【ぱわーずきんぐだむ】
ジャンル | シミュレーションRPG | ![]() |
対応機種 | 3DO Interactive Multiplayer | |
発売元 | パナソニック | |
開発元 | マイクロキャビン | |
発売日 | 1994年6月1日 | |
定価 | 9,680円 | |
プレイ人数 | 1人 | |
判定 | 良作 | |
ポイント |
3DO発・全年齢向けシミュレーションRPG 戦争要素の薄い、剣と魔法の世界が舞台 初見でも試行錯誤しやすい育成 自由度の高いジョブシステム SRPG初心者でも気軽に遊べる一作 |
映像美の模索がメインだった3DOでは珍しい、本格的ゲーム性が追求されたSRPG。
発売元は3DO本体を送り出したパナソニック。開発元は『Xak』をはじめとしたRPGの開発実績があるマイクロキャビン。
本作はゲーム機としての3DOがアピールされた数少ない作品となっており、従来通りのゲームらしいゲームを求めた多くのプレイヤーから支持を得た。
何処の世界。何れの時代。
その世界は豊かな光に満ち、緑が、様々な生命が、大地をうめつくした美しい場所であった。しかし・・・。
そこに"闇"が出現した。
世界を覆い尽くす程の巨大な闇の力。
名を"魔王アズラエル"という。地は割れ、植物は怪奇な姿に形を変え、生命は力を失っていった。
闇がその世界の生命力を奪い、世界を変えていったのだ。
少しずつ、しかし確実に、光は闇に姿を変え、世界は滅亡の時を迎えていた。
そして、闇は数多の怪物を生み出していった。
この世界を統べる女神エラルドが事態に気付いたとき、すべては手遅れとなっていたのである。しかし、女神は全ての力を振り絞り、世界を覆う闇に楔を打ち込もうとしていた。
その力こそ、女神の勇気、愛、希望の光・・・。そして、運命のその世界の名は
"パワーズキングダム"
(オープニングより。一部句読点を追加)
本作はマイナーゆえに解析情報もほとんど存在しないため、ステータスに関する情報などはゲーム内で検証できる範囲で記す。
(攻略本は他作品と抱き合わせのものが発売されているが、プレミアが付いていて入手困難)
「ゲームより映像美に特化した家電」という3DOのイメージを覆す、丁寧なゲーム性が凝縮された一作。
SRPGというと難しい戦略性を不安視する人もいるかもしれないが、今作はファミリー向けを意識した作りとなっており、初心者でも問題無く触ることができる。
広く浸透したJRPGのノウハウを採用したおかげで取っ付きやすく、育成周りは取り返しが付くため潰しが利きやすい。それでも終盤は歯ごたえのある展開が待っており、あらゆるプレイスタイルで柔軟に楽しめる。
手に取ったユーザーの評価は総じて高く、「3DOで一番楽しめたソフト」と評する声は少なくない。他機種にも移植されていないため、3DOを遊び尽くすなら是非とも手に取っておきたい一作である。