Shift DX
【しふとでらっくす】
ジャンル
|
アクションパズル
|
|
対応機種
|
ニンテンドー3DS
|
メディア
|
ダウンロード専売
|
発売元
|
賈船
|
開発元
|
Fishing Cuctos
|
発売日
|
2016年7月27日
|
定価
|
500円(税込)
|
プレイ人数
|
1人
|
セーブデータ
|
1個
|
レーティング
|
CERO:A(全年齢対象)
|
判定
|
良作
|
ポイント
|
収録されている問題数が多い
|
概要
Antony Lavelles作のFlashゲーム「SHIFT」を原作とするアクションパズルゲーム。
白と黒で構成される、謎の研究機関に捕らえられた女性(以降No.42)を操作。
視点固定の2Dアクションの要領で、研究機関からの脱出を目指す。
ゲームのルール
-
基本
-
250からなるRoom(ステージ)につき、棒人間のような女性(No.42)を操作し、それぞれゴール地点の「扉」を目指す。
-
スライドパッドで左右に移動、AボタンあるいはBボタンでジャンプ。
-
No.42の色が黒の場合は、黒く表示されているマスが床・壁・障害物として機能し、白いマス中を移動できる。No.42の体の色が白の場合は、逆のことが起こる。
-
なお扉とNo.42の体の角度が一致していないときはゴールできない(ひっくり返っていたり90度横に傾いている扉は開けない)。また空中に浮いている扉も開けない。
-
ゲームのスケールと移動手段
-
各Roomは12×12マスの広さ。No.42およびゴール地点の扉は1×1マスにおさまるサイズであり、ジャンプは1マス分までの段差なら昇れて、ジャンプから着地まで横に2マス分跳び越すことが出来る程度。
-
No.42がいくら高いところから落ちても失敗とはならないが、床や壁から生えるトゲに触れると即ミス。
-
LボタンあるいはRボタンで「シフト」。
-
シフトすると、No.42はそのときに立っている足場にもぐりこみつつ背景も180度反転。No.42の体色(白黒)も入れ替わる。
-
いままで壁・足場などだったマスが背景となり、逆に背景だった範囲が壁・足場になる。
-
空中では使用不可能。
-
2マス以上の高い段差は、シフトで部屋をひっくり返して「落ちる」ようにして登るのが基本スタイルとなる。
-
矢印型のマーク
-
No.42が触れるとRoomを回転させ、重力がかかる向きが変化する。必ず触れた矢印が真下を向くような向きに部屋が回転する。
-
このときNo.42の色は変化しない。また矢印型のマークは触れても消滅しない。
-
アイコン型のアイテム
-
電球あるいは鍵のアイコンのようなアイテムが設置されていることがあり、これらに触れるとなんらかの効果を発揮した後に消滅する。
-
電球型のアイコンはチェック柄のブロックと連動しており、アイコンにふれることで、該当のブロックが黒一色あるいは白一色に変化する。
-
場合によっては、逆にチェック柄のブロックが何も無いところから発生することもある。
-
鍵型のアイコンは錠穴のマークが書かれたブロックとセットとなっており、触れることで鍵穴ブロックが左端を軸に180度時計回りするように移動し、道をふさがなくなったり先に進むめるための階段になったりする。
-
なおチェック柄のブロックと鍵穴ブロックは、障害物や壁としてしか機能せずいずれのブロック上でのシフトは不可。
各種モード
-
ストーリーモード
-
各Roomを1から250まで順に攻略していくモード。Roomをクリアするたびに自動でセーブされていく。
-
No.42と彼女を監禁する研究者のやりとりと思われるフレーバーテキストが、ステージの背景に表示されたりはする。
-
このモードでは1周目攻略時に限り、チェックポイントをプレイヤー側の操作で、一箇所設けることができる(2周目以降は不可)。
-
一度設定したチェックポイントに対して、いつでもワープ可能となるが、チェックポイントの位置を変更したい場合は、最初からやり直す必要がある。
-
またチェックポイントを設定した「タイミング」も考慮されており、チェックポイント後のタイミングに手に入れたアイテムは、リセット時になかったことになる。
-
約50room分をクリアするごとに、短いイベントスチルが挟まれる。
-
チャレンジモード
-
ストーリーモードでクリアしたことのあるRoomに再挑戦し、ジャンプとシフトの数を最小限にしてクリアを目指すモード。
-
ここでは、チェックポイントを設けることは出来ない。
-
レベルエディター
-
サンドボックスのように、プレイヤーが好きに、スタート地点、ブロックや鍵、トゲ、ゴールの扉を配置できるモード。矢印型のアイコンはこのモードでは使用不可能。
-
全12ステージ作れる。
+
|
詳細なルール
|
-
錠穴ブロックとチェック柄ブロックは単独で設置しても良いが、鍵アイコンと電球アイコンを設置する場合は、対となる鍵穴ブロックやチェック柄ブロックを用意し、アイコンと連動するようにしておく必要がある。
-
それぞれのブロックおよびアイコンは「Link値」を1~5のいずれかに設定できる。たとえばLink2と設定された電球アイコンを取得すると、同じくLink2に設定されたチェック柄ブロックのみ無地のブロックに変化する。さらにこの後別のLink2の電球アイコンをとると、さっきのブロックがまたチェック柄ブロックにもどる。
-
なお鍵穴ブロックは、サイズが1×1~5マスに変更することができ、置く向きも90度ずつ回転させることが可能。
|
評価点
-
ボリューム
-
パズル問題集として見れば、コスパには優れている部類。500円に対して250問を収録しているのは評価できる。
-
1問1問の難易度こそまちまちだが、場合によっては数時間以上悩むほどつくりこまれている問題もちらほら存在する。
-
アクションやパズルとしての適度な手ごたえ
-
独特なシステムである「シフト」を含め、Roomがめまぐるしく回転することで、Roomは見た目以上に広く感じられる。また12×12マスで表示されるRoomのひとつひとつは、広すぎず狭すぎず絶妙なバランス。3DSの画面内に、Roomの地形情報が無理に押し込められて見づらいといったことも無い。
-
解法がワンパターンに成らず、アクション重視のステージや、頭脳重視のステージも存在する。
-
空中でめまぐるしくNo.42の軌道を調節して、トゲに触れないようにさせるRoomがあったり、照明や鍵のアイコンがどの足場の変化に貢献するのかを覚えて、あえて取ってはいけないアイコンはどれなのか把握した上で先に進めなくてはならないRoomがあったりもする。
-
リスタート地点を用意するシステム
-
プレイヤー側の都合で、各Roomにつき一箇所だけリスタート地点を設けることができ、攻略の幅を広げることに成功している。
-
ゲーム側が要求する難しいアクションを、ひととおりやりこなした上で一息つきたい場合や、取るべきアイテムの取捨選択がうまくいった状態をキープしたいときなど使える幅は広い。
-
やりこみにも対応
-
250のルームそれぞれに対して、ジャンプ回数・シフト回数を少なくクリアするにはどうしたらいいか挑戦できるモードがある。ノルマを満たせなかったところでペナルティもないので、各自プレイヤーのペースでやりこめる。
-
ストーリーモードで挑戦したRoomの挙動を完全再現までにはいかないが、ステージエディットモードもなかなか本格的に作られている。
問題点
-
ゲームの進捗を知らせる情報がない
-
全250ステージではあるが、これはクリアしてみないことにはわからない情報である。
-
今どの程度ゲームが進捗しているのか、クリアまであと何ステージ残っているのかといった情報がわからない。
-
若干殺風景なゲームデザイン
-
オープニング時のピアノによるジャジーなBGMはあるが、本編中はBGMが2種類のみ。アップテンポのものと静かなタイプのものをRoomごとに交互に繰り返すだけ。
-
No.42が閉所に閉じ込められて何かしらの実験に巻き込まれているような雰囲気は推察できるのだが、フレーバーテキストの情報量が少なく何が起きているのかわからない。ストーリーモードを全クリした時のエンディングもかなりあっさりしている。
-
ゲームの色合いをデフォルトの「白と黒」から、別の色の組み合わせにチェンジできはするが、殺風景な雰囲気を払拭するには至っていない。
-
ジャンプに求められる操作がいささか緻密すぎる
-
No.42のすぐ頭上に障害物があるにもかかわらず、ジャンプして段差や穴を飛び越えなくてはならないケースが多い。
-
こういうときにジャンプすると、すぐに頭上の障害物にNo.42がぶつかるため飛距離を出しにくく、ジャンプのタイミング管理がシビアとなる。
総評
ルールは一般的な2Dのアクションとのようにシンプルな部類ではあるが、シフトによって、3DS画面に収まる部屋を縦横無尽に動き回る独特な操作性をもつ。
価格に対して問題収録数が多く、手数制限やステージエディットといったやりこみにも対応している。
最終更新:2022年07月25日 20:08