カードキャプターさくら さくらカードdeミニゲーム

【かーどきゃぷたーさくら さくらかーどでみにげーむ】

ジャンル ミニゲーム集
対応機種 ゲームボーイアドバンス
発売元 TDK
開発元 アフェクト
発売日 2003年12月12日
定価 5,240円(税抜)
レーティング CERO:全年齢対象
判定 なし
ポイント キャラゲーとしては破綻はしていない
ボリュームと説明の不足が目立つ
使い道皆無のお絵描き機能つき
アニメコミックの代用品にはなる
カードキャプターさくらシリーズ


概要

なかよしで連載されていたCLAMPの漫画を原作としたNHKアニメ『カードキャプターさくら』のさくらカード編をモチーフにしたミニゲーム集。

特徴

  • さくらカードのエピソード24話を元にしたミニゲーム21種*1が収録されている。
  • ゲームの前にアニメのスクリーンショットを使った物語の説明が入り、それを見てミニゲームをする。
  • ミニゲームで高得点をとるとミニゲーム前の話をギャラリーでいつでも見られるようになる。
  • 本作での話数はクロウカード編を除いた話数になっている。以下、エピソードは話数で示すが、クロウカード編は話数に含まないものとする。

評価点

  • テレビアニメのさくらカード編のエピソードが簡略的ではあるものの理解が出来る。ミニゲーム後の話はないのはやや残念ではあるが…
    • さくらカード編はアニメコミック化がされていないので、アニメコミックの代用品としても十分に機能する。
  • ゲーム中のキャラクターのグラフィックが可愛く出来ており、2頭身程度にデフォルメ化された姿でも魅力を感じることができる。
  • エンディングには名曲として名高い『プラチナ』が使われている。

問題点

  • ミニゲームごとの操作説明がない。
    • ミニゲームごとに操作方法が大きく異なるにもかからわず、事前の解説が一切ない。
    • 一応、大半のミニゲームが手探りでも操作方法がわかるようにはなっているが、小さな子供には理解が難しいかもしれない。かなり操作方法がわかりにくい場面もある。以下がその例。
      • 第7話ははさくらを操作して自転車を追いかけるのだが、左右に向きを変えるのは十字ボタンでするのに前進は「Aボタンをタイミングよく押す」。
      • 第18話はゲームは「十字ボタンを連打してゲージを貯め、タイミングよくボタンを押す」のだが、説明が「魔法を貯めて雪崩を止めよう」というだけで、魔法の貯め方の説明が皆無。
  • エピソードとミニゲームが到底あっていない場面もある。
    • 第12話は泡でケルベロスを洗うのだが、なぜかケルベロスが逃げ回る。アニメではそれを嫌がるシーンはない。
    • 第15話は「鏡」のカードと対峙するシーンはないのにもかかわらず、間違い探し。しかも鏡写しにはなっていない。
    • 極めつきは第23話。さくらカードの最終ボスといっても過言ではないのに対決手段が『リバーシ』。
      • 元々「悪人のいない世界」をコンセプトにしているとはいえ、対決方法がいくらなんでも地味すぎる。
  • 一部、ギャラリー開放が無駄に難しいエピソードがある。
    • 特に前述した第18話は解放条件が「10秒未満でクリア」。普通にしていたら魔法を貯めるだけで10秒かかる。カーソルを止めようにもたまってすぐはカーソルの揺れがかなり早く、目押しはほぼ絶望的。
      • 一応、「デタラメに押す」を何度も繰り返した場合でもそのうち達成できるが。
    • 他にも第8話は「花」のカードが落とす撫子を拾い集めるというゲームなのだが、なぜかヘッドスライディングが出来ない*2上、さくらの足が原作やアニメの運動神経からは考えられないほど遅くなっている。代わりにジャンプができるようにはなっているが。
  • ボリュームは到底足りてはいない。
    • 上記の難しい点はあるが、ギャラリーを完全コンプリートしても3時間はかからない。
  • シリアスなシーンでもBGMが軽めになっており、この時は何とも言えない気分になる。
  • ギャラリーは「ミニゲーム前のエピソードを好きなだけ見られる」というだけでいまいち達成感がない。
  • ケースに「簡単お絵かき機能」とあるが、対応ハードと相性が悪すぎてまるっきり「簡単」ではなく、 実用性は皆無で容量の無駄遣い 。テストプレイはしたのだろうか?
    • カーソルを十字ボタンで動かして描くのだが、塗り絵などにはなっておらず、完全にまっさらな紙に一から書いていくだけ。スタンプなどもなく「カードキャプターさくら」でやる意味が皆無。
      • そもそもだれがどんな理由でこの機能を付けようと思ったのだろうか?「値段の割にボリュームがない」とみなされるからかもしれないが、それなら値下げしてよかっただろうし、他にも「サウンドテスト」「アニメや原作では使われなかったさくらカードを使うオリジナルエピソード」「劇場版第2弾を元にしたミニゲーム」など、他にも入れようはあっただろう。
      • また、最終話で「名前のないカード」が登場する。この伏線は劇場版第2弾で回収されるが、それがないため不完全消化になっている。

総評

キャラゲーとして破綻はしていないものの、ボリュームの面から楽しめる人はかなり限られてしまうだろう。

「本作発売時にはすでにテレビアニメの放送と漫画の連載は終了しており、その後も相当な人気を保っている*3ため、発売を延期*4しても大して問題はなかっただろう。もう少し時間をかけられなかったのだろうか?」という疑問が残る。

前述の通り物語の解説しっかりしているので「アニメコミックの電子書籍」としては十分に機能するが、『カードキャプターさくら』に縁や興味のない人は他のミニゲーム集を購入する方がいいだろう。

余談

  • 上記にあげた『劇場版カードキャプターさくら』は2作品ともアニメコミックだけではなくレンタルビデオにもなっておらず、現在は正規の手段で見る方法は「リバイバル上映の映画館に行く」か「個人でDVDを購入」くらいになっている。
    • 一応、後に小説版にはなったが、クロウカード編とさくらカード編からそれぞれアニメの10話分だけ。相変わらず劇場版はない。
      • 劇場版第2弾をすっ飛ばしてクリアカード編になる為「名前のないカード」の伏線は回収されないという問題点もそのままである。
      • そもそもクロウカード編とさくらカード編それぞれ上下2巻ずつだけというのもかなり無理があったと思われる。
  • 一部の店舗で予約特典としてフィギュアがついていた。
  • 本作発売から4カ月ほどたった頃に『カードキャプターさくら<さくらカード編> ~さくらとカードとおともだち~』、1年ほど後にPS2『カードキャプターさくら さくらちゃんとあそぼ!』が発売された。『カードキャプターさくら』のコンシューマゲームはこの『カードキャプターさくら さくらちゃんとあそぼ!』以降は発売されていない。
    • 2008年にニンテンドーDSで発売されたなかよし55周年記念*5ソフト『なかよしオールスターズ めざせ学園アイドル』ではさくらと小狼が登場している。
    • 近年はソーシャルゲームとして『さくらと不思議なカード』(2012年 アリカ)、『ハピネスメモリーズ』(2019年 ブシロード)、『リペイントレコード*6』(2020年 ビクターエンタテインメント)の3作品が配信されているがいずれも短期間の配信で終了している。
      • また『グランブルーファンタジー』『ぷよぷよクエスト』等のソーシャルゲームでのコラボはされている。
最終更新:2024年04月01日 08:01

*1 カードを使用する描写がない話が3話ある。

*2 同じような操作方法の第5話はできる。

*3 クリアカードの連載前からでもグッズ展開があった。

*4 次世代機のDSで発売しても売り上げが落ちるリスクはなかっただろうし、これなら「お絵かき機能」もある程度は実用的になっていたと思われる。

*5 1954刊行で現在も刊行されている漫画雑誌の中では最も歴史が長い。「りぼん」は1955年、「少年サンデー」は1959年刊行、「少年ジャンプ」は1968年、「ちゃお」「コロコロコミック」は1977年刊行。

*6 もっとも、これは様々な意味で酷評だった。