FARCRY 2
【ふぁーくらい つー】
ジャンル
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FPS
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対応機種
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プレイステーション3 Xbox 360 Windows
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発売元
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ユービーアイソフト イーフロンティア(日本語版)
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開発元
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ユービーアイソフト モントリオール・スタジオ
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発売日
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2008年10月21日
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定価
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【Steam】1,320円 |
レーティング
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CERO:D(17才以上対象)
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配信
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各プラットフォームにてダウンロード販売中
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備考
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PCパッケージ版は日本語マニュアル付き英語版
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判定
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賛否両論
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スルメゲー
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ポイント
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「アフリカのリアル」を徹底再現 いやらしい程に現実的なシステム 難易度の高さはシリーズ髄一
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FARCRYシリーズ
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概要
『FARCRY』の続編として4年後の2008年に発売されたFPS。
シリーズ第2作であり、後の作品同様にオープンワールドを採用している。
発売は同じくユービーアイソフトだが、開発は前作のCrytekではなくユービーアイソフト モントリオール・スタジオが担当している。
このためゲームシステムにはかなりの違いが見られ、ストーリーの繋がりもない。
ストーリー
2008年、アフリカ某国。
とある傭兵が、陽気な黒人運転手の乗るジープで紛争地帯へと訪れる。その区域は北側のUFLL、南側のAPRに分かれ、現在も小競り合いを続けるアフリカの暗部だった。
男の目的はただ一つ。紛争地帯で暗躍する、国際指名手配犯の武器商人、自らを「ジャッカル」と名乗る男の抹殺。
北側の町バラに向かい、街唯一のホテルへと辿り着いた傭兵は、謎の発作によって昏倒してしまう。再び目覚めた時には、自分のブリーフィングファイルを手にする「ジャッカル」の姿があった。
マラリアの発作に苦しむ傭兵を嘲笑い、暗殺任務の失敗を宣言するジャッカル。「誰が死ぬか生きるかは俺が決める」そう語ったジャッカルは拳銃とマチェットを置いて立ち去るが、直後に街はAPRとUFLLの交戦する戦場と化してしまう。
仲間を欲していたAPR幹部の手助けによりなんとか生き延びた主人公は、組織の荒仕事を請け負うことでマラリアから生き延びる方法を探しつつ、ふたたびジャッカルの抹殺を試みる。
ゲームシステム
ゲーム進行
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難易度は全4段階。プレイヤーは最初に9人の傭兵の中からプレイするキャラクターを選択し、それ以外のプレイヤーは劇中で同僚の傭兵として登場する。
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Unnamed African Country (UAC)、「名前のないアフリカの国」を舞台に、依頼をこなしていくフリーローミング型FPS。
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前作『FARCRY』のようなチャプタークリア方式ではないが、ストーリー的には北側・南側・最終章と大まかに分けて3つの章に分類できる。
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ミッションはストーリーを進める「ストーリーミッション」・組織の上層部から受けられる「派閥ミッション」・マラリアの治療に必須な「アンダーグラウンドミッション」・現地の同僚傭兵から受ける「バディミッション」・品揃えを向上させる「武器ショップミッション」・特定ターゲットを排除する「暗殺ミッション」の合計6種類に分類される。サブミッションをこなすことで資金や評判、武器、セーフハウスアップグレードなどを獲得し、ストーリーミッションをこなすことで話が進む。
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『FARCRY』の生物兵器トライジェンのようなSF要素、『FARCRY instincts』の野生の能力のようなファンタジー要素はなく、全て現実的な範囲内の武器や技術で構成されている。
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道中のセーブはベッドや青いケースで行う。途中からセーフハウスをアンロックすることができ、解放後にそこに立ち寄ることでセーブと物資補給が可能。
プレイヤーシステム
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ヘルスバーは5つのセグメントに分かれており、現在残っているセグメントのみ自然回復が可能。携行可能なシレット(モルヒネ)を随時使用することで完全に失った分のセグメントを回復する。
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ヘルスバーが最後の1つの時のみ、簡易的なモルヒネ注射ではなく応急処置を施す必要がある。処置の際のモーションはさまざま。
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所持可能武器は合計4つ。それぞれ近接武器の山刀、狙撃銃・ショットガン・アサルトライフルなどのメイン武器、ピストルやサブマシンガンなどのサブ武器、ロケットランチャーや火炎放射器などの特殊武器の全4カテゴリに分かれており、前作のような同一カテゴリの武器を複数携行するシステムは廃止されている。
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武器は各地のガンショップで購入が可能。使用すると劣化してジャムが起こりやすくなり、最終的には暴発して使い物にならなくなる。
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暴発の前に新品に交換する必要があるが、民兵のものは基本的に整備されていない劣悪なものであり前作のような鹵獲上等のプレイスタイルにはなりにくい。
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プレイヤーが水につかると簡単に劣化するという要素も。
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WeaponCrate(倉庫)機能は存在。武器屋かセーフハウスで利用が可能(アンロックが必要)。中身は有名なゾンビゲームと同じく、全ての場所で共有。
マラリア
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本作を象徴する要素。オープニングで主人公はマラリアに感染し、以後薬を摂取しながら活動することになる。
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プレイヤーはリアルタイムで30~40分ごとに薬を服用しなければならず、これを怠ると気絶して町の牧師のもとへと運び込まれることになる。ただしアンダーグラウンドミッションを進めていくことで症状を改善させることが可能。
マップ
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北側のレボア・サコ、南側のボワ・サコの2つのエリアが存在し、北側のすべてのプライマリミッションを完了することで南側への移動が可能となる。各エリアのバス亭からファストトラベルが可能。
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プレイヤーは単眼鏡を利用することで車両、狙撃兵の位置、固定機関銃、弾薬庫、爆発物庫、燃料庫、応急処置の在り処、建物などの特定のオブジェクトをマーキングすることができる。
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マップはGPSと紙の地図の2つからなっており、前作のような常時レーダーが表示されるシステムは廃止されている。
敵勢力
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UACを二分する武装勢力「UFLL」「APR」が登場。それぞれは敵対しており、プレイヤーは彼らからの依頼を受けて情勢を変化させながら、指名手配犯ジャッカルの暗殺を目指す。
UFLL
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「United Front for Liberation and Labour」の略で、直訳すると「解放と労働のための統一戦線」である。
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現地人のアッディ・ムバントゥーウェという男が主導する組織であり、UACの1国家としての独立を画策する地元の民兵と労働組織によって構成されている。
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軍事的な能力には疎く、元外国人傭兵ボーヒーズによって軍事力を維持している。
APR
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「Alliance for Popular Resistance」の略で、直訳すると「民衆の抵抗組織のための同盟」である。
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単独の政権を持たないUACを別のアフリカ国家の一部に組み入れることで安定を図ろうとする組織であり、独立派のUFLLと敵対している。プレイヤーが最初に与する勢力。
車両
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前作同様に劇中では複数の乗り物が登場。自動車、ボート、グライダー、トラックなどが存在し、装甲や火炎耐性、攻撃能力、視界といった複数の要素によって差別化されている。また、クライスラー社のJeep®2車種が実名で登場している。
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なお、自動車はある程度の深さの水に入るとすぐに故障してしまう。
オンライン要素
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FPSにありがちなオンライン要素はもちろん存在。
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通常のFPSであれば決まったマップで対戦するのが常識だが、本作では地形はもちろん、スポーンポイントや爆発物を含むオブジェクト、車両や武器の配置を自由に行えるエディタが使用可能。ただしNPCの配置ができない。
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これによって作成したマップを共有する楽しみも。もちろん、実際にオンラインマルチで遊ぶことが可能。
評価点
進化したグラフィックで描かれるアフリカの大地
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CryENGINEを独自改良した「Dunia」を採用しており、陽射しの照りつけるアフリカの大地を克明に描写している。
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プレイヤーの行動中、世界は昼夜のサイクルのほか、雨、強風、霧などのさまざまな気象の変化によって刻一刻とその姿を変えていく。
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時にその時刻や気象条件を生かすことが求められたりと、ただの背景ではなく戦略に重要な1要素としてきちんと機能している。
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動植物もしっかりと再現されており、『FARCRY 3』ほどの脅威にはならないまでも現地の風景の一部として溶け込んでいる。
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また、植物の類は延焼させることができ、単なる外見だけではなく、実際に草原を敵ごと焼き払うなど戦略的な要素としても機能する。
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武器に関しても、真上に撃ったRPG-7の推進薬が切れたらやがて自由落下してくるなど、現実では起こるものの他のゲームではあまり見かけないような要素も。もちろん敵がRPG-7を使った場合、迎撃することも可能。
自由度の高いミッション
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前作同様に目標地点への明確なルートは定められておらず、また本作で頻出する暗殺任務は複数の手段で攻略が可能。
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直接殴り込みをかけるも良し、ステルスキルを狙うもよし、車両を狙って攻撃したり狙撃して始末するもよし、延焼を狙って火を放ったり、爆破を狙ったりと地理的な方向性から武器選択による手段までプレイヤーの選択肢は豊富に提供される。
バディ要素
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道中では似たような境遇の傭兵達と出会い、彼らの依頼を受けて有効度を稼いだりセーフハウスを強化したりといったことが可能。
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条件を満たすと助けに来てくれるなど恩恵は多く、サイドミッションながらプレイヤーを補助する要素としてしっかりと機能している。
人間的な行動をとる敵AI
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敵となる民兵は前作同様にしっかりと人間的な動作を取るように作られており、時にプレイヤーの裏をかくこともあれば、時にプレイヤーに怯えて逃げ出すこともある。
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プレイヤーが逃亡を図れば車で追いかけ、狙撃されれば遮蔽物を求め、負傷した仲間がいれば助けようと手を貸す。ただ賢いだけでなく人間味のある挙動をするように作られており、出来は悪くない。
賛否両論点
劣化する武器
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銃器には耐久力が設定されており、耐久力が低下するとジャム(弾詰まり)が頻発する。最終的に暴発を起こして使い物にならなくなり、破棄せざるを得なくなる。
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このため、お気に入りの武器であろうが基本的に使い捨てとなり、交換せず安定して最後まで使える銃器というものが存在しない。
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幸い、ショップを利用した交換はラクなため頻繁に通うことで破損問題は回避が可能。ただし、それはそれで面倒くさい作業となる。
マラリアによる発作
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確かに異国からやってきた傭兵であれば現実的ではあるが、ゲームを妨害する要素としても機能してしまっているため否定的な意見も多い。
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一般的なゲームの状態異常のように解消する手段が用意されていればよかったのだが、実質的に解消方法がないのもその傾向に拍車をかけている。
それまでのプレイを否定する第三章の構成
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終盤の展開に関するネタバレのため注意
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本作は全3章構成であり、UFLLとAPRの両陣営に分けて前半2章が描かれるが、第3章「Heart of Darkness (闇の奥)」はこれまでシステム側が補強していた成長要素をストーリー側によって破壊することで、メタフィクション的にストーリーの重みが増すように設計されているという珍しい形のパートとなっている。
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どう足掻いてもマラリアの進行は止められず、どう足掻いても金に目が眩んだバディは裏切る。どちらの組織に与しようが泥沼の紛争を止めることはできず、どれだけ貢献しようとも最終的にプレイヤーは組織に命を狙われることになる。
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普通であれば組織別のマルチエンディングの採用やカットシーンによる演出で終わらせるところだが、本作では「組織別に分かれたストーリーミッション」「ミッション達成によりマラリアの進行を抑えられる要素」「バディミッション要素と、その達成による友好度パラメータの上昇」という一見恒常的な成長要素を挟むことによって、それらの要素を全否定する第3章の絶望感を意図的に上昇させている。
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非現実的なものであるビデオゲームにおいて、何もかも失う絶望感というものはプレイヤー自らの努力によって得たものをゲーム側が否定することでしか描けない。
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そういう視点で見ればアフリカ紛争社会の陰鬱さを描くストーリーテーリングとしては正しいのだが、成長要素が恒常的なものであることが当たり前な一般的なオープンワールドタイトルに慣れたプレイヤーからすれば堪ったものではない。
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問題点
描画範囲が狭い
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圧倒的な描画範囲をウリにしていた前作と異なり、オープンワールドの本作は問答無用で敵がリスポーンする。
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リスポーン距離も狭く、拠点と目的地の往復がメインなのも相まって再配置された敵との戦闘が頻発し非常に面倒くさい。
ダッシュ距離が短い
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傭兵にしては不自然なほどにスタミナがない。
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車両システムのおかげで凄まじく不便というほどではないが、砂漠の真ん中で車がスタックした場合などは非常に億劫。スタミナを鍛えられるような育成システムもなく、無駄な要素の1つとなってしまっている。
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スタミナの概念自体は前作『FARCRY』にも存在したが、オープンワールドではなかったため一方方向への移動のみとなり、進むたびに何らかの移動手段が供給されていくようになっていた。このため本作ほどの迷惑要素にはなっていなかった。
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立ち歩きだとかなりスタミナ回復が遅いので、立ち歩きばかり使っていると走りたいときにスタミナがほとんどない事態になることが珍しくないが。
マラリア薬の余分なストックが不可能
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アンダーグラウンドミッションを達成することで報酬として確保できるマラリア薬だがギリギリの数しか持ち運べず、余分にストックして使うことができないため薬が切れたらいちいち確保に向かわなければならない。
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頻繁に発作が起こるため作業になりがちな要素。1~2回は発作に耐えられ、ヘルスが減っているときはそちらの回復が優先されることを覚えておくとよいだろう。
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薬の残量が0になった瞬間に薬補給ミッションが受注可能になるにもかかわらず受注可能になったときの通知はない。
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実は初期状態では薬には残量の概念がない(無限)。特定のミッションの完了後、薬補給ミッションが始まるとカウントが開始され、この状態で1、2回使用すると無くなる。
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つまり、ゲームを進めようとすると直ちにこの妨害要素が始まる、ということである。Act2が開始して新しい武器が入荷するとなぜかまた特定ミッション完了後まで無限に薬が使えるようになる。
無限復活する検問
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道中の検問は何度制圧しても敵がリスポーンする。何度も往復を繰り返すオープンワールド式のシステムを採用しているため、しばらくするとただの作業になってしまう。
敵車両が速い
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無限に復活して邪魔をしてくる検問だが、車両で逃亡しようとしても敵が追ってくるため無視するのが難しい。
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追跡能力は高く振り切るのは至難の業。速度も意図的に速く設定されており、対処法は毎回検問所を制圧する以外になく自由度を阻害する要因となっている。
妙に納得しがたいステルス関連の仕様
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ステルス関連の仕様は現実的とは言いがたい粗が少なくはない。以下が粗と言えるような仕様。
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弾を外して敵の近くに飛べばやけに正確に探ってくる。遮蔽できるものがないと50m以上の距離でも1秒もしないうちに完全に発見されることも多々ある。
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最高難易度ですら、光があまり当たらない夜に活動するなどで自分が視認されにくいように対策すれば、10mほどの距離でもすぐには気づかれないことは珍しくないのが余計に不公平に感じさせる要因になる。
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精度が抜群に高いサイレンサー付きマカロフで狙撃するときも、うまく狙えずに外せば一瞬で危険な状況になりかねない。
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マチェットで後ろから襲っても即死せずしかも声を出されてしまう。他の敵がまだ多い状況だと、結果的に声を聞かれた敵や警戒している人を視認した敵が警戒して面倒なことになりがち。声さえ出なければ近づいて安全に殺せる状況でも、サイレンサー付きの武器を使わないといけないのはもどかしい。
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視界での警戒状態の伝搬はやけに速いわりに銃声自体は意外と周りを警戒させない。警戒している他の人を視認すると1秒もしないうちに連鎖的に警戒するのに、銃声自体は数十m離れてかつ他の警戒している人や死体が見えないような敵を警戒状態にさせない。
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敵が出す他の仲間を警戒させるような音で銃声並の範囲で聞こえるのは、ダメージを受けかつそれで死ななかったときに出す叫び声ぐらいである(ヘッドショットでなくても即死なら出ない)。
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ただし、銃声の大きさに関しては正確に位置を探られずにスナイパーライフルでの遠方から狙撃する戦法が現実的にできる一因ではある。
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『FARCRY 3』以降はサプレッサーがないとアサルトライフルでも半径100m以上の範囲で音が聞こえるし、銃自体の音が聞かれなくても銃弾で死ぬ瞬間を見られたら通常よりも強い警戒状態(弾をかすめたときなどと同じ)でプレイヤーの位置を探ってくるようになったのでこうもいかない。
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『3』以降も敵兵自体が出す警戒させる音が乏しく、警戒状態の伝搬はほとんど視界頼みなのは変わらない。警戒時のセリフを言ってもそれ自体は(少なくともダメージを受けたときの声ほどは)他の敵を警戒させないのも同じで不自然である。
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スナイパーの視界が前作に負けず劣らずの超人ぶりである。夜はともかく、晴れた昼だと数百m単位の距離でも運転中に狙撃されることがある。
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前作のように石ころを投げて敵を引きつけられない。いくらか視認される以外にあまり警戒されずに別方向に誘導させる手段がないのである。
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前作の石ころは、少しでも警戒ゲージが上がるような状態で投げると100m以上の距離でもすぐ発見されるという使いやすいとは言えないものだったが。
酔う
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マラリア演出の画面エフェクトが濃く、頻繁に発生する上に消す手段がない。視野角なども相まって慣れないと酔いがち。
オンラインエディタでNPCが配置できない
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せっかくマップ編集機能があるのに、オンラインでしか遊ぶことができない。
総評
ジャム・暴発・マラリア・大自然・ひたすら繰り返す移動、延々と出現する敵、重苦しいストーリー…。
徹底した「リアルさ」の追求により、「ゲームとしての楽しさ」を阻害するほどの現実の理不尽さを味わうことになるという、極めて人を選ぶゲームデザイン方針のもと製作された作品。
それ故に前作のような高難度ながらも安定したゲームプレイと比較され、常に高難度かつ不安定なゲームプレイを酷評されることもあった。
だが、SF要素が邪魔だった前作と比較して独特な空気感・説得力を持つ異色なリアルテイストを好むプレイヤーも多い。
システムとストーリーの両面によって虐げられながら地獄のようなアフリカ紛争地帯を生き延び、傭兵の苦しみを擬似的に共有した末に最後に辿り着く壮絶なエンディングにはただのムービー演出だけでは描けない深みが生まれている。
理解し順応するまでの道は長く険しいが、最後まで見届けたプレイヤーからはその内容を評価する声も少なくない。
余談
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本作は植民地時代のコンゴを舞台にしたジョゼフ・コンラッドの小説『Harts of Darkness (邦題:闇の奥)』及びそれを元にベトナム戦争ものに翻案した1979年の映画化作品『地獄の黙示録』に強い影響を受けている。
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思想を異にする2つの勢力に分離しながらもどちらが善悪とも言い切れないUACの紛争状況や、絶対的なカリスマと狂った思想が共生する男の存在、崩壊の一途を辿るストーリー終盤の展開なども酷似しており、リスペクト感が強い。
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小説や映画の知識を得た上で遊ぶことで、また違った視点でストーリーを追うことが出来る。
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しかし、このあたりのリスペクトに疎い翻訳のせいで日本語版はチャプター3「Harts of Darkness」の名称がそのまま「ダークネスハート」となってしまっている。クリア実績の「The Horror,The Horror (原作におけるカーツ大佐の最期の台詞)」も、日本語版では「ホールディングファイア(射撃中止)」に変更されている。
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宿敵ジャッカルはその容姿、元米兵という経歴、ストーリーが異なる初代のアレンジ移植『Instincts』で追加された武器密輸業者としての過去描写、使用されたテクスチャファイル名などの共通点から、『FARCRY』の主人公であるジャック・カーヴァーではないかという説がファンの間で囁かれていた。
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そして、2021年10月3日、本作のディレクターがインタビューでこの説を肯定、開発側としてもジャック=ジャッカルと想定して製作していたことが明かされた(参照)。
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ただし、時代設定は本作が2008年で『1』が2025年のため時系列的には食い違いが生じている。
最終更新:2024年08月08日 00:00