くっころでいず
【くっころでいず】
| ジャンル | 恋愛アドベンチャー |  | 
| 対応機種 | Windows(Steam/GOG.com) Nintendo Switch
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| 発売元 | qureate | 
| 開発元 | iMel qureate
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| 発売日 | 【Steam/GOG】2020年5月15日 【Switch】2020年8月6日
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| 定価(10%税込) | 【Steam】1,280円 【Switch】800円
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| プレイ人数 | 1人 | 
| セーブデータ | 80個(+クイックセーブ1箇所) | 
| レーティング | CERO:D(17歳以上対象) | 
| 備考(Switch版) | ダウンロード専売 | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | 異世界転移してきた女騎士がヒロイン 暴力・陵辱要素はない
 少々くどいヒロインの口癖
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| qureate作品 | 
 
概要
『NinNinDays』『とらぶるでいず』に続く、qureateの臼田裕次郎氏が送る低価格恋愛ADV、でいずシリーズの第3弾。
キャラクターデザインは『NekoMiko』でも担当していた乾和音氏。
2020年5月15日に配信されたWin版は、公式サイトでR18化パッチが配信されている。
FANZAおよびDLsiteでは18禁Ver.も単体で販売されているが、本稿ではR18表現の無い「パッチ未適用のSteam版」と「Nintendo Switch版」に限定して記載する都合上、R18部分や価格格差については評価の考慮に入れないものとして扱う。
タイトルの「くっころ」はいわゆる女騎士キャラが窮地に陥った際の「くっ、殺せ!」の略として、その後当該ヒロインがここではとても言えないような(素直に殺されるよりも)悲惨な様に遭う展開も含めたジャンルとして定番化している語句である。
あらすじ
平凡な日々は、ある女性の出現より平凡な生活は一変する。
ある日、主人公の家に突如、魔法陣が出現し、その中から剣と甲冑を身にまとい傷を負った女性が姿を現した。
女性の名は「カトレア」。 異世界から転生されたのだと言う。カトレアが元の世界に戻る方法を見つけるまで一緒に住むことに…
果たして無事にカトレアは元の世界に帰れるのか?それとも……
平凡な日々が一変!? 異世界から来た女騎士とのちょっとHな同棲生活がはじまる!
(公式サイトより引用)
システム
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ADVゲーム
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ストーリーは主人公の目線で語られて、かつ原則1本道。ストーリー中は2択の選択肢が6回分出る。
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これらの選択肢に回答した直後は、その後の会話が少し変わるだけで大元のストーリーや会話は変わらない。
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エンディングが3種類あり、7つ目の選択肢に何を答えたかで展開が分岐する。またそれまでの6回の選択肢に何を答えたかで、グッドエンドに到達できるかどうかが判定される。
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2択の選択肢には正解不正解が設定されているようで、2回分間違った選択肢を選ぶとグッドエンドにたどり着けないようになっている模様。
 
 
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その他
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バックログ表示、メッセージボックスの非表示、クイックセーブ・ロード、早送り、メッセージのスキップといった機能が搭載されている。
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システム画面から、文章の表示速度や言語を操作できる。BGMの音量、ヒロインの声量なども操作可能。
 
評価点
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登場人物の描き方について
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ヒロインのカトレアは気高くもやさしい性格をしている。基本プレイヤーがどんな選択肢を取ろうが好意的に捉えてくれることが多く、最序盤を除き険悪な雰囲気になることはほぼない。
 異世界から来たという事もあり、現代社会に対する忌憚ない感想を言ったりもする。
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勿論、E-moteによりカトレアの立ち絵はぬるぬると動く。抜剣のモーションは特に必見。
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また、主人公もでいずシリーズの中で一番カッコいいと評判。
次作
の主人公との対比もあって尚更かっこよく見えるという声も。
 
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いろんなストーリーが盛り込まれている
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本編は数時間で読了できてしまう程度のボリュームだが、秋葉原ならではのメイド喫茶や本屋に立ち寄ってみたり、主人公が昔通っていた剣道場に足を寄せてみたりといったシーンがある。
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日常を送っていると思いきや、カトレアが元いた世界にいた悪と戦い打ち勝つ展開も用意されており、物語としての爽快感がある。
 
賛否両論点
    
    
        | + | ネタバレ注意 | 
エッチな要素は特にない
ヒロインが異世界転移してきた気高き女騎士であるというだけで、シナリオの大半では真面目に日常モノ、時折恋愛モノが描かれている。
イベントスチルでカトレアのパンモロや、下着姿が描かれる程度。
主人公も基本的には他人を思いやる青年であり、すんなりと感情移入しやすい。ゲームやライトノベルは人並に嗜む程度で重度のオタクという事も無く、この手の作品の主人公にありがちな「ヒロインに欲情する」「エロい妄想を膨らませる」と言った事すらほぼ皆無という紳士となっている。
それ以外でも、「くっ殺せ」モノの同人系列にありがちな魔物や下衆は登場しない。ラスボスとて正統派の邪悪なボスモンスターである。
 
1枚だけスチルの内容が作中の状況と若干合っていない
暴れるカトレアを取り押さえるためにタオルで束縛しているシーンなのだが、どう見ても包帯で束縛されている。低価格故の予算の都合と割り切れば気にならないが。
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前作『とらぶるでいず』や後のシリーズ作品と比較した場合、本作のみ過去作との繋がりを示唆する描写が無い
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これについては本作が最初の時系列に当たるため、そこまで織り込み済みでシナリオが作られている可能性もある。
 
問題点
    
    
        | + | ネタバレ注意 | 
シナリオが全体的に急ぎ足
設定に一応矛盾はないものの、序盤でカトレアがアッサリと態度を軟化させたり、「(剣道のルールを把握していないとはいえ)カトレアの反則負けに言及しない」「主人公に魔力の素養があることが発覚する」といった辺りの部分はややご都合展開に見える。
終盤に主人公とヒロインが互いに異性として想っていたことになるものの、そこに至るまでの経過の説明も過去作と比べて乏しい。
ラストの展開もかなり急で、打ち切りが決まって急遽駆け足で終わらせた漫画のような急ぎ足となっている。
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キャラクターの特徴の「記号化」
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「くっ、殺せ」はカトレア本人が恥ずかしいときに発する口癖のようなものとなっているのだが、少々乱発しすぎてくどいシーンがある。誰が呼んだか
「くっころのバーゲンセール」
という表現がしっくりくるほど。
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過去作ではこのようなキャラ付けは無かったため、記号化が嫌いなユーザーからは勿論、安直なキャラ付けにシリーズファンからもひんしゅくを買った。
 
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相変わらずのボリューム
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本作も数時間もあれば大方制覇できてしまう内容。イベントスチルも13枚といつも通りの枚数である。
 
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相変わらずオプションUIが英語
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フォントやフォーマットこそ変えているものの、項目の表記そのものは過去作と全く同じまま使い回している。
 ただ、コントローラーの割り当てや各種オプションについては現状のでいずシリーズ全てにおいて同じ操作なので、シリーズを複数遊ぶ前提であるのなら一度覚えてしまえば楽にはなる。
 
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細かい部分になるが、誤字脱字や台詞の読み間違いも存在する。
総評
タイトルからはギャグ・18禁の雰囲気がするものの、実際の内容はかなり真面目な恋愛ものである。
口癖の回数か多いことを許容できるのであれば問題ないため、女騎士との恋愛を楽しみたいのなら一考の価値はあると言えるだろう。
余談
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カトレアと対峙する敵のデザインだが、その外見の類似性から、プレイヤー達からは「ネルギガンテ」というあだ名を付けられている。
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qureateの作品は基本的に世界観を共有しているため、同社の作品をプレイしたユーザーならニヤリとできる要素が入っている。
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後発作品である『異世界酒場のセクステット』シリーズでカトレアの名前が登場。そして、異世界酒場シリーズ最終作となる『~Vol.3 Postlude Days~』では本作の特定のED後のカトレアがゲスト出演を果たしている(公式ツイート)。
 また、本作でカトレアを演じた椿乃なお/安田奈緒子氏は異世界酒場シリーズでVol.3のメインヒロインである杏も演じている。
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更に、『愛怒流でいず』ではヒロインがカトレアから剣道の稽古を受けていた旨が示唆されている。
 
最終更新:2025年03月13日 16:28