謎解きメイズからの脱出
【なぞときめいずからのだっしゅつ】
ジャンル
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謎解きゲーム
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対応機種
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ニンテンドー3DS
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メディア
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ダウンロード専売
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発売・開発元
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インテンス
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配信開始日
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2015年10月21日
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定価
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500円
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プレイ人数
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1人
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セーブデータ
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1箇所・オートセーブ方式
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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なし
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ポイント
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ステージセレクト方式の謎解きゲーム 60のステージを収録 謎解き初心者には厳しい難易度
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概要
謎解きゲーム開発の常連メーカーであるインテンスからリリースされたニンテンドー3DSダウンロードソフト。
同社がかつてDSiウェアにてリリースした『RPG脱出ゲーム』同様のダンジョン探索風謎解きゲームの位置付けだが、本作ではステージセレクト式を採用している。
明確なストーリー設定やまとまったイベントシーンは存在しないものの、『RPG脱出ゲーム』と同様のモンスターとの戦闘が時折発生する。
ゲームルール
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ゲームの流れ
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プレイしたいステージを選択し、様々な謎解きを駆使しながらクリアを目指していく。全60ステージ構成。
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ステージの選択順は原則として自由だが、ゲーム開始時では20ステージ分からしか選択できない。クリアを進めると残り40ステージ分も選択可能となる。
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ステージをプレイには「鍵」が1つ必要で、鍵がなくなると他のステージがプレイできない。初期の鍵は5つあり、クリアをするたびに1つ追加される。
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ステージクリアすると選択画面の該当欄に「クリアマーク」が付く。それ以外の記録対象は特になし。
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操作体系
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主観視線のプレイヤーを操作して、状況に応じた数々の探索を行う。
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十字ボタンで視線の1マス単位での前後左右移動、及び向きの調整を行う。LRボタンとの併用で視線を固定しながらの移動も行える。
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視線の先に仕掛け等がある場合、Aボタンでそれらを調べる。アイテム・モンスター・踏む系の仕掛けがある場合は、視線と一致させる事で獲得や戦闘開始等の効果。
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スライドパッド入れっぱなしで所持アイテムの選択が行え、Aボタンによる決定で該当アイテムの使用や調べる行動ができる。
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ステージ構造について
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各ステージは『ウィザードリィ』ライクな主観視線によるダンジョン探索で行われる。
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上画面にダンジョンの状況が表示され、下画面には「MAP及びプレイヤーのいる位置」「所持アイテム」「ライフ数」が表示される形となる。
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ダンジョンの中には「ヒント」「仕掛け」「アイテム」「モンスター」などが配置されており、それらをどう利用していくかが課題となってくる。
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本作におけるダンジョン探索の特性として以下のものが挙げられる。
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モンスターとの戦闘はターン制で行われるが、謎解きライクな戦術が必要。なお、モンスターは必ずしも好戦的とは限らず、戦闘中の逃走も自由に行える。
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使用及び調べた後のアイテムは消耗するものとしないものがあり、所持できるアイテムの上限は5つまでとなる。戦闘中に使用できるアイテムもあり。
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ステージによっては「時間の概念」「プレイヤーの向きや仕掛けとの視線の距離」が一致しないとフラグが成立しない謎解きも多く含まれる。
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ステージクリアとミス条件について
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謎解きやフラグ立てをすべて攻略した上で、ステージ開始時の位置にある閉ざされた「扉」を開けばクリアとなる。
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表面上はフラグミスによる詰みになる要因や制限時間は存在しない。ただし、後述のライフ不足により実質クリア不能になる可能性はあり得る。
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ステージクリア後はそれまでのライフ状況や所持アイテム等はすべてリセットされる。そのため、どのステージにおいても前の環境がプレイに影響する事はない。
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プレイヤーには5つのライフがあり、これがすべて尽きるとゲームオーバー。リトライは可能だが、ステージ最初からのやり直しとなる。
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ライフが減る条件としては「戦闘中におけるモンスターからのダメージ」「移動中に何かの罠にはまってしまう」などがある。
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消費ライフはピンキリで、1つ消費で済むものから即死するものまで様々。ライフ回復の仕掛けや、ダメージ覚悟で進まないとクリアできないステージもある。
評価点
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謎解きのステージ数が多い
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500円の販売価格としては60もの謎解きステージが収録されており、ボリューム感はなかなかに高い。
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個々のステージはコンパクトに収まっているものの、それが60ステージ分もあるのでやりがいが大きい。謎解きのバリエーションもそこそこ豊富。
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多彩な複数ステージ収録になった事で、『RPG脱出ゲーム』の問題点であるボリュームの薄さは消え失せたといっていいだろう。
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『RPG脱出ゲーム』からの進化系
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『RPG脱出ゲーム』の同様のダンジョン探索風の謎解きを採用しているが、ゲームとしての作り込みはより進化している。
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RPG感覚を残しつつもシステムが簡略化されており、より謎解きに集中できる配慮がなされている。また、先述で述べた通り、プレイボリュームが大幅に増している。
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『RPG脱出ゲーム』ではことごとく不評だったストーリーイベントはばっさりカットされ、寒いギャグを見せられる心配もない。
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ただしその名残なのか、モンスターとの対面時の会話が何かおかしい場面が多くみられる。この辺はインテンススタッフ特有のセンスなのだろう。
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近未来風の不思議なステージ空間
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ステージ中に登場するモンスターはファンタジー風なのに対し、舞台の外観は一貫して無機質感が強い近未来風である。
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ファンタジーと近未来が共存する空間に不思議な魅力があり、『RPG脱出ゲーム』に比べると壮大感は薄らいでいるもののBGMの雰囲気もゲームとマッチしている。
問題点
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謎解き初心者には厳しい難易度
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本作の謎解き難易度はやや高めで、初心者でも余裕をもってクリアできるものかといわれるとかなり疑問。
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謎解きのヒントはある程度確認できるものの断片的な表記が多く、深読みをしないとヒントの意味が理解し辛い。これは後発のステージにおいてより顕著になってくる。
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フラグ管理が結構シビアな一面もあり、ヒント通りに事を起こしてもフラグが成立せずに立ち往生してしまいやすい。それに対するフォローも残念ながら未搭載。
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それに加え本作にはライフ消費によるゲームオーバーの危険もあるため、ステージによってはゲームオーバー覚悟の試行錯誤が必至といえる。
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とはいえ、決して理不尽な難易度という訳でもなく、攻略次第で十分にクリア可能なゲームバランスである。
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外観の変化に乏しい
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どのステージをプレイしても外観が一新するような変化はなく、終始代わり映えのない外観でのステージをプレイする事になる。
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先に進むと外観の変化がみられた『RPG脱出ゲーム』に比べると、本作の外観は幾分か地味に思えてしまう。見方を変えれば延々なる無機質感があるともいえるが…。
総評
インテンスの十八番といえるジャンルだけあって、謎解きゲームとしては無難に遊べる一作。ボリューム的にも価格以上の内容で遊び応えがある。
易々とはクリアさせてくれない高めの難易度ではあるが、超短編集感覚で数々の謎解きをしていく楽しみは大きい。
最終更新:2020年12月29日 17:39