Ace Strike

【えーすすとらいく】

ジャンル フライトシューティング / アクション
対応機種 Nintendo Switch
メディア ダウンロード専売
発売・開発元 Pix Arts
発売日 2021年3月18日
定価(税込) 599円
プレイ人数 1人
セーブデータ 作成不可
レーティング IARC:12+
備考 日本語非対応
判定 クソゲー
ポイント アセットの流用どころか劣化
進行不能バグ付き


概要

2021年を皮切りにSwitch向けダウンロード専売ソフトを大量に配信し始めたデベロッパー、Pix Artsが発売した3Dフライトシューティング。戦闘ヘリコプターを操作して戦車、戦艦等を破壊してミッションを達成していくのが目的。

2019年よりMac/Xbox One向けに販売されている『Ace Strike Chopper』のSwitch向け移植作。


システム

  • 使用可能のヘリコプターは4種。
    • それぞれ飛行速度と耐久力、ミサイルの弾数が異なる。
    • リロード無制限の通常弾と、弾数制限のある追尾ミサイルが発射可能。
      • プレイヤー側にも敵側にも射程の制限がある。一定の範囲を越えると不発に終わる。
  • ステージ選択は無く、ゲームオーバーになるまで進行し続ける。一部の敵は回復アイテムを落とす。
    • コンティニューや残機のシステムも無し。
  • 各ステージごとのミッションをクリアすると次のステージへと進む。
    • クリアする度にスコアが表示され、星1~3で評価される。なお残りHPが評価基準の模様。
    • ステージをクリアする度にHPとミサイルが全快する。

問題点

  • 敵の狙いにくさ
    • 敵に近づかなければ照準が発生せず、ロックオンも出来ず攻撃は当たりにくい。
    • オブジェクトを攻撃しても照準は発生せず、見た目より当たり判定も狭い。
  • 2つの重大なバグ
    • ステージ5のミッションは2隻の戦艦の破壊。しかし、戦艦が山にめり込むバグが発生することがある。こうなると攻撃が当たらなくなる。
      • 戦艦はプレイヤーの方向へと進むのだが、周辺の地形にそのままめり込んで居なくなってしまう。戦艦が元居た場所へとヘリを動かす事で戻ってくる場合もあるが。
      • めり込んだ戦艦を対処できない場合は他の敵を倒すと3隻目の戦艦が出現するため、そちらを倒せば良い。
    • さらに追い討ちをかけるのがステージ6で確定で進行不能になるバグの存在。
      • ステージ6は撃破数が一定に達するとチェックポイントが出現する。2つのチェックポイントを通過するとクリアになるのだが、全ての戦車や拠点を破壊しきっても2つ目のチェックポイントが出現しない。このバグの回避方法は現在見つかっていない。
  • 大味なゲームバランス
    • 狙いにくさこそあるものの一度慣れてしまえばこっちのもの。
      • プレイヤー側の追尾ミサイルが非常に強力で、ヘリのほぼ真下にいる敵にも垂直に落下する様に追尾する。
    • 一方、敵も理不尽にこちらを削ってくる。
      • プレイヤーの数倍の射程を誇る青ミサイルが凶悪で、ステージ開始時から迂闊に近寄ると一気に削られる。
      • 敵を倒した際にその近くに新たな敵が出現する事があるが、位置によっては後方から不意打ちを食らう事になる。もちろん出現時の警告は一切無い。
    • これらの問題点が重なり、このゲームの戦闘を「狙いを定めて追尾ミサイルを撃っては射程外へ逃げる」を繰り返す単調なものへと変えてしまっている。
      • このゲーム性なのでミサイルの弾数が少ない機体を使うのは完全に縛りプレイの領域である。
  • レーダーの不便さ
    • 画面右上のレーダーには敵の位置が表示されるが、撃破目標とそれ以外の区別が付かない。
  • セーブにも非対応
    • ハイスコアは保存されず、ステージをいくらクリアしようとゲームを終了すれば振り出しから。ステージ選択ができない事や前述のバグも合わさり、ただただ虚無感だけが残ってしまう。
      • ただしPix Artsの作品は半数以上がセーブ非対応なのでいつものことではある。いつものことでは困るのだが…

賛否両論点

  • グラフィックの質
    • 価格を考えれば及第点だが、山地のグラフィックは衛星画像をそのまま落とし込んだのか、かなり歪んでしまっている。
  • 臨場感のあるBGM
    • 雰囲気には良く合っているが、戦闘中とタイトル画面の計2種しか収録されておらず音量も小さい。
    • 戦闘中のBGMはRoss Bugden氏によるフリー音源『Rapture』が使用されている。

評価点

  • ロードの短さ
    • 全編を通してロードはほぼ無いと言っていい程速く、快適に進行する。

総評

テストプレイすらまともに行われていない事がよく分かる完成度。
これでバグさえ無ければもう少しマシな内容となったはずだが、2022年現在もバグは修正されていない。Pix Artsの粗製濫造ぶりを良く表している一作といえる。


余談

アセットフリップ

  • 本作はゲームエンジンとしてUnityを活用している。しかし、ゲーム全編を通してUnity製のアセットの「Ace Strike」が流用されている。
    • 自機の移動速度の高速化等、手が加わっている箇所もいくつか見つかるが、ステージ選択機能やセーブ機能の撤廃は改悪と受けとられても仕方がない。
    • このアセットには全60ステージが含まれている。本作は前述のバグでその 1/10 しか遊べないことになる。
      • 本作とは全く関係の無い別のデベロッパーがiOS向けに過去に配信していた『Ace Strike』の容量は60ステージ入りで約650MB。一方、本作の容量は約140MB。Switchとスマートフォンでは一概に比較はできないが、Pix Arts版はそもそも収録ステージが不足しているのでは、という風にも思えてしまう。

その他

  • e-shopのスクリーンショットには進行不能バグで製品版ではプレイ出来ない7以降のステージが写り込んでいる。
    • One版のスクリーンショットをそのまま流用した事が原因と思われる。Mac/One版にバグがあるかは現状不明。
最終更新:2023年12月23日 14:16