キッドトリップ RUN!
【きっどとりっぷらん】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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ニンテンドー3DS Nintendo Switch
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メディア
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ダウンロード専売ソフト
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発売元
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レイニーフロッグ
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開発元
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Four Horses
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配信開始日
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【3DS】2017年8月30日 【Switch】2017年11月23日
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定価
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500円
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プレイ人数
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1人
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セーブデータ
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1箇所・オートセーブ方式
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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なし
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ポイント
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走り出したら止まれないスクロールアクション 難易度激ムズ、ミスの繰り返しはほぼ必至 プレイボリュームは控えめ
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概要
レイニーフロッグ発売のダウンロード専売ソフトで、ニンテンドー3DSとNintendo Switchの両ハードで配信された。開発はイギリスのFour Horses。
元はスマートフォン(iOS)用のインディーズゲームであり、本作はその移植作にあたる。海外における3DS版は日本よりも先に配信された。原題は『Kid Tripp』でサブタイトルは付かない。
ジャンルとしては強制スクロールによる横視線アクションに該当。同じスマホゲーム出身である『チャリ走』とほぼ同じジャンルとなる。
飛行中のトラブルにより島へと不時着してしまった「キッドトリップ」が単身で島からの脱出を試みるというストーリー設定。
ゲームルール
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ゲームの流れ
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残機10からスタートし、ゲームオーバー(オールクリア)までステージが続けられる。全20ステージ(4ワールド × 5ステージ)構成。
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常時強制スクロールの中で地形を足場にしながらゴールを目指していく。ステージ中は敵が定期的に登場するので、投石や踏み付けで倒さなければならない。
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ステージ中には所々に「コイン」が配置されており、これを100個獲得すると1UPとなる。また、コインはスコアの意味もあるため、多く獲得しておきたい。
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一度プレイしたステージは、モードの「フリーモード」の中からステージセレクトが行える。また、ゲームを一旦止めてステージ途中からの再開も可能。
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オールクリア後はそれまでに獲得したコインの総数・総合クリアタイム・ミス回数の記録がされる。フリーモードはステージ単位での最短クリアタイムの記録がされる。
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操作体系
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キッドトリップの操作はジャンプと投石攻撃のみというシンプルなものだが、後述のレベルによっては移動速度の調整も行える。
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キッドトリップは常に右方向へと走っており、プレイヤーの操作では止まれない。ただし例外として、キッドトリップが段差に挟まれた状態であれば止まる事ができる。
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アナログスティック等で移動速度の切り替えを行う。ウォークの場合は高速移動化、ダッシュの場合は低速移動化となる。
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ジャンプボタンでジャンプを行う。ジャンプ中の移動制御はできないがジャンプ力調整は可能。地形だけでなく、敵を踏み付けての地形代用で足場を確保できる。
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投石ボタンで敵に対する「投石攻撃」を行う。投石は直進に飛ぶが射程制限あり。使用回数の制限はなくそれなりの連射が可能。
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ゲームオプションにて「ウォーク」「ダッシュ」「ハードコア」の3レベルが選択でき、それぞれに移動速度の差異が発生する。
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ウォークは通常低速移動だが操作で高速に切り替えられる。ダッシュは通常高速移動で同様に低速に切り替えられる。ハードコアは常時低速移動となる。
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ステージクリアとミス条件について
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ステージのスクロール奥にある「ゴールフラッグ」にキッドトリップを到達させるとステージクリア。
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通常モードの場合は残機とコイン数がそのままに次ステージへと進む。フリーモードの場合はステージセレクト画面に戻る。
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キッドトリップが敵やトゲなどのトラップに触れるか落とし穴に転落するとミス。ミス後はステージ最初に戻される。
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通常モードにおいて残機数がなくなるとゲームオーバー。無限コンティニューは可能だが、それまでに獲得していたコインはすべてリセットされてしまう。
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フリーモードは何回ミスしてもゲームオーバーにはならない。その代わり、ミスをする度にミスカウントがされる。
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チャレンジについて
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ゲーム中にとある条件を満たせば、「チャレンジ」の該当条件にトロフィーが付く。
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チャレンジは総計20種類あり。条件の一例としては「ステージのコインを全部獲得する」「残機数を特定数まで増やす」などがある。
評価点
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超シンプルなランニングアクション
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原則ジャンプと投石攻撃のみのシンプルな操作で、そのままゴールを目指せばいいという非常に分かりやすい内容である。
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特別に難解な操作はこれっぽちもなく、「ジャンプと投石・レベルによっては移動速度切り替え」さえ覚えておけば問題ない。
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問題点の件はあるもののクリアできないほどの難易度ではなく、プレイを繰り返していくと確実にクリアへの道が見えてくる。
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各ステージの構造は非常に短いため、短期の難関さえ乗り越えればあっさりとクリアができる。そういう意味ではゲームバランスが上手く調和しているといえる。
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通常モードは無限コンティニューなので、単にオールクリアを目指すだけならば残機はあってないような存在と思ってもらっても差し支えない。
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レトロ感満載のグラフィック・BGM周り
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あえてレトロ感を表現するために粗いドットでグラフィックが描かれており、ゲームボーイカラークラスの懐かしさを感じさせる。
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粗いドットながらも、書き込みそのものは丁寧で味のある外観である。キッドトリップの躍動感のある動きが見所で、危険地帯を突進していく様がいかしている。
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各ワールドの背景のバリエーションもなかなか多彩。「南国」「洞窟」「寒冷地」「火山」と進み、それぞれに専用の演出が用意されている。
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BGMも同様のレトロ的なピコピコサウンドで、なかなかに聴き応えがある楽曲となっている。
問題点
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繰り返しミス必至の激ムズ難易度
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ゲームとしては超シンプルではあるがその難易度は鬼畜そのものである。
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地形や敵の配置間隔が異様に短いため、ゆとりをもった操作はほぼ行えない。先読み感覚の操作は必須であり、意外なほどに操作が忙しい。
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操作感覚もかなりシビアで、少しの操作のタイミングがズレただけでもミス確定といっていい位の厳しさ。アバウトな操作は確実に死へと繋がる。
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足場だけでなく、敵を足場代わりにしないと乗り越えられない場面が非常に多い。それに加えて、地形そのものが乗り辛い環境も相まって常にミスの危険が付きまとう。
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さらにいえば全編通して初見殺しのオンパレードであり、素直にクリアさせる気配が感じられない。特にワールド4の初見殺しはコントの域といえる。
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とはいえ、先述の鬼畜さは計算がなされた上での難しさであり、決して理不尽・不安定なものではない事も考慮すべきであろう。
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プレイボリュームは控えめ
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安価販売のソフトである事を考慮してもステージ数は控えめで、オールクリアへの道のりはさほど長くない。
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評価点でも述べた通り各ステージの構造は非常に短いため、攻略が順調であれば速攻でクリアできやすい。それが20ステージなので、ボリュームの小粒感は否めない。
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オールクリア後は再挑戦による自己記録更新やチャレンジのトロフィー埋め位のやり込み要素しかない。オールクリア後の明確な特典は特になし。
賛否両論点
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ハードコアモードについて
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操作モードの一つであるハードコアモードはプレイヤーの移動が歩きに固定される関係で他のモードとは異なる戦略性のあるプレーが可能となる。
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その一方で、ゲーム終盤の4-3ではハードコアモードに設定していた場合は絶対に先に進む事が出来ないポイントが存在。要するに、ハードコアモードではゲーム途中で必ず詰んでしまう。
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従って、ハードコアモードは実質4-3が事実上の最終ステージとなるのだが、特定のモードでゲームを進めると必ず詰むポイントを設けるのはどうかと… せめて全てのモードで最終面まで進められる様なゲームバランスの方が本来の姿なのでは?
総評
シンプルな操作とは裏腹にその難易度は容赦がないが、覚える事で確実にクリアさせてくれる絶妙加減さが光る一作。
プレイボリュームは控えめではあるものの、アクションゲームとしては難しいながらも無難に遊べる内容である。
最終更新:2023年06月28日 22:41