本項では『バーチャコップ』『バーチャコップ2』を併せて紹介します。判定はどちらも「良作」です。
【ばーちゃこっぷ】
ジャンル | ガンシューティング | ![]() ![]() |
対応機種 | アーケード(MODEL2) | |
発売・開発元 | セガ・エンタープライゼス | |
稼動開始日 | 1994年9月 | |
プレイ人数 | 1~2人 | |
判定 | 良作 | |
ポイント |
テクスチャ付きガンシューティングゲームの元祖 同社のフル3Dガンシューティングゲームの始祖 |
|
バーチャシリーズ |
『バーチャレーシング』『バーチャファイター』を手掛けた鈴木裕氏による『バーチャシリーズ』の第3弾として、1994年に第1作目がリリースされたフル3Dのガンシューティングゲーム。
開発はAM2研が行い、基板には『デイトナUSA』で当時最高峰の3Dポリゴン描写力とテクスチャマッピングを見せつけた「MODEL2」を採用し、従来では難しかった臨場感や未来感を実現した。
ゲームシステムは1992年のコナミ製の『リーサルエンフォーサーズ』とほぼ同じだが、本作は滑らかで迫力のある3Dポリゴンの描写が受け、後の同社の3Dガンシューティングゲームの礎となった。
ウォーターフロントの近未来都市「バーチャシティ」。
その平和を守るバーチャシティポリス(VCPD)に、「この街の大企業「EVL社」がギャングやテロリストなどの犯罪組織に武器を密売している」との噂が入る。
この噂に対しVCPDは捜査に乗り出すも、この捜査を行っていた敏腕刑事ジョナサン・ハーディが何者かに暗殺されてしまい、捜査は打ち切られたかに見えた。1か月後、ジョナサンの息子であるマイク・ハーディ(通称レイジ)は父の敵を討つべく刑事となり、VCPD第2分署に新設された「特捜課」に配属された。
レイジは分署一の射撃の名手、ジミー・クールス(通称スマーティ)とコンビを組み、父が遺した1枚の写真を頼りに、武器密売組織との戦いを繰り広げる。
ハイテクを駆使した強力な武器と装備に身を固め、凶悪犯罪に立ち向かう第2分署特捜課。バーチャシティの人々は彼らを「バーチャコップ」と呼んだ…。
+ | プレイヤーの使用できる武器・アイテム一覧 |
『バーチャコップ』『バーチャコップ2』で計4種類の筐体が出回った(*3)。
何れもゲーム内容に変わりはないが、プレイ感覚はそれぞれで多少異なる。
DX(デラックス)タイプ
Pタイプ
アップライトタイプ
ガンコントローラー
各ステージは「初級」「中級」「上級」と分かれているが、真のエンディングを見るためには初級→中級→上級の順でのプレイが必須となっている。
+ | 『1』各ステージ紹介 |
『バーチャシリーズ』では初の革新的なテクスチャ付き3Dポリゴンを用いたことで、現在の一般的な3Dガンシューティングゲームの礎を築いた作品。
類似作の『リーサルエンフォーサーズ』から差別化や難度調整も行われてより万人向けの作品となっており、その品質は今でも十分に良作と言える。
稼働から約25年を経た現在は『1』は『2』以上に希少となっている。このジャンルに興味のある人ならば、見かけたら是非プレイしてみるべきだろう。
1995年11月24日にセガサターン版が発売され、1年後の1996年10月25日にサターン版ベースのWindows PC版が発売された。
また、2002年8月15日にはプレイステーション2に『バーチャコップ リ・バース』として下記の『2』と共にリメイク移植されている。
【ばーちゃこっぷつー】
ジャンル | ガンシューティング | ![]() ![]() |
対応機種 | アーケード(MODEL2A) | |
発売・開発元 | セガ・エンタープライゼス | |
稼動開始日 | 1995年9月 | |
プレイ人数 | 1~2人 | |
判定 | 良作 | |
ポイント |
前作をベースに57.5fps化 アクションシーンが増加 難易度曲線も順当化 |
|
バーチャシリーズ |
前作のヒットを受け、AM2研の別チームがMODEL2の改良版「MODEL2A」基板にて開発した第2作目。
「NONSTOP 3DCG SHOOTING GAME」というキャッチコピー通り、描写速度が前作の30fpsから57.5fpsとなり滑らかとなった他、
各ステージでカーチェイス・豪華客船内での追跡・電車内での乱戦といった動的な要素や、2択制のルート分岐が導入された。
EVL社の事件から1年後。バーチャシティポリス第2分署特捜課に新たに女性捜査官ジャネット・マーシャルが配属された。
犯罪心理分析のプロフェッショナルである彼女を加え、レイジ、スマーティらバーチャコップは新たな事件の捜査に当たる。
それは、EVL社の背後関係の捜査が進む中、この街の巨大銀行であるバーチャシティバンクの副頭取が遂げた謎の事故死。
彼が資金浄化を行ったEVL社の莫大な闇資金の消失、そして武装強盗団による強盗事件。何か大掛かりな計画が進んでいる。
果たして、バーチャコップは街の平和を武装強盗団やテロリストによる破壊と暴力の手から守れるのだろうか?
基本的なシステムはほぼ前作と同じだが、スコアシステムの大幅な変更やルート分岐システムなどが新たに採用された。
前作同様、各ステージは「初級」「中級」「上級」の3つだが、今作のみ順不同でクリアしてもラスボスが登場するようになっている。
+ | 『2』各ステージ紹介 |
前作をベースにアクション要素とボリュームを増し、グラフィックの進化や適度な難易度曲線もあって、より万人に楽しめるように正当進化した良作。
前作が「同社の3Dガンシューティングゲームの礎を築いた作品」であるならば、今作は「このジャンルの地位を強固なものとした作品」と言えるだろう。
今作の各技術は後の『THE HOUSE OF THE DEAD』などに活かされ、このジャンルはセガの得意分野となるが、シリーズ正当続編の登場は約8年後となる。
前作と同じく、1996年11月22日にセガサターン版、1年後の1997年12月5日にWindows PC版、2000年3月2日にドリームキャスト版が発売された。
また、2002年8月15日にはプレイステーション2に『バーチャコップ リ・バース』として上記の『1』と共にリメイク移植されている。
同一のシステムを使用した作品が2つ、世界観を共有する作品が2つ存在する。以下、リリース順に掲載。
*1 なお、発砲後の弾倉の回転方向は左回転。グリップ部はベークライト製とも木製とも取れる見た目。
*2 フルオートは秒間6発程度で手動で連射した方が早く連射できる。
*3 海外ではDXタイプ、Pタイプをベースに日本仕様と異なる独立式のガンホルダー兼コントロールキャビネットを採用した筐体もある様子。
*4 最後の採用作品は2004年の『ゴースト・スカッド』。
*5 業界紙「ゲームマシン」第486号での紹介によると、拡大後の画面サイズは33インチとの事。
*6 最後の採用作品は2003年の『バーチャコップ3』。
*7 これはゲーム内での発射・着弾エフェクトと同じ。また、日本国外に於ける「銃の形をしたもの」は、本物の銃との誤認や悪用される危険性が高いため、黒以外の派手な色とする事が義務付けられてもいる。
*8 最後の採用作品は2001年の『ルパン三世 THE SHOOTING』。
*9 デザイン的には当時開発中であったRAH-66 コマンチに酷似しているが、本作開発中の1993年当時にコマンチのデザインが公表されていたかは不明。
*10 PS2版『リ・バース』のAM2研スタッフのチャットコーナーにて、スタッフの1人が「ヒットメーカー社長の小口久雄氏がYUさん(鈴木裕氏?)に頼み込んだ」と発言している。
*11 同社製のフル3Dガンシューティングゲームで言えば、本作と同年の1994年にリリースされた『レールチェイス2』が「各ステージのプレイデモ」を導入し始めた程度であった。
*12 弾数制限こそあるがリロード可能となり、同作のマシンガン「MP7」と比べると連射速度は落ちるが1発の威力が高く(初期武器と同じ)、装弾数も10発多い30発と、明確に差別化された。
*13 アーケード版と比べると、外装色を黒に変更、銃前方側面にスタートボタンが追加され、パーツの肉厚減(3分の2)による軽量化と固定用ネジ・各刻印の削減が行われている。
*14 獲得スコア、命中率、ジャスティスショット数、銃撃で倒した敵の数、ロックオンサイトが付いてから1発目を撃ち込むまでの平均時間、ステージクリア率から査定。
*15 この一連の流れはオープニングデモで描写されている。
*16 このステージではキャラクターが1P側レイジ、2P側スマーティで固定される。また、アーケード版ではステージ名表示画面が無く、黒い画面でステージ名が読み上げられるのみ。
*17 下記のセガサターン版ではテクスチャが低解像度なため、目の周辺がぼやけており目を瞑って眠っているように見える。
*18 他にあるのはNAOMI基板の『エイティーン・ホイーラー』および『ザ キング オブ ルート66』、『パワースマッシュ』(1・2)程度。ただし『W.C.C.F』『ネットワーク対戦クイズ Answer×Answer』『頭文字D ARCADE STAGE』等、ナンバリングが上がっても内容的には既存要素やグラフィックを殆どそのままに新要素をプラスした、メジャーアップデートと言える作品は省く。
*19 他にも主人公らの台詞がスタート時のやりとりを除いて軒並み削除されている。
*20 オートリロード機能や、スコアシステムとロックオンサイトを前作仕様に変えられる「GAME MODE」、キャラの頭身を変える「BIG HEAD MODE」など。
*21 ドリームキャスト版では「DCウェイ」に変更。
*22 各プレイヤーで複数用意された「攻撃/突入ポイント」のうち1つを選び、敵や一般市民の中に紛れた対戦相手を時間内に撃てるかを競う。
*23 着脱式弾倉を使用するタイプの銃では、弾の装填(トリガーを引けば発砲できる状態)を行った後に弾倉を入れ替える(リロードする)と通常時よりも1発多く弾を撃てる…という現実での仕組みが再現されている。
*24 つまり時系列的に今作は『3』の前にあたる。
*25 『3』と同様、「東京マルイ」がガンコントローラーの設計などでゲーム開発に協力している。
*26 E.S.モード、ジャスティスショット、3ポイントショットが存在せず、敵を登場直後に撃つ・頭部を撃って倒すなどの「特殊部隊らしい敵の倒し方」を行うとボーナス点が入るほか、『コンフィデンシャル ミッション』と同様に背景物を破壊しても得点が入る。