ROCK N' ROLL RACING
【ろっくんろーるれーしんぐ】
| ジャンル | レース |  
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| 対応機種 | スーパーファミコン | 
| 販売元 | ナムコ | 
| 開発元 | Silicon & Synapse(現:Blizzard Entertainment) Software Creations
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| 発売日 | 1994年1月3日 | 
| 定価 | 7,900円 | 
| プレイ人数 | 1人または2人 | 
| 記録 | パスワード12文字 | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | ゲーム性は良好 難易度は高い
 ストーリー性は皆無
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概要
本作は1993年にInterplayから発売された同名ゲームをナムコが日本版としてリリースしたものだがローカライズはされていない。
プレイヤーはレーサーを選び、色々な惑星を舞台にレースを勝ち抜いていく。ただのレースではなく他車への攻撃が認められており、ぶっちゃけ何でもアリのゴキゲンな無法レースとなっている。
元々、Silicon & Synapseのデビュー作である『RPM RACING』の続編(『RPM II』)として開発されていたもので、ライセンス曲を採用するというパブリッシャー(Interplay)側の提案からタイトルを変更し、現在の形になった。
ゲーム内容
個性的なキャラクター達
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プレイヤーは好きなキャラを選ぶ事が出来る。
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人間だけでなく獣人、はたまた宇宙人まで色々と勢揃い。それぞれ、ACCELERATION、JUMPING、TOP SPEED、CONRNERINGの特性が違う。
 
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SNAKE SANDERS
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出身地:TERRA
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パッケージでも出ている、長髪の男性。特性は加速と最高速。
 
 
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CYBERHAWK
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出身地:SERPENTIS
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青い鎧に身を包んでいる男性。特性は加速とジャンプ技。
 
 
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IVANZYPHER
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出身地:FLEAGULL
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茶色い全身毛むくじゃら。特性はジャンプ技と最高速。
 
 
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KATARINA LYONS
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JAKE BADLANDS
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TARQUINN
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同じデベロッパーによる『バイキングの大迷惑』という作品から、あるキャラクターが隠しキャラとして登場している。
    
    
        | + | LRセレクトの同時押しをしながら右を6回 | 
OLAF
出身地:VALHALLA
特性は加速、最高速、コーナーリング。
知る人ぞ知る頑丈オラフ。本作では盾で攻撃を防ぐわけにはいかないが、ERIKのように駆け抜けて、BALEOGのように暴れまくる事になるだろう。
原作ではクレーンを操作する際に、得意気に歯を食いしばっている表情だったが、本作でもそういう顔でマシンに乗っているに違いない。
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難易度は3通り
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難易度は3段階選ぶことが可能
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「ROOKIE」「VETERAN」「WARRIOR」の順で難易度が上がる。
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難易度に応じてエンディングが見れたり、新たな惑星が解禁されたりする。
 
舞台
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惑星CHEM VI
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レーサーVIPER MACKAY。パッケージでは主人公とにらみ合っている。
 
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惑星BOGMIRE(ボグマイヤー)
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惑星NEW MOJAVE(ニューモジェイブ)
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レーサーROADKILL KELLY
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難易度「ROOKIE」で来た際はここで最終ステージになりエンディングも出てこない。
 
 
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惑星NHO
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レーサーBUTCHER ICEBONE
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難易度「VETERAN」ならここが最終エリアになる。
 
 
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惑星INFERNO(インフェルノ)
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レーサーJ.B. SLASH
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難易度「WARRIOR」のみ出現する。クリアしてもエンディングに変わりはないが、計算されつくした難関コースが腕自慢のプレイヤーを迎え撃つ。
 
 
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レースの進行について
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参加者は4名で行われる。プレイヤー、各惑星代表、そして残り二名は選ばれなかったキャラクターではなく、かわりにRIP氏とSHRED氏が参加する。
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ここで、2Pプレイの際は、1P、2P、惑星代表とゲストで構成。
 
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それぞれの惑星でBクラス、Aクラスと勝ち抜けばクリアとなり次の惑星に向かうのが本作の柱である。
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レースはクラス毎に数回行われるが、毎回の順位に応じて賞金やポイントが獲得されていく。
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通貨は$。これでマシンを購入したり、装備のカスタマイズに充てていく。
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既定のポイントを満たせばクラスを卒業出来るが、満たさず終わってしまった場合は残留。その際は稼いだ$やマシンはそのまま残るがポイントは0から貯めなおす。
 
何でもアリの過激なレース
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戦闘車両
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ブレーキもギアチェンも速度計もない代わりに、飛び道具・ブースト機能、地雷などを標準装備している。勿論、こんなものは違法車両でもあるのだが本作のレースではむしろ標準装備。
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装備品は車両の種類に応じて異なり、ショップで買いそろえる事が出来る。
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3つの武装はLAP毎に補充されるようになっている。
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2P対戦時はジャンプ台前をオイルトラップまみれにすると、敵味方含めてそこから先が走行困難になりジャンプができてもコースアウトでクラッシュしジャンプ前からやり直しになりカオスな状況になる。だがそれがいい。実況のハイテンションさ(Wipe out!!など)でプレイヤー側には険悪な空気が流れづらい。
 
 
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舞台
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コースは、見下ろし型のクォータービューの箱庭レースサーキット。プレイヤー達はマシンをラジコン感覚で操作して先にゴールを目指す。
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4周すればゴールであり、順位に応じて賞金とポイントが得られるようになっている。
 
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他プレイヤーへの攻撃
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本作は完走する事が大前提ではあるが、他のマシンへの攻撃が推奨されているのが特質である。
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HPが0になったりコースアウトしたりした際は数秒で復活出来る。とはいえ、レースゲームでその数秒のロスが大きな痛手となる。
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敵機を撃破しても復活されるので、完走する事が必須と言える。レース、戦闘いずれかが欠けてもダメなのが本作の難しいところだ。
 
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コース自体も脅威
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コースの方も常識離れしたものであり、穴が開いていたり、トラップが設置しておりこちらもまた牙を剥く。とはいえ、道中には回復アイテムや、1,000$が落ちていたりするのが面白い。
 
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実況が入る
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アナウンスは英語で、選手の名前やLAST LAPなどが聞き取れる。ときおり、プレーヤーキャラの名前も読み上げてくれる。
 
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簡素なマップ
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画面左上には簡素なマップ、敵車の位置が表示されている。
 
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パスワード制
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パスワードは惑星に着いた時点、BクラスからAクラスの昇段の段階で更新される。
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12文字と短めだが、所持金やマシンの状態はガッツリ保存されている。
 
その他
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2Pプレイにも対応
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一緒に本線に参加したり、対決するモードが用意されている。
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画面表示は、上下分割する仕様となっている。
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接待ゲームとしては優秀。一方的な展開になりづらい。
 
評価点
ゲーム性
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マシンとの熱い駆け引き
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敵マシンは走行技術もさることながら攻撃もやってくるので、走っている実感と戦っている実感を両方味わえる。
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このあたりはAI技術の高さを感じさせてくれる。
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マシンも個別化されており、攻撃量重視のマシンもあれば、攻撃面は弱いがオイルトラップで走行困難にでき、そのマシンはブーストの代わりにジャンプ機能が搭載されていたりと別の面でフォローが入りバランス調整が絶妙。
 
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計算されつくしたコース
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クォータビューで立体感のあるステージでは、色々なギミックが用意されており、トラップも絶妙な位置に配置されているので歯ごたえがある。
 
名曲が揃う
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「Bad to the Bone」「Highway Star」「Paranoid」「Peter Gunn」「Born to be Wild」と用意されておりまさにロックンロールだ。
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編曲を担当しているのはTim Follin。
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そこに実況も入るので派手なレースを盛り上げてくれる。
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効果音も良く、エンジン音、ブレーキ音などの方も抜かりはない。
 
素材の質が非常に良い
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キャラクターのグラフィック
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大きな顔グラが用意されており、表彰台に立った際は専用のグラフィックも用意。
 
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滑らかなドット絵
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車体は滑らかに動く。幾何学形状は勿論、ハイライトも考慮されており質感が良い。
 
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一枚絵も用意
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ショップに行った際は現在のマシンに応じて大きな一枚絵が用意されている。
 
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MODE7も活用
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レース中には使われていないものの、次の惑星に向かう際は拡縮回転を用いた演出が用意されている。
 
その他
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和訳がある
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殆ど英語ではあるが、クラスアップや表彰台など肝心なところでは和訳が用意されているので英語が出来ないプレーヤーでも困る事は無いようになっている。
 
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パスワード仕様
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他のアルファベットや数字と間違えやすい「A、E、I、O、U」は除外されている。
 
賛否両論点
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敵車両は壊してナンボ
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高難易度と過激なゲームをどう取るかはプレイヤー次第。普通のレーシングゲームを求めるなら他を当たろう。
 
問題点
ゲーム性
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難易度は高い
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序盤こそ楽に勝てるものの、進行に応じて対戦相手が本気を出してくるようになり勝つのは厳しくなってくる。
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ゲームを進めるにつれてレースは難化して車両・装備の価格は上がるのに、得られる賞金は上がらない。これによりプレイヤーは資金繰りに悩まされる事になる。そして、新しい車両を購入するとそれまでの装備品は全て失われてしまう。
 
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難易度ルーキーでは表彰台に立つものの、今度は上位に挑むように言われて終わるのでスタッフロールが見れない。
 
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2Pとストーリーモードの相性が悪い
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難易度が高い本作も2人で協力すれば何とかなるだろう、そして表彰台に2人で上がろうと考えていたプレイヤー達は蹴落とし合いという現実に直面する。
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まず最初のキャラ選びからして早い者勝ちであり、マシンの貸し借りや素材の融通も出来ない。
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何より、クラスを昇格する際にはプレイヤーを引き上げる事は出来ないどころか、条件を満たしていない別プレイヤーを置き去りにするかという選択肢まで出て来る。このため、ポイントを奪い合う事になり易い。
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置き去りにしなかった際は残留扱いであり両者ともポイントは貯め直しということになる。
 
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2人でエンディングまで行ったとしても表彰台に立つのは1人のみである。2人で表彰台に立つ演出でもあれば挑戦する価値はあったのかもしれないが…
 
キャラクターの個性が薄い
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キャラの要素
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顔グラこそ用意されているものの、ストーリーは一切なく、会話も出てこない。エンディングもステージの上で表彰されるのみである。
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選ばれなかったキャラは一切出てこないし、その出身地の惑星も訪れる事は無い。
 
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専用のマシンがない
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結局のところは誰を選んでも同じ車体を買って同じような強化をしていく事になる。
 
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BGM
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高品質なのは間違いないのだが、新しい惑星に行っても特有の曲ではなく既に何度も聞いた曲が流れるので新鮮味に欠ける。これもまたゲームに飽きやすくさせる要因ともとれる。
 
その他
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水増し感が強い
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1クラス毎に数回、多ければ10回以上のレースがあり、同じようなコースが再度出て来るので飽きてくる。
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BクラスとAクラスとあるが昇格しても賞金が上がるわけでもなく同じ事の繰り返し、2つのクラスで苦労も2倍としたものだ。
 
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完走した際の演出が地味
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完走した際の演出は画面全体が暗転するのみ。これが敗北したというのならまだ分かるが、ド派手さを売りにしているゲームならこちらも派手にやって欲しかったところである。
 
総評
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本作はもうただのレースゲームではなく、レース内容・難易度ともにアクセル全開!!過激にFIRE!!であり、人を選ぶのは間違いないだろう。
 ゴキゲンで荒々しいレースゲームを求める腕自慢のプレイヤーには良い選択肢なのかもしれない。
余談
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本家のSNES版は1993年7月4日に発売された。
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後に本作の続編となる『Rock & Roll Racing 2:Red Asphalt』が欧州版PSソフトとして1997年に発売された。更に1998年には北米地域でも『Red Asphalt』のタイトルでPS版が発売されている。
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但し、こちらはSilicon & Synapseは関わっておらず、パブリッシャーであるInterplay自身が開発している。
 
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Silicon & Synapseは本作日本版の発売と同年に、社名を現在の「Blizzard Entertainment」に変更している。
最終更新:2021年05月05日 19:24