The Big Journey

【ざ びっぐ じゃーにー】

ジャンル アクション
対応機種 Windows/mac OS(Steam)
Nintendo Switch
メディア ダウンロード専売
発売元 Hook Games
開発元 Catfishbox
配信開始日 【PC】2018年4月20日
【Switch】2021年4月30日
定価 【PC】520円
【Switch】1,000円
プレイ人数 1人
セーブデータ 1箇所・オートセーブ方式
レーティング IARC 3+
判定 なし
ポイント 球体猫を転がす傾けアクション
クセありながらも分かりやすい操作体系
ボリュームはやや控えめだがやり込み要素あり


概要

Hook Gamesから発売されたダウンロードソフト。開発はウクライナのスタジオであるCatfishboxが担当。

ジャンルは横スクロールアクションゲームだが、一般的な同ジャンルと比べて操作体系が少し特殊になっている。
球体の猫を操作し、様々な世界な中で転がしていくという設定。時折文章を交えたイベントが発生するが、Steam版・Switch版共に日本語非対応。


ゲームルール

  • ゲームの流れ
    • 全5チャプター(+おまけチャプター)をステージ順に攻略していく。各チャプターは5ステージで構成される(全30ステージ)。
      • 一度プレイしたものであればステージセレクトが可能。各チャプターの開始前にはイベントが発生し、後に個別でイベントの再鑑賞も行える。
    • とある条件を満たすと操作猫を最大9匹から選択できるが、どの猫を使用して性能差はない。
  • 操作体系
    • 主な操作は画面の傾けと猫のジャンプを行う。Switch版は本体の仕様ならではの操作*1も行える。
      • アナログスティック等左右、もしくはSwitch本体の傾けで画面全域の地形すべてを左右約45度までの範囲で傾ける*2
        本作は猫そのものを直接に移動操作させる事はできず、坂道による地面の転がしで猫を移動をさせる形となる。
      • ジャンプボタンで猫のジャンプを行う。素のジャンプ力は低く、傾けによる助走や仕掛けを利用しないと大きくジャンプできない。
      • 丸っこい体格の関係上もあって、猫の移動には独特の慣性が働きやすい。またジャンプ中に一部の敵に体当たりすると倒す事ができる。
    • ステージ中には様々な仕掛けやトラップがあり、これらを上手く活用(回避)する必要がある。
      • 主に「大ジャンプするトランポリン」「動きを制限する風圧」「ダメージを受ける敵やトラップ」などが存在し、ステージを進める上での関門となってくる。
  • アイテムと仲間について
    • ステージ中には以下のアイテムが放置されている。バグと餃子はクリアランクに影響するので、できるだけ多く集める必要あり。
      • バグ」はステージ内のいたる場所に配置されており、最も見かける割合が多い。餃子とは違い、一度取得したバグが消滅する要因はない。
      • 餃子*3」はバグよりも設置数が少なく、物陰に隠されている事が多い。ダメージを受けると取得した餃子を1個落としてしまい、放置すると消滅してしまう。
      • 怪しいキノコ」を取得してしまうと、一定時間画面がグニャグニャ化して周囲の状況が見辛くなる。無視すべき純粋なるマイナスアイテム。
      • おまけチャプターのステージ限定で「食べ物」のアイテムが3つ配置されており、すべて取得しないと障害物に遮られゴールにたどり着けない。
    • おまけ以外のチャプターにおける各ステージのどこかに、何かしら動物の姿をした「仲間」が待っている。
      • 無視してもクリアランクの影響はないが、見つけておくと後のギャラリーで鑑賞できる。全部で25キャラ(5チャプター×5ステージ)の仲間が存在する。
  • ステージクリア条件について
    • ステージの奥にあるゴールポイントに猫を到達させればステージクリア。
      • クリア後は3段階までのランクがステージ別で記録される。ランクの条件はステージ中に取得した「バグの数」と「餃子の数」及び「クリア時間」が関わる。
    • 本作にはミスとなる条件はなく、事実上の無敵状態となる。猫が敵やトラップに触れるとダメージだが、一時的な隙の発生と餃子を落とすのみ。

評価点

  • ころころ転がすアクションの楽しさ
    • 「傾けで猫を転がしていく」という独特のアクションと横スクロールの相性は抜群で、従来の同ジャンルと同じ感覚でプレイできる。
      • 小難しいルールはなく、ただ単に「転がしとジャンプでゴールを目指す」という単純明快な内容。ステージ序盤ではチュートリアルの解説も挟まれる。
      • しかし猫の慣性の強いクセあり移動が厄介で、慣れないうちは変な方向に猫を転がしがち。傾けの微調整を駆使しないとなかなかゴールが見えてこない。
    • 分かりやすい操作でありながら、高ランクを目指すとなると手強い難易度と化す。
      • ミスをしない仕様なため、クリアするだけならば容易い難易度であるが、バグと餃子をできるだけ取り逃さずに早くクリアするのが難しい。
      • チャプターを進めるにつれステージが高難易度及び複雑化するため、より高度なテクニックが必要。特におまけチャプターのステージはかなりの難関。
  • 猫と仲間が可愛らしい
    • 全身まん丸な猫の容姿が非常に可愛らしく、ぽよぽよとバウンドしながら動く様に癒される。
      • 一応手足はついているようだが、本作の猫はなぜか横に回転させて移動する。なぜに手足を使わないのかは謎だが、細かい事は気にしてはいけないのだろう。
    • ステージ途中で出会う仲間たちも個性的で可愛らしく、ステージ攻略の寄り道として出会う楽しみがある。
  • ほんわかとしたグラフィックとBGM
    • グラフィックは全体的にほんわかムードが漂うもので、猫の可愛らしさも相まって独特の魅力を感じさせる。
      • チャプターによってグラフィックの雰囲気が一新されるなど、先に進んでいる感が表現されている。どことなく箱庭感のあるステージ構造も魅力の一つ。
    • BGMに関しても同様のほんわか感のある楽曲がメインで、グラフィックとの調和性は非常に高い。

問題点

  • 日本語非対応
    • せっかくのイベントシーンが用意されているのに、日本語非対応なために日本人からするとイベントシーンの趣旨が理解し辛い。
      • アクションゲームとしてプレイする分には特に差し支えなく、イベント自体もそこまで大掛かりなものではないため大きな問題とならないのが救い。
  • ボリュームはやや控えめ
    • 各ステージは比較的短期*4でクリアできやすいため、オールクリアまでの道のりは意外と短期で済みやすい。
      • ステージ自体はそこそこの数が収録されており、各ステージにおける高ランク狙いもあるため、やり込みを視野に入れるならば十分なボリュームではある。

総評

ボリューム的にはダウンロードソフト相当のものだが、転がし系のアクションゲームとしての完成度は高く無難に楽しめる佳作といえる。
外観上のセンスの良さも魅力的で雰囲気ゲームとしての評価も併せ持つ。その中で猫を転がしていくという設定に惹かれるのであればプレイして損はないであろう一作。

最終更新:2021年09月30日 16:20

*1 傾けで操作を行う場合は、本体の傾けとボタンを併用する関係上、携帯モード(もしくはSwitch Lite本体)でのプレイが推奨される。

*2 イメージとしては『キャメルトライ』の画面回転に近い操作。

*3 おまけチャプターでは餃子の代わりに、「キャンディー」が配置されている。

*4 よほど手こずらない限りは1ステージあたり2~8分位でクリア可能。