Wiiでやわらかあたま塾
【うぃーでやわらかあたまじゅく】
ジャンル
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脳活性化ソフト
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対応機種
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Wii
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開発・発売元
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任天堂
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発売日
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2007年4月26日
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定価
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4,800円
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プレイ人数
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1人
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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なし
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ポイント
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Wiiでも頭をもみほぐす 据え置き機になりパーティ性が向上 ボリューム不足やポイント操作による弊害も
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Touch! Generationsシリーズ
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やわらかあたま塾シリーズ 初代 / Wiiで / いっしょに
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概要
脳トレブームに乗り、国内で160万本以上の売り上げを記録したDSソフト「やわらかあたま塾」の続編。
新たなジャンル「直感」を加えたDS版から一新された数々の問題で脳をトレーニングする。
システム
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プレイヤーはあたまをやわらかくするための塾「やわらかあたま塾」の塾生となり、秤に乗った「ハカリ先生」とともにミニゲームで頭の体操を行う。
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セーブデータを作成する際にはMiiの登録が必要となる。
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各セーブデータは「塾生ブック」という冊子に見立てられ、最大8つまで作成できる。
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この塾生ブックのデータはインターネットを介してWiiフレンドと送受信してやり取りができた(現在はサービス終了)。
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操作はポイントでカーソルを合わせ、Aボタンで決定するシンプルな操作のみ。Bボタンも一切使わない。
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問題を解いた成績は「やわらか度」と呼ばれ、脳の重さとしてグラム単位で数値化される。重ければ重いほど頭が柔らかいということになる。
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各問題は約5~10秒ほどで解くことができ、正確かつ素早く解答できるほど良い成績となる。
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一通り問題を解き終えるごとに、成績発表とともにハカリ先生から講評が聞ける。
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また、Wiiリモコンのスピーカーからボイスを聞くことができ、問題の成否やハカリ先生のアドバイスに合わせて一喜一憂、応援してくれる。
ジャンルと問題
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全部で5つのジャンルに分かれており、各ジャンルに4種類、合計20種類の問題が存在する。
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今作では新たに「直感」のジャンルが追加された。
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難易度は全部で3段階(一部ゲームモードでは4段階)ある。
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直感:一瞬のひらめきで答えを判断する。
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直感モグラ
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提示されたイラストと同じイラストを掲げたモグラを瞬間的に叩く。
難易度が上昇するとモグラの数が増える。
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推測しゃしん
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モザイクの写真の解像度が上がっていくので、それが何の写真かを当てる。
難易度が上昇するとモザイクの量が増える。
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暗やみどうぶつ
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暗闇にいる動物をサーチライトで照らし、どの動物の数が一番多いかを当てる。
難易度が上昇するとどうぶつの数が増え、不正解の動物との差が減る。
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きりぬきアート(どきどきパネルのみ)
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動画の切り取られている部分がどれかを当てる。
難易度が上昇すると絵が複雑になる。
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記憶:早く正確に物事を覚える。
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鳥かごシャッフル
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鳥かごがシャッフルされた後、始めに鳥が入っていた鳥かごを当てる。
難易度が上昇すると鳥かごの数が増える。
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瞬間かお記録
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複数の顔を記憶して、その中にいたものと同じ顔を答える。
難易度が上昇すると登場する人数が増える。
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さかさ記憶
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連続して聞こえてくる様々な効果音とイラストを、聞こえたのとは逆の順番で答える。
難易度が上昇すると表示数が増え、効果音がフランス語に置き換えられたり、音域が広がったりする。
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でまえ記憶(どきどきパネルのみ)
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Wiiリモコンのスピーカーから聞こえる出前の注文を記憶し、正しくメモする。
難易度が上昇すると注文数が増える。
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分析:よく考えて答えを導き出す。
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型ぬきブロック
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余分なブロックを破壊して、見本と同じになるようにする。
難易度が上昇するとブロック数が増え、複雑になる。
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早撃ちクイズ
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条件を満たすように画像を撃ち抜く。
難易度が上昇するとパネル数が増える。
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形当てキューブ
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見本とおなじ形の回転するキューブを選ぶ。
難易度が上昇すると色の差がなくなり、キューブも増える。
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きそく並べ(どきどきパネルのみ)
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規則正しく並ぶように枠にブロックをはめる。
難易度が上昇するとブロックが増え、より複雑な並べ方を要求される。
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数字:数の大小を比べたり、計算したりする。
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順番ふうせん
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数字が書かれた風船をその数字の大小の順番に割っていく。
難易度が上昇すると数字が大きくなったり、負の数、分数が表示されるようになる。
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たし算つみ木
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数字が書かれた積み木をだるま落としの要領で取り除いていき、残った数字の和が指定された数になるようにする。
難易度が上昇すると積み木が増え、数字も大きくなる。
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玉入れカウント
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赤玉と青玉が運動会の玉入れのようにかごに投げ入れられ、どちらの色の玉が多く入ったかを当てる。
難易度が上昇すると玉の数が増える。
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時計合わせ(どきどきパネルのみ)
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指定の時間だけ長針を動かして時計を合わせる。
難易度が上昇すると指定の時間が長くなる。
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知覚:観察力を駆使して解答する。
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絵合わせスタンプ
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見本のイラストと同じになるように正しく絵柄を置く。
難易度が上昇すると反転したりスタンプが増えたりする。
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レールつなぎ
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正しいレールのパネルを選択して、電車を目的地まで導く。
難易度が上昇するとパネルが増えたり、回転や逆から回答するなどがある。
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まちがいアニメ
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4つのアニメのうち、1つだけ違う動きをしているアニメを選択する。
難易度が上昇するとアニメの情報量が増える。
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視点えらび(どきどきパネルのみ)
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見本が物体をどの視点から見ているものなのかを当てる。
難易度が上昇すると物体が動いたり複雑な形になる。
ゲームモード
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1人で
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やわらかテスト
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全種類の問題をジャンルごとに解く。成績に応じて頭の柔らかさに段位が与えられる。
また、ジャンルごとの成績バランスで「学芸員あたま」「コンサルタントあたま」などの「あたまタイプ」も表示される。
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あたまのストレッチ
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各種問題を自由に選択して10問単位で解く。かんたん、ふつう、むずかしい、エキスパート難易度選択ができ、成績に応じて「ハカリメダル」を入手できる。
ハカリメダルは4種類あり、100g以上で銅、200g以上で銀、300g以上で金、400g以上でプラチナと獲得できる。
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事務局
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成績表
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セーブデータごとのやわらかテストの成績が棒グラフで表示される。
Wiiフレンドからもらった塾生ブックの成績も確認できる。
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1~8人まで
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たいせんレース
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1~4人の2チームに分かれて同時に問題を解き進めていき、どちらが早く解けるかを競う。
塾生ブックと対戦することもでき、擬似的にではあるがフレンドや自分とも対戦することができる。
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きょうりょくサバイバル
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残り時間がなくなるまでに交代して協力しながらなるべく多く問題を解く。解答時間は問題の出題時に少しだけ増える。
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どきどきパネル
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チームで順番に挑戦したい問題やジャンルが書かれたパネルを選び、どれだけ解けるかを競う。
残り時間がなくなるか不正解になった時点でそのパネルでの解答は終了。難易度はパネルをめくるまで分からず、中には点数が2倍になるなどの特別なパネルもある。
評価点
良好なゲームデザイン
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プレイヤーを「塾生」として捉えており、メニュー画面が「じゅくのろうか」のようになっていたり、データ管理が「事務局」と呼ばれていたりするなど実際の塾のように感じやすくなっている。
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データ登録、削除のこともそれぞれ「入塾」「退塾」と呼んだり、「入塾」した後に「やわらかテスト」が受験できたりする徹底っぷり。
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「退塾」した後にはハカリ先生から塾生への労いの言葉までもらえる。
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ゲーム全体を通して温かみのあるデザインとなっており、親しみやすい。
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同時期に発売された脳を鍛える大人のDSトレーニングと比べてもデザインは大きく異なる。
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「あたまタイプ」の名称や随所で入る鼻をつまみながら出す小声のようなSEもユニークである。
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「あたまのストレッチ」では正解速度の速さによって「よし」「すばらしい」などと画面端に評価が可視化されるため、脳力の把握に一役買う。
しっかりと背中を押してくれるキャラクター
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指導役であるハカリ先生はプレイヤーの能力を決してベタ褒めせず、これまでとの比較、批評も含めて分析的に講評してくれる。
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それでいて褒めるところはきちんと褒め、きちんと評価してくれる。
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タイトル画面後にはハカリ先生の話があり、バリエーションも案外豊富で実のある話が多く楽しめる。
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Wiiリモコンからのボイスもプレイヤーを応援してくれるので、励みになりやすい。
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ハカリ先生の講評にも反応するので、3人でやり取りしているように感じられる。
問題点
全体的なボリューム不足
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問題の種類は一部モード限定のものを含めて全20種類と少なめ。
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「まちがいアニメ」などの一部問題は出題される画像の種類が比較的豊富だが、他の多くの問題は見た目も内容も代わり映えしない。
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やり込み要素はやわらかテストの記録更新やハカリメダルの収集ぐらいしかなく、人によっては一通り問題をプレイしただけで飽きてしまう場合もある。
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もっとも本ゲームはライトユーザー向けの脳トレゲームであり、ボリューム不足はミニゲーム集の宿命とも言える仕方ないことではある。
一部配慮が行き届いていない問題
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分析の「早撃ちクイズ」には動物の写真のうち、「節足動物」や「軟体動物」などのやや複雑な条件に合うものを選ぶ問題がある。
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これらを解答する際には生物に対する知識が必要となり、他の「脚が4本」などの明快な条件と比べると地頭の良さは確かめづらい。
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数字の「順番ふうせん」では風船がふわふわと動くため、繊細な操作が難しいポイント操作ではうっかり違う風船を割ってしまいかねない。
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知覚の「絵合わせスタンプ」は絵柄を置く際の判定がシビアなときがあり、少しでも見本とズレたところに置くと不正解扱いされてしまうことがある。
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他にも、ボタンを押す対象どうしの間隔が近すぎたり対象そのものが小さかったりすることがあり、素早く解答にポイントを合わせることを妨げている問題が多い。
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解答時間の早さも成績に直結しているので、これで時間を取られると手痛い。
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いずれも頭を使うこととは関係ないところで難易度が上がってしまっている。
一部ゲームモードでしかプレイできない問題がある
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上述の通り、全20種類のうち5種類の問題はどきどきパネルでしか挑戦できない。
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この5種類の問題はいずれも他の15種類に劣らないクオリティなので通常通り実装してほしかったところ。
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なお、いくつかのゲームは次作で自由にプレイできるようになった。
Wiiリモコンのボイスの切り替えが不可
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女性ボイスと男性ボイスの2種類があるが、任意で切り替えられない。
総評
グラフィックの向上やWiiリモコンからの声援など本作の独自点はある。
しかし4800円という発売当時の定価にしてはボリューム・やり込み要素の少なさや、ポイント操作と正確な俊敏性が求められる操作との相性の悪さが気にかかる。
とはいえ、ゲームデザインは親しみやすく、脳トレに馴染みがないプレイヤーでも手に取りやすい作品ではある。
特に大勢でパーティ感覚で脳トレを楽しみたいときには差し支えない作品である。
余談
最終更新:2022年11月07日 05:54