Flood of Light
【ふらっどおぶらいと】
ジャンル
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パズル/アクション
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対応機種
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Windows(Steam) Mac OSX(Steam) Nintendo Switch
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メディア
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ダウンロード
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発売元
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indienova
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開発元
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irisloft
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発売日
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【Win、Mac】2017年6月15日 【Switch】2018年8月23日
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定価
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【Win、Mac】398円(税込) 【Switch】480円(税込)
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プレイ人数
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1人
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レーティング
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CERO:C(15歳以上対象)
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セーブデータ
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1個
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判定
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なし
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ポイント
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トライ&エラーが行いやすい 光を移動させ灯篭を点灯させる
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あらすじ
未曽有の豪雨によって海に沈んでしまった街と、そこに現れた先導者と呼ばれる少女。
彼女は暗い街に光を灯していき、水をどんどんと退けていくのであった。
ロボットだけが取り残された工場や駅を経て、少女は最下層へと向かう。
概要
中国の北京を拠点とするインディデベロッパー、irisloftの処女作。
光を持ち運ぶことのできる少女を操作し、街灯に灯っている光を適切に配置・移動させて「碑」と呼ばれるギミックに光を灯すのが目的。これにより街の水位を下げ、地下へ向かうことを目的とした2Dパズルゲームである。
元は2016年にiOSでリリースされていた同名ゲームの移植となる。
システム
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基本的なギミック
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少女が出来る操作は「移動」「光の引き寄せ」「光の移動」の3つ。
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マップ中には幾つかの街灯(光の灯ったものや空っぽのもの)が浮かんでいる。
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その他に1つ~複数個の「碑」が立っており、この碑に光を灯すとそのパズルはクリアとなる。
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移動
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少女は左右にゆっくりと移動できる。階段は上り下りできるが、ジャンプで穴や段差を飛び越えるといったことはできない。
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雨水で浸水したエリアに入ることは出来ない。特にエレベーターで水没したゾーンに移動してしまうと即やりなおしとなる。
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スティック操作のほか、Switchの画面をタッチすることで少女がその方向に歩き続ける。
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光の引き寄せ
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Yボタン長押しで近くの街灯の光を引き寄せる。引き寄せ可能な範囲は決まっており、それより遠いところの光は引き寄せられない。
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光は一度に幾つでも持つことが可能で、既に所持している状態でも追加で引き寄せることもできる。引き寄せた光は粒状になって少女の周囲を漂う。
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複数の光を持つ街灯(その数に応じて街灯から光の枝が伸びた見た目となる)もあるが、その場合は全てを引き寄せることになり、任意個数だけ引き寄せるといったことはできない。
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光の移動
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Rボタン長押し+スティック操作、あるいはSwitch画面に対するスライドタッチで行える。
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所持している、または街灯に灯っている光は、近くの空の街灯や碑へと移動させられる。ただしこれも移動可能な距離が定められており、起点と対象が離れていると移動は行えない(起点とする街灯・碑が少女から遠い位置である分には移動可能)。
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少女から街灯・碑に移動させる時は手持ちの光をすべて手放すが、街灯・碑から別の街灯・碑に移動させる際は、起点にひとつ確保して残りを手放す。
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移動先の近くにさらに空の街灯や碑があれば、起点が持つ光の数に応じてひとつずつ消費しながら連鎖で接続することが出来る。
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ギミックの作動
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碑に明かりを灯すと水位が下がり先に進めるようになる。
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機械のスイッチになっている街灯が存在し、そこに明かりを灯すことでON/OFFの切り替えが出来る。エレベーターの昇降だったり、橋の出現/消滅であったり様々なケースがある。
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光の色
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序盤は黄色い光しか登場しないが、中盤以降から青い光が登場するようになる。
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黄色い光は水に入ると消失するが、青い光は沈めても消えない。
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また少女が黄と青の光を同時に所持すると、すべてに青色に置き換わってしまう。
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先述の「碑」には太陽の碑と月の碑があり、前者は黄色の光しか受け付けず、後者は青の光しか灯すことができない。
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灯篭を飛ばす
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終盤で使えるようになるアクション。
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少女が光を所持しているときにXボタンを長押しすると、光をひとつ消費して真上に向けてゆっくりと灯篭を飛ばす。
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この灯篭もマップ内の街灯同様のはたらきを持ち、碑が遠くて届かない場合などに用いる。
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途中で少女を移動させようとするとアクションが中断され、光も消費されない。
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壊れているモニター型のロボット
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各地に点在しており、彼らに向かってAボタンを長押しすると修理できる。
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攻略のためのヒントやストーリーの補完情報をもらうことができる。
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チャプター
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8つのチャプター、およびエクストラのチャプターからなる。
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チャプターをすべてクリアしたときに、「特定の街灯を灯した数」、「光を動かした手数」、「修理したロボットの数」、「マップ中に点在する手紙を読んだ数」を評価される。
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セーブ
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プレイヤーが任意に行えるものではない。パズル面を進めることで節目節目で行える。
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フロッピーディスクのようなマークがあり、そこを少女が歩くと自動でセーブされる。
評価点
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独自性のあるルール
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光は一粒ずつ運べないことが殆ど。また数が限られた光をいかに無駄なく分配するかが重要になってくる。こういった制約をいかにうまくかわしていくかが本作を攻略するポイントとなる。
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黄の光・青の光の二つがある場合は、現在ある黄の光のうちいくつを青の光に変えれば先に進めるか、といった戦略要素がある。
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灯篭を配置する場合、そのやり方は複数パターンが考えられる。
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ほどよい難易度
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セーブポイントを通過し、さらに次のセーブポイントにいたるまでおおよそ5分から10分程度のボリュームとなるので、気軽に中断できる。
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セーブはステージの節目で固定で行われるものであり、詰む心配はほぼない。制限時間もなく、失敗したと思ったらすばやくリセットできて試行錯誤しやすい。
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操作方法は若干複雑なところもあるが、やれること自体は良い意味で限られているので、パズルが苦手でもとっつきやすい。
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どこか退廃的な雰囲気
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人類が災害で姿を消した世界が舞台。水に埋もれた廃虚を探索するという独特な魅力はある。
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主人公となる少女の正体、および少女の生い立ちに関連する物語を読み進めることが出来る。少女の誕生に関係する、とある博士の苦悩もここから垣間見ることが出来る。
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雨がしとしとと降りつづけるSEとアンニュイなピアノBGMが流れ続ているので、プレイしながらのヒーリング効果が期待できるか。
問題点
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操作性
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主人公の移動速度が遅い。
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光を移動する操作がやりにくい。ボタン操作だと、光の移動の途中でミスすることがあり、Switch画面をなぞるようにタッチしたほうがはるかに失敗しにくい。
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デバッグ不足
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機械が主人公の少女に話しかけてくる際のテキストがうまく改行されていない。画面外にはみ出してしまい全てを読めないこともある。
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光の粒が移動している最中に、さらに光を吸収しようとするとゲームが中断されてしまう。
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(アップデートで修正済みだが、)一時期終盤のステージで、光を動かす際にボタン操作では受け付けてくれず、タッチ操作のみ可という面があった。
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デフォルトで日本語表記になっていない
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ダウンロード直後は英語でメニューやゲームのシステムが説明されており、プレイヤーが自力でメニューを探し当てて言語を日本語に変更しなくてはならない。
総評
雨がふりつづける廃墟を舞台に明かりの消灯をテーマに繰り広げられるパズルゲームである。低価格ゆえボリュームは少なめだが、制限時間もなく、雨とピアノをききながらじっくりと試行錯誤がきく難易度なのでライト層にお奨めできる作品。
最終更新:2021年12月16日 10:45