アメリカ横断ウルトラクイズ 史上最大の戦い

【あめりかおうだんうるとらくいず しじょうさいだいのたたかい】

ジャンル クイズゲーム
対応機種 ファミリーコンピュータ
発売元 トミー
開発元 ピクセル
ウィズ
発売日 1991年11月29日
定価 7,800円
プレイ人数 1~8人
判定 バカゲー
ポイント ツッコミ所が多い
クリア後のまさかの展開
クイズゲームとしては割と真っ当な出来
タラちゃんとイクラちゃんははとこ
日本テレビ関連作品リンク


概要

  • 日本テレビ系列でかつて放送されていたクイズ番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を原作としたクイズゲーム。
  • クイズ王を目指す本編「1PLAY」と最大8人まで対戦できる「トーナメント」の2つのモードで遊べる。
    • オプションで「1PLAY」の難易度をノーマルとイージーから選択が可能。

ツッコミ所

  • ゲームを開始するとRPGのフィールドのようなマップを移動して会場まで行かなければいけないが、この時道路を走る車に当たるとはねられて自宅に戻される。特にペナルティがないのがかえってシュールさを出している。
  • グァムでの敗者復活は奥地にいる仙人を訪ねてクイズを出してもらうというもの。仙人…?
  • ロサンゼルスでは鉱山で穴を掘って金塊を見つけるとクイズが出題されるという無茶なもの。
  • アンカレッジでは海に浮かぶ番号が書かれた氷の上に移動するのだが、不正解だと氷が消えて海にドボン。普通死にます。お笑い芸人でもやらない。
    + そして優勝してエンディングかと思いきや…
  • 最終ステージのニューヨークをクリアして優勝すると突然RPGになる。こんな前代未聞な展開は恐らくこのゲームくらいだろう。
    • 一応説明書掲載のマンガではクリア後に何かある事は示唆されている。
    • フィールドを移動しながら人と話したり物を調べたり買い物をしたりと基本は普通のRPGだが戦闘はクイズ。
      • 3択問題で正解すれば敵にダメージ、間違うと自分がダメージを受ける。これも冷静に考えるとシュール。
    • 登場する敵は「シュードラモアイ」「イケイケパリジェンヌ」「じじい」「ポヨヨニアン」などなかなかシュールでコミカルなのが多い。
    • ラスボスにあるアイテムを使うと一撃で倒す事が出来てしまう。クイズに答える必要すらない。
      • バグではなく、作中にちゃんと伏線もある。
    • そしてRPGをクリアすると「実はこのRPGこそがウルトラクイズ優勝の副賞だった」と明かされる。もはや突っ込む気すら起きない*2

評価点

  • シュールさはともかくとしてクイズゲームとしては割と真っ当に作られている。後述の「タラちゃんとイクラちゃん」を除いて…
  • ステージごとに違った攻略法を求められるので飽きさせない。
  • 「敗者復活」「罰ゲーム」「ドロンコクイズ」「バラマキクイズ」「じゃんけん」といった原作番組を再現している所も。
  • パスワードによるコンティニューが用意されている。ただし後述の問題もあるが。
  • 作中の女性キャラの画像はなかなかに可愛らしい。
  • RPGにおける通常戦闘BGMは割とかっこよく、秀逸な出来。
  • RPGでは回復アイテムは食べ物なのだがこれが日本だと「おにぎり」、ニューヨークなら「ハンバーガー」と各国に合わせていて個性が出ている。

難点

  • 難易度はけっこう高め。そう簡単に優勝は出来はしない。イージーにしてもかなり苦戦させられる。
    • 特に鬼門なのは「機内クイズ」。このステージのみクイズに答えても正否がわからず、後で正答数が出るのみ。ある事をすれば一部の問題だけ答えを知る事が出来るのだが…*3
    • 他にもロサンゼルス、ラスベガス、ケンタッキーなど運が大きく絡むステージもあり、安定したクリアは難しい。
      • 一方で、クイズでほぼノーミスを要求されるのは最終面のニューヨークだけである*4
  • パスワードは3、4ステージごとにしか出てこない。そのためゲームオーバーになると大きく戻される事も。
    • 例えば機内クイズでゲームオーバーになるともう一度ドーム、成田をクリアしないといけない。
  • RPGでは各国に一つずつパスワードが聞ける場所があるのだがそれがどこかはノーヒント。自分で探し出さないといけない。幸い比較的わかりやすい所ではあるが…
  • パスワード自体かなり長く*5、メモを間違えた日には目も当てられない。
  • アイテムの効果は説明されず使って確かめる他ない。
  • 何故か「タニシさんサザエさんに登場するタラちゃんとイクラちゃんの関係は?」という問題が頻繁に登場する。*6ある意味サービス問題と取れなくもないが。

総評

有名な原作を再現している部分もあるがそれ以上にシュールかつカオスな部分が目に付く。
なおかつ優勝した後の展開がまさかすぎて初見時は混乱必至。
総合すれば十分今作もバカゲーと呼んで差し支えないだろう。
とはいえ難易度は高いもののクイズゲーとしては割と普通に楽しめる出来。

関連作品

  • トミーからは他にゲームボーイ版が4本出ている。
  • また、同じトミーからSFC版、メーカーは違うがSSやPSでも発売されている。
    • いずれも原作再現度が高いものの難易度と運ゲー要素も非常に高いマゾゲーなので注意。
  • 他にもPS2、PC、アーケードなど多数制作されている。
最終更新:2023年11月29日 20:37

*1 なおワリオのデビュー作『スーパーマリオランド2 6つの金貨』は翌年1992年発売。

*2 もっとも、実際のアメリカ横断ウルトラクイズの優勝賞品も当時の景品表示法によりオープン懸賞の上限が100万円に制限(現在は撤廃)されていた関係でインパクト重視の賞品となっていたため、ある意味原作再現ともいえるが。

*3 なおこの方法、実際のウルトラクイズで発生した漏洩が元ネタとなっている

*4 イージーではCPUもそこそこミスをするが、ノーマルだとCPUが10連勝して負けることがある

*5 特にRPGに入ってから。

*6 正解は「はとこ」