SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE | 隻狼

【せきろ しゃどうず だい とぅわいす】

ジャンル アクション
対応機種 プレイステーション4
XboxOne
Windows(Steam)
発売元 フロム・ソフトウェア
開発元 フロム・ソフトウェア
アクティビジョン
発売日 2019年3月22日(全ハード同日)
定価 7,600円+税(全ハード同額)
プレイ人数 1人
レーティング CERO:D(17歳以上対象)
備考 「The Game Awards 2019」Game of the Year受賞作品
判定 良作
ポイント フロムの送る全く新しい 死にゲー
体幹ゲージシステムによる白熱の剣戟アクション


概要

DARK SOULS』シリーズなどでお馴染みのフロム・ソフトウェアがアクティビジョンと共同開発したアクションゲーム。
パブリッシャーは国内ではフロム・ソフトウェア、海外ではアクティビジョンが担当している。

基本的には戦国末期の架空の日本を舞台とした忍者ステルスアクションであり、
同社が版権を持っている『天誅シリーズ』に近いシステムを取っているが、
天誅シリーズほどステルス要素は強くなく、ソウルボーンシリーズのような戦闘の比重が高い。
独自の要素としては、「体幹」システムに基づいた、強烈なボスキャラクター達との激しい剣戟アクションが大きな特徴。

多く死んで攻略法を覚える、いわゆる『死にゲー』であることが発売前から宣伝されていたが、
本当に凶悪な難易度となっており、多くのプレイヤーを驚愕させた。

本作の秀逸なゲーム性は世界中で評価され、2019年のThe Game Awardsにてゲーム・オブ・ザ・イヤー(GOTY)を受賞した。
なお、間違われ易いが、タイトルの読み方は「せきろう」ではなく「せきろ」である。


あらすじ

戦国末期、北方にある葦名の国は、内府軍との戦によって存亡の危機を迎えていた。
そんな中、葦名の国の跡継ぎである「葦名弦一郎」は、葦名を守るために
「竜胤(りゅういん)の御子」と呼ばれる不死の力を持った少年「九郎」の利用を画策する。
一方、九郎に忠誠を誓い、不死の力を授かった忍び「狼」は、九郎を守るため奔走する。


システム・特徴

  • 基本的なアクションとステージ構成
    • 基本的にはオーソドックスな三人称視点アクションのシステムを取っており、プレイヤーは主人公の「狼」を操作して、ジャンプ、刀による攻撃、ガード、回避ステップなどを使って敵兵と戦いながらステージを進んでいく。
    • 主人公は忍者なので正面切っての戦いでは基本的に不利なバランスである。一方で、ステージ中にある木の枝などの特定ポイントに鉤縄を投げて一気に移動したり、多彩な忍具を使って戦闘を有利に進めたりも出来る。落下ダメージが生じる高さも、過去作に比べれば結構緩和されている。
    • ステージはオープンワールドに近いシームレスマップの3Dで構成されており、序盤はほぼ一本道だが後半は自由な探索範囲が広がっていく。
      • 鉤縄という装備を活かした高低差の多いマップが多いのも特徴である。
    • 本作はボス戦の頻度が高く、中ボスクラスを含めるとプレイ時間の半分以上がボス戦に費やされると言っても過言ではないレベルデザインとなっている。
  • 致命の一撃「忍殺」
    • 敵の死角から忍び寄ったり、後述の「体幹」(ボス敵はHPゲージも含む)を削り切ると、赤いマーカーが表示され、この時に攻撃ボタンを押すと敵を一撃で倒せる。これを「忍殺」という。
    • ステージ探索の間は敵の視界に入らないように近付いて隠密忍殺していくことで消耗を抑えられる。
    • 本作のボス敵のほぼ全てはHPゲージを複数持ち、その数だけ忍殺を決めねばならない。ただし、1本目のゲージを隠密による忍殺で奪ってから戦闘に入れる場合も一応存在する。
    • 忍殺はボス戦でのトドメ演出としても用いられており、勝利後は「忍殺 SHINOBI EXECUTION」という ダサカッコイイ 表示が出る。
  • 異端の命「回生」と代償「竜咳」
    • 主人公の狼は主である九郎によって不死の力「竜胤」を授けられており、一度死んでもその場でHP半分の状態まで復活出来る。これを回生と言う。
      • しかし回生の回数は有限で、鬼仏での休息で最低限1回分は保証されてもそれ以外は何度か道中の敵を忍殺しないと回復しない。
      • また一定時間後に忍殺を決める前に続けて死ぬと回生はできずそのまま死亡。鬼仏と呼ばれるセーブポイントに戻され、スキル経験値ゲージとお金を半分失ってしまう。
    • 死亡または回生を繰り返すと、狼に関わった人々に「竜咳」と呼ばれる奇病が広がっていってしまう。
      • 死亡した際、時折「冥助(みょうじょ)」という効果が発生し、デスペナルティを受けずに済むのだが、竜咳患者の数に応じてこの冥助の発動率が低下してしまう。
      • 特定のアイテムを使うことでNPCの竜咳を治せる。なお、竜咳罹患者の数は特にストーリー展開には影響せず、竜咳罹患者が死亡することもない。
        ただし、竜咳罹患者に関連するサブイベントが進められなくなる。
  • 剣戟による「体幹」ゲージの削り合い
    • このゲームでは一般的なHPの他に「体幹」と呼ばれるゲージがプレイヤーと敵のすべてに備わっており、攻撃によって互いに黄色いゲージが埋まる。
      黄色いゲージが埋まりきった側は体勢が崩れて大きなスキを晒し、その状態の敵は忍殺によって倒せる。
      • 要はあらゆる敵に条件の違うライフゲージが2種類存在するような扱いである。
        ガードが非常に固いうえ通常のHPがかなり高く設定されている敵も多く、雑魚敵であってもHPダメージだけで倒すことは困難な場合が多々存在する。
      • プレイヤーも体幹が破られた場合は大きなスキを晒すことになるが、これ自体によってダメージが生じるわけではない。ボス相手ではほぼ追撃食らって死あるのみだが。
    • 体幹は互いに、攻撃を当てる(ガードさせても可)、攻撃をガードするか弾く(ジャストガード)ことで削られる。
      • 要は殴っても殴られても、敵とプレイヤーがお互いの体幹を奪い合うことになるわけである。
        ただし、こちらから攻撃を仕掛けたり、単にガードするより弾きを成功させた方が、相手の体幹を効率よく奪えるようになっている。
        この打ち合いの技術の差によって相手を追い詰めていくのが、本作の基本的な戦闘システムということになる。
    • 体幹は攻撃が入らない限り徐々に回復していくため、基本的には「絶え間の無い打ち合い」をしなければ、相手の体幹を破ることは出来ない。
      • しかし敵味方ともにHPが減ると体幹の回復速度が下がっていくため、体幹を削りきれずに結局敵のHPが尽きたという煮え切らない展開は起こりにくい。
        これはプレイヤーの方も同じなので、瀕死状態で回復をケチっているとあっさり体幹を崩されることも起こり得る。
      • 一般的なゲームと同様に、HPをゼロにすることでも敵を倒すことは出来るため、体幹の削り合いにこだわらない方が良い場合も有る。
      • なお、プレイヤーはガード態勢を取ると体幹回復速度が上がり、一部の敵も体幹ゲージを大きく回復する特殊行動をすることがある。*1
  • 危険攻撃
    • このゲームでは 殆どの攻撃が(一見無理そうでも)ガード可能 になっており、逆に敵の ガード不能攻撃は直前に必ず「危」のマークが浮かぶ 『危険攻撃』というものになっている。
    • ガード不能攻撃は「突き」「下段」「掴み」という3種類に分類されており、予兆を素早く見分けて的確な対処をすれば、相手に体幹回復の猶予を作らせずに戦いを続けられる。
      • 「突き」に合わせて自ら前に突っ込むようにステップすれば「見切り」スキルが発動し、攻撃をすり抜けると同時に相手の武器を踏みつけて大きめの体幹ダメージを与えられる。*2
      • 「下段」はジャンプで容易に回避可能。空中からは敵を踏みつけジャンプして体幹ダメージを与え、さらにジャンプ斬りでHPダメージを加える事ができる。
      • 「掴み」は多くの場合、リーチが短く後スキが大きいので、後方へのステップなどでやり過ごしてから反撃出来る。ただし、その威力はほとんど致命的なものばかり。
    • 互いの攻撃を弾き合う体幹ダメージレースに、この危険攻撃の3択が相俟ったものが、SEKIROのバトルである。
      • 体幹削りの要をなす弾きや見切りは一見シビアそうに感じられるし実際そうなのだが、
        どちらもタイミング判定自体はそこそこ広めに取られているため、覚えていてもタイミングが合わないということはリズムゲームや他の高難易度アクションゲームほどは起こらないと思われる。
      • なお、ガード不能攻撃の中でも突きと掴みは「弾き」なら可能な場合が有る。弾くと一部の敵は攻撃パターンが変わって対処しやすくなる為、あえて弾きに挑むプレイヤーもいる。
  • 状態異常攻撃
    • 一部の敵の攻撃は毒や炎上など、プレイヤーに状態異常を与えるものがあり、これらを直撃したりガードすると、状態異常ゲージがたまり、満タンになると実際にそのバッドステータスをしばらくの間受けてしまう。
      • この状態異常ゲージも体幹と同様に時間経過で回復する。
    • HPや体幹へのダメージを伴わずに状態異常ゲージだけを増やす攻撃も有り、この場合はゲージが振り切れなければ実際には何の損害も生じない。
      • 攻撃を弾いても状態異常ゲージは止められないことがほとんどだが、耐性バフアイテムを使うなりで状態異常ゲージの上昇を抑止してしまえば、それも攻めに転じる鍵となりえる。
  • 「忍び義手」「義手忍具」
    • 主人公狼は序盤のイベントで左腕を失ってしまうが、それを補ってくれるのが「忍び義手」である。
    • 忍び義手は鉤縄以外にも様々な忍具を内蔵できるカラクリ細工になっていて、手裏剣を飛ばしたり、爆竹で獣を怯えさせたり、毒の刃で右手の刀との連携攻撃を仕掛けたり出来る。
    • ゲームの進行に伴って使える忍具が増えていき、また素材アイテムを集めて強化することで上位版の忍具が使用可能となっていく。
      • 忍具はただ入手しただけでは使えず、拠点となる荒れ寺にいる仏師に渡して義手に仕込んでもらう必要がある。
    • 義手忍具を使うには「形代」と呼ばれるコストを支払う必要が有る。
      • 形代は敵を倒すとランダムでドロップする他、鬼仏(セーブポイント)で買うことも出来る。
      • 形代の所持数は上限が有り、パッシブスキルで増やせる。また、上限を超えた分も自動でストックされ、鬼仏で休んだ際に所持数が減っていれば補充される。
    • 適切な場面で用いれば一気に体幹を奪ったり、即座に特定の敵を排除できるなど非常に高い効果を発揮するため、義手忍具は攻略上重要なツールとなっている。
  • 主人公の基礎スペックの成長システム
    • 中ボスを倒すと「数珠玉」が手に入り、4個集める度に鬼仏でHPと体幹の最大値を上げることが出来る。
    • 重要なボスを倒すと「戦いの記憶」が手に入り、鬼仏で「攻め力」(HP・体幹ゲージへの攻撃力)を上げることが出来る。
    • 各所で「瓢箪の種」を入手すると、荒れ寺にいる薬師に渡してHP回復アイテムの使用回数を増やせる。
    • 進行上倒さなくてもいい相手や、現状で倒すのが困難だと感じたボスが居た場合、別方面のマップでこれらを集めてから再戦するといったことは若干だが出来る。
  • 「常在効果」と「流派技」
    • 敵を倒してスキル経験値を溜めるとスキルポイントが手に入る。これを消費して、使用可能なアクションを増やしたり、戦闘を有利にするパッシブスキル「常在効果」や「流派技」を覚えられる。
    • 流派技は狼の攻撃アクションを1つ増やすものであり、忍具と同じく、1個だけ装備出来る。上位の流派技は使用時に形代を消費する。
    • スキルには「流派」が有り、ゲームが進行すれば新たな流派の情報を入手することにより、別系統のスキルツリーが解禁される。その中には「体幹の与ダメアップ/被ダメダウン」「敵を忍殺する度にHP/体幹回復」など、攻略上かなり重要なパッシブもある。
  • さらなる苦難
    • 一度ゲームクリアして二周目以降に移行すると、序盤にて「九郎の御守り」を御子へ渡すことで「さらなる苦難」というハードモードを選択できる。
      • 敵の攻撃力、体力、体幹が強化され、逆に主人公の体幹、状態異常耐性が弱体化される。そして一番の変更点は ガードでも体力が削られる 。より正確な弾きが要求されるため、難易度が大幅に上昇する。
      • 元々高い難易度がさらに上昇すると一見狂気の沙汰だが、敵の行動自体は変わらないため、しっかり敵の攻撃を対処できれば十分クリアできるバランスで仕上がっている。また、普通の難易度に戻すことも可能。
      • なお「さらなる苦難」はスキルポイントの獲得量が増加するメリットもあるが、トロフィーの獲得に影響しないため、自信がなければスルーでも問題ない。

評価点

  • 熱中度の高いチャンバラ
    • 「体幹」システムにより、攻め続けることで敵の守りを崩し忍殺を狙う「攻」、逆に自分が崩されないよう「弾き」「見切り」などによる「防」が目まぐるしく進行し、緊張感と爽快感を併せ持つ戦闘は非常に高い完成度を誇る。
      • 殆ど互角に思えるような刃のぶつかり合いの果てに、先に体勢を崩した方が即座に致命の一撃を受ける。まるで映画のような迫真の死闘を自らの手で演じることになるわけだ。
    • 特に「弾き(=直前ガード)が成功する限り、体幹ゲージが限界状態でも基本的に体勢は崩さない」という仕様は、例え窮地に追い込まれても常に挽回の可能性があり、いわゆる「詰み」は発生しない。そこから敵の隙を窺い体勢を整えたり、守りを捨てて攻めに出るなど、冷静に立ち回れば必ず勝機を見出せる作りになっている。
  • 困難だが攻略し甲斐の有るボス戦
    • 昨今のフロムゲーの例に漏れず、本作のボスはもれなく非常に手強い。攻撃力も体力も遥かに高い上に攻撃パターンも多彩であり、大抵のプレイヤーは新たなボスに対峙する度に何度も殺されてしまう。
      故に人を選ぶ側面は相変わらず強い。
      しかし殆どのボスの攻撃は特徴的な予備動作が作り分けられていたり、こちらの行動に反応してカウンター的に繰り出して来たりするため、
      そういったパターンを覚えていくことで徐々にプレイヤーが優位に立てるようになっており、「反復的な努力を続けて勝利を掴む」という快感を得られるのである。
      • 一見勝てそうもない強敵との戦いに少しずつ適応し、遂に相手の体幹を崩して忍殺を叩き込んだ瞬間の興奮は、筆舌に尽くしがたいものが有る。
    • 序盤の壁となる「鬼庭形部雅孝」「まぼろしお蝶*3」、中盤で対決する「葦名弦一郎」、終盤の「破戒僧」、そしてラスボスなど、プレイヤーから高評価を受けた良ボスが多い。
  • 探索・収集要素の多さ
    • 本作は基本的に奥へ奥へと進みボスと戦うという直線的なゲームだが、脇道も多い。数珠玉、瓢箪の種などの成長アイテムから、強化版の忍具を作るための素材など、あちこち探索してアイテムを収集する楽しみも有る。
  • 細かく分岐する多彩なサブイベント
    • 本作ではメインストーリーに絡まないNPCとのサブイベントが多いのだが、プレイヤーの選択肢や行動によって展開が変化し、いい話になったり悲劇的な結末を迎えたりするものが有る。
    • 各NPC達は中々に個性的。台詞の量は少ないのだが、口癖や言葉遣いがきめ細かく設定されており、かぶるキャラは殆どいない。通称「其処許おじさん」「あっちじゃばあさん」など、妙にコミカルなキャラも多く、殺伐とした世界観に花を咲かせている。
      • また、本作では周回(強くてニューゲーム)を繰り返す度に敵が強くなるというやり込み要素が有り、その際これら分岐イベントの違う結末を探すのも楽しみの一つとなっている。
  • 美しいグラフィック
    • 本作は基本的に室町時代~戦国時代をモチーフとしているため、荒涼とした風景が多いが、グラフィックの品質は高く、鉤縄アクションで高所に行くことが多いこともあって、マップによっては目を奪われるような美しいロケーションに出会える。
      • 紅葉の深山「仙峯寺」や、一見幻想的な雰囲気の「源の宮」など、探索が終盤に差し掛かるに連れ、狼の目前に広がる光景はだんだんと非現実的な雰囲気を醸し出したものになっていく。
        他、決戦の舞台となる月夜のススキ野原は特に印象に残ったことだろう。
  • 秀逸な演出
    • ネタバレになるので詳細は差し控えるが、本作は演出も優れており、色んな意味で驚かされる場面が多い。
      • 特に「獅子猿」には驚かされたプレイヤーも多いだろう。
    • BGMは和風な物が中心で雰囲気に合っており好評。
      • 一部のボス戦では追い詰められたボスの行動パターンが変わるのに合わせてBGMも転調するという仕掛けが施されており、非常に盛り上がる。

賛否両論点

  • 一部のボスの攻撃パターンや配置タイミングについて
    • 本作は体幹を削り合う独自の剣戟アクションが大きな魅力となっているが、それが通じない/通じにくいボスも存在しており、賛否両論となっている。
      • 特に、掴み技の頻度が高く、体幹の削り合いが殆ど成立せず、特定の義手忍具が有効な中ボス「赤鬼」が序盤に配置されていることには難色を示す意見も多い。
      • 義手忍具の使用を意識させる為とも考えられるが、その弱点忍具は赤鬼から遠く離れたサブエリアに落ちており、気付けない可能性も十分ある。一応、行動パターン自体は(比較的)単調で、特定の方法で1ゲージぶん背後忍殺可能なのも救いか。
      • また、序盤の山場に立ちはだかる「火牛」も、基本セオリーとはかけ離れた仕様となっており物議を醸した。コツを掴めれば比較的楽に倒せるものの、そこにたどり着くまでは理不尽さを感じるプレイヤーも多く、それ故アップデートで下方修正されたほど。
  • ステータスの仕様
    • ステータスは体力、体幹、攻め力の3つであり、所謂ソウルボーンシリーズに比べるとシンプルに纏まっている。
      • 「ステータス強化で迷わなくて済む」「腕前の上達が実感しやすい」という意見もあれば、「カスタマイズに幅が少ない」「レベルを上げてのゴリ押しが難しい」という意見もある。
    • ステータス強化に必要なアイテムは原則としてボスから入手する必要があり、ジレンマに陥りやすい。
    • そもそもソウルボーンとはゲーム性が異なる部分も多いのだが、フロム制の死にゲーという事で何かと比較されやすい。
  • 評判通りの死にゲー
    • 歯ごたえがありつつちゃんと見極めれば攻略できるバランスになっているのは評価点で説明した通りだが、その難易度が非常に高い。ソウルボーンよりもごまかしが効かないため、プレイヤーの腕前が上達しない限りは絶対に攻略不可能。
    • 余りの難易度の高さから公式サイトで序盤の攻略Tipsを公開する異例の対応を取ったほどである。
    • 求められる操作精度も高い。弾きや見切りの成立判定は先述したように割と緩いとは言え、ボス敵の攻撃力は総じて体力5割以上持っていくためたった1ミスが命取り。その上に行動パターンも豊富なのでしっかり見極めるのも大変。
      • ついでに見極めた所で生まれる隙はそう大きくなく、ボスはHP、体幹共に手ごわいため、よほど慣れなければ短期決戦も難しい。一度の油断が長時間の努力を台無しにするような綱渡りを、じりじりと冷静に超えていかなければならない。
      • フィールドや雑魚戦も到底一瞬の油断を許さない初見殺しのオンパレード。複数に囲まれれば雑兵だけでもあっさり死ねるのは相変わらず。それでも何度も反復練習を行い突破していくほかない。
      • こういったシビアなアクションそのものがこのゲームの楽しさなので、肌に合えば極上の興奮を味わえるが、合わないといつまで経っても攻略できない難しいだけのゲームになりがち。
    • 一応、特定の技・強化義手・アイテムを使えば意外と楽になるような気付きの余地も用意されており、攻略の幅もきちんと存在する。それでも、それらもやはり 基本的なアクションの上達が前提 にはなってしまうだろう。

問題点

  • どこに行けば良いのか分からなくなり易い
    • 中盤からかなり行動範囲が広がるのだが、本作にはマップが一切無く、あらすじを確認する機能なども無いため、一度迷うと目的地に辿り着くのがかなり困難になる。
      • 昇降箇所が明確で横移動メインのアクションだったソウルシリーズ等とは違い、本作では自由自在に縦方向のアクションも楽しめるぶん、現在地・目的地の分かりづらさもより深刻になりがち。
  • 冥助と竜咳のシステムがあまり活用されていない
    • 冥助が発動すると死亡時のスキル経験値とお金のロストを免除してもらえるが、既にスキルポイントになっている分は失われないし、お金もさっさと消費すれば現金だけ50%ロストしたところで痛くないため、発動したところで有り難みが薄い。
      • 元より最大でも30%の確率でしか発動しないものを前提として動くわけにも行かず、戦略的に利用することがまず難しい。冥助の立ち位置が微妙である最大の原因はこのランダム性である。
      • 特にお金に関しては、明らかにロスト予防に用意されたであろう換金アイテム「銭袋」が店売りされている。計画的にロストを予防するなら断然こちらになるため、なおさら冥助の影が薄い。
    • NPCが病気になってしまう竜咳も、ゲームの面白さに寄与していない。
      • 初見では驚くが、デメリットの「冥助の確率が下がる」はどうせ元から低確率なので頼れない事に変わりなく、「感染者のサブイベントを進められなくなる」も進める時に治せばいいだけ、と軽い。
      • メインストーリーにも全く影響せず、罹患したNPCが担当する施設も普通に利用できるので、ゲームに慣れて来ると放って置いて困る事が無いに等しい。どうせ竜咳では死なないので段々どうでもよくなってしまう。
      • ゲームとしては勝手にNPCが死んでは困るし、いちいち施設の利用を制限されるとそれはそれで問題視されるだろう、という事を考えれば利便性を優先して正解とは言えるが。
      • 逆に初心者にとっては、死にゲーなのに死ねば死ぬほど竜咳が発生し冥助で助けてもらいづらくなるという点はつらい。サブイベントを進められなくなるし、わざわざ治療するメリットもないとなるとデスペナルティが増えただけである。
    • 竜咳が広がる(=患者が2人以上)と治療法を模索するイベントが発生し、最終的に患者全員を何度も治せるようになるが、ここにも意外な落とし穴がある。
      • 初回回生からさらに死亡するとイベントが強制発生し仏師が一人目の竜咳患者になるが、治療イベントは2人目の患者が出現しなければ発生しない。(特に2周目以降は)プレイスタイルによっては主人公が仏師以外のNPCとの交流をせず、そのままでは2人目の患者が現れないため、 竜咳を治療するためにわざと死亡してNPCを患者にする という本末転倒な手段を取らざるをえなくなる。
  • ボスとの戦いがメインでありながら、ボスラッシュモードがなく、倒したボスは次の周回まで戦えない。
    • 共通するモーションを使用する敵、再戦機会のあるキャラクターもいるが、全く同じシチュエーションでの戦闘はない。
    • 特定のボスとすぐ戦うには、ボス戦直前にセーブデータを残すかしかない。苦手なボスの練習をしたい、お気に入りのボス戦を何度もやり直したい、などのプレイには不親切。
  • 一部の場面で状況が見づらい。
    • 特に壁を背にした時などは、妙な部分をクローズアップしてそれ以外を映さなくなる・激しくブレるためカメラワークは劣悪。敵から一瞬目を離すだけでも致命的になりかねない本作、とりわけ強敵との戦いではそれが災いして理不尽に倒されることも。
      • 中でも有名なのは「孤影衆 太刀足」という中ボス戦。敵の強さはそこそこ程度だが非常に狭い場所で戦闘し、立ち位置によってはカメラが主人公も敵も碌に映さず、敵の連撃で倒されるプレイヤーが続出した。
      • 壁際で戦わされるシチュエーション自体もそこそこ発生しやすいが、他にも背景の樹木、建物の柱、戦場の柵など様々なオブジェクトもカメラワークの邪魔になるため、広いように見えてもいまいち油断できない。
      • 実際の動作は『DARK SOULSIII』とほぼ同じなのだが、本作は敵も自分もノックバックしやすいため余計に壁に寄ってしまいやすい。敵によっては激しく移動し自分一人で壁際に寄って行ってしまうものも。
      • そして動作が同じなので上記『III』のカメラの問題点もそのまま。「巨大な敵をロックオンすると敵を見上げて地面を背にする形になるため、壁を背にした時と同じ問題が発生する」「敵が素早く動くと勝手にロックオンが外れるため見失いやすい」等。
    • 一部オブジェクトはキャラに被ると透過処理されたりはするが、必要な場面では機能しないため気になりやすい。
      • 逆に半透明になるせいで手前の障害物に気付けず引っ掛かる→攻撃を避け切れず死、というパターンも。
    • 多くある事ではないが、危険な攻撃の予兆である「危」のマークが見づらい戦闘がある。目晦ましを使い自らの攻撃動作を判別しづらくする…という敵は行動のバリエーションとして良いとしても、それとは別に明度等の単なる調整不足も見られる。
      • この予兆は半透明の赤色で表示されるため、周囲にそれより鮮やかな光(炎上する背景・炎を纏った敵など)があると、紛れ込みやすい。マーク表示と同時に効果音も発生するが、それすらBGMや他の効果音にかき消される場合もある。
  • ステルス要素の判定が分かりづらい
    • 背景オブジェクトに隠れた際、全身隠れているはずなのにオブジェクトの端のほうに寄っただけで敵に見つかる事があるなど、判定が分かりづらい。
      • その一方で、割とスカスカの草むらや柵でも問題なく隠れられたり、プレイヤーが殺害したばかりの死体を発見しても他の敵は何も警戒しないなど、直感的に受け入れにくい部分もある。

総評

DARK SOULS』シリーズなどで近年注目度を高めてきたフロム・ソフトウェアの、新たなマイルストーンとも言うべき逸品である。
同社の「死にゲー」の流れを引き継ぎつつ、熱中度の高い新鮮な戦闘システムと和風の世界観を提示した本作は、新たなファン層をも惹き付けた。

反面、とにかく難易度が高く、何度も何度も何度も死にまくることになるため、人を選ぶ側面は従来以上に強い。
それだけに古来より伝統的な「難しいゲームを頑張って攻略する」という行為の快感を思う存分に堪能出来る作品である。
気軽にゲームを楽しみたい層にはまずお勧め出来ない一方、「何かやり甲斐のあるゲームを遊びたい」という時は、是非とも手に取って頂きたい。


余談

  • 本作のNPCの一人を主人公としたスピンオフ漫画『死なず半兵衛』が刊行されている。全1巻。
    • 内容は本作の前日譚に当たり、半兵衛が荒れ寺に辿り着くまでの経緯と生き様が描かれている。
    • バトルシーンではゲームに登場する流派技や投擲アイテムを描くなど、ゲームのコミカライズらしいものとなっている。
    • ちなみにとあるシーンのせいで、一瞬しか登場しないモブ「夜刀丸」が主役の半兵衛たちを差し置いて話題になってしまった。
  • 本作のマルチプレイは協力/対人ともに無い。
    • 事前告知でも開発リソースの関係で無いことは伝えられていたが、ソウルシリーズのようなオンライン要素を求める声は少なくなかった。
  • 本作のストーリーや設定は重厚かつシリアスだが、登場人物の行動をプレイヤーが笑えるネタとして受け取ることも。
    • 忍びなのに口下手で己の正体をまったく隠そうとせず、交流のあるほとんどの人物から即座に看破される狼、
      葦名のために必死にもがくも全てが空回り、また戦闘面でも様々な仕様が重なり、正統派ライバルでありながら半分ネタキャラ扱いされる葦名弦一郎、
      ソウルボーンシリーズからやってきたような異質な出で立ちと断末魔が強烈な印象の「甲冑武者」、など。
  • 初期に、体幹ダメージを軽減するアイテム「剛幹の飴」がガードと弾きの際に効果が出ないバグ(通称プラシーボ効果)があった。
    • 現在は修正されているが、その衝撃から今でもパイン飴詐欺事件という呼び名で語り継がれている。
    • 本作には「迷えば敗れる」「怖気づくと人は死ぬ*4」という格言が登場するが、このプラシーボ効果のおかげで「迷わなかったので勝てた」「怖気づかなかったので死ななかった」というプレイヤーがネットで散見される珍事となった。
  • 本作は戦国末期が舞台だが、狼の忍び義手を始めとして戦国時代の皮を被ったオーバーテクノロジーが多く、ショットガンやエレベーター、果ては火炎放射器まで登場する。
  • 舞台となる「葦名」は、会津に実在した氏族「蘆名*5」がモチーフと思われる。
    • 蘆名は福島の会津若松に存在していた。それを意識してか福島での体験会も福島市や郡山市ではなく会津若松市で行われている。
  • 副題の「SHADOWS DIE TWICE」というのは、一見すると「一度死んでも回生する」狼のことを指しているようだが、本作には様々な意味で「二度死ぬ」キャラが何人も存在しており、それら全てを包含したものとして複数形を題している。
  • 外国語の翻訳の質がかなり怪しいということでも話題。
    • 例①:大…猿… 首が…首が… → Large…Ape… My Neck…My Neck…(獅子猿の首でなく自分の首に言及している)
    • 例②:もし…もし… → Maybe…Just Maybe…(尋ねる“もし(申し)”を仮定の“もし(若し)”と誤解)
    • 例③:水生のお凛 → O'lin of the Water(水生という地名がただの水になってしまっている)
    • 例④:七面武者 → Shichimen Warrior(七面をなぜか名詞扱いしている)
    • 噂ではそれまでの『SOULSシリーズ』でも似たようなことが結構あったらしい。某雪国ゲーの逆パターンだろうか。
    • 音声の面でも「鬼庭形部雅孝」という敵が登場した際、日本語ではごく自然に聞こえる名乗り台詞がそれ以外の言語では何故か異常なまでにハイテンションな雄叫びを上げてプレイヤーに腹筋への衝撃を与えてくる。マイネェェーーーム!!イズ!!!ギョウブマサタァカァオニワァアアアアアア!!!!
      • その影響からか、日本語版でも「大手門は開かぬ門・・・」という決め台詞を「大手門は開かぬもんっ!」という子供っぽい言い回し扱いされるなど、多少ネタキャラ扱いをされている。
  • その一方で、海外ゲーム情報媒体やYoutubeなどで、とてもホットな話題を集めもしている。
    • かつてない緊張感を絶賛する声もある一方、その驚異的な難易度に「イージーモードをつけるべきだ」と言う議論が熱を帯びたことも。
    • Youtubeランキングサイト「Watchmojo」では「史上最難ゲーム」ランキングにて堂々の2位を獲得(因みに1位は「バトルトード」)。当然の事ながら「2019年度最難ゲーム」は1位。
    • 世界各国の実況プレイヤー達にもウケており、あまりの難しさにブチ切れたり放送禁止用語を連発したり一周回って不気味な笑いを響かせたり、と斜め上の方向へ突き抜けた盛り上がりを見せた。
    • 曰く、「Shadows die twice」どころか「Shadows die a million times (影は百万回死ぬ)」だとか。