本稿はソーシャルゲームであるアプリ版が原作のゲームを扱っています。
本Wikiはソーシャルゲームの執筆が一切認められていないため、3DS版の詳細に関する記述に限定し
アプリ版に関する情報は割愛しています。
パズドラZ
【ぱずどらぜっと】
ジャンル
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パズル
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対応機種
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ニンテンドー3DS
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メディア
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1Gbyte3DSカード
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発売・開発元
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ガンホー・オンライン・エンターテイメント
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発売日
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2013年12月12日
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定価
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パッケージ版:4,400円 ダウンロード版:4,000円
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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なし
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ポイント
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3DSでパズドラができる 対象年齢は低め
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パズル&ドラゴンズシリーズ
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概要
2012年にリリースされ大ヒットとなったスマートフォン用ゲーム『パズル&ドラゴンズ』(通称:パズドラ。以下本家)の3DS版。
基本システムは本家とほぼ同じだが、純粋な移植作ではなく課金要素もない。
ストーリーやキャラクターが新たに設定され、新規のモンスターが登場するほか、本家からの登場モンスターのデザインも一新されている。
ルール
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本家と同じ部分
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プレイヤーは冒険に先立ち、自分が持っているモンスターから最大5体を選んでチームを作る。
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下画面の縦5×横6のフィールドに、「ドロップ」と呼ばれる球体が並べられている。ドロップは5色の攻撃ドロップとピンクの回復ドロップがある。
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これらのドロップをスライドで入れ替えて3つ以上並べると、消したドロップの色と同じ属性のモンスターに攻撃力がチャージされ、目の前の敵に攻撃を実行する。回復ドロップを消した場合はプレイヤー側のHPが回復する。
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敵は数ターンに一度、こちらに攻撃してくる。攻撃のカウントダウンは明示されているので、どの敵を優先して叩くかという戦術性もある。
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つまり強敵に勝ち抜くためには、強いモンスターを集めて育てることと、プレイヤー自身がパズルに上達することの両方が必要となる。これが『パズドラ』の特徴であり魅力でもある。
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『ズーキーパー』等の3マッチゲームに似ているが、独自の仕様として『ドロップに手をつけ1マス入れ替えた瞬間から制限時間(4秒)があり、その間または指を離すまで、掴んだドロップを無制限に動かせる』というのがある。なおドロップに触れる前の時間制限は基本的にはない。
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隣接しない同時消しや連鎖が「コンボ」となり、重ねた分全体の攻撃力も跳ね上がる。更にモンスターのスキルで底上げする事もできる。なお同じ色を5個以上隣接させて消していると、対応する属性は全体攻撃に変化する。
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『Z』で追加されたオリジナル要素
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補充されるドロップの中に光るドロップが出現する事がある。これは「Zドロップ」と呼ばれ、これを消すとダメージが増える。一定のコンボ数(7コンボ・10コンボ時)を稼ぐことでも必ず出現する。
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ダンジョンには宝箱や分岐点など本家には無かった仕掛けも存在する。もちろん、これらもパズルで解決する。
評価点
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何はなくとも、パズドラがスマホではなく3DSで楽しめるという事。
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オフラインゲームとして再設定されたバランス。
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単純に本家を丸移植してストーリーを付け加えたというものではなく、Zドロップの追加やスキルのポイント設定など、大幅にバランスが調整されている。
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全体的に制限がかなり緩くなり、より手軽により易しいプレイが可能となっている。それでも本家より簡単になった訳ではなく、後半マップなどはさながらの歯ごたえがある。
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新たに描き直されたグラフィック。
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待機中・攻撃時、とにかくグリグリ動く。本家をプレイしているプレイヤーほど、お馴染みのモンスターが大胆に動く姿は新鮮に映るだろう。
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モンスター図鑑では生態が説明文で説明されているだけでなく、待機中や攻撃の動作がみれる他、声も聴ける。
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立体視対応であるというのもかなり力が入っている。
賛否両論点
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ドラゴンモンスターが全体的にかなり優遇されている。それ以外のモンスターに比べてとても多い。
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「『パズル&ドラゴンズ』なんだからドラゴンが優遇されて当然」という声もあれば、「本家で人気だった他の種族のモンスターをもっと出して欲しかった」という声も。
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パズル面での目玉である「Zドロップ」が微妙。
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Zドロップを消すと、その属性のモンスターの攻撃力の3倍の攻撃を蓄積でき、コンボ次第ではかなり強力なダメージを与えられる。更に攻撃に大きなZ型の光のエフェクトが入り、見ていてなかなかに爽快。
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しかし、Zドロップの恩恵はただ3倍の攻撃を蓄積するだけであって、6個以上消していなければ単体攻撃となるため、コンボが稼げていなければ3倍でも微妙なダメージしか与えられない。
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派手なエフェクトが入ったのに敵の体力ゲージがあまり減っていない、というのは終盤ではザラ。
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更にダンジョンの道中の宝箱やルート選択の際に誤って消してしまうこともあるため、人によってはかなりわずらわしく感じる。
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しかし、前者はたまにしか拝めないZドロップをどのタイミングでどう使うかを考えるという戦略性の幅を広げる、後者はそれをしないようにやりくりするのもプレイングスキルでは大事と好意的に取られている面もある。
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容量の関係かもしれないが、本家から登場したモンスターの進化がめちゃくちゃになっている。
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たとえば「魔剣士」という種類のモンスターの一部が、本家では高難易度かつ期間限定の「降臨ダンジョン」に出てくるボスモンスターに進化できてしまう。
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これはオフラインゲームとしての調整の弊害であるといえる。
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少女竜人モンスターは中間形態がなく、省略して進化する。例えば「マーメイド」は「セイレーン」をすっ飛ばしていきなり「大海の歌姫・セイレーン」に進化する。
問題点
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ストーリーの出来が今一つ。
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子供向けという事で対象年齢を下げているのだろうが、ギャグはワンパターン、シリアスは質が低く、子供向けというより子供騙しに近い。
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物語前半は敵がはっきりわかっており、敵幹部や雑魚たちとの(質が良くないとはいえ)会話もしっかりと作られているが、後半はダンジョン内での会話はおろか、街での会話やイベントも殆ど無く、あっても短い。
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ステージの構成も似たり寄ったりなステージを属性だけ変えて水増しした感が否めず、初見でも作業と感じ取れる。実際、5つあるステージのボスは同じ系統の属性違いである。それぞれ攻撃力や攻撃ターン数が異なるものの、パズルゲームなので目新しさは薄い。
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背景も流用がやや多め。特にエンディング前の神殿は色以外全く同じ。エンディング後の神殿ダンジョンは色含め全く同じ。最後のエリアは最終ステージ以外は背景が全く同じ。
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世界観も適当で、どのような世界で冒険しているのかが良く分からない。
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Z-BOXは入手済みのモンスターのエッグも普通に出るため、コンプリートが過度に難しい。
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一部、エンディング後にならないと通常のダンジョンで入手できないチップがある。
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神龍系のチップの他、ケースに描かれている「インフェルノ」などが該当。これらのモンスターの進化はエンディング後になる。
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一応、絵馬やお札で行けるダンジョンで先行入手は効くが、チップの入手できるダンジョンは曜日が限られている。
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システム的な中弛み
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基本的にやる事はパズルだけ。どうしても長く続けると飽きやすい。
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またシステムの性質上序盤は出会うモンスターの多くが新規モンスターだが、ゲームを進めるにつれ新しいモンスターが減って来る上、進化に必要なチップも貴重になって来るのでできる事が少なくなって来てしまいがち
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道中の雑魚敵は物語前半では体力が低い敵が同時に3~5匹出てくるというパターンが主であり、サクサク進めたが、後半では体力が非常に高い敵が1~2体となっており、一戦が長引きやすく、前述の作業に拍車をかけている。
総評
人気作品の移植という立場に驕らず、単純なベタ移植ではなくしっかりとアレンジされた3DS版パズドラ。
無視できない粗もあり、手放しに良作とは言い難いものの、スマホ/ソシャゲ以外の形としてパズドラを体験してみたいというユーザーなら手を取って見る価値のある出来である。
課金要素が一切ないため、子供にも安心して与えられるという親御さんの意見も多い。
…が、図鑑完成を目的とするとどうしても書籍などによるコードが必須になってしまうため、課金要素が完全に排除されているというわけではない。
本作発表時、ガンホーの森下社長は「最低でもミリオンは達成したい」との(『オプーナ』を連想させる)コメントを発表し、多くのゲーマーから失笑をもって迎えられた。
ところがいざ発売してみると、発売1ヶ月を待たず
あっさりミリオンを実現
。改めてパズドラの人気を見せつける結果となった。
メインターゲットに据えた小学生にきっちりと人気を得ており、ガンホーにとってはミリオン達成と合わせて成功だったといえるだろう。
その後の展開
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2015年4月29日、『パズル&ドラゴンズ スーパーマリオブラザーズ エディション』が発売。課金要素やWi-Fiには非対応。
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欧米では同年5月に本作『Z』との2本カップリング『Puzzle & Dragons Z + Puzzle & Dragons Super Mario Bros. Edition』として発売された。
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2016年7月28日、3DSで本作の後続作品、『パズドラクロス』(神の章と龍の章の2バージョン)が発売。テレビアニメなど、メディアミックス展開も行われている。
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2020年1月15日、Nintendo Switchで『パズドラGOLD』が配信。
最終更新:2024年07月17日 00:36