ARMORINES: Project S.W.A.R.M
【あーもりんず ぷろじぇくと すうぉーむ】
ジャンル
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FPS
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対応機種
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Nintendo 64(海外のみ) PlayStation
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発売元
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Acclaim Entertainment アクレイムジャパン、販売元:タイトー(PS日本語マニュアル付英語版)
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開発元
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Acclaim Studios London Distinctive Developments(PS移植)
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発売日
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1999年12月9日 【PS】2000年5月4日
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判定
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なし
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ポイント
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PS末期の家庭用FPS 協力・対戦機能搭載 発売時期から注目されずに終わる
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概要
元々は北米でNintendo 64向けソフトとして発売された、同名コミックを原作とするステージクリア式のフルポリゴンFPS。
日本ではプレイステーション版が、タイトーにより説明書のみ翻訳されて発売された。
開発は80年代にアーケードゲームの家庭用移植などを行い、アクレイムによる買収でアクレイムスタジオロンドンへと改名したProbe Software。
発売はN64向けFPS『時空戦士テュロック』『バイオレンスキラー TUROK NEW GENERATION』で有名なアクレイムエンターテイメントが行っている。
ストーリー
西暦3000年を迎えた地球。侵略と征服だけを目的とする昆虫型地球外生命体によって、地球は壊滅の危機に瀕していた。
シベリア、古代アステカ遺跡、南太平洋の火山、エジプトの砂漠といった主要な軍事拠点は制圧され、地球の大気は彼らの発するガスによって変容しつつあった。
人類の抵抗もむなしく人々は餌として捕らえられ、各国は彼らを殲滅するに足る軍事力を求めていた。それに応え、特殊部隊「アーモリンズ」はバグの掃討作戦に名乗りを上げた。
プレイヤーはハイテクバトルスーツと特殊武器を装備した人類の切り札「アーモリンズ」となり、4箇所の軍事拠点を転戦、バグの殲滅を目指す。
ゲームシステム
キャラクター
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主人公は金色のアーマーを着用した海兵隊員のトニー・ルイスと、銀色のアーマーを着用したマイラ・レーンの二人。
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それぞれ初期装備が異なり、トニーは武器威力が高いがバトルウェポンがなく、マイラはバトルウェポンとエネルギーウェポンの両方を所有する。
操作方法
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キーコンフィグはできず、4つのキー配置から選択する。割り当てられるのは移動・視点操作・しゃがみ・ジャンプ・武器選択・攻撃の6つ。
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セレクト・スタートのみどの操作でも変わらず、セレクトで特殊バイザーを起動・スタートでメニュー表示となる。
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デュアルショックに対応しており、アナログスティックを使用した視点操作・移動が可能。
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武器選択キーを押しても武器一覧が表示されるわけではなく、押した状態で↑を押すとスペシャル、↓を押すとアイテム、←を押すとエネルギー、←二回でバトル、→で弾薬という割り当てになっている。
武器
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取得可能な武器は「バトルウェポン(近接武器)」「エネルギーウェポン(遠距離無限武器)」「弾薬ウェポン(弾数制限付き高威力武器)」「スペシャルウェポン(ステージ限定武器)」の5つ。
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通常攻撃手段となるエネルギーウェポンは無限に発砲可能でオートエイムも効くが、弾薬ウェポンやスペシャルウェポンはその限りではない。またマイラ選択時のみ近接攻撃手段となるバトルウェポンを選択可能。
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基本的には威力の低いエネルギーウェポンを使用し、固い敵に対しては弾薬ウェポンを使用することになる。
ゲーム進行
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昆虫型地球外生命体(作中では単に「バグ」と呼ばれる)に侵略された地球各地を舞台に、海兵隊員となって敵を倒しつつ任務を完了していく。
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エピソードは「シベリア」「ジャングル」「火山」「エジプト」「巣窟」の5つ。1エピソードはそれぞれ3~5つのステージで構成されており、合計20ステージ。
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ステージごとに達成すべき任務が存在し、これらを達成しつつ目的地へと進んでいく。最終的にクイーンを滅ぼすのが目的。
評価点
ほどよくグロテスクなバグたち
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映画「スターシップ・トゥルーパーズ」のような昆虫型エイリアンとの戦闘となるのだが、群がる昆虫特有の気持ち悪さはきちんと演出できている。
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特にソルジャーは巨体や色合いも相まって非常に気持ち悪く、倒すべき人間の脅威としての雰囲気をよく表現できている。
協力・対戦要素
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「COOPERATIVE」モードで2人で協力してシングルプレイを遊んだり、「MULTIPLAYER」モードで対戦を楽しんだりといった要素が存在。コントローラーを2つ用意することで、複数人でも楽しむことが出来る。
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ただし対戦は2人デスマッチしか用意されておらず、キャラクターもトニーとマイラ以外選択不可能、botも存在しない。2年前に発売され対戦が評価されたN64ソフト『ゴールデンアイ 007』と比較しても寂しいボリューム。
フル3DのFPS
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スペックを考えるとかなり健闘したグラフィックが特長。ただしPS2発売後のため注目はされなかった。
賛否両論点
古臭いキャラクターデザイン
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金ピカの装甲服に身を包んだ兵士がエイリアン共を殲滅するという、時代遅れ感の漂うレトロフューチャー気味なキャラデザは好みが分かれるところ。ストーリーも結局は映画「スターシップ・トゥルーパーズ」と同じであり、独自性に欠ける。
未翻訳の本編
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ミッション前ブリーフィングや全てのテキストは説明書にのみ翻訳テキストを収録することで解決しているため、本編内容は北米版と全く同じものとなっている。
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説明書をわざわざ取り出さなければミッション内容を把握するのは難しく、ローカライズ面については雑さが目立つ。また、全てのテキストが説明書に書いてあるため進行状況に応じたストーリー面の面白さや意外性は皆無。
緊張感を削ぐエネルギーウェポン
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基本的にオートエイムが効き無限に撃てるエネルギーウェポンを利用し、固い敵に弾薬ウェポンやスペシャルウェポンを使用するという形になっている。ハードの処理落ちに対する補助的側面はあるが、オートエイムと無限弾のおかげで「発砲ボタンを押しながら敵のいる方向を向いているだけで敵が死んでいく」というあまり緊張感のない仕様となってしまっている。
ロケーションの雑さ
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バリエーションは豊かだが、古代アステカ遺跡や南太平洋の火山、エジプト砂漠といったどう考えても「主要な軍事施設」とは思えない舞台が登場するなどストーリー面での突っ込みどころが多い。
問題点
敵バリエーションの少なさ
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ラスボス含めても敵の種類は5体しかおらず、ややバリエーションに欠ける。ただし出現数は非常に多いためあまり気にはならない部分ではある。
武器選択方式が複雑
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武器選択キーを押しても何の表示も出ないため、どの方向キーを押せばどの装備に切り替わるかが分かりにくい。ボタン一個で切り替えることもできずかなり不便。
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途中障害物破壊のために爆弾を取り出すシーンなどもあるが、爆弾で破壊しろというメッセージもないため爆弾の存在に気付かずに右往左往しがち。
トロッコの耐久力はチートの対象外
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無敵弾数無限チートをONにしていようが、トロッコに乗って進むステージでトロッコが破壊されると強制的にゲームオーバーとなる。全方向から敵が湧いてくる中をオートエイムなしの機銃のみで進まなければならないため、トロッコステージの難易度が非常に高い。
総評
ゲーム自体に問題点はなく、それなりによく遊べるFPSとして成立している。しかし発売が遅すぎたため、既に発売され評価を得ていた同社のN64向けソフト『バイオレンスキラー TUROK NEW GENERATION』を初めとした3DFPS群と比較・酷評されることとなってしまった。
日本での発売もプレイステーション2の発売後であり、未翻訳の本編も相まって注目されることはなかった。2004年にアクレイムが倒産したため、配信なども行われておらず絶版状態となっている。
余談
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北米のみトップダウンシューターとしてゲームボーイカラー向けに同名作品が発売されたが、本作とはシステムは大幅に異なる。
最終更新:2024年08月13日 12:06