6180 the moon
【6180 ざ むーん】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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Windows/Mac OS X/Linux(Steam) Xbox One WiiU Newニンテンドー3DS Nintendo Switch
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メディア
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ダウンロード専売ソフト
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発売元
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【PC】【One】Turtle Cream 【WiiU】【3DS】【Switch】レイニーフロッグ
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開発元
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Turtle Cream
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配信開始日
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【PC】2014年9月19日 【One】2016年4月15日 【WiiU】2016年7月6日 【3DS】2017年3月8日 【Switch】2018年6月21日
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定価
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【PC】398円 【One】432円 【WiiU】【3DS】【Switch】400円
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プレイ人数
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1人
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セーブデータ
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1箇所・オートセーブ方式
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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なし
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ポイント
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月を操作する横視線アクション 幻想的な世界観と童話風ストーリー アクション性よりもパズル性が強い
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概要
インディーメーカーであるTurtle Creamが手掛けたゲームで、Windowsを筆頭としたマルチプラットフォームでリリースされた。
Steam版とXbox One版はTurtle Cream自身の発売となるが、任天堂ハード全般はレイニーフロッグが発売元となる。
ジャンルとしてはスタンダードな横視線によるスクロールアクションに該当するが、他ではあまり見られない独特の仕様を持つ。
主人公である「月」が消息を絶った「太陽」を探すため、太陽系惑星の情報を辿るという設定。ゲーム内において童話風のストーリーが展開される。
ニンテンドー3DS版はNew専用。WiiU版の対応コントローラーはゲームパッドのみでテレビとの併用プレイが必須。
ゲームルール
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ゲームの流れ
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舞台となる5つの惑星のクリアを順々に目指していく。全50ステージ × 2周構成のステージセレクト制。
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惑星は進行順から「月」「地球」「金星」「水星」「太陽」となっており、各惑星に用意された10ステージをすべてクリアすると次の惑星に進める。
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太陽モードの全ステージをオールクリアしてもそれはゲームの中間点に過ぎず、すぐさまに2周目である「月モード」がプレイ可能となる。
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月モードは太陽モードと真逆の進行でゲームが進められる。すなわち「太陽」から「月」の順で進行し、各惑星のステージが10から始まり1で終わる。
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原則として太陽モードと月モードのステージ構造はほぼ同じだが、ゲームの仕様が真逆となる相違点がある。詳しくは下記を参考されたし。
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操作体系
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月を自機として操作する事になるが、ほぼ移動とジャンプのみの操作となる。
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アナログスティック等の左右で左右移動。従来の横視線アクションと同様に、月が地形の上に乗っている状態で移動となり、ジャンプも地形の上で行う。
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ボタンでジャンプを行う。ジャンプ中の移動制御は可能だが、ジャンプ力の調整は行えない。月のジャンプ力は非常に高く、さらにはふわっとした感じで上昇する。
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ステージ中に配置されているアイテムを取得している時に専用ボタンを押すと、ジャンプ中における月の落下軌道に変化が生じる。効果は1アイテムにつき1回のみ。
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ステージによっては「触れるだけで月をバウンドさせる地形」「消失出現を繰り返す床」「上下に動く道」などがあり、これらを上手く利用しなければならない。
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本作におけるステージの画面上下はループにより繋がっているため、月の位置が上下をワープする形で行き来する状況になりやすい。
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すなわち、月が画面上からジャンプによる上昇をすると画面下に出現し、画面下から落下による下降をすると画面上に出現する。
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地形のない場所で上下ループによる落下を長く行うと、物凄い勢いで落下し続ける。そのため、落下中の制御は極めて困難となる。
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太陽モードでの重力は下方向に働くが、月モードでは上方向に重力が働く。
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この仕様により、月モードは月を地形の下から乗せる形となり、上下ループは先述とは真逆の関係で上昇及び下降する。
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ステージクリアとミス条件について
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各ステージに配置されている「ゴールポイント」に月を触れさせるとステージクリア。
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ゴールポイントは地形のない空間に配置されている場面がある。また、ゴールするには上下ループを利用しないと到達できない局面が非常に多い。
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月モードでは太陽モードでいうところのスタート地点付近にゴールポイントが配置されている。スタート地点はゴールポイント付近だった場所から始まる。
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ステージ全般に配置されている「トゲ」や「流れ星」に月が触れるとミス。ミス回数の制限はなく、ミスをする度に即ステージ再開となる。
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大半のステージには「チェックポイント」の地形があり、月をチェックポイントを通過させた後にミスするとそこからの再開となる。
評価点
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パズル性の強い快適死にゲー
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公式ではアクションゲームと名乗っている本作だが、実際のゲーム内容はパズル性が非常に強い。
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「月のふんわり高いジャンプ」や「上下ループによる月の位置状態」といった操作感覚を頭に入れておく必要があり、適当なプレイでは確実にクリアが詰む。
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全体的にトゲの配置率が高いため、操作を誤るとトゲの餌食によるミスは避けられない。本作において「勢い任せのジャンプ越え」は自殺行為以外の何物でもない。
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各ステージにおけるクリアの攻略手順はほぼ一通りしかない。「操作感覚」「地形や仕掛けの利用方法」「操作をするタイミング」のすべてを一致させる必要がある。
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本作はいわゆる「死にゲー」としての顔を持ち、ゲーム中でもそれに対する配慮がなされている。
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多くのステージにはあからさまな初見殺しがあり、攻略手順が一致しないとミス連発を繰り返すのはお約束。この辺が死にゲーといわれる所以である。
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しかし、各ステージの構造はかなり短く、それでいて大半のステージにはチェックポイントが設置されている。制限時間もないため、じっくりと攻略に専念できる。
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ミスをしたからといって何かしらのペナルティは一切発生しない。まさに「試行錯誤を繰り返して快適に死にながら覚える」ゲームの王道といえるだろう。
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幻想的なモノクロ世界観
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本作において映される映像はすべてにおいてモノクロであり、幻想的な雰囲気に満ち溢れている。
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「全面白黒の宇宙空間の中で光る月を操作する」感覚に特有の不思議さがある。月をジャンプさせると残像が発生する演出が不思議さをさらに引き立たせる。
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月を筆頭としたグラフィック周りは非常にシンプルかつレトロ的で、必要最低限の描写のみで描かれてる。この辺もまた特有の雰囲気を感じさせる。
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ピアノを主体としたサイレントBGMや効果音も世界観と絶妙にマッチしている。本作は雰囲気ゲーとしての一面も強い。
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心温まる童話風ストーリー
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本作ではゲーム内の要所にストーリーイベントが挟まれるが、このイベントも一見の価値がある。
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惑星には意思や性格が設定されており、月と出会った惑星との会話シーンが聴ける。このシーンが童話的な手法で描かれており、心温まるやり取りが堪能できる。
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ネタバレなので詳細は伏すが、エンディングの綺麗な締め方が素晴らしい。なお、太陽モードと月モードの両方に専属のエンディングが用意されている。
問題点
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ボリューム・やり込み要素の弱さ
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評価点でも述べた通り、各ステージの構造はかなり短い。そのため、攻略手順が分かってしまうと急な勢いで連続クリアができてしまいやすい。
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太陽モード・月モードすべてのプレイ時間は長くても3時間程度のボリュームだと推定される。腕前次第では2時間もかからない可能性すらもある。
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パズル風アクションゲームとしての楽しみは大いにある反面、やり込み要素は少なくがっつりとプレイするような内容ではない。
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各ステージをクリアしてもクリアマークが付くだけで、ミス回数やクリア時間などのカウントはされない。よって、上級者向けな楽しみ方はあまり期待できない。
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3DS版限定の問題
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3DS版は上下画面が繋がった形での表示となるため、ステージによってはその繋ぎ目の間の状況が分かりにくい場合がある。
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こればかりは慣れるしか対応のしようがない。どうしても繋ぎ目が気になる方は他のハードで購入した方が無難といえる。
総評
ゲームとしての完成度はなかなかに高く、ミスを繰り返しながらパズル性の強いステージを攻略していくのが楽しい一作。
プレイボリュームはあまり多いとはいえないが、幻想的な世界観や童話風ストーリーの魅力は非常に大きい。
最終更新:2021年10月28日 11:59