TETRA for Nintendo Switch

【てとら ふぉーにんてんどーすいっち】

ジャンル アドベンチャー
対応機種 Nintendo Switch
メディア ダウンロード
発売元 レジスタ
開発元 Bloom Mushroom
発売日 2020年6月18日
定価 990円(税込)
プレイ人数 1人
セーブデータ 1箇所
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 なし
ポイント 良質なBGMと画
切ない世界観

概要

原作は、スマホ向けに個人開発された脱出ADVゲーム『テトラ ワールドアドベンチャー』である。本作はNintendo Switch向けにパブリッシングされた作品。

システム

  • 水彩画タッチの幻想的な風景をバックに、目的地に向かってパズルを解き進んでいくアドベンチャーゲームである。
  • ルール
    • ステージは全部で4つ。各ステージともに、道を阻むすべてのパズルを解いて最も奥にある部屋にたどりつくとクリアとなり、次のステージに挑めるようになる。
    • ステージに制限時間はない。Switch画面へのタップやコントローラーのいずれでも操作可能。
    • 道中登場するパズルは、大抵ダイヤルの数字を入力したりボタンを正しい順番や条件で押してみたりといった操作を求めるようなギミックである。
  • アイテム
    • 必要に応じてアイテムを拾って使う必要もある。
    • アイテムは調べると画面左側にストックできる。アイテムを選択した状態で何か別のものをクリックするとアイテムを使用できる。
    • 各ステージには動物を模した人型のキャラも登場する。彼らに話しかけて身に着けているものを調べると、条件付きで譲ってくれたりする。
    • アイテムはその役目を終えると自動的に持ち物リストからなくなる。
  • Switch版への移植に関して
    • 1周目の大半はスマホ版からの流用ではあるが、一部オリジナル版にはなかった謎解きが追加されている。
    • 移植版のオリジナル要素として2周目のプレイが追加されている。1周目の4ステージ分をクリアすると、再度裏ステージとして1~4をプレイできる。
  • 任意のタイミングでヒント閲覧可能。ヒントでは、攻略するために必要な手順を大まかに文章で示してくれる。

評価点

  • 美術要素
    • 獣人や美麗な水彩画タッチの背景からなる雰囲気は良好。人工物よりは自然風景が多く登場するのも特徴。
    • BGMは大人しくどこか切ないようなタイプのものである。
    • SEによる雰囲気付けもなされており、はしごを昇ったりすると金属のコンコンとした音がなったり、朽ちた家を歩き回っているときは、木がきしむような音がする。
  • パズルに関して
    • パズルを解くために必要な情報の出し方が多様。壁や引き出しから見つけられるメモといった人工物にパズル解決の糸口が書いてあるとは限らない。何気なく窓の外を眺めているときに落ちてくる雷だったり、無造作に置かれた骨の置物の形状にヒントが隠されていたりする。
    • ヒントもかなり丁寧に書かれているため、詰む心配が少ない。
  • こちらの操作に対するレスポンスが素早い。何かを調べたり場所を移動しようとしたりする際のロードが全く発生しない。

賛否両論点

  • 多くを語らない世界観
    • どこかノスタルジックな作風となっている。
    • ゲームを進めていくと手記が閲覧できるようになり、戦争中に分断された家族、家族を見守る語り手から成るどこか切ないストーリーが展開される。
    • 核心的な情報は特に語られず、家族はどうなったのかはよく分からない。
    • またプレイヤーが体験する世界観や自然風景についても、何かを匂わせるような情報を提示してくるが、結局どういうものなのかは分からない。

問題点

  • 中断しづらい
    • 手動でセーブできない。ステージをクリアしないとセーブされないので、ステージの途中で中断しづらい。
  • ゲームロード時の問題
    • セーブデータを増産することができない。
    • ステージセレクトができない。一度クリアしたステージをもう一度遊びたいならニューゲームするしかない。
      • たとえば、ステージ2を遊ぶにはステージ1をクリアする必要があり、ステージ3を遊べるようになる頃にはもうステージ2は遊べず、ニューゲームして再度ステージ1をクリアする必要がある。
    • もっとも本作の回答は固定なので、やり直したところで面白みが増すようなゲーム性ではないだろうが。
  • ボリュームは特に無い
    • 効率よくプレイすれば2時間程度で2周目まで完全クリア可能。やりこみ要素も特に無い。
  • パズルの解法が理路整然としているとは限らない
    • 評価点と関連することではあるが、何気ない風景を無理やり解釈したらパズルが解けた、という流れで先に進めてしまうケースも多い。

総評

抽象的なストーリーを持つ、自然風景をメインとしたパズルゲームである。操作性が良好で丁寧なヒントも用意されているので、パズル初心者でも安心してプレイできる。 ボリュームが少なく好きにステージを選べない点はやや不便かもしれない。

最終更新:2021年06月12日 07:02