ヨッシーストーリー
【よっしーすとーりー】
ジャンル
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アクション
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高解像度で見る 裏を見る
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対応機種
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ニンテンドウ64
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メディア
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128MbitROMカートリッジ
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発売元
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任天堂
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発売日
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1997年12月21日
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定価
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6,800円(税別)
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プレイ人数
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1人
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象) ※バーチャルコンソール版より付加
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配信
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バーチャルコンソール 【Wii】2007年10月30日/1,000Wiiポイント(税5%込) 【WiiU】2016年2月17日/1,028円(税8%込)
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判定
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なし
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ポイント
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『ヨッシーアイランド』とは世界観やゲームシステムがかなり異なる ゲーム本編以外のシステムが非常に異質 中断セーブ・コンティニュー無しのストイック仕様 隠し要素も薄い ゲーム本編そのものは普通の2Dアクション 音楽やグラフィックなどの演出面は非常に秀逸
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マリオシリーズ関連作品リンク
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ヨッシーシリーズリンク
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概要
SFCで発売された『スーパーマリオ ヨッシーアイランド』の続編にあたる、ヨッシーが主人公のアクションゲーム作品。
開発初期のタイトルは『ヨッシーの絵本』であり、その名の通り世界観は絵本のようなものに変化している。
また、続編的作品ではあるがストーリー面で初代との直接的な繋がりはなく、更にゲームシステムもSFC版とは大きく異なるものになっている。
ものがたり
ヨッシーたちの住む島が突然に異変に襲われました。なんとヨッシーたちの住む世界が絵本の世界になってしまったのです。
更にスーパーしあわせのツリーまで消えてなくなってしまいました。
いつもしあわせなヨッシーたちもツリーが無いせいでへなへなです。きっとベビークッパのしわざに違いありません。
そんな時、島の外れに6つの卵から次々と卵から赤ちゃんヨッシーたちが孵りました。
どうやら卵の殻に包まれていたため無事だったようです。
みんなは相談の末に幸せになればきっとすべてが元通りになれると結論付け、スーパーしあわせのツリーを取り戻すべく、
絵本の世界の最後のページにあるというベビークッパのお城を目指すのでした。
システム
主に『ヨッシーアイランド』(以下「SFC版」と記述)との違いを記述する。
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コースは若干の3D要素もあるが、基本的には2Dアクション。「2.5D」と説明すれば分かりやすいか。
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マリオシリーズなどと同様にステージを進んでいくのだが、コースにゴールは存在せず、コースの各地にあるフルーツを30個食べるとクリアとなる。
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3ページと6ページにおいてはフルーツを30個食べた時点でボス戦に移行し、ボスを撃破する事でクリアとなる。
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フルーツは種類があり、何を食べても構わない。ヨッシーごとにフルーツの好みがあり(赤ヨッシーならリンゴ)好きなフルーツの場合体力の回復量が増える。
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例外として、メロンだけはどのヨッシーも好きなフルーツとなっている。
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同じ種類のフルーツを6連続で食べるとハートフルーツが出現する。食べると一定時間無敵になるが、このフルーツはクリア条件のフルーツに含まれない。
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SFC版と同様に敵を食べてタマゴにする事ができる。このタマゴを投げて相手にぶつけるのがヨッシーの基本的な攻撃手段となる。
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照準は前作の「構えると発射角度が自動で動きタイミングを合わせて発射」から「構えるとスティックで狙う位置を動かす」に変更。
自分で自由に動かせるようになったため、狙いを付けるのは楽になった。但しスティックを照準合わせに使うため「構えながらの移動」はできなくなっている。
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タマゴは照準の方向に飛んでいき、照準の箇所で爆発し、小さな花火が出る。この花火にも攻撃判定がある。
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花火はヨッシーの体力に応じて大きくなる。後述の白ヨッシー・黒ヨッシーは体力最大になると画面が揺れるほどになり、無敵状態だと画面上のシャボン玉が割れる効果もある。
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但しこの性質上、SFC版で可能であった「タマゴを壁にぶつけて反射させる」テクニックはできなくなった。
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『スーパーマリオ64』と同様にライフ制。ライフがなくなるとミス。他にも崖や溶岩に落ちたり一撃死の仕掛けにやられるか自滅コマンドを使用するとミスとなり、その時使用していたヨッシーはベビークッパの城に連れ去られる。全てのヨッシーが連れ去られてしまうとゲームオーバー。
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連れ去られたヨッシーはそのプレイ中では使えなくなってしまう。初期状態で使用可能なヨッシーは6匹しか存在しておらず、隠しキャラクターを出さない場合、事実上残機の最大値は6で固定となっている。
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救済措置として連れ去られたヨッシーがいると特定のコースに白ヘイホーというお助けキャラが出現。このお助けキャラを連れた状態でコースをクリアすると、ヨッシーを1匹助けてくれる。
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プレイの上では1つのページにつき1コースを任意に選択しクリアする。クリアすると次のページに移行し、コースを選択するといった具合で6ページのコースをクリアするとエンディング。
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各コースにはスペシャルハートという大きなハートのアイテムがあり、これを取る事で次のページで選択可能なコースが一つ増える。スペシャルハートは必ず1つのコースに3つある。
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要するにそれぞれのページのコース4を選ぶためには前のページでスペシャルハートを3つ取っておかなければならない。スペシャルハートを1つも取らなかった場合はコース1だけしか選べなくなってしまう。
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一応目安として、基本的にはコースの番号が大きい方が難易度が高い。
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コースごとにスコアが計算され、スコアの合計によってエンディングが変わる。
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スコアは敵の倒し方や、食べたフルーツなどによって計算される。SFC版と異なり満点は存在しない。
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トライアルモードではハイスコア等が記録されるため、最高のスコアを目指す遊び方もできる。
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中断セーブ機能が存在しておらず、電源を切ると1ページからやり直し。このため一度のプレイで6ページまでクリアしなければならない。
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コースは24コース(6ページ×4コース)存在しているが、実際にプレイするのは各ページ1つずつの6コースなのでそれほど時間は掛からない。各ステージを隅々まで巡ったとしても、おおよそ2時間前後でエンディングに到達できる。
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コンティニュー機能も存在せず、ゲームオーバーになった場合も同様に1ページからやり直し(パッケージ裏に記載あり)。前述のように最大残機数が少ない上に、SFC版のように「序盤のコースに戻って残機集め」という手法も使えない。エンディングまで短い分、最初からやり直しになるリスクも高くなっている。
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なお、後に発売された北米版では中断セーブが可能となっている。
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一度プレイしたコースはトライアルモードで遊べるが、こちらは電源を切っても解放状況やスコアがリセットされる事はない。
評価点
可愛らしい世界観
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前述の通り絵本のようなタッチの世界観であり、SFC版以上にファンシーな雰囲気となっている。
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ヨッシーも生まれたばかりのちびヨッシーとなっており、全体的に動作が可愛い。
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音楽も落ち着いたものが多く、長時間聞いていても苦になりにくい。
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エンディングは今までクリアしたページをめくっていく形になっている。ここの音楽の評価が特に高い。
トライアルモードによるスコアアタック
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SFC版では満点が100点という形による採点だが、本作では上限無しのスコア制となった。
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使用しているヨッシーの好きなフルーツならば1つにつき3点、きょうのラッキーフルーツは8点、他のフルーツは1点が加算される。これに加えて、メロンは1個食べる毎に別枠で100点という破格のボーナスが加算される。更に、連続で同じフルーツを食べれば得られる点数に倍率がかかっていく。
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最大のスコアを目指すのであれば、必然的に食べるフルーツ30個をメロンにしなければならない。序盤のコースはともかく、終盤になるとメロン30個が非常に難しいコース構成が目立ってくる。トラウマ要素の多い4-2や、メロン運びが鬼畜な6-3あたりが顕著。
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「自分のヨッシーの色や、倒した際の状況によって得点が変化する敵がいる」「ステージ毎に残りのヨッシーの数×100点がボーナスとして加算される」といった仕様があるため、ノーミスは勿論、敵の倒し方等をしっかりと考えなければスコアを伸ばせない。ここまでくると非常に難易度が高くなる。
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このスコアアタック自体は、ハイスコアを目指したい「やりこみ派」のプレイヤーにとっては燃える要素であろう。
ヨッシーにしっかりとしたボイスがついた
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SFC版まではあくまで鳴き声をもしたSEといった感じだったが、本作からは明確に喋るようになった。
可愛らしい声だが、意外にも男性スタッフの戸高一生氏(後のどうぶつの森シリーズにおいてキャラクター「とたけけ」のモデルとなった人物)が担当している。(厳密には地声で録音したセリフを加工している)
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以後ヨッシーの声がある作品では、ほぼ全てで本作のボイスが使い回されている。本作こそがヨッシーのボイスの始まりといえるだろう。
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ちなみに、ヨッシーシリーズを代表する敵キャラである「ヘイホー」も初めてボイスが付けられている。こちらも以後の作品に使われているケースが多い。
賛否両論点
システムの変更
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SFC版が非常に高評価であったためか、SFC版のシステムを好むプレイヤーからは「フルーツを食べてクリアを目指す」といったプレイスタイルや「1ページ1コースでクリアを目指す」といった何回もプレイを促すような構成にした点に対する否定的な意見も多い。
トラウマ要素が多い
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絵本の見た目のファンシーさから子供向けのゲームと思いがちであるが、それとは裏腹に不気味で怖い要素がそこかしこに存在している。どこぞのグリム童話やアンデルセン童話、マザーグース等を髣髴とさせる不気味な演出は、子供のプレイヤーにはトラウマになってしまうかもしれない。
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ミスした時に見る破目になる「ヨッシーが泣きながらベビークッパの城に連れ去られる」シーンからして恐怖心を煽ってくる。BGMが更に陰惨なものに差し替えられた挙句、救済もなく最初の1ページからやり直しとなるゲームオーバーの演出は、子供にトラウマを植え付けるには十分すぎるものであろう。
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ヨッシーセレクト画面が「周囲が暗闇の部屋でヨッシーたちが薄暗いスポットライトに照らされている」というものだが、人によってはこの時点で既に怖い。ミスを重ねるにつれて部屋のヨッシーの数が減っていき、部屋の不気味さが際立つようになる。
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本作が子どものヨッシーを主人公としているためか、敵は全体的にかなり大きいというのもあり、プレッシャーが強い。はじまりの1ページは最初のステージという事もあってトラウマ要素となりうる敵は殆ど見られないが、次のとざされた2ページからは早速本性をむき出しにしてくる。
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2-1で大量に出現するホネホネりゅう、2-2で溶岩から飛び出してくるウンババ、2-3でスペシャルハートを探す上で遭遇は避けられないおおナメクジなども十分不気味だが、それ以上にトラウマを量産したのが亡霊の悲鳴を思わせる不気味な声と共にマグマの中から出現するフレアバブル。
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こいつの所為で「2-2だけは何があっても回避する」というプレイヤーが未だに見られる程である。
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2-4はビジュアル面でトラウマを与えてくる敵はいないが、代わりにステージ構成がとてつもなく複雑な上にヨッシーの進行を阻害する水流が大量に配置されており、ゲーム全体で見ても難易度は非常に高い。その上スコアも稼ぎづらく、完全なハズレコース。
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クリア後のメッセージは「こんなことなら べつの みちのほうが らくちんだったの かも しれません。」とのことだが、まさにその通りである。とは言っても他のコースは上述した通り、ビジュアル面でのトラウマ要素がてんこ盛りなのだが…。
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ジャングルの4ページでは巨大なパックンやワンワンが出現し、ステージの雰囲気からしてかなり怖い。
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4-2「ジャングルのみずたまり」の後半エリアでは水中を巨大プクプクが泳いでおり、食べられると即ミスとなる。
しかも赤いプクプクは時折飛び跳ねて捕食を狙ってきたり、青いプクプクは水鉄砲でヨッシーを水に落として捕食を狙ってきたりするため、常に危険と隣り合わせである。もちろんこのプクプクは倒せない。
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そんなギミックがある中で、最高得点を狙おうとするならば水中にある土管の先に隠されたメロンを獲りに行かされるハメになる。
プクプクに食べられないように水中を進まなければならないのは、恐怖要素を差し引いても鬼畜の一言。
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さいごの6ページはどのコースもトラウマ揃いである。
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コース1「キカイなおしろ」からして危険な仕掛けが目白押しである。地面から突き出てくる剣も怖いが、それ以上に危険なのが挟まれると無敵状態でも即死の回転歯車や、潰されるとこれまた無敵状態であっても即死するプレス機といった、コース中に大量に存在する即死トラップ。
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プレス機に至っては4連続で並んでいる箇所もあり、進入するタイミングを見誤ると途中で挟まれてそのままトラウマシーン直行。
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トラップの効果音も生々しく、恐怖感を増大させるのに一役買っている。
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コース2「リフトなおしろ」は(6ページで選べるコースの中では)トラウマ要素は少ないが、丸ノコが大量に配置されており危険なのは変わりない。
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食べるとダメージを受ける上、幾ら倒しても無限復活する黒ヘイホーも地味に厄介。
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コース3「オバケなおしろ」では、その名の通り大量のテレサが出現する。
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迂闊に足音を立てると襲い掛かってくる目隠しテレサなどにビクビクするプレイヤーが後を絶たなかった。
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コース4「マグマなおしろ」は落下=ミスとなる溶岩の海にはじまり、至る所から流れてくる溶岩を狭い通路で避け続けなければならない。
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バーナーヘイホーや怖い顔のおばけだまなど、ビジュアル面でトラウマを与えてくる敵も多い。
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もっとも本作は子どもヨッシーの冒険を描いたものであり、危険を乗り越えていく、という表現であると考えられなくもない。
先述の通り、子供プレイヤーにとって大きなトラウマとなる可能性は否定できないが。
問題点
SFC版と比べコース数が大幅に減少した
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本作のコース数は24コース。SFC版は隠しコースも含めれば54コースもあり、単純に数だけ見れば半分以下まで減っている。一応、個々のコースは全体的に長くなってはいるのだが……。
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とはいえ前作の時点でギミックや寄り道要素が満載だった上に、今作はコース途中でもクリアできてしまうおかげで、前作より長くなったという印象は薄い。
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また、明確なゴールが存在しないというシステム上、コースの仕掛けも練られているかと訊かれるとやや疑問が残る。
クリアを目指すだけなら単純作業となる
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フルーツはコースの色々なところに配置されており、種類にこだわらないなら30個食べるのは難しくない。
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30個のフルーツを食べるだけを目指すならコースの途中で攻略が終わる程に簡単なゲームとなる。極端なものだと、コースを4分の1進んだ辺りで終わってしまうというケースまで存在している。
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ゲームオーバーになるとその冒険は水の泡となってしまうため、これを避けるためにとにかくミスせずクリアしたい場合の救済仕様と言えるか。
ただし、悪名高い4-2など安全なエリアを探索するだけでは狙ったように30個集めることができないコースもあり、その場合は僅かにでも危険なエリアに侵入しなければならない。
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一方でスペシャルハートを集めないとコースを増やせないため、こちらはくまなく探さないと遊べるコースがいつまでも増えないという事態に陥ってしまう。
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一方で、メロンを30個食べるというプレイをしようとすると一気に難易度が高くなる。SFC版でも100点満点を目指そうとすると難易度が急激に上がったのと同様ではあるが、その緩急を付けすぎたのは流石に問題だった。
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このフルーツもキャラによって好みが違ったり、開始前にルーレットで決まるラッキーフルーツがあったり、同じ種類を連続で食べる事で得点倍率上昇のボーナスがあったりといろいろ仕掛けがあるのだが、スコアアタックで高得点を目指すならば「メロンだけ30個食べる」の一択。
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単体の得点はラッキーフルーツが一番高いのだが、こちらは12個しかないうえ、ハートフルーツの無敵中にヒップドロップで敵をラッキーフルーツに変化させるテクで30個食べても「メロン1つにつき100点のボーナスが加算」という要素があるので、総得点ではメロン30個に絶対勝てない。
最終的には戦略性など全く無くただメロンだけを探す作業に収束してしまう。
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メロンに関するミニゲームでは最高スコアの7個でクリアするのが「メロンだけ30個食べる」の絶対条件になっている。1個でも逃すと、その時点で最初からのやり直しが確定してしまう。
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コインやメロンの中に「くんくん」と呼ばれるサーチ作業でしか発見できない物があり、スコアアタックの作業感を加速させている。
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近くを通るだけでなく立ち止まらなければならない、画面がアップになるので敵が近くにいる箇所ではできない、といった具合に何かと不便。
一部のボスがやたら弱い
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特筆すべき弱さを誇るのが、3-1「くものあいだをぬけて」を選択した際に戦う「クモガシ(ムシャムシャ)」。
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何とこいつ、舌を伸ばしてボスの体を何回も舐めるだけで瞬殺可能。しかも1回舐めるたびに体力回復のオマケ付き。
ヨッシーシリーズの中でも、タマゴもヒップドロップも一切使わずして勝てるボスはこいつとDS版の「ビッグブツブツくん」位しか居ない。
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ラスボスのベビークッパに至ってはハートフルーツを含む各種フルーツを無条件、且つ大量に供給してくれるスーパーしあわせのツリーがある部屋で行われる。そうでなくとも予めタマゴを用意して戦闘に入れば、その場から一切動かずタマゴの花火を当て続けるだけでハメ殺しが可能。
…ここまでくると「トラウマコースに苦しめられてきたプレイヤーのためのうさ晴らし」としか思えない。
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こうした攻略法を知らない状態ならばある程度苦戦する可能性も無い訳ではないが、ベビークッパは戦闘前に「ボムへいさんをトゲにあてるようなやつはだいきらいです~!」といった具合のヒントを口にする。
ヒントの通りに試行錯誤を重ねてタマゴの花火でもトゲが落とせる事や、ボム兵をトゲではなくベビークッパに直接当ててもダメージが通る事に気づければ、そのうちハメ殺しの方法にも辿り着ける筈である。
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クモガシ(ムシャムシャ)に至っては「あまいからってペロペロなめるなムシャ~!」と、自分から倒し方をばらす有様。そこはもう少しオブラートに包んでおくべきではなかったのだろうか?
隠し要素はほぼない
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スコアはエンディングの内容に関わってくるが、それ以外の要素は何も無い。スコアによって隠しコースが出現する訳でもない。
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頑張って全ステージクリアを達成しても、それによって開放される隠し要素は存在しない。
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一応、とある条件を満たした状態で特定のコースをクリアすれば「白ヨッシー・黒ヨッシー」という隠しキャラクターを使えるようになるが、隠し要素といえる物はほぼこれだけしか無い。
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両者とも好き嫌いが一切無い他、性能も非常に高い。他のヨッシーでは食べると逆にダメージを受けるトウガラシや黒ヘイホーですら体力の肥やしにしてしまう。
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隠しキャラが連れ去られていない状態でクリアできれば、次回のプレイでは最初から使用可能。但し隠しキャラを連れ去られてしまった状態で白ヘイホーに助けてもらわずにクリアしてしまったり、ゲームオーバーになってしまったりすると、また条件を満たす所からやり直しになる。
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更に、最初から使用可能な状態にしてもトライアルモードでは使えない。残念無念。
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SFC版では「同じワールドの全コースで100点をとると隠しコースが出現する」といった隠し要素があったため、余計に不満を大きくしてしまっている。
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隠しフルーツや、全部メロンでクリアなどといったやりこみ要素はあるにはあるのだが、フォローとするには若干力不足か。
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メロン30個クリアの難易度を考えると、単なるハイスコア要素に留めた考えは分からなくもないが….。
総評
SFC版『ヨッシーアイランド』が高評価であったため、かなりの期待を受けて発売された作品だったが、SFC版からの路線変更が完全に裏目に出てしまった。
一見異色に見えるシステムは決して破綻しておらず、スコアアタックといったコアユーザー向けの要素も悪いものではない。
しかしどれだけスコアを稼ごうとエンディングの変化以上の要素が無く、プレイ意欲を引き出す要素として効果があったかは疑問が残る。クリアするだけならあまりにも単調な作業となる点や隠し要素の無さからも、作り込み不足という印象はどうしても否めない。
世界観の面においても全体の雰囲気が温かいタッチである一方、端々に塗り込められた子供向け童話特有のギャップある不気味さも大きく賛否が分かれる。
本作最大の不幸は、当時はおろか現在でも全ゲーム中屈指のクオリティを誇るSFC版と比較されてしまった事であろう。これによって「ガッカリゲー」というレッテルが色濃く定着してしまったのだ。
とはいえ決して遊べない作品という訳ではなく、任天堂のアクションゲームとして求められる品質はしっかり維持できている。
ファンシーな世界観や戸高一生氏によるボイスなど、後発作品へ与えた影響も大きい。
名実共にヨッシーというキャラクターがマリオシリーズから独り立ちした、ターニングポイントとなる作品であったのは間違いない。
余談
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本作以後のヨッシーシリーズ作品では、マリオシリーズとは一線を画したファンシーな雰囲気を念頭に置いたものが多くなった。
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当時の学年誌などの紹介記事が、どういう訳か憶測ばかりで構成されていた。
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発売の数か月前にもかかわらず、実際のゲーム内容と異なるスクリーンショットが多く見られた。おそらくマスターアップギリギリまでゲーム内容の調整が行われていたのだろう。
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トラウマ要素が多いためか「怖かったゲーム」として本作の名前が挙がる事が多い。
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ステージクリアの唄をよく聴いてみると、1匹だけ音程を外している音痴なヨッシーがいるのが分かる。
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コミックボンボンで連載されていた本山一城氏のコミック版は本作が最終作となっている。こちらはギャグを織り交ぜつつ本作のようなシリアスな雰囲気を醸し出している。
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一方コロコロコミックで連載されている沢田ユキオ氏の「スーパーマリオくん」の方はややライトな作風となっている。6匹のヨッシー達にそれぞれ個性的なキャラクター性が追加されているなどマリオくんらしいギャグタッチなストーリーで展開していった。
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両作に関連性は無いが、どちらも「マリオが絵本の中に入り込んでヨッシー達と共に冒険に出る」という展開になっている。
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公式攻略本とは別に、本作を題材とした任天堂公式の絵本が小学館から出版されていた。
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大まかなあらすじは本作と同じだが、この絵本オリジナルの内容も多々見られる。
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残念ながら現在は絶版になってしまっている。幸運にも古書店や図書館で見つけたならば、ちびヨッシー達の冒険に思いを馳せてみるのもいいかもしれない。
最終更新:2024年02月04日 11:27