Noita
【のいた】
| ジャンル | アクションアドベンチャー |  | 
| 対応機種 | Windows | 
| メディア | ダウンロード専売 | 
| 発売元/開発元 | Nolla Games | 
| 発売日 | 2020年10月16日 | 
| 定価 | 2,050円(Steam) | 
| プレイ人数 | 1人 | 
| 判定 | 良作 | 
| ポイント | 物理演算されたピクセルベースの世界 カスタマイズ豊富な魔法要素
 難易度は高くかなりの死にゲー
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概要
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2019年9月25日に早期アクセス版としてリリースされ、ほぼ1年後の2020年に正式版がリリースされた。
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非ターン制のピクセルベースのローグライク(公式にはローグライトと呼ばれているが、知名度を考慮して本ページではローグライクと表記する)であり、PCを操作してダンジョンの深部を目指すことになる。
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雰囲気や操作感は『Terraria』が近いが、ピクセル単位で物理演算されているため、周囲の状況はすぐに変化する。この物理演算については粉遊びというブラウザゲームが非常に近い雰囲気を持っている。
 
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第20回ゲーム・デベロッパーズ・チョイス・アワードで「Best Technology賞」を受賞、2020年スチームアワードの「最も革新的なゲームプレイ賞」では受賞できなかったがノミネートされるに至っている。
特徴
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プレイヤーは魔法使いのキャラを操作し、舞台となるダンジョンの最深部を目指すことが目的となる。
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プレイヤーには体力があり、体力が尽きるとゲームオーバーである。基本的に本作ではコンティニューは存在しないため、ゲームオーバーになると最初からやり直しである。
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ローグライクということで、ダンジョンは毎回ランダムで構成され、入手出来るアイテムも毎回変わる。
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ランダムといってもバイオームの順序は毎回同じであるため、大まかな構造は変化しない。
 
 
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プレイヤーはキックという物理攻撃が出来るものの、基本的には所持している杖を用いた魔法を使って攻撃を行うことになる。
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杖には魔法(スキル)がセットされており、杖を利用するとセットされている魔法が使用される仕組み。杖には複数の魔法がセットされていることもあり、この場合、使う度に順番に(杖によってはランダムに)魔法が発動される。
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魔法には使用回数の制限が決められているものもあり、そういった魔法を使い切ると最悪杖が使えなくなることもある。なお、魔法の利用回数はインターバルエリアまでたどり着けば回復する。
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杖の魔法はインターバルエリアである聖なる山において入れ替えることが可能。魔法を入れ替えることでより強い杖を作り自分だけの魔法を作り出すのは本作の醍醐味の一つである。
 
 
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杖は同時に4本まで持ち歩くことが出来、それ以上に入手した場合はいずれか1本と入れ替えて持ち歩くことになる。持ち歩ける杖が限られているので取捨選択は重要となる。
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杖以外のアイテムとして主としてフラスコがある。フラスコには液体を入れて持ち運ぶことが出来る。
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液体の種類もかなり多く、有利なものから不利なものまで多岐にわたる。
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フラスコは使うことで少量の液体をばらまくこともできれば、投げつけて割ることで一気に液体をばらまくこともできる。
 
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敵の攻撃を受けたり、猛毒や炎に触れたりすることでダメージを受け、ライフが減っていく。ライフもインターバルエリアまで行けば回復出来るが、本作においてはライフの回復手段は非常に少ないため、極力ダメージを受けずに進んでいくことが肝要となる。
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その一方で、本作ではダメージを受ける要素が非常に多い。そのため、むやみに戦闘を行えばゲームオーバーに一直線となる。
 
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本作のオブジェクトは全てピクセル単位で管理されており、周囲の環境によって徐々に変化していく。
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例えば、石炭であれば火が触れれば燃え出し、水は温度が上がると蒸気になる。魔法によっては地形を破壊するものもあり、道を切り開いたり、液体を流したりすることも出来る。
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オブジェクトの中には衝撃を与えると爆発する爆薬などもあり、上手く使えば有利に立てるが、使い方を誤ると致命的なものも多く、プレイヤーの判断や操作が重要になる。
 
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敵キャラクターも種族によっては敵キャラ同士で対立していたり、炎が付くと水を探したりとある程度の行動パターンは決められている。そして、プレイヤーが近づくと正確無比な射撃攻撃もお見舞いしてくる。
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ダンジョンの流れとしては、どんどん下層(下方向)を目指していくことになる。ある程度進むと、ワープゲートがあり、そこに入ると聖なる山というインターバルエリアに到達する。
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インターバルエリアでは体力と魔法の利用回数を回復出来る他、お金を使ってスキルや特典を取得することが出来る。
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特典は様々であり、近接攻撃を無効化したり、液体の中でも呼吸できたりするものもある。
 
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インターバルエリアを抜けると次のフロアになる。フロアが進めば進むほど基本的には難易度が上がっていく。
 
評価点
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自由度が非常に高い魔法カスタマイズ
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本作のウリの一つだが、魔法の数は非常に多くそれらを組み合わせて1つの杖を作ることからカスタマイズ性は非常に高い。
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魔法の中にはオプションのようなものもあり、二方向に射出したり、二つの魔法を同時に放ったり……と様々な効果がある。それらの組み合わせはもはや無限大といっても良いほどである。
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ローグライクであるため、入手出来たものをどのように組み合わせるべきかを考えるのもプレイヤーの手腕が問われるところ。基本的にインターバルエリアでなければ杖の魔法の入れ替えが出来ないため、道中どのような杖を持って行き魔法を入れ替えるかも常に考えていく必要がある。
 
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効果が非常に多岐にわたるため、とにかく新しい魔法を見つけたときにはそれを使う楽しみも生まれている。もっとも、予想外の挙動で訳も分からず死亡してしまうこともあるのだが。
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カスタマイズ性が強いわけではないが特典についても様々な種類があり、新しい特典を見つける楽しみがある。
 
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高精度な物理演算
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魔法による破壊だけでなく、様々な要素が物理演算によってコントロールされており、それがかなりのリアルを生み出している。
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地形が石炭や木で出来ていれば炎の魔法によって引火することもあるし、それが火薬の粉やオイルであれば一気に燃え広がることさえある。
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それを意識してか敵も炎の攻撃をしてきたり、電気の攻撃をしてきたりすることがあり、地形によっては普段以上に厄介な結果になることもある。
 
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逆にプレイヤーも、地形を利用出来そうな場面は少なからずあるため、どうやって使おうかと考える楽しみも出来る。もちろん、自滅してしまうこともあるわけだが。
 
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隠し要素が多い
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主の目的は、最深部に到達してラスボスを倒すことであるが、それ以外にも様々な隠し要素が鏤められている。
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難易度が高いこともあり、最初は隠し要素を探す余裕などないであろうが、ゲームになれてくるとくまなく探索することも出来るようになってくる。
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隠し要素によってはやはり慣れたプレイヤー向けのためか、強力な敵が出現するケースもある。
 
 
賛否両論点
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かなり難易度は高い
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本作がかなり人を選ぶ点としてその高い難易度が挙げられる。
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本作ではダメージを受ける場面は非常に多いにもかかわらず、ライフの回復手段はほとんどない。
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また、一撃で受けるダメージも決して少なくない。場合によっては一撃食らっただけで致命的になることもある。
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中盤以降は敵の移動手段や遠距離攻撃も豊富になってくるため、序盤の感覚で挑戦するとすぐに体力が尽きる。この傾向が強くなる第3エリア「雪のどん底」が初心者が躓きやすいエリアと言われることが多い。
 
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遠距離攻撃を行ってくる敵もいるが、その攻撃精度はかなり正確であるため、動きを止めているとまず被弾する。
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敵以外でも、地形などダメージを受ける要素は色々あるため、一瞬の気の緩みで瞬く間に死の淵に立たされることも。
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安全だと思っていたら敵の爆弾で地形が変わり、猛毒が流れてきたり、炎上したりと周囲の環境にも気を配ることが重要。
 
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なお、敵にやられることももちろん多いが、それ以上に自分の魔法のせいでゲームオーバーになることが多いのも特徴的である。
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目に見えないトラップや、急に眼前に出現する敵、といったものは存在しないため、死にやすいのは確かだが理不尽な場面はそれほど多くない。
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もっとも、エリア移動した瞬間に敵に囲まれて袋だたきに遭ったり、姿が変化する多形成ポーションの効果を受けて魔法を喰らって即死したり何が起きたかよく分からないままにゲームオーバーになることもある。
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結論として、難易度が高く死にゲーの一面は拭えない。人によっては100回ほど挑戦したが1度もクリア出来ないという人もいるほど。
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高難易度モードもあるものの、通常難易度ですらこの難しさであるため、難しいゲームが苦手な人にとってはつらいかもしれない。
 
問題点
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動作がカクつくことがある
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物理演算を行っているためか、ゲームが進行してくると動作が重くなってしまうことがある。
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ダンジョンはフロア毎に分かれているように見えつつ、実際は一つの上下に長いダンジョンであるため、処理が増えると急激に重くなって動きがカクつく場合もある。
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ひどい場合には、ゲームがクラッシュすることさえある。
 
総評
様々な魔法が登場し、それを組み合わせていくことによって強い杖を作り上げ、ダンジョンを突破する。
ゲームシステムとしてはこういった感じであるが、豊富な魔法が登場し、プレイヤーを楽しませてくれる。
アクションゲームではあるが、ローグライクらしく常にどのようにすれば自分が安全に立ち回れるかを考えるスタイルが要求され、
一度の判断ミスや操作ミスで絶好調な状況からも一瞬でゲームオーバーに陥る緊張感を楽しむことが出来るだろう。
その難易度の高さから万人にオススメするのは難しく、初見殺しや一見すると理不尽な死に方も連発することになると思われるため、人を選ぶ一面は否めない。
だが、緊張感のあるアクションのローグライクゲームを求めているならうってつけの作品といえるだろう。
余談
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本作を手掛けたNolla Gamesはフィンランドの首都、ヘルシンキを拠点とするデベロッパーで、『Crayon Physics Deluxeexit』を手掛けたPetri Purho氏、『The Swapperexit』を手掛けたOlli Harjola氏、『Baba Is You』を手掛けたArvi Teikari氏の3人によって設立された。個人制作のインディーゲーム開発者が意気投合して立ち上げた会社ではあるが、過去に彼ら3人が手掛けた作品もSteam/GOG/itch.ioではどれも好評を博している。
最終更新:2021年04月05日 22:29