー時の台詞が異なる。
      • 原則として1P側がレイジ・2P側がジャネット、スマーティは1P側では中級・2P側では上級スタートで使用可能。
  • 成績によるランクシステム
    • 前作移植版の「段位認定」に近い要素。ゲーム終了時にプレイヤーの腕前が全11段階(通常9つ・隠し2つ)でランク付けされる。
      獲得スコア、逮捕したギャングの人数、ジャスティスショット・3ポイントショット・人質誤射の回数から査定がなされる。
      • 非プレイ時のランキングにも階級章が表示されるため、特殊条件を満たす事が必須の隠しランクも取得する価値がある。
  • その他
    • デフォルト設定のゲーム開始時のライフ数が5個から4個へ変更された。最大数が9個なのは前作と同じ。

ステージ一覧(2)

前作同様、各ステージは「初級」「中級」「上級」の3つだが、今作のみ順不同でクリアしてもラスボスが登場するようになっている。

+ 『2』各ステージ紹介
  • 武装強盗団を逮捕せよ!(初級)
    • ダウンタウンの宝石店を件の武装強盗団が襲撃。VCPDの一般警官が現場に急行するが敵の猛攻を受け、撤退を余儀なくされてしまう*15
      遅れて到着したバーチャコップは店の内外の強盗を制圧するが、強盗団が車で逃走し、激しいカーチェイスを繰り広げることとなる。
    • 前作と比べて序盤の配置は優しいが、カーチェイス時は視点が不安定なため、敵の現れる場所が車と限定されていてもかなり撃ちづらい。
      ルート分岐は、カーチェイスにて跳ね上げ橋や大通りのある街中「ダウンタウン」か、高速道路+下道の「シーサイドドライブ」から選択。
    • ボスは武装強盗団の幹部で怪力の持ち主「ボビー・ルイス」。左右に高速移動してからのミサイルランチャーの連射が主な攻撃法。
      • 一定のダメージを与えると、怪力を活かした物の投げ付けを織り交ぜ始め、最後は逃走用のバンを投げた後に命中攻撃を撃ち続ける。
  • 市長誘拐を阻止せよ!(中級)
    • バーチャシティの市長が街の10番埠頭にて武装強盗団に襲撃された。強盗団に追われ、逃げ惑う市長をバーチャコップも追っていく。
      戦いの場は埠頭から豪華客船「アレキサンドラ号」に移り、パーティルームや客室、厨房など各所が銃撃戦の舞台となってしまう…。
    • 説明にある通り、主な舞台は豪華客船。前作の工事現場とは真逆で閉所を活かした不意打ちが多くなっており、人質や障害物も多い。
      ルート分岐は、厨房・ホール経由の「デッキ」か、客室・商店経由の「ブリッジ」から選択。このステージのみボス戦の場所も変わる。
    • ボスは武装強盗団の幹部で市長誘拐を指揮していた、武装ロケットベルトを身に着けた5人組の男たち「エアロ・ダイバーズ」。
      • 各々飛び回りながらミサイルを発射してくるが、一定のダメージを与えると撃墜でき、人数が減ると稀に直接切り付けてくることもある。
  • 地下鉄テロを阻止せよ!(上級)
    • 市内の地下鉄「ジオメトロ」の駅がテロリストに占拠された。現場に急行したバーチャコップは駅構内・電車内のテロリストを制圧していく。
      バーチャコップは電車内で敵と戦いながら隣駅に到着、敵を追って別の電車に乗りまた地下へ潜っていくが、そこにはテロリストのアジトが…。
    • 前作同様に敵の攻撃速度が速く物量攻めも多いが、敵が登場する場所が限定的でわかりやすく、その点では難度は前作よりも抑えられている。このステージのみルート分岐が存在しない。
    • ボスは軍用兵器で武装したテロ部隊のボス「ガース・ブラッドレー」。前作のエルドンと同様、自作の戦車「キャットタンク」に乗り込んで攻撃してくる。
      • 移動に装甲付キャタピラー、上部と側面にロケットランチャー、側面上部に大型の爪型アームを持つが、やはりこれらは銃撃で破壊が可能。
        戦車を破壊しても、爆風でガースがプレイヤーの目前に落ち、手に持ったスパナで殴ってくるので、ガースに数発撃ち込まなければならない。
  • 飛行船爆弾を食い止めろ!(隠しステージ)*16
    • 上級ステージでのテロリストのアジトは初級ステージの終点である工事現場だった。そして、そこから飛び立った飛行船は爆弾を積んでいた。
      それを追い地上へ出たレイジとスマーティの前に、前作で死亡したはずの「ジョー・ファング」が復讐を果たすべく現れ、最後の戦いが始まる。
      • 今作でのジョーはエアロ・ダイバーズの強化版にあたり、速度の遅いミサイルと速度の速い青色の電磁ビーム弾の2つを連射してくる。

評価点(2)

  • より万人向けとなった内容
    • アクションシーンの増加
      • 前作の基本システムはほぼそのままに、街中でのカーチェイス・船内での追跡・揺れる電車内での乱戦とアクション要素を増したのは好評。
        描写速度の向上も相まって、刑事モノの雰囲気だけでなく、派手なアクション映画の様な緊迫感や臨場感、スピード感の付与に成功している。
    • 難易度曲線のマイルド化
      • 序盤は優しく、以降徐々に難しくなる手法は前作同様だが、今作では敵の出る場所が全体的に分かりやすくなり、前作での苛烈さが若干薄れた。
        これによって前作での上級の様な「武器アイテムの有無で難度が大きく変わる場面」も若干減り、通常装備でもいくらか突破しやすくなった。
      • こちらを攻撃してこないダミーの敵は登場時に「HEY!」と挑発の声を出すようになり、サイトの有無も併せてフェイントと判別しやすくなった。
    • 成績ランクシステムの導入
      • 今回のプレイの情報がほぼ分かるため、成績結果で競えたり、やりこみ時の研究・参考になったりと、どの客層にも嬉しい機能と言える。
        各ランクが階級章の様なデザインとして表示されるという、警察官という舞台設定的にも理にかなった形で描写がなされているのも細かい。
    • ラスボスの出現条件が無くなった
      • これにより各ステージの攻略順に自由が生まれ、苦手なステージを先に・得意なステージを後にするといった攻略法が取れるようになった。
  • 相変わらず出来の良いサウンド
    • 作曲者は『バーニングライバル』や『バーチャストライカー』を担当し、後に『スカッドレース』などを担当する宮本英明氏に交代。
      ゲーム内容に合わせ前作よりも緊張感を煽る曲が多いが、アドバタイズデモの「Go Ahead」や「Big Chase」は軽やかな曲調で印象に残る。
  • 個性が付与された主人公達
    • 前作ではオープニングとエンディングのみに登場していた主人公らは台詞が正式に与えられ、各ステージの開始・終了時に姿を見せるようになった。
      キャラクターによって開始時やコンティニュー時の台詞が違うのはもちろん、ステージ終了時には決めポーズを取るなど、適度に個性を見せてくれる。
      • また、ステージ中の特定箇所では主人公らが状況に応じた台詞を言うようになり、それによる臨場感も新たに与えられている。
    • 今作で新たに加入した紅一点のジャネットも、男性プレイヤーを中心に人気を博し、女性客にも本作へのとっつきやすさを与えたと言える。

賛否両論点(2)

  • 前作と同一性能の武器アイテム
    • つまり、ライフルの如何ともしがたい使い勝手の悪さは改善されず、オートマチックの圧倒的な使い勝手の良さはそのまま引き継がれている。
    • ただし開発側もこの点を見越してか、上級ステージには前作と異なりオートマチックは登場せず、マシンガンとショットガンのみが登場する。
      ショットガンが出現するシーン3は「遠距離から狙う敵が多い、人質が登場しない」と、ショットガンの性質を生かせる敵配置となっている。

問題点(2)

  • 中級ステージの「ブリッジ」ルートで敵が無敵になるバグがある
    • 条件は不明だが、コレが発生するとゲーム進行が不可能となるため、安定したクリアを目指す場合は「デッキ」ルートに固定化されてしまう。
      • そもそも、このルートはデッキと比べて敵の不意打ちや人質の意地悪な配置が明らかに多く難度自体が高いため、選択する必要性が薄い。

総評(2)

前作をベースにアクション要素とボリュームを増し、グラフィックの進化や適度な難易度曲線もあって、より万人に楽しめるように正当進化した良作。
前作が「同社の3Dガンシューティングゲームの礎を築いた作品」であるならば、今作は「このジャンルの地位を強固なものとした作品」と言えるだろう。
今作の各技術は後の『THE HOUSE OF THE DEAD』などに活かされ、このジャンルはセガの得意分野となるが、シリーズ正当続編の登場は約8年後となる。


余談(2)

  • 筐体のゲームルール説明部をよく見ると、「Guardian of Virtua City」であるはずの文面が「Gurdian of Virtua City」と綴りを間違えている。
    海外の筐体所有者の調べによると、ハーフミラータイプの筐体側面にも同様のミスがあるが、シールの上張りで修正されているとのこと。
  • 前作ほどでは無いものの、テストモード内のサウンドテストには没BGMや、主人公やボスの没ボイスが収録されている。
    • ボイスに関しては主人公らは各キャラで同じ内容の台詞が収録されているが、ボスのボイスは完全に未使用のものが複数収録されている。
  • ステージの各所に点在するお遊び要素や、システム上の笑える突っ込みどころ
    • 初級ステージで2台登場し破壊される敵のバンには、本シリーズのタイトルと開発チームをもじった「Virtua Coffee AM R&D DEPT.#2」と書かれている。
    • カーチェイスで登場する車の大半はタイヤを撃つとクラッシュさせられるのだが、これは一般市民を乗せた車にも可能で、しかも誤射扱いにならない。
      • 「Please, Don't Shoot!(撃たないでくれ!)」と言っている市民が乗った車を撃ってクラッシュさせる主人公たち…こいつらおまわりさんです。
    • 中級ステージで登場する市長だが、プレイヤーが誤射をしても後の場面で登場し続ける。この事はセガサターンマガジンの記事でもネタにされた。
    • 上級ステージの電車内では、銃撃戦の真っただ中にもかかわらず座席で居眠りをしている一般市民がいる。しかもよく見ると目を開けたまま*17
      • 下記の移植版では新たに追加ルートで「ベンチで座って居眠りをする男女」が登場している辺り、確信的なネタ演出と言える。
  • セガとしては珍しく、同系列のシステム基板でバージョンアップではないれっきとした続編が作られた数少ないタイトルである*18

移植(2)

前作と同じく、1996年11月22日にセガサターン版、1年後の1997年12月5日にWindows PC版、2000年3月2日にドリームキャスト版が発売された。
また、2002年8月15日にはプレイステーション2に『バーチャコップ リ・バース』として上記の『1』と共にリメイク移植されている。

  • セガサターン版では外見の小変更が施された「バーチャガン」も発売され、バーチャガン同梱版や『1』とのセット版なども発売された。
    • こちらも移植担当はAM2研の別チームであり、ハードの性能上でグラフィック面は劣化*19したが概ね良い移植で、BGMもアレンジ版が使用されている。
      収録内容はアーケードモードとオプションのみだが、オプションで設定・変更できる項目は前作と同じものに加え、隠し要素を含む多数の項目*20を収録。
      また、上級ステージでは駅を出てカーチェイスを行う「サターンウェイ*21」ルートが追加され、アーケード版のルートは「アーケードライン」となった。
  • PC版のみ、LAN/モデム/ケーブルに対応した通信協力/対戦プレイに対応し、対戦モード「Proving Ground」*22が収録されている。

続編

同一のシステムを使用した作品が2つ、世界観を共有する作品が2つ存在する。以下、リリース順に掲載。

  • コンフィデンシャル ミッション(2000年)
    • セガの子会社であるヒットメーカー(セガAM3研)がNAOMI基板で開発。基本システムが『バーチャコップ2』とほぼ同一で、姉妹作と言える作品。
      諜報機関「CMF(Confidential Mission Force)」のエージェントとなり、軍事衛星をジャックしたテロ組織「アガレス」との銃撃戦を繰り広げる。
    • 007シリーズ」や「ミッション:インポッシブル」などのスパイ映画がテーマの作品であり、各所で秘密兵器を用いたミニゲームが差し込まれる。
  • バーチャコップ3(2003年)
    • AM2研がXbox互換のChihiro基板で開発した正統続編。前作から5年後、生物データの強奪を行う謎の敵組織に対し、レイジとスマーティが立ち向かう。
      Chihiro基板のパワーを活かし、グラフィックは当時最高峰レベルにまで進化。各エフェクトも美麗で、それが多い場面では処理落ちを起こすほど。
    • 基本システム的には『1』のスコアシステムと『コンフィデンシャル ミッション』のミニゲーム・多数の敵にロックオンサイトが付く要素が導入されている。
      その上に新システムとして、筐体の下部に追加されたペダルを踏むことで、敵の銃弾を撃ち落とせるほど時間の流れが遅くなる「E.S.モード」が追加されている。
      • 初期出荷版では点数表示は8桁だったが、高倍率状態のE.S.モードで弾を弾く点稼ぎでカウンターストップが達成され、後期版では9桁に変更された。
    • エアガンメーカーの「東京マルイ」「KSC」の協力により、使用するガンコントローラーや武器アイテムのシステムが刷新、各銃の名称も実名化した。
      • 通常装備は装弾数9+1発*23の自動式拳銃「ガーディアンII」に進化し、オートマチックは統合・廃止。
        武器アイテムは弾が有限化し、継続使用には特定の敵や背景物を撃つと出る同じ武器アイテムまたは弾薬アイテムの取得が必要となった。
        コントローラーには武器切り替えボタンが追加。武器を通常装備に切り替えておくと、ライフが減った際に武器アイテムを失わずに済む。
    • シリーズ作品ではこれと『OPERATION G.H.O.S.T』のみ家庭用移植がなされていない。
  • ゴースト・スカッド(2004年)
    • AM2研がChihiro基板で開発した外伝作品。要人や人質救出を行う極秘の特殊部隊「ゴースト・スカッド」とテロ組織「蒼い狼」の戦いを描く。
      『バーチャコップシリーズ』とは世界観を共有し、『3』での主人公らの制服類は今作に於いて試作品がテストされていたという公式設定がある*24
    • ガンコントローラーは作中で主人公らが使う銃と同形状*25で、射撃モード切替装置や、前部グリップには各所で用いるアクションボタンを搭載している。
    • ロックオンサイトは存在せず、敵の攻撃直前に赤い円形のサイトが表示される「Eマーカー」に変更、スコア関連のシステムも独自性*26を持つ。
      また、専用のICカードに対応しており、購入・使用すると成績が経験値として貯まっていき、レベルアップで新たな銃火器・戦闘服を入手できる。
    • 2007年10月25日にはWiiにICカード機能を個別のセーブデータに差し替える形で移植され、4人プレイの「パーティー」モードや射撃練習モードが追加されている。
      「パーティー」では主人公や敵が忍者・武器が手裏剣になる「忍者モード」、雑魚敵が水着姿の女性・武器が水鉄砲となる「パラダイスモード」も用意。
    • 海外市場向けに、ICカード機能を廃止して経験値による解禁要素を最初から選択可能になった『ゴースト・スカッド エヴォリューション』が存在する。
  • OPERATION G.H.O.S.T(2012年)
    • 韓国のSkonecがRINGWIDE基板で開発した『ゴースト・スカッド』の精神的続編。基本内容は同作を引き継いでいるが各所で簡素化がなされている。
      ICカード機能が廃止されたため、武器や戦闘服の入手・変更システムなどの繰り返しプレイの要素が廃止され、各ルート分岐も減少している。
    • 敵の攻撃を示すマークはカウントダウン式(危険度は3→2→1で示され、0で攻撃される)となったが、敵の配置が厳しく、難易度はかなり高い。
      ボス戦では攻撃キャンセルの為に必要な弾数も多く、2面では難易度のランクが高い状態だとボスの投げる手榴弾が破壊できずに強制ダメージとなるバグも存在する。
    • ただ、グラフィック面では開発元がVRゲームを得意とするだけあり、近未来感のあるUIやエフェクトが多く、その点は高評価を受けている。
最終更新:2025年03月15日 17:16

*1 なお、発砲後の弾倉の回転方向は左回転。グリップ部はベークライト製とも木製とも取れる見た目。

*2 フルオートは秒間6発程度で手動で連射した方が早く連射できる。

*3 海外ではDXタイプ、Pタイプをベースに日本仕様と異なる独立式のガンホルダー兼コントロールキャビネットを採用した筐体もある様子。

*4 最後の採用作品は2004年の『ゴースト・スカッド』。

*5 業界紙「ゲームマシン」第486号での紹介によると、拡大後の画面サイズは33インチとの事。

*6 最後の採用作品は2003年の『バーチャコップ3』。

*7 これはゲーム内での発射・着弾エフェクトと同じ。また、日本国外に於ける「銃の形をしたもの」は、本物の銃との誤認や悪用される危険性が高いため、黒以外の派手な色とする事が義務付けられてもいる。

*8 最後の採用作品は2001年の『ルパン三世 THE SHOOTING』。

*9 デザイン的には当時開発中であったRAH-66 コマンチに酷似しているが、本作開発中の1993年当時にコマンチのデザインが公表されていたかは不明。

*10 PS2版『リ・バース』のAM2研スタッフのチャットコーナーにて、スタッフの1人が「ヒットメーカー社長の小口久雄氏がYUさん(鈴木裕氏?)に頼み込んだ」と発言している。

*11 同社製のフル3Dガンシューティングゲームで言えば、本作と同年の1994年にリリースされた『レールチェイス2』が「各ステージのプレイデモ」を導入し始めた程度であった。

*12 弾数制限こそあるがリロード可能となり、同作のマシンガン「MP7」と比べると連射速度は落ちるが1発の威力が高く(初期武器と同じ)、装弾数も10発多い30発と、明確に差別化された。

*13 アーケード版と比べると、外装色を黒に変更、銃前方側面にスタートボタンが追加され、パーツの肉厚減(3分の2)による軽量化と固定用ネジ・各刻印の削減が行われている。

*14 獲得スコア、命中率、ジャスティスショット数、銃撃で倒した敵の数、ロックオンサイトが付いてから1発目を撃ち込むまでの平均時間、ステージクリア率から査定。

*15 この一連の流れはオープニングデモで描写されている。

*16 このステージではキャラクターが1P側レイジ、2P側スマーティで固定される。また、アーケード版ではステージ名表示画面が無く、黒い画面でステージ名が読み上げられるのみ。

*17 下記のセガサターン版ではテクスチャが低解像度なため、目の周辺がぼやけており目を瞑って眠っているように見える。

*18 他にあるのはNAOMI基板の『エイティーン・ホイーラー』および『ザ キング オブ ルート66』、『パワースマッシュ』(1・2)程度。ただし『W.C.C.F』『ネットワーク対戦クイズ Answer×Answer』『頭文字D ARCADE STAGE』等、ナンバリングが上がっても内容的には既存要素やグラフィックを殆どそのままに新要素をプラスした、メジャーアップデートと言える作品は省く。

*19 他にも主人公らの台詞がスタート時のやりとりを除いて軒並み削除されている。

*20 オートリロード機能や、スコアシステムとロックオンサイトを前作仕様に変えられる「GAME MODE」、キャラの頭身を変える「BIG HEAD MODE」など。

*21 ドリームキャスト版では「DCウェイ」に変更。

*22 各プレイヤーで複数用意された「攻撃/突入ポイント」のうち1つを選び、敵や一般市民の中に紛れた対戦相手を時間内に撃てるかを競う。

*23 着脱式弾倉を使用するタイプの銃では、弾の装填(トリガーを引けば発砲できる状態)を行った後に弾倉を入れ替える(リロードする)と通常時よりも1発多く弾を撃てる…という現実での仕組みが再現されている。

*24 つまり時系列的に今作は『3』の前にあたる。

*25 『3』と同様、「東京マルイ」がガンコントローラーの設計などでゲーム開発に協力している。

*26 E.S.モード、ジャスティスショット、3ポイントショットが存在せず、敵を登場直後に撃つ・頭部を撃って倒すなどの「特殊部隊らしい敵の倒し方」を行うとボーナス点が入るほか、『コンフィデンシャル ミッション』と同様に背景物を破壊しても得点が入る。