この記事はVer.3.0.0を基準に執筆されています。
レッツプレイ!オインクゲームズ
【れっつぷれい おいんくげーむず】
ジャンル
|
テーブルゲーム
|

|
対応機種
|
Nintendo Switch
|
メディア
|
ダウンロード専売
|
発売・開発元
|
オインクゲームズ
|
発売日
|
2021年12月16日
|
定価
|
2,500円(税込)
|
プレイ人数
|
1~8人
|
レーティング
|
IARC:3+(3歳以上対象)
|
判定
|
良作
|
ポイント
|
アナログゲーム4作品をSwitchに移植 移植度・テンポは概ね良好 一部ゲームはオンライン向け 無料アップデートによりゲームも追加
|
概要
日本のタイニーボックスゲームメーカー、オインクゲームズが発売したアナログゲームをNintendo Switchに移植した作品。
収録ゲームは『海底探険』『エセ芸術家ニューヨークへ行く』『スタータップス』『月面探険』の4作品。
さらに無料アップデートにより、『この顔どの顔?』『藪の中』が追加収録された。
特徴(収録ゲーム)
-
下記の「プレイ人数」はCPUも含めた人数。『エセ芸術家ニューヨークへ行く』と『この顔どの顔?』以外はCPUを入れて人間1人でも遊ぶことができる。
『海底探険』(プレイ人数:2~6人)
-
サイコロを振って海底に沈んだ宝を潜水艦に持ち帰るボードゲーム。
-
奥に進むほど大きな宝が落ちているが、宝を拾うと拾った宝の数だけ、サイコロの目から数字が引かれて、遠くまで動きづらくなる。
-
また、宝を持っていると順番が回ってくる度に空気が減っていく。空気はプレイヤー全員で共有。
-
空気がゼロになるまでに帰ってこれないと、得点は得られない。
『エセ芸術家ニューヨークへ行く』(プレイ人数:3~8人)
-
お題に沿って、全員でひとつの絵を描いていくゲーム。
-
一筆ずつ交代で同じキャンバスに絵を描いていくのだが、一人だけお題を知らない「エセ芸術家」が混ざっている。
-
エセ芸術家の正体を見破ったら、芸術家側の勝利。ただし、お題がエセ芸術家にバレてしまった場合はエセ芸術家の勝利となる。
『スタータップス』(プレイ人数:3~4人)
-
同じ企業のカードを一番集めた人が、他の人からお金を巻き上げることができるカードゲーム。
-
企業は全部で6種類あり、順番が来たらカードを自分のものにするか、マーケットに流すかどちらかを選べる。
-
一つの企業のカードを一番多く持っていると「独占状態」となり、マーケットから独占状態の企業のカードを引けなくなる。
『月面探険』(プレイ人数:2~5人)
-
月面に散らばった物資を回収し、全員で基地に生還することを目指す協力ゲーム。
-
酸素を消費することによって、サイコロを振ってアクションポイントを決め、物資を回収していく。誰か一人でも酸素が無くなるとゲームオーバー。
-
プレイヤーは10種類ある「役割」の中から一つ選び、役割ごとに特別な能力を使うことができる。
『この顔どの顔?』(プレイ人数:3~8人)
-
黄色の楕円の土台に、黒と白のパーツを組み合わせて、お題に沿った表情を作っていくゲーム。オインクゲームズから発売されたアナログゲーム『がんめんマン』のルールを簡略化し名前を変えて収録したもの。
-
お題を見てお題通りの表情を作る出題者一人と、作成した表情からお題を当てる出題者に分かれてゲームをプレイする。
-
パーツの形状は単純ながらも、組み合わせや配置次第で様々な表情が作れる。
『藪の中』(プレイ人数:2~5人)
-
「容疑者」にあたる3枚のカードの中から「犯人」を推理するゲーム。芥川龍之介の同名短編小説がモチーフになっている。
-
人の形をしたカードには2~8の数字が書かれている。3枚の「容疑者」のうち一番大きい数字が「犯人」となるが、「容疑者」の中に5が含まれていた場合は一番小さい数字が「犯人」となる。
-
プレイヤーは「容疑者」のうち2枚、および「アリバイ」である容疑者以外のカードのうち2枚を確認できる。確認できる「アリバイ」はプレーヤーによって異なり、また前の人が推理した「容疑者」は確認することが出来ない。「被害者」にあたるカードは伏せカードであり、誰も見ることが出来ない。
-
確認できた情報を整理しつつ、順番に「犯人」と思う「容疑者」にチップを置いていく。間違った「容疑者」を推理してしまった場合、最後に間違った「容疑者」にチップを置いた人がペナルティとしてチップを受け取らなければならない。
-
誰かが受け取ったチップの枚数が5枚になるか、ラウンドが7回経過したら終了。最も受け取ったチップが少ないプレイヤーが勝利。
評価点
-
進行をゲーム側が自動で行ってくれる
-
コンピューターゲームに移植されたテーブルゲーム全般に言えることだが、ルールを間違える・順番を飛ばしてしまうなどのミスが起こらない。ルールを深く理解している人がいなくても安心して遊ぶことができる。
-
演出が簡素でテンポが良い
-
無駄な演出が一切加えられていないので、テンポ良く遊ぶことができる。
-
価格が原作を購入するよりお得
-
収録ゲームを現物で購入する場合、定価は各2,420円(税込)。それに対して本作の定価は、それらが4つ収録されて2,500円(税込)なので、Nintendo Switchを所持しているなら、本作を購入した方が断然お得。
-
2022年3月以降は無料アップデートによりゲームが追加されていっているため、よりお得になった。
-
コントローラーが足りなくても複数人プレイ可能
-
ローカルマルチプレイをする際に、コントローラーが人数分なくても、一つのコントローラーで全員の操作を行うことができる。
-
もちろん、遊ぶ際にはコントローラーを一々受け渡す必要はあるが、地味にありがたい点。
問題点
-
『スタータップス』『藪の中』は対人戦をするにはオンライン・ローカル通信プレイを使わないと遊べない
-
これらのゲームのみシステム上「1つのSwitchとソフトを使ってみんなで遊ぶ」ということができない。
-
ただし、CPUとの対戦機能がついているため、本来なら3人以上の人数が必要なところを1人で遊ぶことができるという利点は一応ある。
-
このゲームを対人で遊びたい場合は、原作版を購入することも視野に入れる必要があるだろう。
-
『エセ芸術家ニューヨークへ行く』『この顔どの顔?』の対人戦では通信プレイを使わない場合、少々手間がかかる。
-
これらのゲームをオフラインでプレイする場合はお題が表示される際に、特定のプレイヤー以外が目をつぶらなくてはならない。
-
よってこれらのゲームもオンライン・ローカル通信プレイが推奨される。
総評
オンライン・ローカル通信プレイが前提のゲームも収録してしまっているのはやや賛否が分かれるところだが、Switchへ移植したことによるメリットは確かに存在する。
原作となるアナログゲームの元々の出来が良いこともあり十分お買い得な作品と言える。
また、オンライン通信で離れた人とプレイすることを前提にするなら、それだけでも本作の購入価値は十分存在する。
総合すると、気になる部分が皆無というわけではないが、原作本来の面白さをなるべく損なわずにゲーム機に移植できた良移植と言えるだろう。
余談
-
オフラインで本作を複数人プレイする際にプレイヤーはゲストとして参加するのだが、そのアイコンとデフォルトネームの中に同社が発売した『タケシとヒロシ』のキャラクターが入っている。
その後の展開
-
2022年7月7日にSteam版が発売。
-
Switch版とのオンラインクロスプレイにも対応している。
-
2022年12月1日にiOS/Android版がリリース予定。
-
『海底探検』のみ無料で、その他のゲームを遊ぶには別途課金が必要な模様。
-
2022年12月1日にSwitchパッケージ版が発売予定。
最終更新:2022年11月28日 09:34