【まかいせんきでぃすがいあしっくす】
ジャンル | シミュレーションRPG | |
対応機種 |
Nintendo Switch プレイステーション4 プレイステーション5 Windows(Steam) |
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メディア |
【Switch】ゲームカード 1枚 【PS4/PS5】BD-ROM 1枚 【Win】ダウンロード |
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発売・開発元 | 日本一ソフトウェア | |
発売日 |
【Switch/PS4】2021年1月28日 【PS5】2022年6月16日 【Win】2022年6月29日 |
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定価 |
【Switch/PS4】 通常版: 7,920円 初回限定版: 11,220円 【PS5】 通常版: 7,678円 初回限定版: 11,000円 【Win】7,678円 |
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レーティング | CERO:C(15才以上対象) | |
判定 | シリーズファンから不評 | |
魔界戦記ディスガイアシリーズ |
数多の世界を世界を破壊してまわる恐ろしき厄災”破壊神”。
強大な力を持ち、誰にも倒すことができず、
このままでは全ての世界が滅びかねない。ゾンビの”ゼット”は
死ねば死ぬほど強くなる転移魔術【超転生】を繰り返し、
破壊神に挑み続ける。
(魔界戦記ディスガイア6 公式サイトより引用)
やり込みSRPGである『魔界戦記ディスガイア』シリーズの第7弾(*1)(外伝作やスマホ作品を除く)。シリーズ初の2ハード同時発売となっている。
本作では「超転生」がテーマであり、作中最弱の種族であるゾンビのゼットが、転生すればするほど強くなるという超転生を繰り返し、最強の敵である破壊神に挑む流れとなっている。
転生は本シリーズにおいてはおなじみのシステムであり、ストーリーのごく一部で転生が関わってくることはあった(*2)が、転生そのものをメインテーマとしたのはシリーズにおいて初めてとなっている。
本作の開発をするにあたって、「これまでディスガイアを買ったことないプレイヤー」の声をリサーチした上で、本シリーズが「時間が掛かる」「面倒くさそう」という先入観があり、そういった先入観の払拭を目指した旨が語られており、初心者にも「ディスガイアらしさ」を体験しやすいように設計した旨が語られている。
同様に、本シリーズのプレイヤーの中でもシリーズの象徴ともいえる超大ダメージを体験できるまでにやり込んでいるプレイヤーが少数派であるという分析から、ストーリークリア時点でも大ダメージを味わえるようなバランスにした旨公式インタビュー(外部リンク)で語られている。
このように、本作はこれまで『ディスガイア』をプレイしたことのない初心者を始めとした多くのプレイヤーにディスガイアらしさを味わってもらおうという思惑の下に発売された。
しかしながら、プレイしやすさを目指した結果、シリーズファンからは「やり込みが簡易化してしまった」ことを中心として、逆に「ディスガイアらしさ」がなくなったと落胆される結果になってしまった。
発売直後の不具合(バグ)が多いのはシリーズではある意味お約束であるが、現在では概ね重大な不具合は修正されている。
また、発売からおよそ3ヶ月経った4月29日に「超越者の次元アップデート」が実装され、これにより旧作レベルのやり込みが出来るようになったものの遅きに失したという意見が多い。
2022年6月にはPS5版とPC版(Steam)がリリースされており、キャラの追加DLCが全て標準収録されている。Steam版については国外タイトルは『Disgaea6 Complete』。
自動戦闘・自動周回
ドリンクバー
悪業指南
超転生
レベルの上限が9999万になった
キャラが3D化した
その他の変更点
廃止された要素が多い
汎用キャラが大幅に減った
手抜きと思われる要素も多い
+ | 後日談について(ネタバレ注意) |
動作がカクつく
レベル上限引き上げに伴うバランス調整が不良
ヘルの入手量と消費量のバランスが悪い
初心者向けを謳う割に不親切な要素
かゆいところに手が届かないUI
前作と比べ低ボリューム、高価格となったDLC
不具合が多い
+ | 大きな不具合の一覧 |
超越者の次元アップデートで発生した問題点
+ | 超越者の次元アップデートによって改善済みの要素一覧 |
自動戦闘・自動周回
レベルやステータスの上限が増えた
面倒くさい悪業指南の課題
ディスガイアらしからぬ王道のストーリー
+ | ストーリー詳細 |
3D化された、可愛く動くキャラクター
全体的に優しい仕様になっている
なんだかんだ言っても個性的で魅力あふれるキャラクター達
『ディスガイア』シリーズも第7弾とマンネリが懸念される中で「面倒くさいというイメージの払拭」と「『ディスガイア』らしさを多くのプレイヤーに体験してもらう」ということをコンセプトとして掲げられた本作であるが、
蓋を開けたらコンセプト達成のために各種要素や実ボリューム、そしてディスガイアらしいやり込みを削ぐという本末転倒な有様となっており、多くのファンから失望される結果に終わってしまった。
目玉である超転生を始めとする要素は、それ自体を活用するまでに暗黒議会などの手間暇を度々挟まねばならず、場合によってはレベリングそれ自体よりも億劫となる事さえある。
追加された自動戦闘・自動周回は利便性こそ高いものの、皮肉にもその利便性によって本作が抱えていた「相対的に面倒」な部分を強く印象付けてしまったのだ。
ただし掲げたコンセプトに「限って」評価するならば、難しい要素を極力カットすると共に、大きいダメージやパラメータを比較的容易に体験可能なデザインには仕上がっている。
自動戦闘を使えば、自身がほとんど関与する必要もなくクリアまで進めていけるだろう。
…そのようなゲームの遊び方が本当に楽しいかはまた別の問題であるが。
総じて、掲げたコンセプトが歴代ファンの期待するディスガイア像と乖離していた。これこそが本作に惨憺たる評価をもたらした最大の原因であろう。
*1 シリーズ作品の中に『ディスガイア D2』があり、これがシリーズ第5弾に相当する。
*2 例えば、『2』では転生した魔王が存在し、『4』では死後転生して天使として活動しているキャラが居るなど
*3 実際には、クラスを決定する際に、クラスとランクに応じたマナが必要となるため最低でも1は必要
*4 ウェポンマスタリーそのものは残っているため、武器を使い続けるとより性能面で有利になる要素は残っている
*5 例えば、『5』で人気だったキャラとして九尾族がいるが、こちらはシリーズでは『5』しか登場していないため、それ程大きな問題とは見なされていない
*6 この好例として、『D2』で重騎士が男から女に変わったことが挙げられる。それまで不人気だった重騎士については女に変わったことで一転して人気キャラとなり、以後の定番キャラとなっている(『7』で男が復活したことで初めて男女併存となった)
*7 人気のある猫娘族がリストラされた理由として猫娘族はネコマタであり動きが激しいということを理由として考えればこの考えに符合する
*8 結果的に必要となるお金が減る。エキスの必要量も減るがどちらかというと必要なお金が減る方が恩恵が大きい
*9 もっとも、お金稼ぎの際には「ダメージ賞金」という与ダメージでお金が入手できる魔ビリティーが用いられやすく、これにはダメージ賞金の効果が乗らないため、結局あまり意味はない
*10 なお、次回作でダメージと引き換えに所持金消費の効果を持つ魔ビリティーについて所持金の消費量が最大10万ヘルという上限が設定されたため、スタッフがこの魔ビリティーの異常性を認識していたのは事実であり、アップデートで修正することは可能だったと思われる
*11 そればかりか、上手く使えば固有キャラを複数運用可能というメリットもある。
*12 HP/SPのエキスそのものの節約もそうだが、エキス使用に膨大なヘルが必要となってくるという仕様のために、ヘルの節約手段としてイワシエキス配合の効果が重要となってくる。
*13 スキル強化に伴う消費SP上昇と、転生による最大SP減少が原因で、超転生前には使用できた特殊技が使用できなくなる事があるため、その救済措置となっている。
*14 「5」でも、似たようなキャラにヴォイドがいたがゼットに比べればキャラ崩壊レベルのシスコンぶりではなかった。