V!勇者のくせになまいきだR
【ぶい ゆうしゃのくせになまいきだ りたーん】
| ジャンル | リアルタイムストラテジー |  
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| 対応機種 | PlayStation 4 | 
| 発売元 | ソニー・インタラクティブエンタテインメント | 
| 開発元 | SIEジャパンスタジオ アクワイア
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| 発売日 | 2017年10月14日 | 
| 定価 | 4,900円(税別) | 
| プレイ人数 | 1人 | 
| レーティング | CERO:A (全年齢対象) | 
| 廉価版 | Value Selection:2019年3月28日/2,900円(税別) | 
| 判定 | 良作 | 
| バカゲー | 
| 備考 | PlayStation VR専用ソフト | 
| 勇者のくせになまいきだシリーズ | 
| PlayStation Studios作品 | 
 
概要
主にPSPで展開されてきた『勇者のくせになまいきだ』シリーズのPSVR版。
番外編などを除くと『:3D』から実に7年半ぶりの新作となる。
特徴
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タワーディフェンスという点は変わっていないが、PSPの勇なまシリーズがダンジョンを作成して勇者を返り討ちにするという内容に対して、今作では既に用意されたステージを選び王国を攻め落とすリアルタイムストラテジー(RTS)に変更されている。
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ルールとしては敵の城を攻め落とせば征服完了(ステージクリア)、自分の基地である「あんこくの塔」が落とされたら征服失敗(ゲームオーバー)となる。
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VRとなったことでグラフィックもドット絵から3Dグラフィックへと変更。等身大の魔王やムスメとやり取りができる。
 
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神コントローラー(神コン)
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プレイヤーの持つデュアルショック4がゲーム中では神コンとして登場する。
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これに後述の「カリス魔」や「破壊神スキルポイント」が表示される。
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方向キーを押すとユニットテーブルが表示される。ユニットテーブルから魔物の巣を選び設置することが可能。
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〇ボタン長押しでフィールド上の魔物を吸い込める。吸い込んだ魔物は移動させたり、コントローラーを振って合成し更に強力な魔物を召喚したりすることが可能。ただし吸い込んだ魔物がある間は巣を置いたり破壊神スキルを使うことができない。
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□ボタンで破壊神スキルを使用可能。
 
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「カリス魔」
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魔物の巣を設置するには「カリス魔」と呼ばれるポイントを消費する。
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カリス魔は勇者を倒したり拠点を制圧することで手に入る。
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魔物の巣は魔界の領土(紫色のフィールド)上にしか置けない。拠点を制圧するとそこも魔界の領土となるので基本的には拠点の制圧や魔物の巣を設置することで領土を広げていく。
 
 
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「破壊神スキル」
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神コンに表示されている黄色いメモリは「破壊神スキルポイント」と呼ばれ、消費することで「破壊神スキル」を使用することができる。
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破壊神スキルポイントは魔物の繁殖に成功することで増加する他、宝箱から入手できることもある。
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スキルは宝箱を開けたり金色に輝くレアな勇者を倒すと手に入る「ドラゴンオーブ」を集めることで開放されていく。
 
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「征服期限」
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ステージごとに征服期限が定められており、難易度が高いほどその期限が短くなる。
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期限を過ぎても即座に負けにはならないが、尋常じゃないほど強力な白黒カラーの勇者「チート勇者」が出現するようになるので期限を過ぎないように征服するのが基本。
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チート勇者は最初のうちは倒すことができるが、3回目の出現の際はLv??表記となりあらゆるダメージを受け付けなくなるほか、あらゆる魔物を一瞬で倒し、拠点やあんこくの塔も一撃で落とす無敵の勇者と化す。つまり事実上の時間切れであるため、急いで城を攻め落とさなければならない。
 
 
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「魔界ガーデン」
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魔王軍の魔物を強化したり、魔物やアイテム、勇者の情報を見ることができる。
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ステージ終了後にはスコアに応じて強化ポイントが獲得でき、それを使って魔物を強化できる。
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ただし合成召喚で生まれる魔物「デーもん族」「ゴーレム族」「ガーゴイ族」は強化対象外。
 
 
    
    
        | + | 各ユニット(魔物)詳細 | 
ユニットテーブルから設置できる魔物
 
コケ類
成長すると大きくなったりきのこになったりする。
フィールド上にある「魔しずく」を捕食する。
ムシ類
成長するとさなぎ→フライへと進化する。フライになると浮遊できる。
コケ類、エレメント類を捕食する。
トカゲ類
近接攻撃が得意な魔物で、進軍命令にも比較的よく従ってくれる。
ムシ類を捕食する。
エレメント類
コケ類とは違い浮遊しているので、ある程度の地形を無視して移動可能。
フィールド上にある「魔しずく」を捕食する。
リリス類
魔法攻撃が得意で遠距離攻撃を放つ。こちらも浮遊している。
繁殖力は高めだが飢えに弱いため、放置してるとあっという間に餓死してしまう。
ムシ類、エレメント類を捕食する。
ドラゴン類
ユニットテーブルから設置できる魔物の中では最強。消費するカリス魔も比例するように大きい。
幼体の時は吸い込んだり進軍命令に従ってくれるが、成体に成長すると吸い込めなくなり進軍命令も無視するようになる。その代わり巣に誘導することができる。
他種の「ユニットテーブルから設置できる魔物」を捕食する。
合成召喚で生まれる魔物、たまご、さなぎ、きのこ、ミミック類は対象外。
 
合成召喚で生み出せる魔物
 
デーもん族
勇者を睡眠状態にするねむり球を放つ。
コケ類、エレメント類を捕食する。
ゴーレム族
防御力が高く、咆哮をあげて勇者を混乱させる。
混乱した勇者は同士討ちを始めるため、数が多いほど効果的。
コケ類、エレメント類を捕食する。
ガーゴイ族
今作でリストラされたレディ族に代わって登場した、シリーズ初出の女性魔物。
ポールから降りずに近づいてきた勇者をハンマーで攻撃する。範囲攻撃なので勇者の集団をまとめて攻撃できる。
他にものろいブレスを放ち、これに当たって呪われた勇者は攻撃を外しまくる。
コケ類、エレメント類を捕食する。
じゃしん
魔物の中では最強の能力を誇るが、その分作るのは困難。
コケ類のきのこ、ムシ類のさなぎ、トカゲ類のたまご、ドラゴン類のたまごを捕食する。
ミミック類
開けた宝箱と魔物を合成することで生まれる魔物。勇者を誘導させ、開けようとした勇者に攻撃する。
宝箱から魔物が出てきたときは箱が消えるため、作る際は注意が必要。
過去作と違って捕食は一切しないが、空腹状態にはなるため、最終的に餓死してしまうことになる。
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評価点
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タワーディフェンスとしては良質な出来
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RTSとなったことにより前作までと比べると単純になった部分もあるが、自軍を強化するために食物連鎖を考えて巣を設置するなど戦略性を求められるのは変わっていない。
 
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魔王とムスメにボイスがついた
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魔王は関智一氏、ムスメは小清水亜美氏によるボイスがついており、それぞれのキャラクターにも合致している。
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余談ではあるが関智一氏は勇なまシリーズのタイトルの元ネタとなったドラえもんのスネ夫役を2005年から演じていたりする。
 
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状況に応じて魔王とムスメが実況してくれるのも良ポイント。
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地味ながら敵である勇者たちにもボイスがついている。
 
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ムスメがかわいい
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本作を遊んだプレイヤーたちが真っ先に挙げるある意味最大の評価点。
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上記のボイスの追加やVRでの臨場感もあってかなり好評。
 
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相変わらずのパロディ・メタネタの数々
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ステージ名も「魔ごころをきみに」や「人類は衰退しましたか?」など、どこかで聞いたようなパロディだらけ。
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ステージの内容もビッグなブリッジや流砂によって流される砂漠や森の中で台座に刺さった剣が登場するなど、どこかで見たような光景も。
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メタネタに関してもゲーム中では一切使わないR2ボタンを押すと「そのボタンは使わない」と魔王から指摘が入る。
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時代を反映してかガチャ、リセマラ、コンティニュー課金といったソシャゲネタが増えている。
 
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あんこくの塔を落とされて負けた際の魔王とムスメや勇者の台詞もパロディやメタネタまみれなので必見。
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むしろバカゲーとしてはこっちが本編だったりする。
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侵入してくる勇者はあんこくの塔に最後の一撃を与えた勇者となっており、その勇者のカラーリングもしっかり反映される。
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ちなみに剣士の「しょうた」と魔法使いの「ハシーム」は他の同じ職業にはない固有の台詞を持っており、加えてしょうたは台詞の内容自体も専用のものになっている。
 
 
賛否両論点
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難易度の低下
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これまでの勇なまシリーズは難易度が非常に高かったのだが、本作では苦戦するステージはあまりない。ラストステージは相応の難しさではあるが。
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難易度の低下はハードルの低下にも繋がっており、この手のジャンルに慣れていない層がバカゲーとして気軽に楽しむにはちょうど良い内容となっている。
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一方でゲームの難易度はやりごたえにも繋がっているので、後述のボリューム不足が目立つ形にもなってしまっている。
 
問題点
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ボリュームの減少
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PSVRソフト全般に言えることだが本作も定価に対してボリュームは少なめとなっている。
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ステージは全15ステージまでしかなく、今までのシリーズにあった裏ステージなども本作では存在しない。
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現在は廉価版も配信されたので、いくらか改善されたとも言えなくもない。
 
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VR専用である必然性がやや薄い
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肝心のゲーム部分は普通のRTSであり、見まわしたり覗き込んだりとVRならではの操作といったものはあまり求められない。
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VRの臨場感もテーブルの上に表示されたフィールドを見下ろすだけなのでゲームプレイ中にVRであることの恩恵を感じ取りづらい。
 
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ただし前述の魔王やムスメとのやり取りもあるのでVRであるメリットが皆無というわけではない。
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PSVR自体が発売当時はかなり高価だったのでVR無しでもいいから本作を遊びたいシリーズファンもそれなりにいたと思われる。
 
総評
ボイスの追加やグラフィックの3D化によって更にバカゲー要素が増した一作。
ジャンルはRTSに変更されたが戦略性の高さは健在でRTSとしても普通に楽しめる出来となっている。
ボリュームの減少や、RTSの部分がVRであることを生かし切れてないなど気になる点はあるものの、バカゲーとしてもRTSとしても良作と言っていい作品である。
余談
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2017年に勇なまシリーズ10周年を記念して、本作の10円引きセールが12月6日~12月12日の間に行われることが予告された。
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しかし間もなくして30%OFFセールへと変更された。上層部から横やりが入ったとのことだが、セール内容の変更の説明が魔王から行われたことや、これまでの勇なまシリーズの宣伝もネタまみれだったことから察するにこれもネタの一環と思われる。
 
最終更新:2024年11月18日 06:03