カレイジアスペルセウス
【かれいじあすぺるせうす】
| ジャンル | リアルタイムロールプレイングアドベンチャーゲーム (アクションRPG)
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| 対応機種 | PC-8801シリーズ FM-7
 X1
 MSX
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| メディア | カセットテープ フロッピーディスク
 32KB ROM
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| 発売・開発元 | コスモス・コンピューター | 
| 発売日 | 【PC88/FM-7】1984年 【X1/MSX】1985年
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| 定価 | テープ版:4,800円 FD版:6,800円
 ROM版:5,800円
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| 配信 | プロジェクトEGG:2020年1月7日/無料(別途月額会員費) | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | アクションRPGの元祖(という説もある) 最強の敵カニ
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概要
ギリシャ神話を題材としたアクションRPG。勇者ペルセウスが妖魔ゴルゴンにより荒れた南の島を元に戻すために戦う。
『ドラゴンスレイヤー』『ハイドライド』と同時期に発売されたアクションRPG最初期の一作であるが、二作と比べるとかなりマイナー寄りな作品である。
『ドラゴンスレイヤー』がアクションRPGというよりパズルゲームに近かった事もあり、『ハイドライド』よりわずかに早く発売された本作がアクションRPGの元祖という説もある。
特徴
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プレイヤーはペルセウスとなり、島にはびこる魔物たちを倒しながらクリアを目指す。
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魔物を倒すことで出現する十二星座を表すアイテムか、3人の女神のどちらかを全て集めるとクリアとなる。
 
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ペルセウスにはパワー(持続力、HPを表す)、攻撃力、防御力のパラメーターがある。
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パワーは時間経過で少しずつ減っていき、敵を倒すと微量に回復する。また、島のどこかにある鐘のようなアイテムを取得すると大幅に回復できる。鐘の数は有限だが、まず上限には達しないため早く取っても無駄にはならない。
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スペースキーを押すと攻撃モードとなり、体当たりで敵を攻撃できるが体力の減りが早くなる。
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敵を倒していくと攻撃力、防御力が成長していき、倒せなかった敵を倒せるようになる。本作はこの工程を繰り返し、ペルセウスを強化して敵を殲滅していくのが基本となる。
 
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Stopキー(X1はESCキー)を押すとゲームを中断でき、セーブが可能。
評価点
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2種類のエンディング
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達成したクリア条件によりEDが変化し、それぞれで演出も異なる。内容は簡素だが当時のRPGとしては珍しい要素だった。
 
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パズル要素を備えたゲーム性
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本作は一定以上の攻撃力がないと敵にダメージすら与えられず絶対に倒せないというルールになっている。
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このため倒す敵の順番を手探りで探し出すというのが本作の醍醐味であり、パズル的な面白さに繋がっている。アイデアとしては悪くなかったのだが…。
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当時としては珍しく斜め地形など自然なマップを実現していた。
 
問題点
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ゲームバランスの悪さ
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プレイヤーはフィールドの狭い道だけしか歩けないのだが、敵側は地形を素通りしてくるため一方的に攻撃されやすい。前述の通り自分より強い敵にはダメージすら与えられないので一方的に嬲られることになってしまう。
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敵はあちこちに散らばっているため、倒せる敵を全て探し出すだけでも一苦労。地形の中に引きこもって攻撃できなくなる事もあり、地形と倒せない敵に挟まれるとパワーがどんどん減ってしまう。
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道が狭いうえに画面が切り替わった際に移動不能な地形の上に出てしまうことがあるため簡単に引っかかってスムーズに移動できないのも難点。
 
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島は広大なのだが道は一部でしか繋がっておらず、スムーズに移動するにはイカダに乗って島の周囲を移動する必要がある。だが、海には本作最強モンスターである巨大ガニが浮き上がってくる場所がある。カニがイカダに重なって出現すると問答無用でゲームオーバーになる。
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海のモンスター配置はランダムで切り替わるためカニが出るかも運が絡む。
 
 
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弱い敵を狩りつくすほど戦う必要があるため、ゲームが進むにつれ敵の種類は減っていき順番を探す楽しみも薄れていく。
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ノーヒントで順番を探っていく初回プレイこそある程度楽しめるが、順番がわかってしまえば作業となるため、2度遊ぼうという気にはなりにくいのも難点。
 
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FM-7版はリアルタイムキースキャンが不可能というハード側の問題で斜め移動が出来ないため、斜め移動を多用する本作では操作性に難がある。
総評
アクションRPG最初期の作品であり、探索要素、成長要素、リアルタイムの戦闘…とアクションRPGの基礎を押さえたゲームである。
ゲームの歴史的には偉大な作品と言えるが、ゲームルールとバランスの悪さから評価はあまり良くない。
発売日の近い『ハイドライド』が全て上回っていたため比較されて評価が低くなった感は否めず、悲運の作品と言えるだろう。
余談
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ゲーム開始時に生年月日の入力を求められるが、全く意味がない。
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初期ステータスや敵の配置が変化するといった違いは発生せず、何のための入力かも不明。何も入力せずともプレイできる。
 
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2020年になってプロジェクトEGGで無料配信された。別途月額会員費は必要だが、他にも名作や怪作も無料で遊べるので興味があれば利用してみるといいだろう。
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クリア直前のセーブデータ付きなので自力クリアできないプレイヤーも安心である。
 
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本作の開発会社であるコスモス・コンピューターは幾つかのアダルトゲームブランドを立ち上げており、それらのスタッフが立ち上げたのが後のD.C. ~ダ・カーポ~シリーズなどでお馴染みの「CIRCUS」である。
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『ハイドライド』の開発者である内藤時浩氏が本作が先に発売された事を悔しがったという逸話が残っている。
最終更新:2023年12月28日 21:01