Star Wars Jedi Knight: Mysteries of the Sith

【すたー うぉーず じぇだいないと みすてりーず おぶ ざ しす】

ジャンル FPS
対応機種 Windows
発売元 LucasArts
【Steam】Disney
開発元 LucasArts
発売日 1998年2月17日
【Steam】2009年9月16日
定価 【Steam】310円
配信 Steamにてダウンロード販売中
判定 なし
ポイント 『ジェダイナイト』拡張パック
マルチプレイキャラ増加
劣悪なジェダイ縛り要素
スター・ウォーズシリーズ
ジェダイナイトシリーズ
Dark Forces / 1 / MotS / 2 / Jedi Academy


ストーリー

A Long Time Ago, in a Galaxy Far, Far Away...
遠い昔、遥か彼方の銀河系で…


カイル・カターンが父モーガンの使命を受け継ぎ、ジェダイの谷でダーク・ジェダイのジェレクを倒してから5年後。

カイルは帝国軍残党の掃討を試みる共和国軍に協力しつつ、ジェダイの一員として元帝国軍、今は若きパダワンであるマラ・ジェイドと師弟関係を結んでいた。

惑星アルティールVの前哨基地で訓練を行っていた二人は、突如帝国軍残党の強襲を受ける。残党は小惑星に偽装した2つの砲撃基地によって基地の破壊を目論んでいた。

敵シャトルを奪取し潜入を果たしたカイルは砲撃でもう片方の小惑星を破壊し、融合炉を暴走させて脱出する。しかしその過程でシスの神殿が惑星ドロムンド・カースにあるという情報を掴んだカイルは、単独でドロムンド・カースへの調査に赴くことを決意する。

凄腕の傭兵としてフォースに覚醒しながら、新共和国の手の及ばぬ無法地帯で多くの任務をこなすマラ。しかし復讐を糧にジェダイとなったカイルは神殿の調査中、シスの誘惑に抗えなくなっていく。


概要

ルーカスフィルムのゲーム部門であるルーカスアーツによる1997年発売のFPS『Star Wars Jedi Knight: Dark Forces II』のスタンドアローンの拡張パック*1として、翌年の1998年初頭に発売された作品。
前作同様にFPS形式となっているが、主人公は前半を前作主人公のカイル・カターンが、後半を弟子のマラ・ジェイドが務めている。
ゲームエンジンも引き続き「Sith Engine」が使われている。


ゲームシステム

操作方法

  • 前作から大部分を流用しているため、基本的な点は同じ。
    • WASD移動、ファンクションキーによるフォース発動、ジャンプ、発砲といった動作も同じ。唯一の変更点としてライトセーバーがデフォルトで右端の0キーから左端の1キーに変更されており(素手の上位互換扱い)、不便すぎたライトセーバー選択が幾分か快適になった。

ゲーム進行

  • 前作同様の直線構造であり、全14ステージ。オートセーブはなく、任意セーブを駆使して進んでいく。前作と変わって特定箇所に設置する爆弾やタスケン変装グッズといったキーアイテムが追加され、一部ステージではクリア必須となる。
    • また、「ハイジャンプ」「フォース・プル」「フォース・シーイング」「フォース・パースエイジョン(透明化)」といった一部フォースは自動取得へと変更され、「看守の鍵を格子越しに奪う」「隠されたエリアを見つける」「遠距離からレバーを引く」「透明化で監視装置をすり抜ける」といった、任意取得の前作にはなかったフォース利用を前提とした地形パズルが複数盛り込まれた。
  • 前作に存在したジェダイとのボス戦は終盤以外削られ、前半~中盤はオーソドックスなFPS形式となった。

フォース

  • Q/Eキーで選択してFで実行する、もしくはファンクションキーで実行するおなじみの特殊能力。前作と異なり最初から利用可能であり、一部フォースは自動取得・他のフォースもカテゴリ分けされ、シークレット発見数に応じてカテゴリごとの最大取得可能数が増加していくといった形に変更されている。
    • ステージクリア時に戦績として「スター」が与えられ、そのスターを各種フォース能力に割り当てることでフォース能力が強化される。フォースには移動やアイテム取得に向いた中立・防御や回復を行うライトサイド、攻撃に特化したダークサイドの3つのバリエーションがあるが、前作のように「どちらかしか取れない」ということはなく、両サイドのフォースを同時に取得することが可能。
    • フォース取得画面は随時Escキーで確認でき、スターの割り振りも可能。上限は最大4つ。

使用武器

  • それぞれに1~0の数字キーが割り当てられているのは前作と同じだが、幾つか同一カテゴリの上位互換扱いで新武器が追加されたほか、ライトセーバーが素手に統一された結果0キーが空いたことで新カテゴリの武器も登場した。
    + 仕様変更・追加された武器 DL-44ヘビー・ブラスター・ピストル
  • ステージ1からスカウト・トルーパーがドロップする、映画でハン・ソロが愛用したことで有名なモーゼル拳銃型ブラスター・ピストル。発射速度は相変わらずだが、非常にブレが少ないため狙撃も可能。ただしスコープは使えない。
  • ストームトルーパー・ライフル(スコープ付き)

    • スコープを取得することで狙撃銃に変更可能に。消費弾薬が増えるが威力が高くブレのないヒットスキャン狙撃武器として使えるようになる。スコープシステムは同社の『Outlaws』のものをベースとした切り替え方法となっており、使い勝手はやや不便。

    フラッシュバン

    • サーマル・デトネーターと同カテゴリに分類される手投げの手榴弾。威力のあるグレネードの下位互換的なポジションであり、使い勝手は悪い。

    シーカー・レール・デトネーター

    • 一部ステージで利用可能なレール・デトネーターの別種類弾。追尾性能があり、偏差射撃なしでも当たるようになる。

    カーボナイトガン

    • 敵にカーボナイトを浴びせてカーボン凍結させる珍兵器。凍結させた敵は粉々に砕けるが、ダメージ覚悟で何度も浴びせなければ凍らない、射程がライトセーバー並みと凄まじく使い勝手が悪い産廃武器。

    ライトセーバー

    • 0キーから1キーに変更されより取り出しやすくなった、映画でおなじみの近接武器。ドロムンド・カース到着時に他の武器が利用不可となるため、使用頻度は高い。

    固定砲台

    • ごく一部のステージに設置された砲台。一撃でタイ・ファイターを粉砕するなどすさまじい威力を持つ。


評価点

フォースパワーを生かしたパズル要素の登場

  • 全フォースが任意取得の前作にはなかった、予め取得されたフォースを利用した、普通のFPSにはない頭を使うギミックが盛り込まれている。やや難しすぎる部分もあるものの、差別化は図られており一風変わったギミック重視のFPSとして楽しむことが可能。

味方NPCの登場

  • ステージ1やステージ9といったごく少数のポイントのみだが、新たに味方NPCが出現するように。AIは賢くないため誤射も多いが、目の前でストームトルーパー対反乱軍の戦闘が再現されるなど前作には無かった光景が楽しめる。

新たな敵の登場

  • AT-ATドライバー、スカウト・トルーパー、タイ・ファイター・パイロット、アサシン・ドロイド、巨大生物ランコア、ワンパ、シス・ジェダイ像、シス・アンデッドなど前作以上に多くのキャラクターが登場。特に圧倒的劣勢状態で挑むことになるランコアのインパクトは強く、唯一死亡時の演出が丸呑みになるなどインパクトのある敵となっている。

喋る主人公

  • 友好的なNPCに対して危害を加えないことを話したり、犯罪王ハットを前にしてジョークを飛ばしたり、ドアを開けたアストロメク・ドロイドを褒めたりと随所に挟まれるボイスによって人間味溢れるプレイヤーキャラクターを描いている。
    • 元々『Star Wars: Dark Forces』でも主人公の声は多く、それを受け継いだ結果これまのシリーズ同様にただの主人公に留まらないキャラクター性を得ることに成功している。

雰囲気を盛り上げるBGM

  • 前作同様のオーケストラ演奏。映画でお馴染みの曲が流れ、雰囲気の演出に貢献している。
    • 前作同様の場面ごとの転調も健在。ずっと同じ曲が流れ続けるのではなく、戦闘中などと探索で曲が変化するなどゲームに沿った調整が施されている。

AIの改善

  • フォースプルで手持ち武器を奪っても素手で攻撃してくるようになるなど、わずかではあるが一部AIが改善された。

映画本編の再現

  • ボーナスステージとしての登場ではあるが、ベスピンのクラウドシティを舞台にしたマップが登場。クラウド・シティ内部の光景や原作通りの終盤展開など開発チームのスター・ウォーズ愛に溢れており、オマケ要素ではあるものの出来が良い。
    • 終盤ではダース・ベイダーも登場。原作通り飛び降りることでクリアできるが、敢えて決闘を挑んで倒すこともできる。

オンライン対戦の改善

  • 前作で好評であった最大32人のオンライン対戦は本作でも健在。新モードが追加されたほか、上述の面子が流用されたことで帝国軍vs反乱軍やダース・ベイダーvsルークといった前作や前々作でプレイヤーが望んでいた対戦がついに実現した。
    • ウーキーやハン・ソロといった戦闘キャラクター、スノートルーパーなどの派生トルーパーの不在など依然キャラセレクトは完全とは言えないものの、前作と比較しての改善点として評価された。
    • 帝国vs反乱軍の本格的な大規模戦は本作を経て、2004年に『スター・ウォーズ バトルフロント (2004)』という形で結実することになる。

賛否両論点

相変わらず使い勝手の悪いライトセーバー

  • 射程が短く使い勝手が悪い前作のものをそのまま受け継いでしまっており、かなり使い辛い。以下の様々な難点が放置されている。
    • 振る速度が素手並み
    • 攻撃反射能力の有効範囲も狭く連続したレーザー攻撃は防げない
    • 何もしていない時しか攻撃を反射できない
    • 反射した弾が撃った敵に当たるかどうかは完全ランダム
    • ロックオンできないため視界操作が面倒
  • 唯一、0キーから1キーに移されたことで構えること自体は簡単になった。戦闘でなくても金網を破壊するなどパズルで利用する部分も多いため、面倒さがやや軽減されている部分もある。

三度の武器没収

  • 一度目はカイル・カターンからマラ・ジェイドにプレイヤーが変更された時、二度目は任務中に捕まった時、三度目はドロムンド・カースに到着した時から最後までとゲーム中に三度も全武器没収イベントが仕込まれており、武器を集め温存するプレイヤーの努力が無駄になっていく。
    • この仕様によりせっかく追加されたはずの武器がシングルプレイでほとんど役に立たないという事態に陥っており、特にブラスター・ライフル用スコープとシーカー・レール・デトネーターは二度目の没収以後通常プレイでは取得できないなど扱いが悪い。

エンディングの一本道化

  • シスに転向しようとするとカイルに殺されバッドエンディングではなく死亡扱いとなるため実質ライトサイド一本道となっている。前作のような分岐ムービーがなく周回要素が減った反面、分岐の制約なく自由に取得するフォースを選べるといった利点もあり一長一短。

攻略法が分かりづらすぎるラスボス戦

  • 本作のラスボスは倒すことが出来ず、武器をしまい素手になることでムービーが挟まれエンディングとなる。しかしそれが本編中で説明されることはなく、唯一のヒントは「ライトセーバーを地面に置いて座るジェダイの壁画」。怪しく光ってはいるため目には付くがヒントとするには遠まわしすぎる上に、シスの宮殿にしては壁画の内容がおかしいという突っ込みどころもある。
    • 仮に倒せないとしても一定時間耐えれば自動的にムービーに移行するといった展開であれば初心者でも気付けただろうが、そういった救済要素はない。ステージ14道中が凄まじい難易度を誇るのもあり、そういった演出重視の手法だと見抜けずに戦ってしまうことになる。

問題点

戦略性のないライトセーバーでの決闘

  • 本作のライトセーバーは振っていない間だけ、正面からのレーザーとセーバー攻撃のみ防ぐという自動防御式であり、任意で防御体制にすることが出来ない*2。実質的に「距離を取りつつ隙を見てライトセーバーを振るだけ」と単調であり、追従カメラもないため隙の読みあいによる高度な剣戟には程遠い。
    • 同時に最大4体のライトセーバー持ちと対峙するなど前作よりもさらに難易度が上昇しており、結局のところ攻撃と防御を駆使するというよりは防御されないよう相手の周りを回りながらライトセーバーを振り続けるのが最適解の戦闘が多い。

性能が悪過ぎる新武器

  • ピストルやライフル、グレネードといった各カテゴリの互換枠としていくつか武器は追加されたものの、ライトセーバーのカテゴリ統一で空いた枠に追加された唯一の新カテゴリ武器「カーボナイトガン」があまりにも産廃すぎるとして突っ込まれた。
    • 敵を凍らせるというアイデアまでは良かったが、その短すぎる射程距離がゲーム性と全く噛み合っていない。その上登場するステージが遅すぎた結果遠距離攻撃を行う敵と即死級の近接攻撃を放つ敵の登場するステージでしか利用できない。本作ではガモーリアンも強化されているため、全ステージで登場したとしても有用な使いどころは皆無
    • 後述の仕様もあり、殆どの場合一回使われた後は射程距離の近いライトセーバーにその座を奪われる。

シス神殿の異様な敵配置

  • ステージ12からステージ14(ラスト)までの舞台である惑星ドロムンド・カースではシスの暗黒パワーによりこれまで入手した全銃器が利用不可となり、プレイヤーはライトセーバーとフォースのみでラストまで辿り着かなければならなくなる。今まで集めた武器弾薬が全て使えなくなる上に今まで利用する機会の少なかったライトセーバーに持ち替えなければならないなど唐突にゲーム性が変化するため、プレイヤーの多くが戸惑うことになる。
    • ステージ12では一撃が重いワンパが大量出現し、ステージ13ではライトセーバーを使うシス・ジェダイ像が同時に複数体出現、ハズレ部屋では高速移動し即死攻撃を繰り出す虎型生物ヴォンスクルがプレイヤーを葬る。それらを乗り越えたステージ14でも攻略ルート上にヴォンスクルが大量に配置され、遠距離の電撃攻撃を繰り出すシス・アンデッドまでこれまた複数体登場する。
    • これらを武器なし・回復アイテム補給ほぼなし・ライトセーバーとフォースのみで切り抜けなくてはならない。難易度最低のイージーならまだしも標準難易度のミディアムではかなり厳しく、前作以上にフォース・ヒーリング一強となっている。

総評

『スター・ウォーズ』ファンも納得のFPSとしてその完成度を評価されたジェダイナイトシリーズの1作目『Star Wars Jedi Knight: Dark Forces II』の後日譚を描き、拡張パックとして単品販売された作品。
荒削りのジェダイ要素はそのままに終盤ステージを実質的なジェダイ要素縛りに変更した結果、システムの不完全さが余計に足を引っ張る形となってしまっている。ただしそれ以外の前半~中盤までの出来は『Dark Forces II』の正当進化とも言える内容に仕上がっており、マルチの強化や前半部分の完成度を評価するか、後半のゲームバランスを酷評するかで評価は分かれている。


余談

  • 現在で言うDLC的立ち位置ではあるが、本作は単品でパッケージ発売されていた。後に前作とカップリング発売もされたものの、Steamでも独立作品(半額ではある)として販売されている。
  • 前作から各種チートコマンドワードが変更されているため、前作のものを入力しても恩恵は得られない。
  • 前作のダーク・ジェダイには爆弾ダメージが効かなかったが、本作のボーナスステージに登場するダース・ベイダーには爆風ダメージが入るようになっており爆発武器でベイダー卿を倒すことも可能
    • 本作のジェダイ戦はどれも爆発武器利用不可ステージでの登場のため、AI設計段階で対爆風ダメージを設定し忘れたまま気付かずに放置され、そのAIをダース・ベイダーに流用した結果爆発ダメージが入るようになってしまったのだろうと考察されている。このため、この調整ミスが本編内容に影響することはない。
  • イースターエッグ要素として本作中盤に前作の悪役である8t88の頭部と前々作の敵キャラであるダーク・トルーパー・フェイズ2の頭部が飾られている。通常プレイで通る場所にあるため見つけやすいが、特にストーリーに関わってくるわけではない。
  • 前作でカイル・カターンを演じたジェイソン・コートの引退もあり、声優は変更されている。また、ムービーも実写ではなく3DCGへと変更されており、グラフィックも高性能機を利用したプリレンダリングではなく、本編と同等の粗いポリゴンとなっている。
  • マルチプレイとボーナスステージのみの登場にもかかわらず、ドイツ版のカップリング版パッケージにはダース・ベイダーが起用されている。
    • 北米版パッケージはマラ・ジェイドとなっているが、小説発のマイナーキャラだったため原作ファンに受けないと考えられた可能性が高い。同様に『Star Wars: Dark Forces』のパッケージもオリジナルキャラのカイル・カターンではなくストームトルーパーが勤めている。
最終更新:2022年02月14日 03:36

*1 通常、「拡張パック」の名前で出るものは元となるオリジナル版が必要だが、本作は単体で動作する数少ない代物である。

*2 ライトサイドで該当フォースを取得した場合のみ、フォースでバリアを張ることで擬似的な任意防御は可能