【なちゅらる どくとりん】
SRPGで紡ぐ、とある世界の童話_始まります。
角川ゲームスが2013年に設立した社内開発スタジオである「KADOKAWA GAME STUDIO」の処女作(*1)。
ディレクターは『エメラルドドラゴン』などのシナリオを担当し、近年では『ドラゴンボール』のデータカードダスのゲームデザインを務めた飯淳氏。
プロデューサー及び脚本は『艦隊これくしょん-艦これ-』のプロデューサー及び『劇場版艦これ』、『艦これいつかあの海で』(TVアニメ二期)の脚本家でもある田中謙介氏。
キャラクターデザインはufotableが担当。エンディングテーマ曲にキング・クリムゾンの「The Court Of The Crimson King」が採用されている。
ファンタジー世界観によるシミュレーションRPGである。発売前から「高難易度」「苦しみも含めての面白さ」を売りにしていたゲームなのだが…。
護衛士・イフは、相棒のヴァシリーと共に、若い女性リーダー・アンカが率いる坑道開拓団を護衛し、亜人種の蠢く鉱山坑道を切り拓いていく。亜人種や多種族と戦い、その戦いから得られる貴重な資源で城塞都市を守る。そして、いつかはその功績で、上級市民になる・・・それが、この若者の夢。正しい未来だった。
しかし、その日は何かが違った。そして始まる淘汰。
全ての所属が巻き込まれていく、それは大いなる自然のドクトリン(原則)。イフを取り巻く世界は、その姿を大きく変えていく。
+ | 本作のキャラクターについての詳細。ネタバレ注意 |
「高難易度」「苦しみを含めた面白さ」の売りの通り、本作の意地悪な仕様は「ある意味では」事前告知通りのゲーム内容とは言える。
しかし実のところは、数々の理不尽なだけの仕様・ストレスの溜まる作り・デバッグがまともになされていない・戦術性に乏しいゲーム設計等が目立つ。
その為、「全てのSRPGユーザーに送る」「苦しみを含めた "面白さ"」という事前告知に違えるゲーム内容としか言いようがない。
ゲームシステム・設計以上にシナリオの「怪作」っぷりも際立っている。
ヴァシリーの確定死亡、シュタインを打ち捨ててアイゼンに乗り換えるようにしか見えないメルの加入、そして異様に凝っている最終盤での「キャラ死亡時の台詞」など悪趣味っぷりが存分に発揮される。
にも拘らず、ストーリーはただ目の前の敵とよくわからないまま戦っていくだけのものになっている。
余りに人を選ぶため、発売後も殆ど話題にならずに空気化していったゲームであり、3プラットフォーム合計で5万本の売り上げにとどまっている。
+ | すべてのPSユーザーのためのSRPGとはいったい?(動画紹介より) |