ドラえもんのスタディボーイ 学習漢字ゲーム
【どらえもんのすたでぃぼーい がくしゅうかんじげーむ】
ジャンル
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クイズ/学習
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対応機種
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ゲームボーイカラー(専用)
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発売元
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小学館
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発売日
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2001年1月12日
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定価
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3,980円(税抜)
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判定
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なし
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ポイント
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正誤はまさかの自己申告
本格教科書体 ミニゲームは佳作
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ドラえもんシリーズ
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概要
ドラえもんの小学生向け学習ゲーム。
本作は小学校で習う「学習漢字」の習得に特化した内容。
機能
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学年
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出題される学年の範囲を選ぶモード。
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6つのトグルスイッチになっており、同時に複数の学年を指定できる。
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学年を全てオフにしてモードを終わることもできるが、問題やゲームに入ろうとすると「がくねんをえらんでね!」と止められる。
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問題
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漢字の読み書き問題が出題されるモード。
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短文の一部の漢字や読みがなが抜かれている形式。
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問題数は10問、20問、マラソンの3種類。マラソンはポーズメニューから中断しない限り永遠に続く。
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問題の正誤に応じて、ドラえもんがパッティングやフリースローをするアニメがある。
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回答方式がまさかの自己申告制
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問題が表示され、「こたえ」ボタンを押すと解答表示、「できた」「できない」を申告するとそれに応じてドラえもんがリアクションを取るという流れ。ゲーム側でマル付けしてくれる要素はない。
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GB『学習漢字マスター』のカセットのシールでは、右手に鉛筆とノート、左手に電卓のごとくゲームボーイを構えたのび太の絵が書かれており、画像のような学習スタイルを想定していると思われる。
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ゲーム
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漢字をテーマにしたミニゲーム3種類が収録されている。後述。
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かんじひょう
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一種の電子漢字辞典。学習漢字の読み、部首、書き順が調べられる。
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一覧から直接選ぶほか、学年、読み、部首での絞り込みも可能。部首一覧では部首の名前も確認できる。
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書き順確認画面は書道セット風のグラフィックで、半紙の上に一画一画線が乗っていくアニメーションがある。
ミニゲーム3種
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かんじパズル
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スライドパズル。4分割された漢字のパネルをスライドさせ、正しい形を作れば完成。
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パネル4枚に対してマスは6マスあり、スライドパズルとしての難易度はかなり低い。
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上段ではドラえもんがタイマー代わりにネズミに追いかけられている。ドラえもんがネズミにかじられたらタイムアップ。
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ネズミたたき
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ひらがなのパネルを持ったネズミが穴から出てくるので、正しい読みがなを持っているネズミを順番に撃つ。
これはネズミ撃ちでは?
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十字ボタンで照準。無入力で真ん中、左右キーで左右のネズミを狙う。Aで発射。
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間違ったネズミを撃つと、ネズミに爆弾を投げつけられ数秒行動不能になる。
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ネズミの出入りがそこそこ頻繁で、空気砲は弾速が遅いため、意外と早撃ちを要求される。
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パネルをヒット
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いわゆるストラックアウトのバッター版。ジャイアンが球を投げてくるので、ひらがなの書かれた9マスのパネル向かって打ち返す。正しい順番で読みがなを打ち落せば得点。
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十字キーで打球方向の指定、Aでスイング。無入力を含め9方向に打てる。
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ボールの速さは100km/h、120km/hから選べる。
怪物ピッチャーの誕生である。
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間違えて後で使うパネルを打ち落としてしまった場合、Bを押すとパネルがリセットされる。
その他の機能
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せつめい
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サウンド
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「オン」「オフ」のみ。
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GBシリーズでは本体に音量調節機能があったので珍しいことではない。
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つうしんたいせん
評価点
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クオリティの高い教科書体のフォント
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2サイズの教科書体フォントが使用されている。はね・はらいもしっかり表現された完成度の高いもの。
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さすがに小さい方は一部の文字に歪み・潰れがあるが、大はディスプレイの限界を感じさせないクオリティ。にじみなどもなく読みやすい。
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部首単独の時はさすがに太い細いのない書体だが、しんにょう、つめかんむりなどの文字として成立しない部首もしっかり作っている。
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良好なグラフィック
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ドラえもんのイラストはどれも原作の再現度が高い。アニメも良くできている。
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特に読み問題時のゴルフは、器用にパターでゴルフボールをリフティングし、誤答するとベロンと舌を垂らして呆ける愛嬌のあるドラえもんが見られる。
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書き順確認は書道風、問題表示部分は短冊風になっているなど細部も凝っている。パネルをヒットの球場など背景類もクオリティが高い。
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ミニゲームの出来が良い
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かんじパズルは小学生向けとしても簡単すぎるが、書き問題に近いものを収録した点は評価できる。
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読みは全く示されず形だけで漢字を推測しなければならない、黒いパーツを中央に集めれば適当に揃ってしまうなど、学習要素としては微妙。
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ネズミたたきはネズミの出入りが激しく、高スコアには読み仮名の即答と反射神経の両方が要求されるやりがいのある調整。
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パネルをヒットはアニメーションがよく出来ており、ジャイアンが投げる速球を跳ね返し、スピンがかかった打球がパネルを抜いていくのは爽快感がある。
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ネズミたたきとパネルをヒットに関しては、問題モードから漢字部分だけを抜き出した出題になっているため、しっかり勉強にもなる内容。
問題点
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問題の正誤が自己申告制
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問題だけ出して正誤判定はプレイヤーに丸投げ、というのはさすがに開き直り過ぎかと思われる。
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採点者無しでも容赦のないマル付けに向き合えるのが学習ゲームの大きなメリットだと思われ、ごまかし放題では紙のドリルと大差ない。
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本作のプレイヤーであろう、未習得漢字の多い小学生に正誤判定を任せてしまう設計も余りに配慮がない。
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学習スタイルとして筆記具を要求されるのも、携帯機の簡便さを殺しており、ゲームとして出す意味が薄れている。
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書き問題はともかく、読み問題はゲーム内で入力させることも難しくなかっただろう。
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パネルをヒットは9文字の中から1文字ずつ選んで読みがなを入力するゲームなのだから、これをバッティングではなくカーソルで選べるようにするだけで立派な読み問題になったのでは。
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書き問題にしても、かんじパズルをスライドではなくはめ込みにする、部首で切り分け正しい場所にはめるパズルにするなどやりようはあったはずである。
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全ての学習漢字を公平に扱う必要があり、容量も限られていることも考えると仕方がない面もあるが、やはり学習ゲームとして大きな欠点と言わざるを得ない。
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学習の進行を記録する機能が無い
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どの問題を正解した・間違えた、何年生の問題は全問出来た、マラソンの最高記録が何問、などの記録を取る要素が一切無い。
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『九九ゲーム』でも全問正解した段は花がついて記録されたし、『クイズボーイ2』のじしゅうモードでも正解数と正答率は記録されていた。
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学習の記録は効率的な復習や学習意欲に大きく繋がる部分なので、何かしら欲しかったところ。
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実質セーブされるデータは出題される学年の設定のみ。
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もちろん記録できて悪いことはないのだが、それにしたって残す意味があるのか怪しく思えてしまう記録範囲である。
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ドラえもんのキャラクター要素は薄い
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ドラえもん以外のキャラクターがピッチャー役のジャイアンのみ、ひみつ道具もほとんど登場しない。
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特にストーリー要素やドラえもんが喋っている設定のセリフなども無い。
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問題文にもドラえもんネタは特にない。
総評
フォントやミニゲーム、漢字辞典など、周辺要素の完成度は高いが、肝心の問題モードがまさかの丸投げ。
自動のマル付けや学習記録といったゲームならではの機能がすっぽり抜け落ちており、ゲームである意味が薄い。
ミニゲームの内容を少し変えれば出来の良い学習ゲームになりそうなだけに、残念に思われてならない作品。
電池を食うドラえもん漢字ドリル+ミニゲーム3本に4000円の価値があるかは何とも言い難い。
最終更新:2021年12月11日 12:31