ジラフとアンニカ

【じらふとあんにか】

ジャンル アクションアドベンチャー

対応機種 Windows(Steam)
Nintendo Switch
プレイステーション4
Xbox One
発売元 PLAYISM
開発元 atelier mimina
発売日 【Win】2020年2月18日
【Switch/PS4/One】2020年8月27日
定価(税別) 【Win】1,980円
【Switch/PS4/One】3,980円
判定 良作


概要

国産のインディーゲームで、スピカ島を舞台に記憶喪失のネコミミ少女「アンニカ」が「ジラフ」という謎の少年の頼みで星のかけらを求めて島中を探索する3Dアクションアドベンチャー。
開発したのは元イニスのスタッフで『押忍!闘え!応援団』などの開発に関わった斉藤敦士氏。本作は斉藤氏が独立して立ち上げたデベロッパー、atelier miminaの処女作である。ただし2020年2月時点では法人化には至っておらず、斎藤氏も「個人制作スタジオである」と公言している点は留意*1


特徴

  • 島を探索し、いくつかのイベントをこなしながらダンジョンを見つけ出し、中にある星のかけらを見つけ出す。基本的にはこの繰り返しである
    • ゲーム開始時はアンニカの行動にある程度制限がかかっているが、星のかけらを入手すればできることが増え、行動範囲が広がるようになっている。
    • 島には昼夜、及び時間の概念があり、昼夜どちらか、あるいは特定の時刻でないと発生しないイベントもある。
  • ダンジョンにはオバケが存在し、接触したり攻撃を受けたりするとダメージを受ける。
    • それに対しアンニカの取れる手段は「逃げる」のみ。攻撃手段は存在しない。
    • ゲームオーバーの概念はなく、アンニカの体力がなくなっても近くの復帰ポイントからすぐに再開できる。
  • そしてダンジョンのボス戦はなんと音ゲー。BGMとボスが撃ってくる弾に合わせてを左右に移動しながらタイミング良くボタンを押せばOK。最後まで耐えきれば勝利となる。
    • 一部の弾は直接よける必要がある。当たればもちろんミス扱い。
    • 音ゲーが苦手な人、あるいは得意な人のためにボス戦直前に難易度を選択できる。
    • 勝利するとスコアとランクが出る。ゲームクリア後、音ゲーだけ挑戦ができるようになるのでハイスコアに挑戦するのも良い。
  • グラフィックは3DCGだがイベントシーンはマンガ風の2Dイラストで描かれる。これらの描画にはUnreal Engine 4が使われている。
  • 収集アイテムとして「ねこ絵」が存在。いろんなイラストレーターが描いたネコ関連のイラストを見る事ができる。隠し場所はダンジョン内も含めて島全域にわたる。
    • 特定のキャラに見せれば、数に応じて景品をもらう事も出来る。
    • 他にもサブイベント用の収集アイテムがいくつか存在する。

評価点

  • とにかくアンニカが可愛い。
    • イベントシーンでいろんな表情を見せてくれる元気なアンニカの姿に微笑ましさを感じるだろう。
    • ねこ絵を見つけると内容に応じたコメントもしてくれるのも見所。
  • 島はけっこう広く、いろんな物があるので探索するだけでも楽しい。
    • 少しクセはあるもののアンニカの移動速度は早めで軽快に動けるのも良い。
    • 調べたものに対してもアンニカが色々反応してくれるので調べがいがある。
  • ストーリーもほのぼのとした雰囲気でプレイしていて癒される気分になる。
    • アンニカがボス戦も含めて一切暴力をふるわないのも大きな要因だと思われる。
    • ただほのぼの一辺倒と言う訳ではなく、この島で過去に起こった「ある悲劇的な出来事」について徐々に語られるため、それを知ることでこの島の登場人物について悲喜こもごもが考察される。

問題点

  • アンニカの移動は軽快なもののちょっとクセがある。特に細い足場を渡る時は注意が必要。
    • 第4ダンジョンは特に落下しやすく、しかも再開のためのロードが少し長いため若干イライラさせられる。
  • 見つけたねこ絵の総数はわかるものの、「どこのダンジョンにいくつあるか」などの細かいエリア毎の数は表示されないので全部探すとなるとけっこう骨が折れる。
    • なお、クリアしたダンジョンに後から入り直して探すことは可能*2
  • 特定のイベントを起こすと一部のサブイベントが進行不可になる。
    • 後にアップデートで問題のイベントを起こす前に注意喚起を促すメッセージが出るようになった。
    • サブイベントと言いつつ実質トゥルーエンドの様なものなので、注意メッセージに従ってセーブデータは分けておくのがお勧めである。
  • 地形の判定が若干甘く、地形にハマり込んで動けなくなる場合がある。
    • 特に移動する足場が鬼門である。ロードし直しで復旧できるが、場所によってはかなり巻き戻されることも。

総評

可愛らしく優しい世界観に癒され、同時に見所いっぱいの島の探索にワクワクさせられる。
こういった世界観が好きな人ならきっと気に入るであろう作品。
難易度もそこまで高くはないので気になった方は是非ともプレイしてみてほしい所。


余談

  • 各種開発者向けに開催されているEPIC GAMES JAPAN主催の大型イベント「UNREAL FEST EXTREME 2020 WINTER」の講演の中で、メイン開発者の斉藤氏が本作の開発のよもやま話を語っている*3。動画はこちら。
    • 特にPCからCS機への移植については「PC版の完成後、3機種への移植作業を2ヶ月ごとに区切って半年かけて1人でやっていた」旨を斉藤氏が述べている。

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最終更新:2023年11月11日 16:45

*1 ただし、「UNREAL FEST EXTREME 2020 WINTER」の講演で「いずれ法人化する予定はある」旨は斉藤氏も明言している。

*2 第4ダンジョンにもクリア後の再突入が可能。女神像を調べよう。

*3 主な内容としてはUnreal Engine 4を使った制作事例を開発者本人が紹介しているというもの。