コーラル サンゴ海の探検
【こーらる さんごかいのたんけん】
| ジャンル | アクション |  | 
| 対応機種 | Nintendo Switch | 
| 発売元 | レイニーフロッグ | 
| 開発元 | Carlos Coronado | 
| 発売日 | 2019年8月1日 | 
| 定価 | 1,000円 | 
| プレイ人数 | 1人 | 
| レーティング | CERO:A(全年齢対象) | 
| セーブデータ | 1個 | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | カラフルな海と人間の負の遺産の対比 環境問題教材として使えるかも
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概要
スペインのゲームクリエイター、Carlos Coronadoが製作した「Koral」を日本向けにパブリッシングした作品。
横スクロールアクションの形式を取っており、死んだ珊瑚礁に光をともし復活させて回るゲーム内容となっている。
ところどころで、海洋の環境問題を啓発するような内容のテキストを読むことができる。
システム
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操作体形
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プレイヤーはクラゲのようなもの(以降「クラゲ」と呼称する)を操作して動き回らせる。
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左スティックの操作にしたがって上下左右に動き回れる。
 
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周囲を泳いでいる魚からは一切影響を受けないが、基本的には壁を貫通していったり、海から出ることはできない。
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敵は出現せず、ゲームオーバーとなる条件は特に無い。
 
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目的
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海を浄化・活性化して、先へ(右方向へ)進んでいくというのが大方の流れ。
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章ごとに区画分けされており、章をクリアすると画面が暗転し自動セーブされる。
 
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赤い光
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海の活性化に必要なアイテムのようなもの。
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「クラゲ」が近くを通ると、まとわせて引き連れることが可能になる。
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引き連れている光の個数が一定値以上だと、様々な珊瑚(後述)が死んだ状態から息を吹き返し、利用できるようになっていく。
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複数の赤い光が必要な珊瑚は、クラゲが近づいたときに赤い光の必要数を表示してくる。
 
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区画内の死んだ状態の珊瑚をひととおり復活させると次の区画への道が開ける。赤い光は別の区画に持ち越すことは出来ない。
 
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テキスト
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本作の攻略には直接関係の無い収集要素。
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地面や岩肌に、細かい光の粒が集まったようなシンボルがある。これにふれると珊瑚に関するトリビアを述べたテキストがひとつ入手できる。
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一度集めたテキストはメインメニューからも閲覧可能。
 
    
    
        | + | ギミック一覧 | 
ギミック
海流
クラゲは海流に逆らって泳ぐことが出来ない。
細い海流であれば、海流の外側にはずれることで流されるのを回避できる。
 
キノコ状の珊瑚
緑色をした群生するキノコのような珊瑚。クラゲを操作して近づかせると、加速してくれる。
時折赤い光でよみがえらせる必要がある。
 
レバー状の枝珊瑚
赤いものは原則通せんぼの役割。海流やキノコ状の珊瑚を使って勢いづいたクラゲが、一定方向からぶつかることで押し倒して先に進める。
緑色のものは切り替え用レバーとして機能する。スピードに乗っていなくても向きを変えることが可能。ON/OFFの2つを切り替えることが可能で、倒した角度によって、対応した岩がどこかへと移動する。
岩がふさいでいた道を通れるようになったり、逆に赤い光を発するギミックが岩に乗って近くに来たりなどする。
これらの珊瑚も時々、赤い光を数個分集めて復活させる必要がある。
 
フジツボのような岩
赤い光を供給する拠点その1。
白く閉じているものもあるが、これらは赤い光をひとつ分持っていくことで開花させることができる。
開花したものは、上向きに開いた口のような部分から赤い光を回収できる。
 
ホウキタケ状の珊瑚
赤い光を供給する拠点その2。
赤い光の供給源となる本体がひとついるほか、本体に対応して各地に小さい珊瑚も点在している。
クラゲが本体に近づくと、周辺の小さい珊瑚が光るため、それを制限時間内で回収しきることで、赤い光を得ることができるようになる。制限時間内に回収しきれないと失敗だが、何度でもやり直すことが可能。
特に赤い光でよみがえらせる必要は無い。
 
灯台状の珊瑚
珊瑚の根元に近づくことで海流を発生させるものがある。
クラゲを根元から一定のところまで移動させることで、海流の流れる方向を決定できる。
 
障壁
前述のとおり、各区画ごとにクラゲの行く手を阻む障壁。毒や藻が淀んだような外観をしている。
近くにある灯台状の珊瑚を活性化させるか、あるいは灯台状の珊瑚から伸びる海流を誘引し、突き破ることで消滅させることができる。
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評価点
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グラフィック
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珊瑚を題材としているだけあって、海の鮮やかさを楽しむことが可能。死んだ珊瑚礁は青く暗く表現されている一方で、また活力を取り戻したときに、一気に珊瑚礁が色づくようになっている。
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周囲の魚影をクラゲの赤い光で照らすと、色づいて見えるような工夫がされている。
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平面的な横スクロールのゲームではあるが、背景の表現も特に手は抜かれていない。
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深海だと、大きくて不気味な魚影や蛍光を発する生物を楽しめる。
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人間が、実際に行った漁業で海底を傷つけたり、産業廃棄物を大量投棄して生き物が暮らせなくなったといった情報も、背景のグラフィックで表現されている。
 
 
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環境問題の教材として
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フレーバーテキストにて、人間の生産活動の負の側面を解説してくれるほか、人間が現代で取り組んでいる環境対策についても言及している。
 
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ゲームシステムのとっつきやすさ
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特にゲームオーバーの条件は定められておらず気楽にプレイできる。
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ギミックがどんな動作をするのか、プレイヤー側が何をすればいいのかは、試行錯誤と直感で何とかなるような塩梅のゲームバランスになっている。
 
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パズルゲームのような場面もある
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緑色の枝珊瑚を操作して岩を動かすことで、行ける地形と行けない地形が発生するためうまく使い分ける必要がある。
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終盤のパイプ珊瑚では、制限時間内に周辺の珊瑚を回りきる必要があるが、これもいかに無駄のない道のりを構築できるかといった試行錯誤の余地がある。
 
問題点
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生態系の教材ではない
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珊瑚やそれを取り巻く生物の生態が分かるわけではない。周囲で魚が泳いでいるのを確認できるものの、魚の種類までは教えてくれない。
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海外産ゲームなので、日本ならではの環境問題が解説されているとは限らない。
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海のグラフィックは豊富だが、その海がどこの方面の海かなどが分かるものではない。
 
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アクションゲームとしてはやや難易度が中途半端
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ゲームオーバーがないぶんアクションが苦手なプレイヤーも手を出しやすいのだが、悪く言えば単純作業になっているきらいがある。
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フジツボを復活させるために赤い光をひとつ分消費してしまう。そうするとさっき赤い光を回収した場所にまた戻らなくてはならず、どうにも無駄な動きをしているように感じられる。
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終盤の時間制限を設けてくるエリアの難易度は案外シビア。何度も再挑戦できるとはいえ、細かな操作ミスで失敗になりかねないバランス。
 
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ギミックの配置について
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キノコ状の珊瑚を使ったダッシュ時、方向調節がしづらい。また珊瑚の配置がよくないことも多く、思わぬ方向に誤発進してしまったりする。
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ダッシュ用の珊瑚の当たり判定は広い一方で、それ以外の珊瑚の当たり判定は小さい。時間制限がある場合だと、触れなくてはならない珊瑚をスルーして失敗といった事態も発生する。
 
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フレーバーテキストの出典がどこなのか必ずしも明かされているわけではなく、情報源として若干心もとなさはある。
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本作は、章別に区画分けされている。この「章」をひとつぶんクリアしないとセーブされず、章の途中でゲームを止めるとそこまでの実績はセーブされない。
総評
珊瑚をテーマに環境問題を啓発するACTゲーム。
ゲーム性については、右往左往しなくてはならない面倒くささはあるものの、ゲームオーバー条件も特に無く決して難しい部類ではない。
しかし収録されている環境情報の質や量はいささか中途半端で、先に述べたように本格的な教材と言える内容にはなっていない。どちらかといえば、本格的にそれらの知識に触れる前のとっかかりとなる作品と言ったところに落ち着くだろう。
最終更新:2022年01月05日 20:07