Call of Duty: Black Ops Declassified
【こーるおぶでゅーてぃぶらっくおぷす でぃくらしふぁいど】
ジャンル
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FPS
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対応機種
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プレイステーション・ヴィータ
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発売元
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アクティビジョン
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開発元
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Nihilistic Software
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発売日
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2012年11月13日
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価格
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6,090円
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レーティング
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CERO:D(17才以上対象)
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判定
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クソゲー
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ポイント
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操作性が極めて劣悪 『BO』から使いまわしが多い マルチのバランスも劣悪
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Call of Dutyシリーズ
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概要
『CoD』シリーズとしては日本で『CoD4』のDS版以来2作目の携帯機向け作品。
開発は同じくPSVのFPSである『RESISTANCE アメリカ最後の抵抗』を制作したNihilistic Software。
ストーリーは『Black Ops』と『Black Ops 2』の間の出来事である。
評価点
吹替声優はオリジナルと同じ声優を使っている。
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英語音声は流石にハリウッド俳優を携帯機には呼ぶ予算は無かったのか声優が変更されているが日本語版は声優に変更がなされていない為、堀内賢雄氏や小山力也氏、井上和彦氏といったベテラン声優の高品質な吹替を聴くことができる。
携帯機である程度本格的なFPSが楽しめる。
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当時の携帯機のFPSと言えばクオリティはたかが知れていたが、本作はそれに比べればまだクオリティは高い。
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いつでもどこでも『CoD』というのもスマートフォンに『Mobile』が配信された今では当たり前だが、当時としては非常に夢がある。
問題点
キャンペーンの難易度が高い
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一回死んでしまうとチェックポイントはなくマップの最初からやりなおしの仕様である。
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また、ミッションによっては時間制限が設けられているものもあり、通常難易度より少しでも難易度を上げると据え置き機以上に理不尽に難易度が高くなるせいでトロコンはかなり厳しい。
キャンペーンの語り部であるライアン・ジャクソンの存在
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露骨にトム・クランシー小説のジャック・ライアンを意識したものだが、本編に全くでない文章上のみの存在で顔が出るわけでもない為に印象が薄く、そもそも『BO』の世界観に合っていない。
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そのせいもあってかBO3で文章内で登場して以降は全く触れられてもいない。
操作性が劣悪
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PSVのアナログスティックは押し込むことができなかったり、L2R2ボタンもない為、ナイフを振るボタンやグレネードを投げるボタンが画面右上にあり画面をタッチする必要があることがかなり煩わしい。
恒例のゾンビモードがない
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代わりに『Modern Warfare 3』のサバイバルから取られたホスタイルモードが追加されているが、何故『MW』の要素を『BO』に足す必要があるのかは甚だ疑問である。
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また、マルチプレイヤーのマップにも『MW』シリーズのマップがある。
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携帯機でゾンビモードをやりたかったという意見も多い。
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また、2010年に海外のみで発売されたDS版『BO』にはルールが簡易的とはいえ搭載できていた為、DSより圧倒的に性能が上であるPSVで追加できなかったのは甚だ疑問である。
マルチのマップが狭すぎる。
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容量の都合かオリジナルのマップの使いまわしでサイズが半分以上縮小されている。
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NUKETOWNのような元から狭いマップも半分に縮小している為、非常に狭い。
マルチプレイヤーのバランスや環境が最悪
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マルチプレイヤーはハッキリ言ってしまうとラピッドファイアのPERKを付けたレートの高いサブマシンガンとショットガンの二強であり、それ以外はレートが遅い関係上かなり弱く、他の選択肢はナイフぐらいしかない。また、サイドアームもロケットランチャー、若しくはグレネードランチャー一択である。
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サブマシンガン、特にAK74UやUZI等は非常に強力であり、撃ち合いに他の銃は勝てない。
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また、ナイフはナイフで刃先を飛ばせるバリスティックナイフと移動速度を上げるPERK、ライトウェイトとはキラーコンビでありマップが狭い都合上据え置きの『CoD』以上に立ち回りがしやすくナイファーが強い。
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ショットガンについてはマップが狭いという利点を利用してキルを稼ぎまくることができる。そのため、『BO』で問題になっていたサプレッサーを付けたスパス、通称「スパサプ」が異常に強い問題が解決できていない。
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アサルトライフルやマシンガンはレートや反動の関係上ほとんどが使い物にならず、唯一まともに使えるのはやはりレートの高いアサルトライフルのFA-MASぐらいである。
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スナイパーライフルに関しては上記の通りマップが狭い為、使う利点が皆無でわざわざQSを極めて近距離戦を行う手間を掛けるぐらいなら普通にショットガンを使った方が速い。
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また、本作のB-ベディはそこまで強くない据え置き版と比べて使い勝手がかなり良く、ハードの都合上起動後即座に匍匐することが難しい上にマップが狭さが重なり、リスポーンした直後に誰かが適当に置いていたベティが起動してリスキルされるということが嫌というほど起きる。
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試合によってはロケットランチャーの発射音とB-ベティの起動音しか聴こえない地獄絵図にもなることも。
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マルチプレイ中に勝手に中断されるバグがありキルを稼いだのにすべて水の泡ということも頻繁に起きる。
使いまわしまみれで手抜きと劣化が多い
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銃のリロードモーションは容量の都合で撃ちきりリロードのモーションが省かれており、オリジナルにあったデュアルも存在せず、プレイのモチベーションを上げるゴールド迷彩も無いので色々な武器を使う楽しみも無い。
効果音が一部おかしい箇所がある
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キルを取った際に何故か『World at War』のレベルが上がった際の効果音が毎回鳴る為うるさい。
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また、Galilは何故かリロードの際にオリジナルでチャージングハンドルを引いたときの効果音が使われている。
総評
携帯機であるPSVの数少ないFPSではあるものの、オリジナル版『BO』から使いまわして作り上げられた劣化版という印象が拭えず、ゲームシステムも悪化して面白くないという微妙な結果に終わってしまった残念な作品。
発売当初は駄作扱いされながらも月日が流れると再評価する声も出た『Ghosts』と異なり、作品自体の知名度やPSV独占という環境の問題も相まって今もなお知る人ぞ知る駄作『CoD』として一部層に知られるのみに留まっている。
余談
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開発を担当したNihilistic Softwareは本作の発売からほどなくして閉鎖された。
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本作発売の約1ヶ月前にモバイルゲーム開発にシフトするための組織再編と、社名をnStigate Gamesに変更した矢先のことであった。
最終更新:2023年08月20日 18:51