Factorio

【ふぁくとりお】

ジャンル リアルタイムストラテジー
対応機種 Windows
Mac OS
Linux
Nintendo Switch
メディア ダウンロード専売
発売元/開発元 Wube Software
発売日 2020年8月14日
【Switch】2022年10月28日
定価 【公式サイト】30ドル
【Steam】3,000円
【Switch】4,500円
プレイ人数 1人~
判定 良作
ポイント ひたすら効率化を目指す工場のライン制作ゲーム
サンドボックス要素が強い


概要

  • 2013年にクラウドファンディングによって開発が開始されたシミュレーションゲーム。
    • 2016年に公式ページとSteamにて早期アクセス版が販売され、それから実に4年の時を経て正式版がリリースされた。
  • プレイヤーとなるキャラクター(以下、「PC」とする)を操作するアクションゲームであり、ざっくり例えると『シムシティシリーズ』よりも『街ingメーカー』寄りのイメージである。
  • マルチプレイにも対応しており、協力プレイや対戦プレイが可能である。

ストーリー

とある惑星に不時着したPC(主人公)は、惑星の資源を用いて技術開発を行い母星へ救援信号を出す人工衛星をロケットで打ち上げることにした。

  • 目標実現のためには、惑星の資源を採集し、加工する生産ラインの構築が必要不可欠であり、徐々に複雑化していく生産ラインを整えていくことが求められる。
    • 工場の大型化に伴い環境汚染が発生し、環境を守るべく原生生物がPCや工場を排除しようと襲ってくるため、その対策も必要となる。

特徴

  • ストーリーのとおり、不時着した惑星から脱出すべくロケットを打ち上げることが本作の目的となる。
    • もっとも、最初からロケットを打ち上げる資材はなく、その技術も解放されていないことから、ロケットを打ち上げるための資材の入手、技術の解放を目指すことになる。
    • 技術の解放は研究所を作る必要があり、研究を行うためには電力も必要となる。
  • 惑星の至る所には資源があり、PCを操作することで鉱床を採掘して鉱物を入手したり、木を伐採し木材を入手したり、岩を破壊して石材を入手したりすることができる。
    • 入手したアイテムはインベントリに入れられる。インベントリのアイテムを再度地面に置いたり設置した施設に入れたりすることが可能。
    • ただし、PCは水や石油などの液体を直接持ち運ぶことはできず直接採取することも不可能となっている。
      • こういったPCが直接採取できないものは専用の施設を用いて採取し、パイプで輸送することになる。
    • ほかにもウラン鉱石についてはPCが直接採掘できない(採取したものを持ち運ぶことは可能)ため、専用の施設で採掘することになる。
  • 入手した素材は精錬したり、加工したりすることで別のアイテムに変化させることができる。
    • 本作の肝とも言えるシステムである。本作では直接PCが入手できるアイテムはごく僅かであり、大抵のアイテムは加工のステップを経ることで入手することになる。
      • 目的となるAを入手するためにBを加工、Bを入手するためにCを加工、Cを入手するために……といった流れを繰り返していくのが本作の大まかな進行になってくる。
    • PCはインベントリにあるアイテムを加工することができる。
      • この場合、アイテムを加工するために中間素材が必要となる場合、中間素材も自動的に加工して目標物を作ってくれる(もちろん、中間素材の加工時間は加算される)。
      • PCはアイテム加工中に移動や採取など別の行動を取ることはできるが、同時に複数のアイテムを加工することはできないため、加工するアイテム次第では分はおろか、時間単位で加工を行うこともある。
      • なお、PCが加工を行うことができないアイテムもある。
    • その他組立装置を中心とした加工設備も存在し、これらの加工設備を用いてアイテムを加工することもできる。
      • PCは同時に複数のアイテムを加工することはできず加工設備も同様ではあるものの、加工設備は数を増やして同時に稼働させれば複数のアイテムを同時に加工することができる。実際にPCが全てのアイテムを加工しようとすると時間がいくらあっても足りないので基本的には加工設備を揃え必要なアイテムを自動的に加工していくというのが本作の基本的な加工の流れとなる。
      • ただし、組立装置などの加工設備はPCと異なり加工に必要な中間素材を加工途中に作ることはできないため、中間素材を必要とするレシピの場合はその素材を予め加工した上で供給する必要がある*1
    • 結論としてPCは加工の途中工程についてはあまり考えなくて良いが、並列処理ができず掛かる時間が長いため、すぐに作れるもの以外の加工には不向きである。
      • 一方の加工設備は数さえ増やせば短時間で高度な加工を行うことができるが、中間素材も全て加工しなければならないため、工程をしっかりと考えていく必要がある。
    • また、PCが加工することができない工程(精錬など)や、アイテムも存在し、こういったものは加工設備が必須となる。
  • 本作では基本的にプレイヤーが介入せずとも自動的に採掘、精錬、運搬、加工等を行うことができるようになっている。
    • 採掘場から精錬施設、加工施設等を運搬するための搬送ベルトや、アイテムを設備に投入したり、搬送ベルトに排出したりするインサータなどがその代表例である。
      • なお、搬送ベルトはどう考えても燃料を消費しているように見えるが、燃料消費なしで利用可能となっている。
      • インサータは燃料の投入なども行ってくれるため、採掘場の採掘物が尽きてしまわない限りは半永久的に動作を続ける生産ラインを作ることも可能であり、そういった生産ラインの構築を目指すのが本作の醍醐味となる。
    • 運搬については、研究を進めることで長距離まで運ぶのに便利な列車や近距離で空中輸送ができる輸送ロボットなども開発できるようになる。
      • 特に列車については原油やウラン鉱石はスタート地点付近に生成されないことからこういった素材を長距離まで運搬するためには半ば必須となってくる(もちろん、時間と手間と素材を惜しまないなら搬送ベルトやパイプを大量に設置しても構わないが)。
  • 大抵の設備を動かすためには、石炭や木材といった燃料や電力が必要となる。
    • 昔のバージョンでは、木材で作った電柱や木製のチェストも燃料として利用できたが現在ではこれらは燃料としては認められない。
      • 余談だが、木材は本作では数少ない自動入手ができない素材であり、木材の燃料としての性能もあまり優れているわけではないため、あくまで工場を作る上で余った木材の処理用途くらいしか使い道はない。
    • 電力が使えるようになると、多くの設備を電力で動かすことになってくるが、燃料を使わないと動かないものも存在する。
    • 電力の供給は蒸気発電か太陽光発電、原子力発電の3つであり、蒸気発電はかなり初期から、太陽光発電は中盤、原子力発電は終盤から利用可能。なお、どの発電方法も一長一短の特徴を持つ。
      • 蒸気発電は発電量のバランスがいいものの、蒸気を生成するための燃料を要するため、汚染の発生量が多く、特に工場が大規模化するにしたがって後述のとおり汚染に伴う襲撃が増えるリスクがある。
      • 太陽光発電は汚染が発生しないが、昼間しか発電できず、太陽光パネル一枚からの発電量が少ない。一応蓄電装置を利用すれば太陽光発電のみで電力をまかなうことも可能だが、膨大な枚数の太陽光パネルと蓄電装置が必要となり、スペース確保や太陽光パネル等の作成コストが高く付く。
      • 原子力発電は発電量こそ多いが終盤でなければ利用出来ず、燃料供給のコントロールが難しく、ウランの濃縮や使用済み燃料棒の処理が必要となるため慣れていないと扱いづらいが、原子力発電で想定しがちな放射能汚染については気にする必要はない。
  • 発電が可能となった段階で、研究が可能となる。
    • 研究に必要なサイエンスパックも素材から加工して作ることになる。
      • サイエンスパックは研究が進むにつれ種類も必要数も増えていく。特に複数種類のサイエンスパックをどのように研究所まで送り届けるか、というのがプレイヤーの腕の見せ所となる。
    • 研究を進めることで新たな施設が作れるようになったり、高効率になったりする。
  • PCには体力が設定されており、敵に襲われたり、電車に轢かれたりして体力が尽きるとゲームオーバーとなる。
    • 惑星に不時着した、というサバイバルにありがちな食事や睡眠などは全く不要である。
    • 体力は時間経過で回復するほか、水辺にいる魚を捕まえて食べることでも回復できる(なお、魚については他の用途が全く無く、自動で入手できないアイテムである)。
    • レベルの概念はなく、PCの最大体力そのものは増えないものの、アーマーを装備することでダメージ軽減ができ、高位のアーマーでモジュールをつけることで一定ダメージを耐えられるシールドが展開できるので実質体力を底上げすることは可能。
  • 列車の運行についても条件を設定することで自動運転が可能となっているため、条件や燃料の補充をしっかりと行えばPCの手を介さず運転し続けることが出来る。
    • 列車は自動運転に必要な加速減速は行うが、線路にPCや原生生物がいたとしても減速しないため、注意をしないと轢き殺される可能性もある。
      • 上手く利用すれば原生生物にダメージを与えることもできるが、タイミングもあるのでなかなか難しい。むしろ、PCを殺す可能性の方が遙かに高い最強の敵である。
  • ある程度研究を進めると原油の処理が出来るようになる。
    • 原油をはじめとした液体は鉄板などの固形物と異なりPCが直接所持することができず、パイプラインを構築して運搬する。
      • ドラム缶で運搬するという手もあるが、ドラム缶の状態では加工に使えず、缶詰、開缶は組立装置で行う必要がある。その他、鉄道の貨車には液体を運べるものもあるため、長距離輸送には列車を使うのも手。
    • 原油を処理すると、石油ガス、軽油、重油の3つが生成される。用途については石油ガス、軽油、重油の順であるが、需要が大きく異なってくるため、使い道が少ない重油も何とかして処理しないとパイプが詰まってしまう(いずれかのパイプが詰まるとその時点で原油の処理が止まる)ため、一筋縄ではいかない。中盤で急激に難易度が上がるポイントといえる。
      • 重油は別の加工プロセスを踏んで、軽油にしたり、固形燃料に使うのがオーソドックスな使い道。もっとも、この軽油も別の処理をしなければならないが。
    • 早期アクセス版ではポンプの配置次第では異なる種類の液体が混ざってしまい使い物にならなくなることがあったが、正式版では異なる液体が混ざるような配置が出来なくなっている。
      • パイプを並べて設置するとくっついてしまうという仕様により、分けるべきラインが気づかないうちに一体化していることがよくあった。
  • 大半の施設は稼働することで汚染を発生させる。汚染は木や地面によってある程度は吸収されるものの、吸収できる量(地形により異なる)を上回ると遠方にまで汚染が広がっていく。
    • 惑星には原生生物の巣が存在しており、原生生物の巣に汚染が到達すると、汚染源である施設やPCを排除しようと襲撃を行うようになる。
      • PCや工場の施設は耐久値が決められており、原生生物の攻撃などによってダメージを受け耐久値が0になると破壊(PCの場合は死亡しゲームオーバー)されてしまう。
      • こうした原生生物の襲撃から工場を守るための防壁や迎撃するためのタレットなども生成可能である。
  • 原生生物そのものは巣の周囲を徘徊しているほか、一定時間毎に巣から新たな原生生物が産まれるため、襲撃を退けたとしても汚染がそのままであれば遠からず襲撃されることになる。
    • そのため、汚染源を排除するか、こちらから出向いて巣を破壊しなければ延々と襲撃に対処する必要が出てくる。
      • 工場をクリーン化する方法も多少はあるが、汚染を完全になくすことはできず(クリーン化するにしてもクリーン化に必要なものを加工するのに更に汚染が発生する)何より巣を取り除く方が手っ取り早いため、基本的には巣を取り除く選択肢をとることになる。
    • 余談となるが、早期アクセス中のβバージョンでは原生生物の巣を破壊することで「エイリアンアーティファクト」をドロップし、これを加工することによって出来上がる「エイリアンサイエンスパック」がクリアの為の研究に必須となっていたため、積極的に原生生物を狩る必要があった。
      実際の製品版ではその必要がないため、原生生物が出現しない設定でも問題なく、原生生物の巣を破壊するメリットも工場を守るためだけになっている。
    • なお、原生生物は時折現在の巣からある程度の距離の場所に新たな巣を作ることもあるため、これまで汚染が広がっても問題なかった範囲が急に襲撃圏内に入ることもあるため、やはり潰せるなら潰しておくのが無難といえよう。
  • 原生生物は時間経過、汚染の排出、巣の破壊といった要素によって徐々に強力なものが出現するようになっていく。
    • 初期に出現する小型の原生生物であればPCのハンドガンでも十分応戦可能だが、最終的に出現するベヒーモス型の敵ともなると体力も膨大で攻撃力も高くなり生半可な対策では一匹倒すのも厳しい。
  • なお、ロケットを打ち上げれば一応本作の目標は達したことになるが、その後もゲームを続けることは可能。
    • 研究を続けることで効率化を図る無限研究も可能であり、ロケットを打ち上げることで入手可能なサイエンスパックもあることから効率よくロケットを打ち上げ研究を続け、更なる効率化を図ることも可能。

評価点

  • 高品質なグラフィック
    • グラフィックは見下ろし視点の2Dだが、非常に細かく作りこまれている。
    • 工場施設やメカは武骨なスチームパンク風のデザインで統一されており、独特の雰囲気が出ている。
    • 工場の流れが視覚的に分かりやすいグラフィックとなっている。
      • 採掘→精錬→加工といった流れがアニメーションによって表示されるため非常に分かりやすく、作った工場のラインを見ているだけでも楽しい。
      • 運搬ベルトの混み具合や詰まり具合を見ることでボトルネックがどこになっているかも特定しやすい。
  • 運の要素が限りなく少なく、効率化を突き詰めることが出来る
    • 基本的に機械は決められた仕様通り動き、ランダム要素もない(天候についても昼と夜の変動タイミングは一律で、曇りや雨等で太陽光発電が上手く行かないということも発生しない)ため、プレイヤーの設計仕様通りの動きをする。
      • 唯一の例外として、遠心分離機によるウラン濃縮処理についてはウラン238とウラン235が前者99.3%、後者0.7%の確率で生成されるというランダム要素(通称ウランガチャ)がある*2
        もっとも、ウラン235についてはある程度確保した後はランダム要素なしで増やす方法が用意されているため、ウラン235を用いる際には基本的にこの方法を用いることが普通なのでこの要素で問題が起きることはまずない。
    • 期待通りに動かないとすれば、それは「供給される素材が足りない」「完成品を出すベルト等が詰まっている」「電力が不足している」などといった具合に、必ずプレイヤーの設計に原因があるのであり、それらの原因をひたすら潰すことで効率化を突き詰めていくことになる。
      • もちろん、一つの原因を解消すればまた別の箇所が期待通りには動かなくなるというのはこのゲームにおいては日常茶飯事である。ひたすら効率化を目指していた結果、気づけば数時間潰してしまっていたり、(現実で)朝になっていたりすることも。
    • 時間あたりの生産量等は常に確認することが出来る。一番細かい単位であれば5秒単位の生産量も確認できるため、改良によってどれだけ生産量が増えたかもほぼリアルタイムで確認することが出来る。
      • 具体的な数値が出てくることから効率化の指標としてはこの上なく利用しやすい。生産量1個或いは生産時間1秒単位で効率化を目指し始めれば時間は湯水のように浪費されてしまうことだろう。
  • ゲームのカスタマイズ性もかなり高い
    • ゲーム開始時には資源の量や敵の量、地形の傾向、汚染の広がり方などを事細かに設定することが出来るため、自分好みの設定にすることも可能。
      • 敵を出現しない設定にしたり、敵は出現するがこちらから手を出さない限り攻撃してこないピースフルモードに設定したりすることも出来る。一部実績はとれなくなるが、こうするとかなり楽にゲームを進めることが出来る。
      • 逆にスタートエリアを狭くして敵の進化スピードを速くする、といった高難易度化ももちろん可能。

賛否両論点

  • 蓄電装置よりも蒸気機関の方が電力供給の優先度が高い
    • 本作においては電力の供給が過多である場合には太陽光発電→蒸気機関→蓄電装置の順で供給される仕様になっている。
      無限エネルギーである太陽光発電が最優先なのは問題ないのだが、燃料が有限である蒸気機関の方が蓄電装置より優先的に供給されてしまう。
    • 気にならないプレイヤーにとっては気にならない問題なのだが、昼間は太陽光発電を使い、余剰分を蓄電、夜間は蓄電装置に貯めた電力をメインで使いつつ不足分は蒸気機関で補うといったスタイルをとりたい場合には回路等で電力の制御を行うか、そもそも蒸気機関の数を減らす必要がある。
      • 前者の場合は回路の知識が要求され、後者の場合はレーザータレットを運用している等で電力需要にばらつきがある場合には電力不足に陥る危険がある。
  • 汚染を浄化することは出来ない
    • 本作では工場を作る上で環境汚染は避けられない問題なのだが、プレイヤーは工夫次第で出る汚染を抑えることはできても、汚染を浄化する行動は一切とることが出来ない。
      • 本作では木は景観・資源というだけでなく、汚染を吸収してくれるといった役割もある。しかしながら、工場を作る上で邪魔な木は伐採したり、焼いたりすることはできるものの植林することは出来ず、自然に生えてくるということもない*3
        このため、植林という防御行為があっても良かったようにも思えるのだが。
    • もっとも、本作は工場を作るゲームであるため、環境を整えるというのがコンセプトに反すること、後半は木材を必要とする場面があまりないこと、そもそも木に頼らずとも防衛を整えられることなどを理由として環境を整えられなくても問題ないという意見も多い。
      また、汚染を能動的に減らすことができてしまうとゲームバランスにも影響するため止むなしといったところか。
      • 極端な話をしてしまえば、汚染は原生生物の襲撃や強化にしか影響しないので、汚染で襲撃が増えるのが嫌、ということであれば初期設定で原生生物をオフにしてしまえばいい。実害は実績が取れないくらいである。

問題点

  • 原生生物の見た目が気持ち悪い
    • 本作の原生生物は3種類いるが、どれもリアルな虫の外見をしているため、人によっては生理的に受け付けられないだろう。
      • その上、新しいバージョンになるにつれ無駄にリアルに動くようになったため、生理的嫌悪感は強いものとなっている。
    • そして、そんな原生生物の巣は蠢く肉塊のようなグロテスクな見た目をしているため、かなり気持ち悪い。
      • 極めつけとして原生生物を倒したり、巣を破壊したりしてもしばらくの間亡骸や巣の跡が遺る。この光景もなかなかにエグい。
    • 実績やゲームバランスを気にしないのであれば原生生物を出現しない設定にすることは可能だが、本作のサバイバル要素がほとんど取り除かれ、一部実績も解除できなくなってしまうため、ゲームの緊張感は一気に削がれてしまうのが難点。緊張感が薄れ列車に轢かれて死ぬ頻度が増えるとか。

総評

ロケットを打ち上げてゲームをクリアする……というのはこのゲームの一面に過ぎない。ゲームをクリアするだけなら効率化をそこまで考える必要はないのだが、効率的に動く工場を作ることにこだわり始めると際限なく突き詰めることが出来る中毒性の高いゲームである。
効率化に資する要素は数多く、どれを使えば良いか、どの施設をどのように配置すれば良いか、といったことを考えることが好きなプレイヤーにとってはずっと遊び続けられるゲーム性となっている。このため、多くのプレイヤーが気づくと現実の一日が終わっていたと語るほど時間泥棒なゲームとなっている。
自分が作った生産ラインを眺めて悦に入りたいというプレイヤーにとってはうってつけの一作である。

余談

  • 本作はよく『Minecraft』の工業化MODに近いと言われるが、実際に制作者は『Minecraft』の工業化MODであるBuildcraft、Industrialcraftから着想を得た旨発言している。
  • 本作のPCまたはプレイヤーはファンの間では工場長と呼ばれる。
    • PCが工場を建築し、環境汚染を行っていく反面、原生生物は環境を守るためにPCや工場に牙をむいてくることから、PCこそが諸悪の根源であると見るネタもある。
  • 惑星に不時着、ロケットを作り上げるのが最終目標、サバイバル要素がある、Steamで評価が高い、やめどきが分かりにくいといった共通点が多いためか、Steamがよく似た作品として『RimWorld』を推薦してくることが多い。
    • しかし、実際のゲーム内容は本作が「ランダム要素がほとんどなく、プレイヤーの手でより効率化を目指す」であるのに対し『RimWorld』は「ランダム要素が多く、冗長化をしなければそもそも生き抜けない」内容となっており、ゲーム性は真逆と言って良いほどに違う。
  • なお、本作ではユーザー製作のMODが数多く作成されており、公式がMODフレンドリーであることもあり、ゲーム内でMODの追加・削除が可能。本項中で問題点として述べた点などをMODで改善しているケースもある。
最終更新:2023年09月09日 09:18

*1 この例として、電子基板を生成することを考える。電子基板は鉄板×1、銅線×3で加工でき、銅線は銅板を加工(銅板×1→銅線×2)することで入手できる。今鉄板と銅板を持っており、このアイテムを加工しようとした場合、PCであれば持っている銅板を自動的に銅線に加工(2回加工され、銅板×2→銅線×4)し、その上で電子基板を生成し結果的に銅線1個が余る形になる。しかしながら、加工設備の場合は、鉄板と銅板をそのまま供給したとするとレシピの素材と供給された素材が異なり加工ができないため、まず組立装置Aで銅板を銅線に加工した上で組立装置Bに供給し、組立装置Bで鉄板と銅線を用いて加工を行う必要がある。

*2 ゲームとは全く無関係であるが地球におけるウランの約99.274%がウラン238とされており、このランダム要素の確率はこれを元にしたものと思われる

*3 早期アクセス中のβバージョンでは汚染にさらされていない森林は自然拡大した。