Nevaeh

【ねばえ】

ジャンル アクション
対応機種 Windows(Steam)
Nintendo Switch
発売元 CFK Co., Ltd.
開発元 Alpheratz*
発売日 2020年9月17日
定価 1,320円
プレイ人数 1人
レーティング CERO:B(12歳以上対象)
判定 なし
ポイント 光と影を使ったアクション
詳しく語られない世界間
やりこみ要素は薄め


概要

WindowsやSwitchでいくつかゲームを開発している韓国のデベロッパー「Alpheratz*」が、SwitchとSteam向けに配信した2Dアクション。
光を失った世界で主人公である少女が、光を取り戻すために塔を登っていくという内容。

日本語表記*1では「ネバエ(Nevaeh)」と日本語タイトルが入ったものであるが、ここでは共通で表示される英語表記とする。

特徴

  • 主人公について
    • 基本的には移動・ジャンプが行え、しゃがみながらジャンプボタンでスライディングが行える。これと後述の蝶を使ってステージを進めていく。
    • 序盤のステージはチュートリアルも兼ねており、画面下に操作の解説が提示される。
    • 敵は踏みつけることで倒すことができる。ボスへの攻撃手段は、直接踏みつける、蝶の光を直接当てるなどの方法が存在する。
    • 光が全くない所だと少しずつHPが減っていき、逆に光があるところでは少しずつHPが回復していく。
  • 光る蝶とギミック
    • 最序盤のイベントでこれを開放すると、これを利用したアクションが行えるようになる。
    • 蝶を召喚すると画面が反転して静止し、蝶を自由に移動させることができる。もう一度召喚ボタンを押すと一定時間の間、蝶をそこに待機させることができる。これを利用してギミックを作動させていく。
      • ただし黒く塗りつぶされている場所には蝶を配置させることができず、蝶が触れた時点ですぐに消えてしまう。
    • 一度出した蝶は体力横のサークルが回復するまで蝶が召喚できない。また、蝶の翅を生やしてゆっくり落下することもできる。
    • 敵や一部ギミックは光に照らされていないと見えない状態になることがある。敵の場合は何処を触れてもダメージになり、ギミックの場合は作動せずにすり抜けることができる。
    • ステージには適度に謎解きエリアが用意されており、光と影を利用した謎解きや、絵合わせなどの仕掛けが用意されている。
  • 難易度について
    • ゲーム開始時に難易度を「易しい・普通・難しい」の三段階から設定できる。被ダメージや敵の配置、ボスのHPが増減する。
      • 難易度は設定やポーズ画面でいつでも変更可能。難易度によって取れなくなる実績は存在しない。
    • ミス条件は「HPが0になる」「下が赤く表示されている穴に落ちる」「極一部のトラップにはまる」のいずれかで発生する*2。ミスしても特にデメリットはないが、とある実績が取れなくなる。
  • 住民の復活と依頼
    • ステージの寄り道エリアでは大きな木の上に葉っぱがあり、蝶と影を利用して登ると獲得できる。
      • 手に入れた葉っぱは街で影になっている住民に使い、コマンド入力に成功すると復活させることができる。コマンド入力に失敗して復活できなくても、デメリットなしで再挑戦できる。
    • 復活した住民から依頼を受けることができ、それが完了するとダイヤが手に入る。ダイヤはステージ内でも手に入ることがある。
      • とある特定の住民に話しかけると、手に入れたダイヤを消費して主人公の強化を行える。
  • ゲーム中はオートセーブで進行していく。ミス時のリトライも最後にオートセーブした所から再開となる。
  • エンディングは2通り存在する。

評価点

  • 文字の表示が殆どないゲーム内容
    • ゲーム中のセリフは一切なく、吹き出しによるイラストやキャラクターのモーションのみで進行する。台詞がない分、キャラクターのモーション自体もよくできている。
      • ゲーム内では言語選択自体はあるものの、タイトル画面やオプションの言語が変わる程度。そのため、基本的には言語問わずに遊ぶことができる。
  • 光を利用したギミックの謎解き
    • 電球に蝶を召喚して明るくするだけではなく、光を照らしてはいけない場所や光の当て方(影の出来方)によって足場が出現し、先に進めるなど、光を利用したギミックが用意されている。
      • 例えば木の枝の影を木に当て実体化させて足場にする、歯車に蝶を当てて見えなくして無傷で突破する、などといったことができる。住民の依頼も光を使うものが用意されている。
    • 蝶が出す光は安全に進むだけではなく、光に当たればHPの回復速度が速くなる。
    • ボスもただ踏みつけて攻撃していくだけではなく、光を利用して歯車を当てたり、敵の攻撃をよけて自滅を利用するユニークな攻略法も。
  • 良曲揃いなBGM
    • 主にバイオリンやピアノを使った曲になっており、物悲しげな雰囲気がある序盤ステージの曲、テンションが上がる一部のボス曲、激しい曲調が特徴のラスボス戦と、いい曲揃い。
      • 特にPVで使われている「neurotic hunter」は本来ボスとの戦闘曲だが、楽しげな雰囲気にしてくれる。
    • 中盤辺りで受けられる、とある住民の依頼を完了させるとBGMの試聴が可能になり、全ての曲を自由に聞くことができる。
      • SteamにおいてはサントラDLCの単体販売(単体720円)もある。
  • 誰でもプレイしやすい難易度設定
    • 易しいにすれば被ダメージが減り、一部ギミックや敵の配置が減り簡単になる。ボスの行動やHPも減るため、倒しやすくなる。
    • 一方難しいにすれば、ボスの行動とHPも増えて、歯ごたえがある難易度となる。
      • いつでも難易度の変更できるので、どうしてもボスを突破できないので難易度を下げる、逆に強いボスと戦ってみたい場合に難易度を上げてみると、自分のプレイスタイルなりに調節できる。
    • 強化もHPや攻撃力のアップなどの複数の種類から自由に選択可能。

賛否両論点

  • 世界観について
    • ゲーム中では世界観については殆ど解説されず、台詞もイラストのみの表示になっているため、個人で考察していく形になっている。
    • 世界観の関係上、ゲーム中では終始モノクロの状態で進んでいくため、色彩に物足りなさもある。
  • エンディングについて
    • エンディングは2種類に分岐するのだが、最後にある行動をとるか取らないかでしかで変わらず、内容もラストが変わるくらいであまり違いがない*3
      • ただし、最終セーブポイントがその最後の選択のシーンから再開される上、分岐する要素がラスト以外に存在しないため、簡単に両方のエンディングがみられるという点はある。

問題点

  • 序盤のとある謎解きについて
    • 序盤で人物の影を肖像画に当てることで進むことができるギミックがある。しかし攻略が分かりつらく、配信直後はその謎解きが分からないプレイヤーが続出した。
      • 後の更新により、該当箇所で肖像画に影を当てると思わせる表現に変更されており、ある程度は改善されている。
  • ステータス画面がなく、情報を確認できる手段がない。
    • 獲得している葉っぱ・ダイヤの数が、住民復活・強化時にしか確認できないのは不便。
      • クリアしたステージでは、扉に葉っぱの獲得数と最大数が表示されるため確認可能、葉っぱを獲得するとそのエリアには行けなくなるなど配慮は用意されている。
    • ミスした回数が直接確認できないため、実績「無敵神話*4」を獲得可能かは実際にクリアするまで確認できない。
  • やりこみ要素の薄さ
    • ステージは大きく分けて7つ用意されているが、アクションに慣れた人なら大体3~4時間程でクリアできる程度であり、若干物足りない。クリア後に遊べる要素も一切用意されていない。
    • 終盤、勝手に移動する主人公と行動し主人公の影を操作したり、白と黒の影になっている主人公を交互に操作するという場面が存在するが、それが可能なのはその場面のみ。
    • 一度倒したボスはそのデータでは再戦できず、もう一度戦いたい場合は別のセーブデータで最初から始めるしかない。
      • いずれもクリア後におまけ要素という形で、ボスの再戦手段やエキストラステージの追加などが欲しかったところ。
  • 一部細かな問題点
    • 終盤に入る*5と、ストーリーの都合上により街に戻れなくなる。住民の依頼や主人公の強化で、やり残したことがないか確認しておく必要がある。
      • また、後戻りできない都合上、BGMの試聴も行えなくなる。これに関しては、別のセーブデータを作っておく必要があるが、セーブデータのコピー機能はない。
    • ゲーム起動時やタイトルに戻った際、メーカーロゴが飛ばさせない。

総評

独特な世界観を初め、光と影を利用したアクション。
適度な難易度調整、そこまで難しくない謎解き要素、台詞がイラスト表示など、誰でも遊びやすい設計に仕上がっている作品。
白黒の世界で描かれる、光を取り戻す少女の冒険を是非堪能していただきたい。

余談

  • タイトルとタイトル画面のBGMになっている「Nevaeh」、これを逆さにすると「Heaven(ヘブン)」となる。これもエンディングのBGMの1つとして使われている。
  • 本作で用いられている、吹き出しのセリフを文章ではなくイラストで表現するという発想は、本作より前*6に配信された『Wicce』でも見られている。

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最終更新:2022年10月07日 11:17

*1 Steamのストアページやニンテンドーeショップなどの表記

*2 これ以外にも「初期バージョン以外で、地形のすり抜けを利用してフィールド外に出た場合」でも発生するが、こちらは意図的にやらないと発生しない。

*3 一応、各住民を復活させているかで細かな違いはある

*4 一度もミスすることなくエンディングに到達すると獲得できる実績

*5 具体的には塔の内部にある、大きい扉から先に進む

*6 Steam版の場合、Steamのアップデート版とSwitch版は後発