ガーフィールドの一週間
【がーふぃーるどのいっしゅうかん】
| ジャンル | アクション |  | 
| 対応機種 | ファミリーコンピュータ | 
| 発売元 | トーワチキ | 
| 開発元 | マーズ | 
| 発売日 | 1989年4月7日 | 
| 定価 | 5,500円 | 
| プレイ人数 | 1人 | 
| 判定 | クソゲー | 
| ポイント | でかいくせに小さい敵にやられまくる 満足に蹴れない超短足
 原作の特徴が生かされていない
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概要
1989年に発売された、ジム・デイビスの漫画『ガーフィールド』を原作とするアクションゲーム。
原作は太っちょ猫「ガーフィールド」が飼い主の「ジョン」や親友の「オーディー」、それに好敵手の「ナーマル」などと共に繰り広げられるドタバタ劇の漫画。
アメリカでは1978年から新聞で連載された漫画で、1988年からは『ガーフィールドと仲間たち』としてアニメも放送されていたが、当時の日本での知名度は低かった。
内容
基本システム
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「太っちょ猫のガーフィールドがドラ猫軍団・鉄の爪一味にさらわれた相棒の犬オーディーを助け出すために戦いに出る」というストーリー。
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鉄の爪一味に向かっていく一週間を、それぞれのステージに充てた作りになっている。月曜から始まり、土曜と日曜は午前と午後に分かれている全9ステージ構成。
 
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ゲーム自体はよくある体力制の横スクロールアクション。
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回避行動の一環として、「ジャンプ」および「伏せ(四つんばい)」も可能。
 
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1ステージは3部構成に分けられており、それぞれの境目には扉がある(画面上一杯まである)。
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扉の手前あたりにカギがあり、それを取ると開いて先に進むことができる。
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3枚目の扉の先に飼い主のジョンがおり、それに会うことでステージクリアとなる。
 
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残機制ではなく、やられると即座にゲームオーバー。ただしコンティニューは無制限。
攻撃方法
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キック
 デフォルトの攻撃方法で、短い足でキックする。
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骨
 直線に飛ばすスタンダードな飛び道具。
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パイ
 少し離れたところに投げ、地面に着くと四散する爆弾のような攻撃。
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レーズン入りコーンフレーク
 前方とその斜め上下の3方向弾(嫌いなレーズンを飛ばしている)。
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Bボタンで行うのだが、4種類ありどれを使うかはセレクトで選択できる。
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「骨」「パイ」「レーズン入りコーンフレーク」はアイテムを取ることで使えるようになる。
 この3つは有限で、残り弾数が少なくなるとカーソルが点滅する。
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骨は取るとパワーアップにもなる(ただし魚の骨はパワーロスのマイナスアイテム)。
 
 
アイテム
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ミルク
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パワー回復小
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コーヒー
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パワー回復大
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ブーツ
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ガーフィールドの動きが一定時間が早くなる
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ラザニア
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ガーフィールドの大好物で一定時間無敵。
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魚の骨
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パワーロスになるマイナスアイテム
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カギ
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ステージの区切りとなる扉を開くカギ
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この他に上記の攻撃アイテム「骨」「パイ」「レーズン入りコーンフレーク」がある。
問題点
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ガーフィールドの図体がムダに大きく、敵の攻撃を避けにくい。しかもノックバックを伴い、被弾時の無敵時間もないせいでガンガン多段ヒットしてあっさりやられることもザラ。
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原作では食いしん坊で鳥やカエル、虫などは追っかけて食べてしまうほどなのに、ゲームではその鳥やカエルに返り討ちにされてしまう体たらく。しかも食べないし。
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特に転々と弾んでくる野球ボールはガーフィールドの体にぶつかっても跳ね返ることなく、そのままグイグイ突っ込んできて殺しにくる。
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回復アイテムは高頻度で出てくるが、このような体たらくなので気休め程度でしかない。
 
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短足すぎてデフォルトのキック攻撃が当てにくい。しかもその短い足の振った距離のみ有効というひどいポンコツ仕様。
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攻撃するつもりが敵の攻撃を喰らってしまうなんてことがザラ。デフォルトなので弱かったり射程が短いのは仕方ないと言えば仕方ないが、いくらなんでも短すぎて使い勝手が悪すぎる。
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連射パッドを使用して蹴りっぱなしでようやく使える程度。しかもそんな反則技を使ってでもこちらに向かってこないクモなどはロクに当らない(その方法でヘタにキックでやっつけようと近づくと「(マッハ速度で)キック空振り連発」→「タイミングが合わずクモに触れてダメージ」を繰り返して死ぬことも珍しくない)。
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せめてマリオのように「踏み」を有効にできなかったものだろうか?
 
 
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キックが頼りないこともあって、飛び道具を使おうにも使用制限がある上、敵は1発で倒せないのが大多数な上に速いのが多いので、弾数が足りていない。
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その上、敵の殆どが小さいせいで当りにくいのでイライラする。
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アイテム攻撃の3種類は、使用回数が切れる直前になるとカーソルが点滅して知らせてくれるが、数字で明確に表示してくれないのであと何回使えるかがよく分からないのも難点。
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コンティニュー時は消耗品の攻撃アイテムが持ち越される仕様のため、少々面倒だが何度もリトライしてストックするという手もある。
 
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中間再スタート地点がない。
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『スーパーマリオブラザーズ』は中間に再スタート地点があるのだが、本作にはそういったものが全くない。
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よってコンティニューは無制限にできても、結局最初からやり直すハメになる。ゴール間近での集中攻撃でやられることも多く、それが繰り返されるとうんざりする。
 
 
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無敵になるアイテムがあるのはいいが、無敵時間の終了が何の前触れもなくいきなり切れる。
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上記の通り被弾後の無敵時間がないので、「体当たりでやっつけようとしたらいきなり切れて、真正面から突っ込んで自ら多段ヒットして即死」なんてことも(この場合、必然的に自分から敵に突っ込むような形になるので体力マックスからでも死ぬことが多い)。
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デフォルトのキックがほとんど役に立たないせいで、無敵になったらそれによる攻撃に頼りたくなるのも重ねて厄介。
 
 
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ザコ敵の種類は8種類だけ。
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この時期は元より3年ほど前のゲームでもこの倍以上のバリエーションを持ったゲームは多かったことを思えば、かなり寂しい。
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ちなみに本作の容量は1メガ+256kb。この頃のゲームの中では小さいが、320kbや512kb時代のゲームよりも劣るのはさすがに弁護のしようがない。
 
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クリアの達成感も今一つ。
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ステージクリア時は飼い主のジョンから英語のメッセージだけ。
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全面クリアしても、それに救い出したオーディーが加わるだけで大差ない。
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エンディングのBGMも、それまでステージクリアでは途中で切られていたBGMがフルになっただけ。
 
 
評価点
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ジャンプ力は高いので、ある程度避けて進むという攻略法がある。
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説明書でも「攻撃ばかりするのではなく、ジャンプしてよけることも必要!」とある。
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しかし、ジャンプでよけてばかりいても空中姿勢のところを狙われて多段ヒット死の危険がつきまとうので、一概に得策とは言えない。
 
総評
敵キャラの種類が少ない上に、全体的に単調な流れで、演出的な面でも貧弱でクリア時の達成感の無さなど褒められる部分が少なすぎる。
目立ったバグは無いものの、多段ヒットによるダメージの仕様やキックをはじめとした攻撃そのものの性能の悪さなど、敵の性能と比べても崩壊に近いバランスで、基本的な仕様の粗ばかりが目立っており、この時期のゲームにしては完成度の低さが露呈しすぎている。
キャラゲーとしても再現度が低く、クソゲーの典型のような例だが、『シティ・アドベンチャー タッチ ミステリー・オブ・トライアングル』等、日本でのヒットアニメ等と違って日本での知名度はゼロ同然だったので、原作に絡む部分が気にされないのは不幸中の幸いだろう。
余談
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制限時間のタイム表示はMAXタイムに向かって0からカウントしていくカウントアップ方式を採用している。
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一般的なゲームの逆の方式だが、普通にカウントダウンでいいのでは?
 
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体力が減るマイナスアイテム「魚の骨」は実は死亡判定はしないため、限りなくゼロに近いギリギリで取ると、負のオーバーフローでなんと一気にマックスまで回復するバグがある。
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とはいうものの上記の通り多段ヒットで死にやすいため、そんなギリギリまで狙って減らすこと自体ものすごく難しく偶然も含めて発動する機会自体がまずないぐらいなので有効活用はまずできないだろう。
 
最終更新:2024年05月17日 21:12