Hollow Knight
【ほろうないと】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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Windows(Steam/GOG.com/Microsoft Store) Mac(Steam/GOG.com) Linux(Steam) Ubuntu(GOG.com) Nintendo Switch Xbox One プレイステーション4
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発売元
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ダウンロード版
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Team Cherry
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パッケージ版
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Fangamer Japan
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開発元
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Team Cherry
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発売日
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Win(Steam/GOG)
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2017年2月24日
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Mac/Linux
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2017年4月11日
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Switch
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2018年6月13日
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MS Store
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2018年9月25日
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PS4
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2018年9月26日
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定価
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ダウンロード版
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Steam
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1,480円(税10%込)
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Switch
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1,480円(税10%込)
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MS Store
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1,750円(税10%込)
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PS4
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1,507円(税10%込)
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パッケージ版
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Switch/PS4/PC
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4,000円(税別)
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コレクターズエディション 9,680円(税10%込)
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プレイ人数
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1人
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判定
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良作
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ポイント
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探索型ACT やり応え充分のボリュームと難易度 考察の余地が多いストーリーと設定
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概要
いわゆるメトロイドヴァニアのジャンルに属する、探索型2Dアクションゲーム。
数多の虫たちが暮らす世界で、主人公は亡びた地下王国「ハロウネスト」へと飛び込み、その深淵へと進んでいく。
特徴
主人公
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主人公はパッケージイラストにも描かれている、クワガタのような頭部が特徴的なキャラクター。「釘」と呼ばれる、剣のような形状の武器を振るって戦う。
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敵を攻撃すると「ソウル」を回収でき、主人公はソウルを消費して回復や特殊攻撃を行うことができる。
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ゲームの進行とともに主人公が可能なアクションは増えていき、攻撃手段や移動手段のバリエーションが増える。
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攻撃面でも上述のソウルを使用する手段が多く、横方向の遠距離攻撃、上方広範囲攻撃、ダイブ攻撃など、ソウルを消費する代わりに強力な技を放てる。一方で、ソウルを消費しない釘でのチャージ攻撃もゲームが進むと使えるようになる。
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機動面では、ダッシュ、壁蹴りジャンプ、高度を落とさず飛び続けるスーパーダッシュ、二段ジャンプなどが使えるようになっていく。
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主人公は「チャーム」という強化アイテムを一定数装備することができる。
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地図に自分の現在位置を表示してくれるもの、攻撃力や体力が増加するもの、単体では役に立たないものなど、様々な種類のチャームが存在している。
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チャームは無制限には装備できず、主人公の「スロット」の数だけしか装備できない。また一つのチャームが占有するスロットの数も均一ではなく、効果が強力なチャームほど必要なスロットが多く設定されている傾向にある。
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主人公が死亡した場合、死亡したマップに「カゲ」と呼ばれる真っ黒な存在を残して、主人公自身は最後に座ったベンチ(セーブポイント)で復活する。
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復活した直後の主人公はソウルを溜められる量が減り、全てのジオ(通貨)を失った状態である。これらを元に戻すためには直前に死亡したマップまで戻り、カゲを攻撃して回収しなくてはならない。
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なお、カゲを回収できないまま主人公が再び死亡した場合、最後に死亡したマップに新たなカゲが出現し、それ以前のカゲは消えてしまう。すなわち持っていたジオも回収不可能になってしまうので、注意が必要。
ボスキャラ
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道中で湧く雑魚敵以外に、全部で40種近いボスキャラが登場する。
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探索はある程度自由に行えるということもあり、クリアするだけなら全てのボスを倒す必要はない。
探索
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プレイヤーは広大なダンジョンとも言えるハロウネストを探索し、時にはボス敵との戦闘などを経て新たな能力を取得し、その能力によって探索可能な範囲を更に増やしていくこととなる。
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ハロウネストの各地には駅があり、現実で言う列車の代わりに巨大なムシ「スタグ」が路線を繋いでいる。スタグの駅は地上の街にも存在するため、ハロウネスト内で駅を解放すれば、それらの駅に加えて地上の街とも簡単に行き来できるようになる。
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ハロウネスト内部では収集要素も多く、「仮面の破片」「器の破片」を集めることで、それぞれ体力やソウルの上限を増やせる。先述のチャーム用のスロットも様々な方法で拡張可能。また、各地にはガラス瓶に捕らわれている幼虫がおり、幼虫たちを助けることでジオ(通貨)の他、特別なアイテムやチャームなどを得られる。
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上述の「ジオ」は作中に登場する通貨であり、これが様々な用途に必要となる。場面によっては雑魚敵を繰り返し狩っての金稼ぎが必要になることも有りうる(後述)。
ストーリー・世界観
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本作の主人公は作中で一言も発言しないうえ、表情や動作などで感情を表現することもない。主人公がどのような存在なのかを正しく理解しているNPCもごく一部しか存在しないため、「この主人公はどういう存在で、なぜハロウネストを探索しているのか?」という疑問は、序盤のうちは置き去りにしてゲームを進めるしかない。
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しかしゲームを進めることで様々な推測材料が示されていき、これらの疑問に対する答えをプレイヤーがある程度想像できるようになっている。また、「主人公が感情表現に乏しい」ということにも、きちんと理由があるのがわかる。
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本作の舞台である地下王国ハロウネストは高度な文明を有しており、かつて繁栄を極めたものの突如として滅亡してしまった。
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「王国はなぜ滅んだのか?」「現在のハロウネストに巣食うムシたちは何なのか? なぜ襲ってくるのか?」「王はどこへ消えたのか?」といった、世界観への理解を深めるほど浮かんでくるであろう疑問については、それぞれにヒントが示されている。一から十まで全て丁寧に解説してくれるようなつくりにはなっていないが、考察の余地を多く残しているとも言え、その点は好みが分かれるところであろう。
評価点
非常にやりごたえのあるアクション要素
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本作はいわゆるインディーズゲームであり、(ダウンロード版の)定価もロープライス帯なのだが、フルプライスのアクションゲームにも劣らぬボリュームを持っており、初回クリアまでに20~30時間、あるいはそれ以上かかったという報告も珍しくない。
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ゲームバランス的には、初見のボスを順調に撃破できることの方が稀であり「死にゲー」という評価を受けることもあるが、多くのボス敵は一定の行動パターンを持っており、繰り返し挑むことでいずれは攻略できるようになっているため、練習を重ねることで着実に上達できるバランスになっている。
主人公のカスタム要素
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主人公が振るう武器の「釘」は、「釘鍛冶」に素材とジオを渡すことで鍛えてもらうことができ、攻撃力を強化できる。
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また、ソウルを消費した攻撃や、釘のチャージ攻撃が使えるのも前述の通りである。
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チャームは全部で40種存在しており、スロットの許す限りこれらを取りつけて主人公を強化することができる。
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組み合わせによって初めて意味を持ったり、効力が強化されたりするチャームも存在するため、様々なチャームを試す楽しみがある。
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こうしたシステムにありがちな「組み合わせの自由度は高いが、結局は一つの最適解が存在し、最終的に皆同じ組み合わせになる」というようなことはない。通常攻撃、ソウル攻撃、耐久性、探索の利便性など、プレイヤーが何を重視するかによって最適な組み合わせは異なっている。
自由度の高さ
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本作のエンディングを迎えるためには、三人の「夢見の守護者」による神殿の封印を解かなければならないのだが、そのタイミングはプレイヤーがある程度自由に決めることができる。
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攻略上必要な「夢見の釘」を取得してすぐに守護者たちのところへ向かってもいいし、他のところへ向かって様々なアクションを解放し、主人公を鍛えてもいい。前述の通り、ゲームをクリアするだけならかなりの数のボスやエリアを無視しても問題ないつくりになっている。
魅力的なNPCたち
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本作で主人公と出会い、時には支援や協力を行ってくれるNPCたちも基本的に「虫」なのだが、外見がデフォルメされていることもあって愛着が湧きやすい。広大な迷宮を探索するのは心細いが、その中でたびたび起こる彼らとの邂逅は、一服の清涼剤のような役割を果たすだろう。
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あらゆるエリアに主人公より先に到達しており地図を売ってくれるコーニファー、駅と駅を繋いで主人公を運んでくれる最後のスタグ、ハロウネストで拾った遺物を高値で買い取ってくれるレムなど、主人公の役に立つNPCも多い。
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最初は敵として戦うが徐々に態度を変化させていくホーネット、記憶を失った流浪の剣士クィレル、自分の中の恐怖心と戦いながら強さを求める冒険者クロースなど、共に戦う仲間との出会いもある。
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一方、非常に弱く主人公に何度も助けられるくせに極めて尊大な態度を崩さないゾートや、一定以上のジオを預けると持ち逃げしてしまう銀行員ミリベルなど、一筋縄ではいかない者たちもおり、総じて個性豊かである。
やり込み要素
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本作は普通にクリアするだけでもなかなかの難易度だが、一度クリアすると「スティールソウル」モードが解放される。このモードでは、主人公が一度でも死ぬとその時点でゲーム終了、セーブデータも消滅するという強烈な縛りが付加され、まったく油断ができなくなる。一度の敗北も許されない上級者仕様のモードと言える。
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無料DLCで追加された「神の家」は、本作のエンドコンテンツ。本編に登場した全てのボスキャラや、それらの強化版に加え、完全新規ボスとも戦える。一体だけ選んで戦うこともできるし、神の家内部の「神殿」はボスと連続で戦うボスラッシュ部屋になっている。
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四つ目までの神殿ではそれぞれ10連戦だが、五つ目の「ハロウネストの神殿」では全てのボスと戦うことになり、脅威の42連戦を強いられる。しかも一部のボスは前に神殿で戦った時より強化されており、クリアは至難である。
賛否両論点
難易度の高さ
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優れた操作性によって行える軽快なアクションは確かな評価点だが、前述した通り難易度もそれに合わせたように高め。少なくともアクション慣れしていないプレイヤーが安易に挑める難易度では無い。
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主人公の攻撃(釘による斬撃)はラグがほとんどなく判定も短時間という刹那的なものであり、判定が出っぱなしというような初心者向けの甘い攻撃方法はない。接近戦主体と合わさって文字通りの「タイミングが命」というシステムである。
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多くのザコ敵はもちろんボス戦もある程度パターン化が可能ではあるものの、最終的にはそのパターンをなぞるためには相当な集中力と反射神経を必要とする。
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「ダメージを受けた直後は画面全体の視界が暗くなる」「瀕死になるとさらに狭まる」という仕様も厄介で、小柄・巨体問わず高速で動き回るボスが多いゆえに一回のミスによって見失ったり、そのまま致命傷につながる事も珍しくない。
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攻略自由度の高さによる事前の探索や、チャームによる自己強化のカスタムによってある程度は難易度を下げる事ができるのだが、多くの場合は一度でもクリア(突破)できるようになると楽というレベルデザインであり、一度詰まってしまうと救済措置はなくそれ以上進めなくなるということもあり得る。
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マップも同様で、トゲなどの1ミスで戻される道中を壁キックや空中ダッシュを組み合わせたアクションで進まねばならない箇所が多く、これらも一種のパターン化が要求される。
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下記の情報の偏りにも通ずるが、いくつかの場所で情報不足ゆえに次に進める場所が分からなくなる箇所もある。プレイヤーが事前にマッピング作業を行えば解決するし、虱潰しに探索すれば突破できる箇所も多いので詰まる事は少ないが、どこに使えるかわからないキーアイテムや、鍵以外のイベントでいつ開いたか分からない扉など若干不親切な面も目立つ。
偏り気味な情報
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まず前提として、ゲーム内で提示される情報は断片的かつ攻略自由度の高さゆえに時系列も整頓しにくい。大半の情報はそれとなく匂わせる形で留める手法であり、丁寧に作り込まれた世界や大まかな雰囲気の流れでつかめる情報も多いので「考察の余地が多い」「謎めいた部分もまた魅力」と取れば長所であるが、一方で中途半端なままの情報が多いのも事実で、明確に答えのない部分もまた多い。
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わかりやすくストーリーを解説してくれるようにはなっていないので、クリアしても動機や正体が全く分からないということもあり得るし、プレイヤーの考察に過ぎず明確な答えのないものも多岐に渡る。
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長所として自由度の高さを挙げたが、その弊害として、攻略順によっては一度見逃してしまうとそのプレイでは見られなくなってしまうイベントも多い。プレイヤーの行動によって結果が分岐するイベントもあるので、一周のプレイで全てを把握するのは困難である。
一部、生理的嫌悪感を刺激するエリアがある
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既に述べた通り、本作の登場人物は敵を含め基本的に全て「虫」であるため、虫嫌いのプレイヤーにとってはキツい表現が出てくることもある。
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よく挙げられるのが「王家の水路」と「暗闇の巣」。
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「王家の水路」は下水道であり、気持ちの悪い雑魚敵が多い。倒すと真っ二つに裂けた上下の体が時間差で蘇って襲いかかってくる「スイツキ」、浮遊しておりプレイヤーを発見すると牙を剥いて猛追してくる「コスイツキ」、べちょべちょの白い体液にまみれた下水管を行き来して巨体で高ダメージの体当たりを仕掛けてくる「フルークムンガ」などがいる。隠し通路の先には虫の卵がびっしり植えつけられている場所もあり、虫が苦手な人にはかなりきつい。
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「暗闇の巣」は本作屈指の異形の虫たちが生息しているエリアで、地面の棘トラップは棘の生えた無数の虫が蠢き絡み合うように形成されている。全体的に道幅が狭く、迷いやすいうえに敵との戦闘も避けづらい。またプレイに影響があるわけではないが、時折蜘蛛のような影が画面端を横切ったり、歩いていると何匹もの黒く小さな虫が突然主人公の足元から現れて左右へ散ったりする。巨大な虫が絶えず移動し続けているせいで、常に地鳴りのような音が響いている点も不安を煽る。雑魚敵には、暗闇の巣にいる特定の雑魚を倒すと数秒後にその死体を食いやぶって復活し、ガチャガチャ音を立てながら迫ってくる「シタイアサリ」や、何もない空間から突然現れて襲ってくる「イトアミグモ」などがいる。
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これらふたつのエリアには、どちらも暗いという共通点がある。ルマバエのランタン(後述)を買っていないと視界が悪く、恐怖心を煽るとともに攻略の難度を上げている点も、嫌悪感を刺激していると言える。
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プレイヤーの嫌悪感を刺激するという意味で、制作側の意図通りの内容になっているのだろうが、この二つのエリアはクリアのために攻略が必須であるため、賛否両論となる点であろう。
ファストトラベル要素
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序盤は様々な箇所で見つかるエリア間の高速移動手段が豊富であり、気軽に探索できるのだが、中盤の後半にさしかかる頃から広大なマップに対して顕著に減ってくる。
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未知のエリアの深部にある場合、これも「先に見つけられれば」かなりの便利なのだが、言い換えればできなかった場合はひたすら不便という裏返しでもある。
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スキルとしてプレイヤーが任意に設置できる一方通行のワープ手段もあるのだが、一箇所では到底足りない。特に厄介なのがストーリーを進めると塞がれるエリアがある事で、意図的にファストトラベルの出口に設定されており、ただ遠回りをさせるだけの無意味としか言えない妨害要素となってしまっている。ワープ設置が活用できるといえば聞こえはいいが、そこで設置してしまうと他で使えなくなる。
地図
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地図はミス時にも更新されるなど親切な設計なのだが、一方でフロア(部屋)単位なため一部で弊害が生じることがある。
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そのフロアに到達した時点で全体図が書き込まれるので、まだアイテムが足りず入口近くから先に進めないといったフロアでも全容が記されてしまう。これにより(マップが細部まで書き込まれているので)探索済みと勘違いする可能性も高く、自力でのマッピングやマーカーを活用しないと延々と迷う事も。
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上述の塞がれるエリアとも共通するが、一部の場所では扉が隔壁のように閉まってしまい、地図上ではつながって見えるのに二度と通行できないエリアがある。
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しかもそういう場所に限ってエリア間の移動に便利そうな箇所だったりする。
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かと思えば隠し通路が書き込まれる箇所・書き込まれない場所の違いが曖昧だったり、通路があるのに地図内のフロアがつながっていない箇所があるなど変な場所も見られる。
問題点
攻略上有用なアイテムが高すぎる
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条件を満たすことで地上に開かれる商店では、様々なアイテムが売られている。その中にある「ルマバエのランタン」というアイテムは、ハロウネスト内の暗い場所で主人公の周りを明るくしてくれるものであり、一部の場所ではこれがないと誇張抜きで何も見えない状態になる。特に「水晶山」エリアへ進むためには、別のエリアで特殊なアクションを習得していない限り真っ暗な道を進むしかないため、そうしたプレイヤーはここでルマバエのランタンを必要とする。
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しかし問題はその価格であり、1800ジオもする。
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これがどのくらい高値かというと、一例として、この時点で繰り返し戦えるそこそこ強めの敵「コケの騎士」を倒した時に得られる金額が40ジオ。よほど何度もハロウネスト内を行ったり来たりしているのでもない限り、1800ジオ稼ぐためには、改めて金を稼ぐことを求められる。
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また、この「ルマバエのランタン」は前述した「王家の水路」「暗闇の巣」でも役に立つアイテムであり、必須とまではいかずとも、攻略上とても有用なのが困りものである。
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ちなみに、この商店で販売している商品が高額であることは作中のNPCからも指摘されており、これもまた制作側の意図通りであると思われる。
終盤の難易度
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本作のグッドエンディングを迎えるためには、「白い宮殿」というエリアの最奥部まで辿り着く必要がある。
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しかし、このエリアは今までとは別ベクトルの高難易度であり、敵はほとんど出てこないのだが、ステージのギミックがプレイヤーを殺しにかかっている。
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具体的には、高速で往復する回転ノコギリ、床や壁から飛び出してくる多数の槍など、それまでの有機質な世界観からかけ離れたギミックが登場する。これらを攻略するためには壁蹴りやスーパーダッシュのほか、ギミックをタイミングよく釘で殴って反動で飛ぶなど、ここまで覚えてきたアクションを総動員して挑まねばならない。いずれもダメージを受けると直前のチェックポイントからやり直しになるものばかりなので、ここで先に進めなくなったりライフが尽きてやり直しになったりして、心が折れかけたプレイヤーも少なくない。
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「神の家」のように自己満足の範疇ならまだしも、グッドエンディングの必要条件であることを考えると、白い宮殿の攻略難度が高すぎるという印象は否めない。
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なお、白い宮殿の中で隠しルートに入ると「苦痛の道」へ進めるのだが、これは白い宮殿の正規ルートを上回る、極めて繊細で正確な操作を要求されるルートであり、並大抵のことでは突破できない。初見のプレイヤーが何も知らずに苦痛の道に入ってしまった場合、どれほどの苦難を味わう羽目になるかは……言うまでもない。
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またグッドエンディングルートでのラスボスの強さも、尋常ではない。
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行動セットのパターン化はできるもの、それができてようやくスタートライン。いざ戦闘が始まれば、それぞれのパターン毎に用意されている限られたとても小さな安全地帯へ瞬時に移動し、僅かな隙をついて攻撃するスキルが要求される。慣性や攻撃成功時のヒットバックなどで安全地帯からはみ出て被弾することも考慮しなければならない。
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体感的には国産の「ロックマン」などよりも遥かに難易度が高く、また国産によくある救済措置は一切ない。あくまでガチで挑む必要があり、最後の最後でギブアップした層も多い。それだけに撃破できたときは感無量だが…。
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統括すると、便宜上ジャンルは「探索型2Dアクション」の体裁を取っているが、
「ルートが発見できなくて先に進めない」ことよりも
「立ちはだかる敵が強過ぎて先に進めない」ことの方が圧倒的に多い
。その意味で『SEKIRO』や『DARK SOULS』のような死にゲーの2D版とジャンルづける方が適切だと見る層も多い。
総評
作りこまれたキャラクターと世界観、奥深いアクション性とカスタム性を併せ持ち、非常にやりごたえのある2Dアクションゲーム。
ロープライスのゲームとは思えないほどのボリュームがあり、アクションゲーム好きなら是非触れてほしい一作である。
余談
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本作のパッケージ版には「ハロウネストの折り畳み地図」と「オリジナル説明書」が付属している。
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パッケージ版の定価はダウンロード版よりも上がっているため、どちらを買うかはお好みで。
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また、コレクターズエディション版にはこれに加えて複数のグッズが付属している。詳細は各自で確認されたし。
最終更新:2024年04月25日 07:53