Florence
【ふろーれんす】
ジャンル
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アドベンチャー
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対応機種
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iOS 10.0以降 Android 5.0以上 Windows Nintendo Switch
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発売元
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アンナプルナ・インタラクティブ
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開発元
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Mountains
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発売日
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【iOS】2018年2月14日 【Android】2018年3月14日 【Win/Switch】2020年2月13日
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定価
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700円(税込)
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プレイ人数
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1人
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レーティング
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CERO:B(12歳以上対象)
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セーブデータ
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1個
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判定
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なし
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ポイント
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ギミックをこなしつつ読み進める絵本 ゲームというよりは美術作品
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概要
オーストラリアにて開発されたアドベンチャーゲーム。
ある日街中でチェロを演奏するクリシュと出会ったことを機に、フローレンスの退屈だった自分の人生が少しずつ変わっていく
システム
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複数のチャプターに分かれたADV形式のシステムをとる。
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しかしシナリオ分岐はなく、セリフもほぼ全編にて登場しない。
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プレイヤーは時には漫画を読み進めるようにページを送り、時には場面に登場するミニゲームを動かしたりして、ストーリーを進めていく。
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ミニゲームでは物を動かしたり、時計の針を回して時間を進めて行ったり、一定量歯ブラシを動かして歯磨きを終えたり、ピントを動かしてフローレンスの視野を正してあげたりなど多様。
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ミニゲームに関しては、何をすればいいかが直感的に分かるような塩梅に仕上がっている。
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ミニゲームに成功失敗の概念はなく、プレイヤーの取った行動でシナリオが分岐したりはしない。
評価点
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文字がほとんど登場しない
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本作の特徴。小難しい話を理解する必要が無い。人生に漠然とした悩みを抱えるどこにでもいそうな女性(フローレンス)が主人公であり、感情移入はしやすい。
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ゲームの操作方法も直感的に分かるものであり、頭をひねる場面は殆ど無い。
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美術表現
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セリフが殆ど登場しないにもかかわらず、演出のひとつひとつから登場人物の心情が見え隠れする。
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クリシュの演奏を初めて聞いたフローレンスは、文字どおり宙に浮かぶような気持ちになる。
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風に靡く衣類のアニメーションに躍動感がある。
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主人公のフローレンスは中国系オーストラリア人、恋人のクリシュはインド系オーストラリア人という設定だが、人種の描き分けはしっかりしている。
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彼らの家族も登場するが、人種の「らしさ」がきちんと描き出されている。
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ミニゲームによるメタファー
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恋人のクリシュとの仲がパズルのピースで度々表現される。
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人間関係が修復できなくなった時には、パズルのピースが噛み合わなくなる。
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フローレンスのセリフの吹き出しをパズルのように組み立てることでクリシュとの会話となるが、彼との仲が深まるにつれてだんだんピースが少なくなり会話がスムーズに流れるようになっていく。
問題点
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物語が一本道
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プレイヤーはあくまで主人公フローレンスの人生を体験するだけであって、彼女の人生を左右することはできない。
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ゲームとは言い難い
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頭を使ったりやりごたえのあるミニゲームは本編には皆無。
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セリフを捨象した短編漫画を読み進める感覚に近い。
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ギミックに関しても、挟む必要性が感じられない、無理やり仕込まれたように感じる物も有るにはある。ギミックをやりこなすのは難しくないとはいえ、面倒くさく感じるプレイヤーもいるのではないか。
総評
ゲームというよりは一種の美術作品。プレイヤーはカートゥーン調の絵本を読み進め、時には登場するギミックをこなしつつ、一人の女性の人生を垣間見ることとなる。あくまで垣間見るだけであり、プレイヤーが彼女の人生を左右できないのは、やや寂しいポイントかもしれない。
最終更新:2022年01月12日 20:00