FINAL FANTASY XV MULTIPLAYER:COMRADES
【ふぁいなるふぁんたじー ふぃふてぃーん まるちぷれいやー こむらっず】
ジャンル
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アクションRPG
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対応機種
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プレイステーション4 Xbox One
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発売・開発元
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スクウェア・エニックス
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発売日
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2018年12月13日
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定価
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1,019円(税込)
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プレイ人数
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1人
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レーティング
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CERO:C(15才以上対象)
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備考
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オンライン拡張パック 戦友/2017年11月15日配信(現在配信終了)
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判定
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なし
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ポイント
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『FFXV』のDLC単独版 狩りゲーライクにアレンジ 探索要素は撤廃 価格に見合わぬ大きなボリュームを誇る 本編プレイ前提の内容ではある
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ファイナルファンタジーシリーズ
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概要
『FF15』に登場したルシス王国の精鋭部隊、「王の剣」に焦点を当てたオンラインマルチプレイ対応のアクションRPG。
元々はFF15本編の拡張DLCである『オンライン拡張パック:戦友』であり、好評につきスタンドアローン化されたという経緯を持つ。
これに伴い、DLCの方は現在プレイ不可となり単独版の方へと移行するよう案内がされている。
なお、Win版の方はPS4/One版ロイヤルエディション同様本編内に同梱し、本編経由で起動する扱いのため、本作は配信されていない。
主な特徴
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プレイヤーはアバターを設定して、先述したルシスの精鋭「王の剣」の生き残りとして戦っていく事となる。
舞台設定は本編13章終了後から14章開始までである、闇に包まれゆく世界。本編の補完と『王の剣』の掘り下げを兼ねた内容となっている。
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「王の剣」は本編では殆ど触れられない。初出は本編の外伝にあたる3DCGアニメ映画『キングスグレイヴ ファイナルファンタジーXV』であり、そちらで主に描かれていた。
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アバターの顔の設定は祖先となる二人の人物から顔を組み合わせて、どちらかに寄らせるという混ぜ合わせ方式が取られている。
顔の細かい調整は勿論、体型・肌・身長・おっぱいの大きさ・髪の色、更には痩躯~肥満等も設定でき、服装やアクセサリ等も充実している。
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アバターは複数種類が作成可能。ゲーム中でも自由に入れ替えが出来る。
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出身地を選択することで成長の傾向も決めることが出来るが、出身地のみ後で変更することは出来ない。
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本編にも登場した街であるレスタルムが主な拠点となり、モンスターの討伐や施設の防衛などのクエストをクリアしていき、ギルや発電燃料となるメテオの欠片を集め、発電所から各地域に電力を供給させ、施設や拠点、クエストやショップで売られるアイテム類を解放させ、得た素材とギルを使って武器を強化していく…というのが主な流れであり、ハック&スラッシュに特化した設計…もっというと『モンスターハンター』シリーズなどに代表される狩りゲー作品としてアレンジされた内容となっている。
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各クエストクリア後はモニカがバフ効果が付随する手料理を振舞ってくれる。内容は所持している食材アイテムに応じて変化していく。
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低確率でコルやゲンティアナ、シドにシドニーといったキャラも料理を振舞う。
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グラディオラス、イグニス、プロンプトらも登場。クエスト終了後にレスタルムへ一時帰還する事があり、その際に模擬戦を申し込むことが出来る。
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戦闘アクションは本編に準拠しているが、ポーションなどのアイテムが使用不可能となり攻撃・回復魔法は任意で発動可能となるなど変更点がある。
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装備した武器に付与しているアビリティにより、攻撃や魔法の効果も変化する。
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魔法の内容も本編から大きく変わっており、敵に向けて飛ばすファイア系・サンダー系、本編同様に自身の周囲を凍り付かせるブリザド系、本作オリジナルとなる接近戦用の溜め魔法であるディア系などが存在する。
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何も付与していないと「ブラスト」と呼ばれる最弱の魔法となる。
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奥義や王の加護なども存在する。王の加護は選択した加護により能力値や魔法の効果が大きく変化する。
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オンラインプレイを考慮してか、ウェイトモードやポーズは存在せずアクションゲーム色が色濃い。
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マッチングは他のプレイヤーをランダムで決めるクイックマッチ、条件付きで決めるカスタムマッチ、AIたちと行動するオフライン機能であるAIマッチが存在する。
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ちなみにAIキャラには歴代シリーズの登場キャラの名前が付けられている事が多い。中には本編にも登場するファストフード店のマスコットキャラであるケニー・クロウやスクエニUSAに所属する実在の人物であるマット・キシモトも登場する事も。
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チャットは定型文のみで会話する。ショップで売られている定型文を買う事で種類を増やせる他、歴代シリーズの会話というネタ寄りの定型文も存在する。
評価点
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コストパフォーマンスが非常に高い。
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元々DLCという事もあるが、1000円弱程で売られているとは思えない程にボリュームがあり、病みつきになったプレイヤーが続出している。
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本編からアレンジされた戦闘バランス。
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アイテムが使えなくなりウェイトモードも存在しない、MPの消費と回復のバランスがシビアとなりシフトブレイクも本編ほど強力ではなくなった事から、力押しによるプレイがしづらくなるなど難易度は上がっている。
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魔法も精製する必要が無く、従来作品通りMP消費式になるなど効果も変わり、回復魔法の発動も容易に可能となったため結果的に本編よりも戦闘のテンポが改善されている。
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本編の補完も兼ねた内容。
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本編内で特に大きく語られなかった時代が舞台となっているため、各キャラクターたちは何をしていたのかがゲーム中や情報テキスト内で明かされている。
賛否両論点
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前述の通り難易度は全体的に高め。
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協力プレイ前提のバランスなためか、AIマッチによるシングルプレイだと思うように行動してくれない事も多く、特に防衛任務ではゲームオーバーになりやすい。
問題点
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本編にあったフィールド探索要素は全撤廃されている。
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拠点間は車による移動のみで直接歩いて行くことは出来ず、拠点内の移動もフィールドが狭い。他の狩りゲーで見られるアイテムの探索クエストもほぼ見当たらない。
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場合によって発生する設定の違和感
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ネタバレ
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主人公の正体は、映画『キングスグレイブ』で大量に発生した裏切り者の一人。
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元々、「王の剣」は帝国の侵略によって生じた難民の中から優秀な人材を集めて組織されたもので、ルシス王家への忠誠よりも故郷を帝国から取り返すという意志で戦っている者が殆どであり、ルシス側もそれを利用して戦場に送り込んでいる節があった。悪い言い方をすれば、捨て駒のような存在である。
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映画の中でも「故郷の解放をエサにすればどんな戦場にも向かう」と自嘲気味に語るシーンもあったほど。
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そんな中で帝国との結ばれることになった和平調停によって「王都インソムニア以外の領地の放棄」が決定し、多くの隊員は「散々死ぬ思いをして戦ったのに故郷を見捨てられた」と考えて帝国に寝返り、結果としてインソムニア侵攻に大きく加担する事になってしまった。
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本作に登場する「王の剣」は王家への忠誠心を失わず、王都侵略時にも裏切らなかった者達であるが、その中で主人公は裏切り者の一人が記憶を失った者だったという事がクライマックスで明かされる。
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出身地の設定が可能なのもこれらの設定に由来するもので基本は問題無いのだが、選択可能な出身地の中に「インソムニア」がある。
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上記の通り、「王の剣」は難民から選ばれており、インソムニア以外が切り捨てられるからこそ裏切った者達である。しかしインソムニア出身を選んでしまうと、王都出身者が難民に混じって「王の剣」に所属していたり、王国の庇護が続くはずの故郷の陥落に加担した事になってしまい、違和感が生じる。何かしらの理由で「王都出身だが王の剣に入った」「故郷を滅ぼしたいぐらい憎んでいた」などと強引に解釈するしかない。
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総評
低価格帯ながらも高いクオリティと厚いボリュームを誇る作品。
『FFXV』本編の戦闘が気に入った人なら本作にもすんなりと入り込めるだろう。
前述の通り本編の知識があることが前提であるため、本編を全くの未プレイは非推奨。
プレイ前に本編か『ポケットエディション』などで最低限の知識を得る事を推奨する。
余談
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本作には本編に登場しないモンスターが登場するが、中でもデスゲイズやラスボスなどは小説『FINAL FANTASY XV The Dawn of the Future』でも戦っている。
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元々『FFXV』はサイドストーリー集のDLC群第1弾に続いて、本編のトゥルーエンドルートとも言えるDLC群第2弾「未来への夜明け」が予定されていたが、後者はプロローグにあたるエピソード以外は結局開発中止になってしまった。
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『The Dawn of the Future』はタイトル通り「未来への夜明け」で描かれるはずだったストーリーを小説化したものであるため、恐らくDLC用に作成していたモデルをリサイクルしたか、或いはこちらのモデルをDLCに流用するつもりだったと思われる。
最終更新:2022年07月21日 17:27