GULKAVE

【がるけーぶ】

ジャンル シューティング
対応機種 SG-1000/SC-3000
MSX
メディア マイカード(SG/SC)
ROMカートリッジ(MSX)
発売元 セガ・エンタープライゼス(SG/SC)
ポニーキャニオン(MSX)
開発元 コンパイル
発売日 1986年
定価 4,800円(税別)
プレイ人数 1~2人
判定 なし
配信 プロジェクトEGG:
【MSX】2020年6月9日/500円
【Switch(MSX版の移植)】2025年3月20日/880円(税10%込)
コンパイルSTGシリーズ


概要

コンパイル開発*1のゲームでは珍しい、横スクロールシューティング。
プレイヤーは高性能戦闘機ザイガーを操り、ガルバスの8大要塞を破壊するのが目的。
コンパイルのシューティングゲーム「BUDRUGA」シリーズのエピソードIVに該当する。ちなみに前3作は『ファイナルジャスティス』『ガーディック』『ブラスターバーン』。


システム

  • 残機制+耐久力制の横スクロールシューティング。ザイガーにはバリアゲージが設定されており、これが0になった状態で攻撃を受けるとミスとなる。
  • 敵をショットで20機倒す*2ごとにパーボというコンテナが出現し、破壊するとパワーチップが出現。
    • 取得するとパワーチップに描かれている数字の分だけ画面下のFIREゲージが動き、ショットがFIREゲージに対応したものに変化する*3。ゲージが進むほどパワーアップする訳ではなくパワーダウンもあるので、強力な武器を持っているときはスルーするのも戦略となる。
    • また、パワーチップを取ることで消耗したバリアゲージを少しだけ回復させることができる。
    • なお、パワーチップが出てくる順番は完全にパターン化されている。
  • 敵や敵弾に被弾した直後やパワーチップを取った直後は一瞬だけ無敵状態となる。
  • 4ステージ毎にボスキャラとして要塞が出現して、全ての砲台を破壊することでステージクリアとなる。

評価点

  • 圧倒的なボリューム
    • 自機のショットのバリエーションは比較的豊富。
    • 全30ステージというボリュームは当時の観点から見ても圧倒的で、プレイバリューは間違いなく高い。
      • ただ、これが後述の問題点にもかかわってくるのだが...
  • グラフィックの完成度は高い。
    • ステージ数の多さも相まってか、敵のバリエーションも当時としては非常に豊富。
    • 背景バリエーションは少ないながらも、ハードウェアスクロール機能を持たないハードでドット単位の多重スクロールをやっているのも地味にすごい。
  • BGMの評価も高い。

問題点

  • 難易度が非常に高い。
    • 個々の敵自体は単独ではそこまで厄介ではないものの、混成攻撃が非常に陰険なケースが序盤から目白押しのためハードルは高め。
    • 多数の弾幕を張ってくる敵やこちらのショットを遮る敵や敵弾など曲者も多いため、武器選択を間違えるとあっという間に追い込まれる。
    • 耐久力制ではあるものの、バリアゲージの回復がパワーチップの取得しかないうえに*4回復量も少なく、しかも武器の変更とバーターになるため、パワーチップを取るタイミングが悪いと逆にさらなる窮地に陥りやすい。
  • 展開が冗長な点
    • ステージ数の多さゆえにプレイ時間も相応に長いためだれる局面も多い。
    • また、コンパイル製シューティングにありがちな敵が襲ってこない間が頻繁にあるため、ステージ数の多さもあって余計に冗長さが目につきやすい。

総評

SG/SC末期の発売だけあってプログラムレベルも高くシューティングとしての完成度は高いが、高すぎる難易度がネック。
もう少し難易度を緩和してとっつきやすくすれば化けた可能性もあるだけに惜しい作品である。
とはいえ上述の通りゲームとしての完成度は高いので、高難度のシューティングをじっくり腰を据えて攻略したいシューターには十分お勧めできる。

余談

  • MSXに移植された際には、SG/SC版からステージ数がさらに2増えている。
    • また、本作はMSXで発売されていたディスクマガジンのシリーズである『ディスクステーション』のVol.9に収録されている。
    • 実はSG版にもデータは入っているが何故かカットされていてステージ3がステージ1としてスタートする。
  • 本作では当時のコンパイルのマスコットキャラであるランダーを出現させる裏技も存在する。
  • 本作には通常の手段では読むことのできない領域に開発者からの隠しメッセージが仕込まれている*5。その内容は不正コピーに対する怒りである。
  • SG版は当初はソフトの書き換えが可能である「EPマイカード」の書き換え専用ゲームとして開発されたが、EPマイカード自体が発売されなかったため通常のソフトとして発売された。
最終更新:2025年03月21日 16:41

*1 タイトル画面にコンパイルの表記は無いが。1UP音がコンパイル・ファンファーレなのでコンパイル製であることが容易に判別できた。

*2 体当たりで撃破した敵はカウントされない

*3 CマークのパワーチップはFIREゲージが動かない代わりに画面上の敵を全滅させる効果がある。

*4 ステージクリアでも回復しない。

*5 2014年に海外のあるユーザーがMSX版のROMの内容を解析した時にこのメッセージが見つかった。本作のゲームデザイン/プログラマである藤島聡氏(現:フューパック代表取締役)が仕込んだもので、メッセージ内の署名にある「PAC」は藤島氏のハンドルネーム。