RESISTANCE アメリカ最後の抵抗
【れじすたんす あめりかさいごのていこう】
| ジャンル | FPS |  
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| 対応機種 | プレイステーション・ヴィータ | 
| 発売元 | Sony Conputer Entertainment | 
| 開発元 | Nihilistic Software | 
| 発売日 | 2012年7月12日 | 
| 定価 | パッケージ: 4,980円 ダウンロード: 3,900円
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| レーティング | CERO:C(15才以上対象) | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | シリーズのスピンオフ第2作 一般市民目線で描かれる物語
 マップは狭く直線的
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| RESISTANCEシリーズ 人類没落の日 / 2 / 報復の刻 / 3 / アメリカ最後の抵抗
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| PlayStation Studios作品 | 
 
概要
Insomniac GamesによるFPS『RESISTANCE』シリーズの一作であり、PSPの『RESISTANCE 報復の刻』に続くスピンオフ第2作。
原題は『Resistance: Burning Skies』で、1950年代の人類とアメリカ侵略に現れた超技術を持つ変異生物「キメラ」との壮絶な戦いを描く。
開発を担当したのは過去にPS3の『PLAYSTATION MOVE HEROES』を手掛けたNihilistic Software(現:nStigate Games)。
本編開発のInsomniac Gamesは監修に回っている。
ストーリー
1951年8月のアメリカ、ニューヨーク州スタテンアイランド。
ベテラン消防士のトム・ライリーは、発電所で発生した謎の火災を鎮火すべく消防車に乗り込み現場に向かっていた。
生存者を運び出すべく斧を片手に発電所内部へ侵入した消防士たち。しかし混乱の中で突如見たこともない謎の生物が襲来し、無防備な彼らを襲っていく。
発電所の火災は、彼ら「キメラ」の乗る飛行艇が墜落したことが原因となり起こっていたのだった。
謎の生物の持つ見たこともない武器を手に取り、仲間を担いで間一髪で脱出したライリー。しかしキメラの勢力は次々と飛来し、逃げ惑う市民たちを襲っていく。
キメラの襲来を事前に察知していたレジスタンスと合流したライリーは、妻と娘を守るべく決死の抵抗活動を開始する。
ゲームシステム
ゲーム進行
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ニューヨークに住む消防士トム・ライリーとなり、進軍してきたキメラたちを打ち倒していくFPS。
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キャンペーンは「スタテンアイランド」「海軍ターミナル」「ジョージ・ワシントン・ブリッジ」「エリス島」「保護キャンプ」「改造タワー」の全6チャプター。クリアしたチャプターは任意で再挑戦が可能。
 
操作方法
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基本操作は一般的なFPS同様のツインスティック方式。Lで構え、Rで発砲を行う。○でしゃがみ、✕でジャンプ、□でリロード、△でウェポンホイール、十字キー下でダッシュ。
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特殊機能を持つ兵器は、タッチパネルを操作することでセカンダリショットの装填や特殊効果の発動を行う。また斧やグレネードもタッチ操作で使用可能。
 
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体力は自動回復方式。一定時間攻撃を食らわずにいると回復するが、集中砲火を食らうと即死する。
武器
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「斧」「ブルズアイ」「ショットガン」「M5A2 カービン」「モウラー」「スワームランチャー」「シックスアイ」「ハンター」「オーガー」の9種類が登場。
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斧以外の各種銃器にはグレネード発射やスコープ展開、透視・貫通弾発射、ドローンなどそれぞれセカンダリショットや特殊機能を持つ。また、収集アイテム「グレイテック」を利用することで最大2つまでアップグレードの追加が可能。
 
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グレネードは「グレネード」「ヘジホッグ」の2種類が存在。それぞれ画面上のアイコンのタッチで投擲する。
記録文書
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ステージ各所に配置されている文書を収集することでアンロックされるコンテンツ。手紙形式で武器の使い道や舞台設定などが語られる。
マルチプレイ
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最大8人のマルチプレイ機能が搭載。両陣営に分かれるチームデスマッチ、キメラ同士で競い合うデスマッチ、ゾンビモード的ルールのサバイバルの計3種類から選べる。
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マッチごとにプレイヤー各個人がマップやルールを投票し、試合形式が決められる。
 
評価点
独特な美しいグラフィック
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初期のカラーフィルムを模した独特な色合いを再現したグラフィックは完成度が高い。
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特にスタテンアイランドの赤レンガなどは色合いが美しく、携帯機ながら過去作に近い雰囲気を維持している。
 
戦略性を補助する多彩な武器群
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武器の性能はかなり差別化が図られており、さまざまな使い道が用意されている。
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すばしこい敵には誘導弾を打ち込み、遮蔽物に隠れた敵は貫通弾で仕留め、遠くの敵は狙撃を行い、大量に出てくる敵はガトリングで掃射と、武器ごとの性能差を活かしたさまざまな戦術を取ることができる。
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「グレイテック」によるアップグレードによって性能を強化することもでき、強化の内容も威力強化から挙動変更までさまざま。
 
種類の多いキメラ
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一般的なキメラ、飛ぶキメラ、虫、巨大なキメラ、ドローン、卵など地球外生命体らしくキメラのバリエーションは豊か。
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行動パターンに合わせて戦術を変えていく必要があり、人間相手では味わえない独特な戦闘も魅力となっている。
 
捻りのあるストーリー
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「宇宙戦争」のような単なる侵略映画リスペクトに留まらず、キメラと人間の特殊な関係を掘り下げることでストーリーの深みが増している。
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記録文書による補完も多く、収集によってより深く物語を楽しむことができる。
 
豊富なスクリプト演出・カットシーン
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序盤から終盤までスクリプト演出は豊富。崩壊する発電所や飛行機からの降下、レジスタンスとの共闘に特徴的なボスなど本家に負けず劣らずの臨場感溢れる演出が多用される。
賛否両論点
主人公の異常な適応力
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主人公のトムはレジスタンスでもなんでもない一般人なのだが、複雑な機能を持つキメラ製兵器を即座に使いこなしてみせる凄まじい適応力が特徴となっている。
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一般市民に焦点を当てたこと自体はスピンオフとして妥当ではあるのだが、システムや武器関連は軍人が主人公だった過去作と同じため、それらと比較しても違和感が強まってしまっている。
 
問題点
直線的過ぎるマップ
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マップは進行ルートががちがちに決められた狭い通路状となっており、世界観のわりに狭く感じがち。
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一応アイテムの配置された脇道なども存在はするが少なく、探索の自由度は低い。
 
単調な敵の出現
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進行ルートからまっすぐ敵が走ってくる場面やどこからともなく飛来してくる場面が多く、敵が特殊な方法で出現したり最初から配置されている場所は非常に少ない。
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同時出現する敵の量はそこそこ多いものの、敵の出現演出の単調さが作業感に繋がってしまっているのは惜しい部分。
 
一般市民関連の濃い表現規制
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襲われる一般市民が序盤から終盤まで頻繁に登場するにもかかわらず、転がっている死体の多くは五体満足で服に血液すら付いていない。
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唯一まともなのはスクリプト演出で特殊な死に方をするNPCや発電所の焼死したケロイド死体程度で、それ以外は巨大昆虫に捕食されていようが傷一つ付かないなど不自然。
 
味気ないエンディング
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ラジオ放送による主人公の行く末の暗喩という形で終わり、具体的な内容は語られない。内容もバッドエンドに近いものであり、やや消化不良。
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時系列的には『RESISTANCE 2』と同時期の一般市民目線という形のため、スピンオフの本作だけでは一連の侵略事件は解決には至らない。結末を知るにはやはり本家をプレイする必要がある。
 
総評
3部作として完結を迎えた『RESISTANCE』シリーズの、2作目の携帯機スピンオフとして発売された外注作品。
低く見られがちな携帯機FPSとしてはクオリティの高さ、戦略性、豊富なスクリプト演出など見所は多く、元作品の雰囲気はそれなりに忠実に再現している。
しかし狭すぎる一本道地形や単調な敵出現や表現規制等の問題点もあり、本家との内容比較では劣っていると言わざるを得ない。
とはいえ、主人公が一新されている為に予備知識が無くとも遊ぶことができる、携帯機であるといった手軽さは本家にはなかった新たな利点と言えるだろう。
本家『RESISTANCE』シリーズを知らなくても気軽に手に取れる、携帯機スピンオフならではの手頃な作品となっている。
余談
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最初にキメラに襲われて死ぬはずの同僚だが、急いで駆けつければ助けることができる。ただし、本来想定されていないのか死亡判定なのは変わらず、ストーリーには影響しない。
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既に本家3部作が完結した後の作品のため、シリーズとしては本作が最終作となっている。本編開発のInsomniac Gamesは新作を望んでいたようだが、ソニー側が『The Last of Us』や『Horizon Zero Dawn』といったポストアポカリプスのタイトルが自社作品に多過ぎるという理由で開発を承認しなかった模様。
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なお、『RESISTANCE』と同じPS独自のFPSシリーズだった『KILLZONE』もシリーズ展開が終了している(参照)。
 
最終更新:2024年11月18日 06:00