魔界戦記ディスガイア6

【まかいせんきでぃすがいあしっくす】

ジャンル シミュレーションRPG

対応機種 プレイステーション4
Nintendo Switch
メディア 【PS4】BD-ROM 1枚
【Switch】ゲームカード 1枚
発売・開発元 日本一ソフトウェア
発売日 2021年1月28日
定価 通常版:7,920円
初回限定版:11,220円
レーティング CERO:C(15才以上対象)
判定 シリーズファンから不評
魔界戦記ディスガイアシリーズ


ストーリー

数多の世界を世界を破壊してまわる恐ろしき厄災”破壊神”。
強大な力を持ち、誰にも倒すことができず、
このままでは全ての世界が滅びかねない。

ゾンビの”ゼット”は
死ねば死ぬほど強くなる転移魔術【超転生】を繰り返し、
破壊神に挑み続ける。

(魔界戦記ディスガイア6 公式サイトより引用)


概要

やり込みSRPGである『魔界戦記ディスガイアシリーズ』の第7弾*1(外伝作やスマホ作品を除く)。シリーズ初の2ハード同時発売となっている。
本作のテーマは「超転生」となっており、最弱のゾンビであるゼットが超転生を繰り返し、強大な敵である破壊神に挑む流れとなっている。
本シリーズでは転生がシステムに組み込まれており、ストーリーの一部に転生が関わってくる事はこれまでもあったものの、転生をメインテーマとしたのはシリーズにおいては初となる。

スタッフからは本作の開発をするにあたってディスガイアを買わないプレイヤーの声をリサーチし、「時間がかかる」「面倒くさそう」という先入観の払拭を目指したという旨が語られており、実際本作は初心者にもプレイしやすいような設計がされている。
また、『ディスガイア』シリーズのプレイヤー中でもシリーズらしさの象徴でもある超大ダメージを体験出来るまでやり込んでいるプレイヤーが少数派であるという分析から、ストーリークリア時点でも大ダメージを味わえるようなバランスにしたと公式インタビューで語られている。

このように、初心者を始め多くのプレイヤーにディスガイアらしさを味わってもらおうという思惑の下に発売された本作。
だが、シリーズファンからは「やり込みが簡易化してしまった」「『ディスガイア』らしくなくなってしまった」という落胆の声が多く聞かれる結果となってしまった。

発売からおよそ3ヶ月経った4月29日に「超越者の次元アップデート」が実装され、これにより旧作レベルのやり込みが出来るようになったものの遅きに失したという意見が多い。
発売直後の不具合(バグ)が多いのはシリーズではある意味お約束であるが、現在では概ね重大な不具合は修正されている。


新要素

自動戦闘・自動周回

  • 名前の通り予め決められた行動パターンに応じて自動的に戦闘を行う自動戦闘と、ステージクリア後にプレイヤーが中断するまでの間何度も同じステージを自動でプレイする(周回する)自動周回機能が追加された。
    • 本シリーズにおいてレベルアップを目指す場合、稼ぎ向きのステージを何度も繰り返し行う、という所謂「マラソン」が常であったが、そのような作業をプレイヤーの操作なしで自動的に行えるようになった。
    • 自動戦闘と自動周回は併用可能でノーコストで利用出来るため、放置してずっと同じステージをプレイし続ける事もできてしまう。
  • 自動戦闘の行動パターンは 魔心 (ましん)エディットという簡単なプログラミングによってキャラ毎に設定できる。あまりにも複雑な行動パターンの設定は出来ないが、ある程度自由に条件を組む事が可能。
    • 魔法使いを優先的に狙う、HPが減ったらベースパネルに後退する、宝箱があればそれを優先的に壊す、といった具合に条件と行動を組み合わせられる。これを上手く使えばアイテム界の自動攻略だって決して不可能ではない。
    • 魔心エディットはテンプレートも用意されている。取り敢えず自動で戦ってくれれば良いというのであれば、自分で行動パターンを設計せずともこのテンプレートを使って済ませてしまう事も可能。
  • これらの自動戦闘・自動周回は最序盤から利用可能。また、自動戦闘の途中で手動に切り替えたり、逆に手動でやっている最中に自動戦闘に切り替えたりといった、痒い所にしっかり手が届く機能も搭載している。
    • 暗黒議会を使えば魔心エディットで使えるコマンドの種類を増やせる。必要なマナも少なく、比較的序盤でも全ての要素を解放可能。
    • 自動戦闘の速度についても、暗黒議会で議題を可決すればスピードアップが可能。こちらはコマンド解放と異なり必要マナが多く、幾つかの段階に分けて解放していくという事もあって最終的にはどの議題よりも膨大なマナを要求されるので、基本的にはクリア後のやり込みの過程で解放するものと考えておくべし。

ドリンクバー

  • 戦闘で得た経験値やマナの一部が自動的にストックされ、お金(ヘル)を支払って任意のキャラにドリンクバーにストックされた経験値やマナを与えられるシステム。
    旧作で言うところの経験値ポーションやマナポーションに相当する。
    • 経験値については、クラス熟練度や武器熟練度に割り振る事も可能であり、使い道はかなり多い。
  • また、旧作のエキスについてもドリンクバーにストックされるシステムとなっている。
    • エキスがドリンクバーのシステムに組み込まれてしまった為、エキス利用にはヘルが必要となった。これにより旧作と比べるとエキス関連の使い勝手が悪くなっている。

悪業指南

  • キャラ単位の目標のようなものであり、達成すると様々な特典を得られる。
    • 後述するカルマや、アイテムがもらえるものもあるが、中には達成したキャラの取得経験値の割合が増えたり、魔ビリティーコストが増えたりとキャラ育成に重要なものもある。
    • キャラ単位の目標であり、どのキャラでも内容は一緒。汎用キャラの場合は作り直せば同じ課題に再挑戦できる。

変更点

超転生

  • 旧作における「転生」システムに相当。レベル1になる代わりに超転生時に得られるカルマを利用し、パラメータの成長量を増やす等の恩恵を受けられる。
  • 本作では超転生によって「カルマ」を得られる。このカルマを用いて基礎パラメータ(成長量に影響する)を増やしたり、移動力等のレベルアップで成長できないパラメータを増やしたりといった強化が可能となっている。
    • カルマの入手量は超転生した際のレベルと素質によって決まる。
      • 旧作では総転生レベルによって基礎パラメータのボーナス量が決められていたが、具体的にどれくらいの総転生レベルでいくつのボーナスが付与されるかは明確にされていなかった。これが明確されたようなものだと思って良いだろう。
  • カルマを用いて強化した基礎パラメータの増加量は次の超転生時にもリセットされない。これにより、旧作において見られた「低いレベルで転生してしまった結果、基礎パラメータが低くなり、転生前より弱くなってしまった」という事態は起きなくなっている。
    • ただし一度割り振ったカルマはリセットできない。カルマの入手可能量に上限は無く、取り返しのつかない事態に陥る事はないが、特にカルマが少ない序盤・中盤などはうっかり振り間違いをしないよう注意されたし。
    • カルマそのものも所持上限を超えない限りにおいて、余剰分は全て次回の超転生に引き継げる。所持上限は悪業指南の達成によって増えていくが、普通にプレイするなら上限を気にする必要は殆ど無いので、悩んでいるなら割り振らずに残しておいても問題ない。
  • 移動力などの、旧作ではキャラ界で強化できた項目もカルマで強化可能になった。これにより本作ではキャラ界が廃止されている。
    • こちらの強化に必要なカルマは段階に応じて大きく変わるシステムとなっている。初回強化は低レベルでも行いやすいが、最終段階まで強化しようとするとかなり大変な仕様。
  • 超転生の際には、超転生時限定で習得出来る魔ビリティーをランダムで1種獲得可能。
    • 超転生のおまけで新たな魔ビリティーを覚えられるわけなので、いっそのことこれを目的として超転生するというのも有効である。中にはかなり有用なものもある。
  • 汎用キャラは『3』以降、転生する度に必要なマナが増える仕様だった。しかし本作では初回の超転生はマナ不要、以後も100ずつという『2』までの方式に戻ったので、超転生の繰り返しがそこまで苦にはならなくなっている。
  • これらの仕様変更により、超転生のハードルが低くなっており、よく考えずに超転生しても問題ない仕様となっている。

レベルの上限が9999万になった

  • 旧作では一貫してレベルの上限は9999であったが、本作では9999万9999まで上がるようになった。
    • ただし、最初からレベル9999万まで上がるわけではなく、初期の上限は旧作同様9999。一定条件を満たした上で、超転生の際に上限レベル開放を取得してはじめてそれより高いレベルに上げられるようになる。
  • レベル上限が高くなったためか、HP/SPを除くパラメータは9999億まで、HP/SPに至っては9999京(1京は1兆の1万倍)まで増えるようになった。
    • 超越者の次元アップデートにより、一定条件を満たせばHP/SPを除くパラメータは9兆9999億まで、HP/SPは9垓9999京(1垓は1京の1万倍)まで増やせるようになる。
  • レベル自体も旧作よりかなり上がりやすくなっており、レベル9999程度であればストーリークリア時点どころかストーリーの途中でも普通に辿り着ける

キャラが3D化した

  • これまでのディスガイアシリーズではキャラは2D(『4』より前はドット絵)であったが、本作ではシリーズ初の3D化がなされた。
    • これにより、これまでと比べキャラがぬるぬる動き、特殊技の演出でもこれまで不可能だった角度による演出がなされている。
  • なお3D化に際しては、原田たけひと氏による絵のイメージを崩さないという点をかなり重要視したという旨が語られている。

その他の変更点

  • 前作の魔界調査団はアイテム界調査団に変更。細かい仕様変更等はあるが基本的なシステムは前作と同様。
  • 修羅を上回る難易度として羅刹が登場した。なお、羅刹という難易度それ自体は『D2』の無料アップデートで一度登場した事がある。
    • もっとも、『D2』の羅刹は、あくまで修羅をベースとした拡張であったのに対し、本作の羅刹は修羅とは別個の難易度として登場している違いがある。
  • 経験値やマナは敵を倒したキャラではなく、戦闘で出撃したキャラ全員が獲得可能になった。死亡したとしても獲得量が減少しない。
    • 基本的に入手量は均等だが、戦闘行動によってボーナスがついて、経験値やマナの入手量が増える事もある。
  • クエストの受注数の制限が撤廃された。
  • 特殊技の強化段階が1万段階になった。
  • アイテムを強化した場合、以後同一のアイテムを入手した時は同じレベルで入手可能になった。

問題点

廃止された要素が多い

  • 本シリーズでは新要素の追加と共に廃止される要素も少なくないが、本作においては特に廃止された要素が目立つ。
  • 特に批判が大きいのが「武器の特殊技」の廃止。
    • 本シリーズでは杖を除く6種類の武器(拳・剣・槍・斧・銃・弓)毎に、武器を扱う際のレベル(ウェポンマスタリー)を高める事によりキャラのクラスに関わらず習得可能な武器特殊技が存在した。
      武器の種類によって特徴的な技を習得できる(例えば拳技は対象者を動かせたり、斧は射程、範囲が短いが攻撃力が高かったりといった具合)という、戦略的にも有意義なシステムであったのだが、本作では全て廃止されてしまった。
    • 武器そのものの性能差(槍は1マス離れた敵を攻撃でき、間の敵を貫通する、弓は5マスの範囲まで攻撃出来るなど)は残っているものの、後半になればなるほど通常攻撃を使う場面はどんどん減っていく。武器の種類によって魔法を除く特殊技のダメージ計算の依存パラメータが変わる点を除けば、本作における武器毎の違いは殆ど意味の無いものになってしまう。
      • 杖は武器特殊技が存在しない代わりに、魔法を使う上でのメリットとして、魔法射程が1増える仕様が旧作から存在した。本作では武器の特殊技が廃止されたものの、杖のメリットはそのまま残っているため、固有技のダメージ計算の依存パラメータがINTになってしまうことを除けば明確に装備するメリットがある唯一の武器種となっている。
    • 武器特殊技があった旧作では人間の汎用キャラは固有技を持たない者が多かったが、武器特殊技が廃止されたためか、本作ではどの汎用キャラも4種類の固有技を持っている。もっとも、固有技はクラス固有の技であり、他のクラスでは利用出来ないので自由度は大幅に下がってしまっている。
      • 特に僧侶と盗賊は攻撃に使える技を1つも持っておらず、レベルが高くなると他のクラスと比べて攻撃面であからさまに見劣りする。自発的には覚えない攻撃魔法をなんとかして覚えてこないと戦闘面では完全に置物となってしまう。
    • もちろん、キャラの固有技はそのクラスを意識した技を持っているのは確かなので、そのクラスに合った運用をする上では大きな問題にはならない。ただ、本シリーズの醍醐味として、キャラをクラス毎に合った運用をするか、それとも合わない運用をする*2かはプレイヤー次第であったため、本シリーズの大きな醍醐味を一つ潰されたも同然であり、シリーズファンから不満が出るのも至極当然といえよう。
      • 装備武器そのものでキャラの個性を演出することは出来ても、終盤になれば通常攻撃の出番がなく、固有技には一切影響しないため、結局固有技と一致していないと単純にハンディを抱えるだけで使いづらくなっている。
    • 追加されたキャラの固有技についても、旧作で武器特殊技として扱われていたものをキャラ固有技にしたというケースがかなり多い。
      • 元々武器特殊技だったであろう固有技は、そのキャラが装備している武器に関わらず固有技に応じた武器を装備したアニメーションとして再生される。
        例えば戦士の固有技であれば、斧以外を装備していても斧を装備して技アニメーションが再生される。
    • 魔法についても所謂バフ系・デバフ系の魔法が消滅した事により、その数は旧作から減少してしまっている。
  • 人間キャラクターと魔物型キャラクターの特徴の差が基本的に無くなった。
    • 魔物型キャラのみが装備可能な武器(通称:魔物武器)が廃止され、魔物型キャラも人型キャラと同じ武器が使えるようになった。
      • 旧作の魔物武器は武器特殊技の設定が存在しておらず、魔物型キャラは元々固有技を持っていたのもあって、武器特殊技廃止の煽りは受けていない。結果として魔物型キャラそのものの個性が消失してしまったも同然ではあるのだが。
    • また、『3』以降の魔物型キャラが利用可能であった投げレシーブ、魔チェンジ、『4』以降の怒ッキング(巨大化)も廃止され、事実上、人間キャラと魔物型キャラの違いはなくなったと言って良い。
      • 厳密に言うと魔ビリティーにおける条件の区分等で人間と魔物は区別されているため、人間キャラと魔物型キャラの違いはシステムとしては一応存在している。
      • とはいえ、区分はかなり怪しいところがあり、ゾンビと明言されているゼットやその妹もシステム上は人間キャラと分類されている。
    • 投げレシーブが使えなくなった代わりに人間キャラと同様投げが使えるようになった。投げレシーブは中級者以上向けの機能だったが、複数キャラを長距離移動させたり、孤島への移送に便利であった為に、やり込み派プレイヤーからは不評意見が見られる。
    • 怒ッキングが廃止された代わりにいくつかの魔物型キャラは他のキャラと比べ大きい(占有マスが多い)キャラとして登場した。
      • 隣接系の魔ビリティーの効果を受けやすいが、サイズが大きいという事そのものがデメリットとなるケースもある。
  • 敵を捕まえる「捕獲」システムも廃止。
  • 装備適正値も廃止された。
  • ネットワーク関係の要素も廃止された。
  • 本要素を始めとして本作では「3D化をするにあたってのデータ作成が手間であった」ことが理由と思しき削減要素が多い。武器の特殊技廃止はその最たる例ともいえる。
  • 複雑だった要素の廃止や簡易化というのは長期シリーズ作品ではよく見られる話であるため、廃止や簡易化そのものが悪いとは一概には言えない。
    しかしながら、本作において廃止された要素はシリーズにおいて初期から実装されていたシステムが多く、言い換えればそこに「ディスガイアらしさ」を感じていたシリーズファンが多いものである。そういった要素が廃止された結果、「ディスガイアらしさがなくなってしまった」と批判される傾向にある。
  • 初心者に配慮した結果廃止せざるを得なかったのかもしれないが、これらの廃止が好意を持って迎えられたという声が殆どのコミュニティで聞かれない点からも、結果としては裏目に出てしまったと評さざるを得まい。
  • 先述した通り『3』から実装された「キャラ界」も本作では廃止されているが、こちらは超転生の仕様や前作『5』での評価が芳しくなかった事などからそこまで問題視されていない。

手抜きと思われる要素も多い

  • 廃止された要素とも被るが、本作では手抜きと思われる要素も多い。
  • 作中に登場する固有キャラがかなり少なく、ほとんど味方キャラのみである。
    • 敵として登場する固有キャラである勇者ヤーマダ、アラクレッドについては汎用クラスの外見の使い回しであり、ナイーヴについては味方キャラであるメロディアの妹という設定であるため、あろうことかメロディアの2Pカラーとして登場する。
    • 結果として、味方以外の固有キャラで専用グラフィックを持っているのは、ラッキーボード、破壊神とラスボス、そして超越者の次元で追加された超魔王バールくらいしかいない状態になっている。
      • 立ち絵だけを見れば固有グラフィックを持つ者はいるのだが、戦闘グラフィックは用意されていないため、戦闘に関わってくる固有グラフィック持ちは本当に上記程度。
  • 各話の最終ステージがボスステージになっているのだが、最終話を除くと、どのステージもボスは破壊神となっている。
    • シリーズ旧作品でも一度戦ったボスが違う話で出てくる事は確かにあったが、流石にほぼ全てのステージでボスが同じというのは前代未聞である。
      • 一応、魔ビリティーの構成が違うなど若干の差別化はされているが、本当にその程度の違いしか無い。
  • 拠点についても前作までと比べると手狭で、高低差もなく、旧作と異なり章毎に宝箱が置かれる事も無いので探索のしがいまで無くなってしまった。追い討ちとばかりに拠点エディットも廃止されている。
    • 一応、一つだけ隠し宝箱が置かれているが、置かれている場所がはっきり言って異常といって良い場所である。初期は不具合が多かったこともあり、置き場所をミスしたバグ宝箱と勘違いしたプレイヤーもいるのではなかろうか。
  • オープニングムービーもなくなっており、電源を入れるとそのままメーカーロゴの後にタイトル画面が表示されるだけとなった。
    • 旧作では、作中のキャラ(汎用含む)が所狭しと動き回るムービーが展開されていたのだが……。
  • 細かい所では、進行に応じてキャラの説明文が変わったり、セリフが変わったり、という細かい作り込みも無くなった。
  • クリア後の後日談についても旧作と比べるとかなり手抜きである。
+ 後日談の内容
  • 簡単に言うと破壊神を倒したゼットの噂を聞きつけて魔王ラハールが挑戦状を送ってきた、というもの。
    • こうして挑戦状を送ってきた魔王ラハールと勝負し、勝利すれば、『初代』のラハール、エトナ、フロンが仲間になるというのが後日談の内容。
    • このように旧作のキャラが仲間になるといった展開は本シリーズの後日談ではよくあることなのでこのことそのものは何も問題ない。ただ、問題なのは、後日談が本当にこれだけで終わってしまうということ。
    • 比較するならば、前作では本編で敵だったマジョリタ、ヴォイドダーク、ゴルディオンの物語が掘り下げられ、その上で敵だったこれらのキャラが仲間になるといった内容であったことを思うと本作は本当に寂しい仕様。
      • 他にも前作では本編に登場しないアサギ(本作では無料DLCで追加される)を仲間にすることも可能だった。
  • 内容としては魔王ラハールとその配下であるエトナ、フロンの3名と戦うだけなのだが、実際の流れとしては、更にその部下であるプリニー達と勝負、その後、フロン、エトナ、ラハールとそれぞれ1戦闘毎に1人ずつを相手にし、その後、フロン&エトナ、フロン&ラハール、エトナ&ラハールと2人ずつを相手にし、ようやく3人揃って勝負して決着……という無駄に引き延ばされた展開になる。
    • 旧作であれば精々2,3ステージ程度で終わる内容が無意味に8ステージに増えているだけと考えると、ボリュームが少ないのをごまかすために引き延ばしたとしか思えない内容となっている。
  • とはいえ、後日談そのものが薄っぺらいというよりは、上述の通り、固有グラフィックを持っているような敵キャラもおらず、後日談で掘り下げる内容がほとんどなかったことが原因といえなくもない。要するに本作全般の手抜きが後日談にまで影響しているのである。
    • 一応、本編でSDキャラが登場してないものの、出そうと思えば出せなくもないという立ち位置のキャラも少数ながら存在してはいるため、やろうと思えば出せただろうという意見ももっともである。
  • 前作では後日談の中で修羅の世界の存在がほのめかされ、クリアと共に全面的に解放される…といった具合に修羅への導入も兼ねていたが、本作ではそういったものはない。クリアすることで修羅解放のための議題が登場するだけ。…本当にそれだけなのである。
    • レベル上限等もこの段階で解放される。つまりここからが新たなやり込みプレイの始まり、ディスガイアの本番という事なのだが、だからこそモチベーション維持にも繋がるであろう何かしらの導入が欲しかった。

味方キャラが大幅に減った

  • 高画質化がなされた『4』でも同様の問題が発生したが、『4』の時とは比べ物にならない程に多くの汎用キャラが削除されている
    • 『5』ではDLC無しでも汎用キャラが44種類存在していたのに対し、本作では驚くなかれ23種類にまで減少している。単純な数ならば ほぼ半減 である。
  • 本シリーズの様に長く続いている作品であれば、一部汎用キャラが入れ替わる事も決して珍しくはない。しかし本作では『2』以降皆勤だった*3戦士(女)・魔法使い(男)・僧侶(女)、そして『3』のDLCを含めれば此方も皆勤であった魔物型キャラの猫娘族までもが削除されてしまった。
    • 戦士と魔法使いは最初期から、僧侶は『D2』以降から男女別の汎用キャラが共存していたものの、本作でついに統合され、戦士(男)、魔法使い(女)、僧侶(男)のみが残る結果になった。
      • 少なくとも戦士と魔法使いは、男性は一発の威力重視、女性はスピードや消費コスト等の手数重視といった具合にキャラ性能での差別化がある程度できていた。本作で行われた統合の必要性についてはどうしても疑問が残る。
      • プレイヤーからの需要を意識した結果として不人気キャラのリストラが行われた例は旧作でも存在していたが、削除された魔法使い(男)と僧侶(女)は決して人気の無いキャラであったという訳ではない。更に戦士(女)に至っては、続投した戦士(男)とは比べ物にならない程の人気を持つ汎用キャラである。不人気だからリストラ対象になったという説はまずあり得ない。
    • 猫娘族はネコマタのような見た目のキャラであり、魔物型キャラ内ではシリーズを通してトップクラスの人気を持つ汎用キャラであったが、此方も容赦なくリストラされた。
    • 以上から、本作の統廃合については明らかに汎用キャラの数(≒手間や容量)を間引きたいという意図しか見えず、武器特殊技の廃止と同様にプレイヤーからの猛批判を浴びてしまっている。
  • 武器の特殊技の際にも述べたが、本シリーズでは「お気に入りのキャラ」を「自分の好み」で運用するのが楽しいというプレイヤーも相応に存在する。そう言ったプレイヤーからすれば、自分の好きなキャラが消えたり、選択肢そのものが減ってしまったりするのは致命的な問題点といえるだろう。

動作がカクつく

  • キャラの移動中や行動中などに動作のカクつきが頻発する。特にSwitch版で顕著に見られる。
    • 一応、ゲーム中では描画重視と処理重視の設定があるのだが、処理重視にしたとしても微妙にカクつく。

バランス調整不足と思われる要素が少なからずある

  • レベル上限が大幅に引き上げられたのだが、これに起因したバランス調整不足と思しき要素が少なからず存在する。
    • 味方のパラメータと比べて装備品のパラメータが低いため、装備品の重要性が低くなっている。
      • レベル1の時点でパラメータが数万あるのに対し、装備品のパラメータは3000程度。付けたとしても変化はほとんど分からないレベル。
      • 武器特殊技が無い為に、キャラを育てきった段階で装備を付けていなかった、或いは付けていたとしても移動力の上がる装備だけだったのに気付いたというケースも報告されている。
  • ヘルの入手量と消費量のバランスが明らかにおかしい
    • ダメージを増やす代わりに与えたダメージの1%分のヘルを消費する魔ビリティーが前作に引き続き存在するのだが、本作のダメージ量とヘルの入手量の数値バランスを考えると、1回攻撃するだけでそれまでに貯めていた所持金が0になってしまう 正真正銘の地雷 となっている。
      • 本作では比較的早い段階で何兆というレベルのダメージが普通に出るようになるのだが、その段階でヘルについては数万程度の単位(つまり、ダメージ量の1%に到底及ばない)でしか稼げない。
      • 最終的には何京、下手すれば垓単位のダメージも与えられるようになるが、それでもヘルが同程度稼げるような状況には決してならない。ステージ攻略の度にダメージ1%分のヘルを稼ぐというのは、やり込みプレイヤーが、有料DLCで手に入るブースとチケット*4を使ったとしても不可能である。
      • ダメージの増加量はたったの20%であり、費用対効果としては到底釣り合うものではない。
    • 最大の問題点は初心者向けを謳った本作において、一度発動するとそれまで膨大な時間を掛けて貯めた所持金が一気に0になってしまうような地雷魔ビリティーが普通に用意されているという事だろう。テストプレイをしていないのか、或いはスタッフがこの異常性に気付かなかったのか。
      • アップデート等においても性能の修正はされていない。ここまでくると故意犯と疑われても仕方が無いのだが、初心者向けという言葉は嘘だったのだろうか?
  • エキスを利用する際にはエキスそのものとは別に、増やすパラメータ1につき100ヘルが必要となる。
    • 上述の通りHP/SP以外は最大値が9999億であるのに対し、HP/SPは最大値が9999京と8桁も桁数が違う。それにも拘らずパラメータを1増やすのに必要な金額が100ヘルであるというのに違いはない。
      • 結果的にHP/SPを増やそうとするととんでもない金額のお金が必要になる。強化可能なパラメータの上限は5000京であるため、利用料だけで50垓ヘルという途方もない金額が必要である。ちなみにヘルの所有上限は9999京。なんと必要量がカンストの50倍相当である。
      • このようなバランスなので、ヘルが無くなってしまってもいいという状況など起きる筈もない。そもそも8桁も違うパラメータを同じ基準で処理する時点でおかしな話である。
  • アイテム界における魔界病院でも、HPやSPを回復する際に出張料と題してヘルを要求するが、HPやSP次第で何兆~何京という法外なヘルを要求される。
    • これもHPやSPというただでさえ桁数の高い数値を料金計算する際の計算がおかしいことに起因する問題といえる。
    • ただ、アイテム界における魔界病院が開設されるのはイノセントタウンであるため、回復したければ一度イノセントダウンを脱出し、拠点に戻ればタダで回復出来る。その後、再度アイテム界に挑めばいいだけなので、アイテム界における魔界病院を利用する価値など全く無い。
      • 旧作のようにアイテム界の途中の不思議な小部屋で魔界病院が出現するのであれば利用価値を見出すことは一応可能であるが、本作では不思議な小部屋で魔界病院は登場しないので本当に意味がない。更に言ってしまえば、たとえ不思議な小部屋で魔界病院が出たとしても出張料の存在を考えると積極的に使おうとは思い難い。
    • こうした点も初心者向けを謳う上で言えば、不親切な要素と言わざるを得ない。
  • これだけ支出量に関してバランスが取れていない本作だが、一方でダメージを与えた量に応じてヘルを入手可能な魔ビリティーは、何京レベルのダメージを与えても億単位のヘルしか入手できず、しっかりと調整がされている。
    • 重要性が低い(とスタッフが判断したであろう)部分の作り込みの甘さが悪目立ちしている、とでも評すべきか。
  • アップデートによって入手アイテムを自動で売却する機能が追加されたが、自動周回中は売値は本来の1/100になるという謎の仕様がある。
    • 当初は不具合だと思われていたが、8月上旬のアップデートにて、「オート周回中の売値は1/100となる」旨の文言が追加された。要するに「仕様です」という事である。しかしながら、この仕様にする意図が全く不明であることから「不具合を直せなかったから、仕様として開き直ったのでは」と疑われる事態に。
    • それでも敢えて不具合ではなくこのような理由にしたのだとすれば、「(主として)自動戦闘で入手したものを、自動で売るのだから、簡単に金が増えるのは良くない」という事なのだろう。しかしながら、本来の売値であってもエキスを利用し始める段階になれば、それこそヘルはいくらあっても足りないというゲームバランスであり、失当と言わざるを得ない。
      • そもそも、「自動戦闘で入手したアイテムは売値が1/100になる」のであれば、上記主張も分からなくはないが、「自動戦闘中の自動売却で売値が1/100」になるのであれば、自動戦闘で入手したアイテムを手動で売れば正規の金額が入手出来るわけなので、バランスの為、という理屈は本当に成り立たない。一々手動でアイテムを売らせるという面倒くささをプレイヤーに強いる事で、やり込みの難しさを表現したとでもいうのだろうか。

かゆいところに手が届かないUI

  • 議会のキャラ選択などではカーソル位置が保持されない。そのため、複数キャラを超転生しようとすると毎回1番目のキャラにカーソルが戻ってしまう。これがまた地味に面倒くさい。
  • 魔ビリティー習得や悪業指南達成の画面では確認画面が表示されるのだが、最初のカーソルが「いいえ」になっているケースが多い。連打によって確認画面を処理できないのは地味に面倒である。
    • 初心者への配慮として確認画面を出しているのだろうが、慣れてくると一々カーソルを動かさなければならないのは億劫極まる。設定で確認画面のオンオフを切り替えられるようにして欲しかったところ。
  • その他、ゲームを進めてくると魔ビリティーをまとめて習得したい、超転生を複数キャラ一括で行いたい、特殊技をまとめて強化したい、といった要望も出てくるが、こういった点も一つずつやっていかなければならないので不便。
  • 全体的に、自動周回・自動戦闘によってまとめてキャラを育てるのが楽になったが故に余計に気になる仕様である。
    • カーソル保持については旧作では出来ていたはずなので単純に劣化しているといえる。

前作と比べ低ボリューム、高価格となったDLC

  • 前作同様追加キャラが手に入るDLCが配信されているが、1キャラにつき550円であり、前作と比べると価格がかなり高い。
    • 参考までに前作ではストーリー単位(3キャラ~4キャラ程度&3ステージほど&追加BGM付属)で300円、つまり1キャラあたり約100円、しかもマップエディットで使用可能なステージと追加BGMがついてくるという仕様だったが、本作ではその5倍以上の価格、しかもBGM追加も無い。
  • ステージについてもギミックも何もないシンプルなステージが1つのみで、かなりの割高感と手抜き感が漂う。
    • キャラを3D化する必要がある為に旧作より手間がかかっているのだと推測はできる。しかしながらそうした手間を考慮した場合でもBGM無しやステージのシンプルさに関しては全く擁護できない。
      • 酷な表現となってしまうが、有償のDLCとして出す以上どれだけスタッフが苦労しようとプレイヤーには全く関係無い話である。こうも手抜き臭漂うDLCを出されてもプレイヤーとしては購買意欲が湧く訳でもなく、ただただ困惑するしかない。
        敢えてメリットをあげれば、ステージがシンプルなので単純にキャラを仲間にしたいだけなら楽にクリア可能な事位か。
    • 本作では最初の有料DLCが発売されるまでの期間限定で、所謂シーズンパスとして全キャラDLCがセットになるDLCを販売していたが、売上が芳しくなかったのか途中で販売終了時期が未定に変更された。結局2023年時点でもDLCセットの発売は継続しており、実質無期限になった模様。

不具合が多い

  • 本シリーズにおいて発売直後に不具合が多いのはもはやお約束ではあるのだが、本作においてもその例に漏れず不具合が多い。
    • 概要においても触れた通り、発売から半年経った今ですら不具合が根絶されていないというのが現状である。
  • 特に本作においては、1つの大きな不具合が修正される→新たな大きな不具合が発生する…という流れが繰り返されている。
  • 発売直後は大きな不具合に対するアナウンスも積極的に行われていたが、3月25日のVer.1.2.0以降は全く行われておらず、バージョンアップの告知も一切されていない、いわゆるサイレント修正が時折される結果になっている。
  • 以下、大きな不具合と思しき要素を列挙する。既に修正された不具合も含む。
+ 大きな不具合の一覧
  • 自動戦闘においてフリーズが発生する
    • 自動戦闘を長時間行っているとフリーズが発生してしまう不具合。特に戦闘速度を高くしていると発生しやすくなる。
    • 特に、自動戦闘による放置プレイでの稼ぎを行っていたプレイヤーの殆どがこの不具合の被害に遭ったとされている。
    • 本作にはオートセーブの機能があるものの、オートセーブすらこの不具合によって破損するというケースも多発していた。長時間遊んでいたプレイヤーや、オートセーブしかしていなかったプレイヤーには致命的なまでの損失を発生させる事まであった。
    • この不具合は2月上旬という比較的早い時期に修正された。しかし頻度こそ減ったものの、未だにフリーズの根絶には至っていない。
  • 超転生した際に装備品が外れる事がある
    • 上記のフリーズの不具合が修正された後、新たに発生した不具合。超転生を行った際に装備している筈のアイテムが外れた扱いになってしまうというもの。
    • 見た目の上では装備している扱いであり、装備品の効果も問題なく発揮される。しかしアイテムを売る際に装備品扱いにならず、ロックを掛けていない場合アイテムを誤って売却してしまう事がある。
    • 本作の装備品は(発売当時は)重要度がそれほど高くないものの、イノセントの効果は重要だった為、EXP増加屋などのイノセントを付けた装備を誤って売却するケースが頻発してしまった。
    • 「ロックをしていれば防げた」「よく確認しない方が悪い」という意見もあるが、そもそも装備品は売れない仕様である事や、次々新たなアイテムが手に入るゲームシステムである事などを考えると、プレイヤーの自己責任として片付けてしまうのは流石に酷というものであろう。
    • この不具合もアナウンスがされ、2月下旬頃に修正がされた。
  • DLCのキャラが加入しない
    • 汎用キャラを上限まで作成した状態でDLCキャラが加入するマップをクリアすると、DLCキャラが加入しない。DLCキャラが加入するマップは何度でも挑戦できるが加入の判定があるのは初回のみとなっており、その後汎用キャラを減らしても再度クリアしてDLCキャラを加入させる事はできない。
      • 厳密には周回毎に加入判定が存在しており、周回プレイをすれば加入させられる。取り返しが付かない不具合ではないものの、周回を跨ぐ必要があり極めて不便。
    • シリーズ旧作品では汎用キャラが上限まで作成されている場合、そもそもDLCキャラを加入させるマップをプレイできないという対策が取られていた。何故、旧作においてできていた事が本作で突然できなくなってしまったのか。
    • この不具合は3月上旬のアップデートで改善された。
  • 固有キャラが周回で増えてしまう
    • 2月下旬のアップデート以降に発生した不具合。周回すると、1周目であれば固有キャラが加入する場面で既にメンバーにいる固有キャラが再度加入してしまう。
      • パラメータ等は初期状態で加入する為、全く同じ名前、同じ職業のキャラが再度加入するという状態になる。
    • キャラが増えた事による直接的な問題は無い*5のだが、間接的には汎用キャラの枠を1つ使ってしまう為、汎用キャラの作れる数が減ってしまう。また上述したDLCキャラが加入しない問題にも影響してくる。
      • 更に加入するのはあくまで固有キャラという扱いのキャラであり、削除できない。これが最大の問題点である。
    • この不具合については「増えた固有キャラは削除できる」というやや斜め上の救済法が実装された。なお副次的な効果として、それまで削除できなかったDLCキャラについても削除可能になった。
      • ちなみに、DLCキャラについては旧作では最初から削除可能であった。これまた旧作でできていた事が本作では遅れて実装されたというケースである。
  • 一部魔ビリティーの効果がおかしなことになる
    • 2月下旬のアップデートで発生した不具合。主に能力に影響を及ぼす魔ビリティーの影響度が本来のものより大きくなったり、小さくなったりした。
    • 特に影響が大きいのは「高火力重装形態」や「偉大な甲羅」であろうか。前者は本来は移動力-3なのだが、3倍の移動力-9となってしまう。また、後者は能力+10%のはずが、4倍の能力+40%となる。
      • 高火力重装形態は機動戦姫であれば、比較的セットすることが多い魔ビリティーである。しかしこれをセットしていると大抵の場合移動力が0になってしまい、全く動けなくなってしまう。
      • 後者はセットしているかどうかはプレイヤーにもよるだろうが、この魔ビリティーをセットしている敵が存在しており、結果その敵は相当に強化されてしまった。
    • 一方でどういう訳か羅刹LV12の効果が出なくなっており、奇しくも羅刹次元のクリアが楽になるというメリットも発生していた。
    • こちらはアナウンスはされていなかったが、3月上旬のアップデートでひっそりと修正された。
  • DLCキャラの魔ビリティーの効果に一部不具合がある
    • 該当するのはフーカの「プリニー帽」とヴァルバトーゼの「イワシエキス配合」である。
    • フーカの「プリニー帽」は魔ビリティーをセットしたキャラをプリニー扱いにするという効果である。
      • プリニー扱いになる事でエトナの「ドミナントスマイル」やヴァルバトーゼの「プリニー教育係」の対象になるはずなのだが、設定ミスなのか対象にならない。
      • 特に「プリニー教育係」は対象になれればレベリング等でかなり有利になる為、この設定ミスがもたらすであろう被害はかなり深刻である。
    • ヴァルバトーゼの「イワシエキス配合」はエキスの効果量を184%増やす(2.84倍にする)という絶大な効果を有している。
      • 当初は問題なく発動していたのだが、4月下旬のアップデートでHP/SPにはイワシエキス配合の効果が乗らない(正確には、イワシエキス配合の効果が出ているとHP/SPのエキスが使えなくなる)という重大な不具合が発生した*6
      • HP/SP以外のエキスではしっかりと効果が発揮されるものの、肝心のHP/SPのエキスで効果が発揮しない以上、此方もかなり深刻な被害をもたらす不具合である。
    • この2キャラが有する魔ビリティー目当てで、キャラ追加の有料DLCを購入した人がいる可能性がある事を考えれば、優良誤認による消費者庁コラボすらありうる、あまりにも致命的な不具合と評さざるを得ない。
      • しかしこの不具合はその深刻さに反して公式から一切アナウンスされる事無く、8月上旬のアップデートでひっそりと修正されたらしい。

改善点

+ 超越者の次元アップデートによって改善済みの要素一覧

アイテム界の存在意義が大幅に減った

  • 旧作ではキャラ育成において、アイテム界を利用しアイテムを強化しなければパラメータカンストが狙えなかった事もあり、アイテム育成は必要不可欠であった。
    しかしながら、本作ではアイテム強化無しでも十分パラメータカンストが狙えるので、アイテム界を利用する意義が減ってしまった。
    • その上、道中でも通常(現世)、修羅、羅刹と攻略を進めるにつれてどんどんアイテムが強くなっていくので、わざわざアイテムを強化するよりも攻略具合に応じてどんどん乗り換える方が強いバランスになっており、ますますアイテムを強化する必要が無くなっている。
  • レベルアップや稼ぎについても、本作から登場した自動戦闘によるレベル上げの方が効率が良く、そういった稼ぎの用途でもアイテム界の意義が消失している。
  • 超越者の次元アップデートによりパラメータの上限が増えた結果、旧作と同様に素のステータスでのカンストは不可能になった為、アイテム界の存在意義はある程度まで回復した。
    • また一定条件を満たすと、アイテムによるパラメータ上昇量の上限が増加する。ここまでやり込むのであれば、アイテム界は十分攻略する価値があるものとなっている。

エキスもあまり使い道がない

  • アイテム界の存在意義の無さと被るが、素でパラメータカンストが狙える為に、エキスについても利用価値が殆ど無い。
  • 低レベルで高パラメータを目指したいのであれば利用する価値はあるが、結局は自己満足の域を出ない。
    • エキスを使うには大量のヘルも必要になる為、結局レベルを上げて素のパラメータカンストを狙う方が早い。
  • この点も超越者の次元アップデートにより改善されたといえるかもしれない。少しでも高いパラメータを目指すにはエキスが必要不可欠となる。

賛否両論点

自動戦闘・自動周回

  • 本作の目玉の1つといっていい要素だが、賛否が分かれる。
    • 自動戦闘は無条件で利用可能であり、行動パターンを指定せずともある程度しっかりした行動を取ってくれる為、同程度の実力でも十分クリアできてしまう程度には有能。
      • 一部ギミックによって自動戦闘を使うとクリアが難しいステージこそあるものの、その絶対数は少ない。本作においてステージをクリアできない場合、大抵はレベル不足が原因である。
      • さらにこの自動戦闘、なんとステージの初回挑戦時であっても利用可能。初心者に優しいと言えば聞こえは良いが、ここまでくると何の為にプレイしているのか分からなくなってしまう。せめて初回プレイ時やゲームクリアまでは自動戦闘を封印しておいた方が良かったのではなかろうか。
  • 自動戦闘を利用するかどうかは自由なのだが、出変する敵の数の割にステージが広くて移動に手間がかかるため、自動戦闘を使わないと無駄に時間がかかるマップが多く手動でやるのはかなり手間がかかる。
    • クエストでも「自動戦闘を1万回行う」といった具合に、自動戦闘でひたすら周回するのが前提となっているようなものもある。
  • 稼ぎにおける自動戦闘や自動周回については「面倒くさい作業を勝手にやらせて、自分は他の事に集中できる」という好意的な声がある一方、当然ではあるが「金を出して(基本無料で放置出来るような)スマホのゲームをやっているみたいだ」という否定的意見もそれなりに見受けられる。
    • 実際、ひたすらレベルを上げる作業という点では好意的な意見が多い。

レベルやステータスの上限が増えた点

  • 既に述べたとおり、レベル上限やステータス上限が旧作と比べ大きく増加しているが、それに起因した賛否両論点も多い。
  • HP/SPは9999京と旧作と比べ大幅に上限が増えており、それに対応するためか、レベルが上がっていくとダメージが加速度的に増加していく。
    • 途中から兆や京単位のダメージが普通に出るようになるが、数値が高すぎてよく分からないことになってくる。
    • キャラにポップアップするダメージは「50万」などのように、概算値が表示されるが、画面下部には正式なダメージが表示される。旧作同様カンマで区切られたりしないため、桁数の多い本作では一瞬でどれくらいか判断するのはまず無理である。
  • レベルの上限は増えているが、HP/SP以外の1レベルあたりの成長は旧作とほぼ同程度である。
    • 本作では、レベル1の時点で初期ステータスが10000を超える程度なのだが、レベルアップで成長する量は旧作とほぼ変わらず、多くて2桁止まりである。結果的にレベル100になったとしても、初期ステータスからそれ程大きく成長したと感じられない。
    • ダメージも最初から1万以上出るものの、こちらもレベル100になったからといって大きく増えない。初期値が高いせいで、1レベル上げた程度では殆ど成長を実感できない。
      • 更にレベルが上がればどんどんダメージが増えていくのは確かであるため、最後までほぼ変わらないというわけではない。しかし最も苦労するであろう序盤において、貴重な戦力の成長を感じにくいというのは残念なところ。
    • 肝心のレベルは1ステージクリアするだけでこれでもかと言った具合に増えていく。逆に増えすぎてレベルアップの喜びを感じにくい。
    • 最初から高いダメージが見られてスカッとするという意味で言えば制作者の意図通りかもしれないが、成長の喜びを感じにくくなってしまってはシリーズの醍醐味から言えば本末転倒である。

ディスガイアらしからぬ王道のストーリー

  • 全体的には前作同様にディスガイアらしいぶっ飛んだストーリーは序盤のみであり、その後は王道のストーリーを突き進んでいる…のだが、王道過ぎて陳腐といっても良いかもしれない。また一部には旧作のストーリー展開と類似している部分も存在している。
    • ゲーム展開自体も以下の折り畳み項目の通りワンパターンであり、予想を裏切る展開も基本的に存在しない。
+ ストーリー詳細
  • 本作のストーリーは最強の破壊神に対し、(魔界の中では最弱と呼ばれる種族の)ゾンビであるゼットがとある目的を果たすべく何度も挑み、超転生を繰り返しどんどん強くなっていくという物語である。
    • 本作開始直後の時点でゼットは破壊神を既に倒しており、その倒すまでの過程を追想するといった形式でストーリーは進んでいく。
      • 追想形式はシリーズで言えば異端であるが、実際の流れは旧作と何ら変わらないのでその点は安心して良い。
  • ストーリーの序盤では、金にがめつい王様や、男を手駒としかみてない悪辣なお姫様といった具合にディスガイアらしいぶっ飛んだキャラが登場するが、中盤以降では前作同様、そういったキャラの弱さを克服していくというストーリー展開となっていく。
    • この「ぶっ飛んだ印象のキャラ」だが、「実は弱さを抱えている」というのは前作とほぼ共通する要素である。
  • 破壊神を倒すまでのステージはどの話であっても最終的に破壊神がボスとして出現する。
    • 破壊神に敗れてゼットは死亡、死亡時に超転生で次の世界に移動するという流れが、追想が終了するまで延々と繰り返される破目になる。
    • 徐々に破壊神を追い込んでいるといった描写はあるものの、大筋ではワンパターンと言い切ってしまっていい。プレイヤーとしては「はいはい破壊神破壊神」と言いたくなる程に天丼芸が繰り返されるのだ。
  • 破壊神を倒した後は、本当の元凶を倒すべくストーリーが展開されていく。
    • それが誰なのかについてミスリードらしきものはされるのだが、疑惑をかけられているキャラはそもそも根が善良な人物として描かれており、また本当の元凶は判明前から含みのある発言が多いので黒幕だと容易に推測できてしまう。「まさかこいつが!」という驚きは少ない。
    • 破壊神を倒した後のステージでは新たな破壊神が生み出されたり、まるで汎用キャラのごとく破壊神が大量に出現したりと、結局最終盤まで破壊神は敵としてこれでもかとばかりに使い回される為、破壊神を倒したという達成感はお世辞にも感じ難い。プレイヤーによっては折角の達成感が台無しになったと思えるかもしれない。
      • ゲーム内のキャラ曰く「破壊神のバーゲンセール」。プレイヤーの感情を如実に示した発言といえるが、これを作中キャラに言わせた以上、スタッフは少なくとも本作における破壊神の執拗な使い回しを認識していたという事になる。せめて使い回し方のワンパターンっぷりだけでもどうにかならなかったのか。
  • 最終盤では「ただのゾンビ」だと思われていたゼットの正体が判明する…のだが、その正体のせいで、本来弱い種族でありながらも超転生を何度も何度も繰り返す事で最強と呼ばれる破壊神すら凌駕したという「諦めず努力を続ければ道は開ける」というストーリーの説得力が薄れてしまっている。
    • 主人公が秘められた出自を持っているというのはある意味王道の展開だが、案の定この設定も(全く同じではないが)前作と類似したものを感じさせられてしまう。
  • ただでさえ薄いストーリーなのに、自動戦闘システムの存在によって余計に薄っぺらく感じてしまう可能性もある。
  • こうした本作のストーリーに対しては「ディスガイアらしくない」「ありきたり」「そもそも、ディスガイアにストーリーは求めていない」と否定的な意見が大多数を占めるが、「王道のキャラの成長が描かれていた」という肯定的意見も決して無い訳ではない。

評価点

3D化された、可愛く動くキャラクター

  • 2Dから3Dになった為キャラクターはよく動くようになった。移動や攻撃等様々な箇所でよく動き、そのモーションも可愛い。

全体的に優しい仕様になっている

  • 序盤はステージをクリアする毎にワンポイントアドバイスのような形で施設や機能の案内をしてくれるので、少しずつ施設や機能を覚えられるようになっている。
  • 旧作と異なり、スキル弱化*7は一度強化した段階まではマナ消費無しで再強化できる為、誤ってスキルを強化しすぎたとしてもデメリットが少なくなっている。
  • 新システムの超転生は実施タイミングを選ばない。
    • 超転生前と比べ、素のパラメータが弱体化してしまうケースは基本的には無い。また、コストが増えていく事も無い。
    • その為「全キャラを一斉に超転生してしまう」等といった極端なプレイをしない限りは、基本的にやりたいと思った際に超転生してしまって問題ない。
  • 旧作と異なり、敵にトドメを刺したキャラ以外も経験値やマナが入手可能となっている。敵をどのように弱らせて倒すかといった事も考えなくていい。取り敢えず戦闘に出せばキャラが成長していく。
    • 武器熟練度やクラス熟練度もドリンクバーで上げられるようになった事で、どのようにキャラを動かして育成すれば良いかを考える必要も少なくなった。

総評

『ディスガイア』シリーズも第7弾とマンネリが懸念される中で「面倒くさいというイメージの払拭」と「『ディスガイア』らしさを多くのプレイヤーに体験してもらう」ということをコンセプトとして掲げられた本作であるが、
蓋を開けたらコンセプト達成の為に各種要素や実ボリューム、そしてディスガイアらしいやり込みを削ぐという本末転倒な有様となっており、多くのファンから失望される結果に終わってしまった。

目玉である超転生を始めとする要素は、それ自体を活用するまでに暗黒議会などの手間暇を度々挟まねばならず、場合によってはレベリングそれ自体よりも億劫となる事さえある。
追加された自動戦闘・自動周回は利便性こそ高いものの、皮肉にもその利便性によって本作が抱えていた「相対的に面倒」な部分を強く印象付けてしまったのだ。

ただし掲げたコンセプトに「限って」評価するならば、難しい要素を極力カットすると共に、大きいダメージやパラメータを比較的容易に体験可能なデザインには仕上がっている。
自動戦闘を使えば、自身がほとんど関与する必要もなくクリアまで進めていけるだろう。
…そのようなゲームの遊び方が本当に楽しいかはまた別の問題であるが。

総じて、掲げたコンセプトが歴代ファンの期待するディスガイア像と乖離していた。これこそが本作に惨憺たる評価をもたらした最大の原因であろう。


余談

  • 本作は『魔界戦記ディスガイア』シリーズとしては初めての、レーティングがCERO:C(15歳以上対象)の作品である。
  • 2月25日にDLC第1弾が配信されるのと同時に、VTuberグループ『ホロライブ』とのコラボユニットが事前告知無しで配信された。
    • ただしこれらのコラボユニットは汎用キャラのコンパチ(色違いだけでなく、多少のパーツの違いがある)であり、性能はモデルとなった汎用キャラとほぼ同じ。
  • シリーズのソシャゲ版である『ディスガイアRPG』では、本作に登場したキャラクターは全員ドット絵で描かれている。
  • 初週の売上は2ハード含めて4万本弱(ダウンロード版除く)である。これは『5』は上回るが、『4』や『D2』よりは下という何とも微妙な数字である。
  • シリーズにおいては主人公となる作品が無かったのをいじられる事で有名な「アサギ」だが、本作発売当時はソシャゲ作品『魔界ウォーズ』が配信されており、まさかの主人公作が存在しているという状態になっていた。
    • しかしながら、本作のPS5/PC版がリリースされてから僅か2ヶ月後の2022年10月21日に『魔界ウォーズ』のサービス終了が発表されてしまった。アサギの運命やいかに。

その後の展開

  • 2022年6月16日にはPS5版が、同月29日にはWin版が販売された。PS5/Win版には追加キャラが標準収録されている。
  • 2023年1月26日にシリーズ新作『魔界戦記ディスガイア7』が発売された。
    • 2022年8月の発表時にはレベル上限が9999に戻る事や、武器技が復活する事が明言されており、インタビュー等でも『5』をベースとする旨が語られている。
最終更新:2023年02月16日 11:08

*1 シリーズ作品の中に『ディスガイア D2』があり、これがシリーズ第5弾に相当する。

*2 移動力の高い盗賊に、敵を動かす技を覚える拳を装備させ、アイテム界で活躍するといった実用的運用から、幼い女の子である魔法使いに斧を装備させ、戦士顔負けのパワーアタッカーにするといった趣味全開の運用まで様々

*3 『1』と『2』以降で全体的にキャラデザインが変わっており、現在のキャラはいずれも『2』以降の登場キャラといって良い。

*4 入手出来る経験値やお金が増えるアイテム

*5 そればかりか、上手く使えば固有キャラを複数運用可能というメリットもある。

*6 HP/SPのエキスそのものの節約もそうだが、エキス使用に膨大なヘルが必要となってくるという仕様の為に、ヘルの節約手段としてイワシエキス配合の効果が重要となってくる。

*7 スキル強化に伴う消費SP上昇と、転生による最大SP減少が原因で、超転生前には使用できた特殊技が使用できなくなる事があるため、その救済措置となっている。