ファイナルファンタジーXV ポケットエディション
【ふぁいなるふぁんたじーふぃふてぃーん ぽけっとえでぃしょん】
ファイナルファンタジーXV ポケットエディション HD
【ふぁいなるふぁんたじーふぃふてぃーん ぽけっとえでぃしょん えいちでぃー】
ジャンル
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RPG
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対応機種
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iOS Android Windows10 プレイステーション4 Xbox One Nintendo Switch
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発売・開発元
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スクウェア・エニックス
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発売日
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【iOS/Android】2018年2月9日 【Win】2018年6月6日 【PS4/One】2018年9月7日 【Switch】2018年9月14日
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定価
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【iOS/Android】全Chapterパック:2,440円 【PS4/Switch】2,759円 【Win/One】2,700円(全て税別)
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レーティング
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【PS4/One/Switch】CERO:B(12才以上対象) 【Win】IARC12+
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判定
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劣化ゲー
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ポイント
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スマートフォン向けにアレンジ 画面の原作再現度は高い オープンワールドなど原作の評価点はほぼスポイル ゲームの規模的な意味でもポケットエディション
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ファイナルファンタジーシリーズ
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概要
『ファイナルファンタジーXV』(以下原作)を各種スマートフォン向けにアレンジしたリメイク作。『HD』はそれを家庭用ゲーム機へと逆移植した作品にあたる。
移植とはいえ任天堂ハードでは『FFVI』から24年ぶりのナンバリング作品となる。
特徴
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スマートフォン向けという事もあり、アクションは簡略化しオープンワールド要素も無し、全編一本道のリニア型ゲームとなった。
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サブクエストはサボテンダーや一部のアイテム集めや以外は撤廃された。
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全15章だった原作から全10chapterに再構成された。
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このためワールドマップは実質チャプター選択画面となっている。
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ファントムソードは半分ほどが実績を解放する事でワールドマップから入手できる。
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車やチョコボの運転もオートのみであり、移動中は視点移動くらいしか出来ない。
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フィールドは見下ろしのみでカメラ移動は不可となっている。
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街やダンジョンなどマップ画面も全体的に簡略化されている。オルティシエは特にわかりやすい。
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イグニスの料理はゲーム中に度々発生する食材集めで食材を全て集め終わる事でイベント進行の度に新しい料理が作られる。クリアしないと食事の度に直火焼きトーストを出されて少々寂しい事になる。
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戦闘はランダム・シンボル両エンカウント方式ではなく、マップごとにあらかじめ敵が配置されているという、他作品でいうイベント戦闘に近い形式になっている。
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戦闘はノクティスのみが操作でき、仲間はQTE式の命令のみ可能。武器も剣・大剣・槍の3種類のみ。ジャンプも撤廃されたため空中攻撃が無くなった。仲間のサブ武器も無し。
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シフトブレイクは残っている他、敵の特定の攻撃時にアイコンが表示され、終了するまでにボタンを押す事で反撃か回避となるQTE「パリィ・パリィカウンター」が導入された。
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戦闘前に敵へシフトブレイクして戦闘に突入する事もできる。
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戦闘から逃げる事は出来ない。このためか、極端に強い敵モンスターはあまり登場しない。
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経験値は原作同様メイン・サブクエストをクリアするごとに蓄積されていきゲーム進行と共にレベルアップする。APによるアビリティ解放も同じ。
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グラフィックは面影を残しながらもリメイク版『FFIII』や『FFIV』に近い質感となっており、キャラクターたちは人形劇のようなデフォルメとなっている。
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スマートフォンではタッチ操作だが、各種コンソール機では操作はタッチからコントローラーボタンへと変更。
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カップヌードルなど原作にあったコラボ要素は無くなっている。
評価点
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マップやイベントなどグラフィックの原作再現度は高い。
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公式でも比較動画が用意されているが、全体的なマップの作りやオブジェクトの配置などは原作と遜色がなく見栄えは非常に良い。
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シナリオもサブイベント以外は一通り収録されており、ボイスやBGMも原作からそのまま収録されている。
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戦闘は原作より簡略化されながらも、敵の数が適度に多く攻撃も忙しないためか、そこそこ白熱する。シフトブレイクの楽しさも味わえる。
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実績が多いなど、やり込み要素はそれなりに見られている。
賛否両論点
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デフォルメされたキャラクター。
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特徴を大きく残しながらもリアルタッチだった原作とは大きく異なったデフォルメデザインである。
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「これはこれで牧歌的でいい」という声もあるのだが、会話はフルボイスなのに表情が一切変わらず口パクもしないため違和感はある。
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一方、この関係で原作終盤のFFらしからぬホラー色の強さで賛否を呼んだ演出面が、原作と比べて幾分か緩和されている。
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バトル難易度の大幅な低下
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仲間がやられても、アイテム無しかつ無制限で復活が可能。
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メニュー画面からショップで回復アイテムを購入できるため、戦闘中にアイテムが無くなってもギルの許す限りすぐに買える。
問題点
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ストーリーはアップデート前の最初期のVer.準拠のため、原作におけるアップデートで補完された描写は収録されていない。
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このためストーリーは終始説明不足のままという一番評判が悪い時期のみしか味わえないという事となる。
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DLC、ロイヤルパックなどの拡張要素も一切無し。DLCのサイドストーリーも収録されていない。
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逆に原作のメインストーリー部分から削られた箇所は無い。
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一部会話が新録されてはいるが、流れを大きく変えるものではない。ただし、キャラの心情を深く描写したものであり原作ロイヤルエディションにも収録されていない本作限定の台詞となっているため一見の価値はある。
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オープンワールドでなくなり全編完全な一本道。
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敵の配置もマップごとに固定されており、ダンジョン探索といった要素はあまり見られない。収集要素も換金アイテムや料理の素材、サボテンダー程度となっている。
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上記の通り、実質イベント戦闘のみという事もあってかレベル上げができず、ポーションがぶ飲みによるゴリ押しプレイが原作以上に発生しやすい。
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写真や釣り、レガリア改造といった寄り道要素やミニゲームが無くなった。
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特に写真は本編の演出としても高く評価されているため無くなった事を残念がる声が多い。
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結果的に最後の最後で変な写真を選ばれてしまう危険性も無くなったわけだが…
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ボス戦でのQTEが多く、失敗しても特にペナルティが発生しない事も多いため、煩わしさの方が強い。
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ゲームスタート時やマップ切り替え時のロードが長い上に頻繁に入る。
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HD版は元がスマホ向けで操作が簡略化されたからとはいえ、方向キーを始め操作に使えそうなのに使わないボタンが見られている。
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セーブはキャンプ時やイベントクリア時などのオートセーブのみで手動セーブが出来ない。
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セーブファイルは複数用意されているが、プレイ中のデータを他のファイルにセーブする事は不可能。
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1度クリアしたチャプターでも再度選択した後はクリアするまで他のチャプターを選択することが出来なくなる。
総評
原作の記事を見れば解ると思われるが、FFXVはメインストーリーよりもサブイベントなどの寄り道要素が評価されているゲームであった。そのサブ部分を排除した本移植版はその本来の魅力を大きく損ねてしまったのである。
あくまで原作のストーリーや雰囲気を手っ取り早く知りたい人向けのダイジェスト版的な存在と言え、そういった人には原作よりプレイ時間がかからない本作は最適と言えるかもしれない。
ガッツリ楽しむつもりでいるなら、素直にPS/Xbox系かPCでの原作を購入した方がいいだろう。
余談
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前述の通り任天堂ハードでは『6』から24年ぶりのナンバリング作品となったが、本作発売の翌年の2019年よりSwitch向けにナンバリングシリーズのHDリマスター版が順次移植され、『7』『8』『9』『10&10-2』『12TZA』と一通り揃うことになった。
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さらに、2023年にはピクセルリマスターとして『1』『2』『3』『4』『5』『6』も配信。これにより、今ではSwitchにオンライン作品を除いたほとんどのFFナンバリングシリーズが揃うことになった。
最終更新:2024年07月01日 22:07