見ながら折れる DSおりがみ

【みながらおれるでぃーえすおりがみ】

ジャンル 折り紙
対応機種 ニンテンドーDS
メディア DSカード
発売・開発元 TDKコア
発売日 2007年8月9日
定価 3,990円(税込)
プレイ人数 1人
レーティング CERO:A(全年齢対象)
セーブデータ 1個
判定 なし
ポイント あくまで簡単な折り紙の教本
コストパフォーマンスに課題あり


概要

  • ゲーム的な要素は無く一種の電子教本である。
  • パワーポイントのスライドを読みすすめていく要領で、アニメーションも見ながら折り紙を折っていく。
  • 折り紙完成までの工程には、「折り」の他、はさみによる「切り」が必要な場合がある。
    • 折る線、切り線は一貫して点線で表記される。
    • 山折り、谷折り、段折り、仲割り折り、かぶせ折りにするかは黄色い矢印で大まかに指示されるほか、アニメーションでもどのように折るべきか補足説明がなされる。

モード

  • 折り紙
    • 収録されている折り紙の折り方を学べる。
      • 折りたい折り紙は写真から探せるほか、五十音順からの検索も可能。
    • 気に入った折り紙を登録しておける。
  • トレーニング
    • 実際に折り紙を折っていき、本作の「取り扱い方」を特訓できるモード。
    • 折り紙は全30種あり、トレーニングを進めるに連れて段々と難しくなっていく。
  • その他、登録した「お気に入り」の折り紙、およびトレーニングの進捗状況をリセット可能。

評価点

  • 写真が独特の素朴感を出している
    • その写真にタッチすると、タッチした折り紙の折り方を教えてくれる。
  • アニメーション機能がある
    • 折り紙教本では例えば「状態1」から「状態2」に成るまでの工程が分かりづらいといったことがありがちだが、本作は状態が変わるまでの経過をアニメーションで表現してくれる。電子媒体を使った教本ならではの機能となっている。
  • その他便利なところ
    • 気に入った折り紙を登録しておけるといった、データーベースとしての側面はある。
    • 音声ガイドがある。どこを読んでいるか分かりにくくなることはない。くり返しで再生してくれる機能もある。

賛否両論点

  • 「切る」工程を使う折り紙がある。
    • 所謂「不切正方形一枚折り」に拘る人からは「折り紙ではなく折り切り紙だ」と批判されている。
      • ただしこの考え方も絶対ではない。また、あくまでもたくさんある折り紙の中の例の一部として紹介されているだけであり、切らない作品の方が多い。

問題点

  • 掲載してある作品が簡単なものばかり。
    • 本作では大して複雑な折り紙は教えてくれない。とっつきやすいとはいえるが高難度な折り紙は存在しない。
    • 本作に掲載されている作品の中では折り紙代名詞である「鶴(折り鶴)」でさえやや難しい部類に入る。
      • 尤も高難度折り紙は基本的に1980年代以降の作品であり*1、古典折り紙とは違い著作権が現存する事を考えると単に著作権料の問題だろう。
    • 完成品は立体ではなく平面になるものが多い。
      • また物体をリアルに再現するのではなく「見立て(デフォルメ)」で再現するタイプが多いが、そもそも「鶴」でさえ見立てなので*2、それ以下の難易度なら当然と言えよう。
  • 工程が1つしか表示されない
    • 折る、切るといった複数の工程を経て完成となるのだが、いまやっている工程が全体からしてどの程度進捗したところに居るのかは分かりにくい。
    • 紙媒体の折り紙教本では、開始から完成までの状態図を一度に閲覧できたので不便。
  • コストパフォーマンス
    • 掲載されている折り紙の種類は100種類程度と決して少なくは無いが、価格が少々気になる。
    • 一般的な折り紙教本の価格がせいぜい2000円程度。本作はDSならではの機能があるとはいえ4000円程度する。
  • ゲーム特有の手軽さ・達成度は味わいにくい
    • 当然といえば当然だが、折り紙を楽しむためには自分で正方形の紙を用意する必要がある。
    • 当然といえば当然だが、何を折ったのかをゲーム中に反映出来ない*3。あくまでも、どの折り方を教わったのか実績が載る程度。
  • その他
    • DSの上画面にのみ折り紙が表記されるので、DSiLLなどを使用しない限りは、小さくて見づらい。

総評

電子媒体を生かした教本とはなっているが、価格は一般的な折り紙教本の中ではやや高い傾向。
掲載されている情報は、初心者から中級者向けといったところ。簡単な折り紙のレパートリーを増やしたい人は手に取る価値があるかもしれない。

最終更新:2021年07月18日 08:45

*1 マニアの間では『ビバ!おりがみ』(1983年)の存在が大きいとされている。

*2 本物の鶴の尻尾は細長くないし上も向いていない。

*3 カメラとAIを駆使した画像認証を使えば出来なくはないだろうが…値段を考えれば無茶な話だろう。