役満
【やくまん】
ジャンル
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テーブル(麻雀)
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対応機種
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ゲームボーイ
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発売元
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任天堂
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開発元
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インテリジェントシステムズ
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発売日
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1989年4月21日
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定価
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2,600円
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書換
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ニンテンドウパワー 2000年3月1日/800円 F×1・B×0
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プレイ人数
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1~2人
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判定
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なし
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ポイント
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実質的にゲームボーイ版無印麻雀 初の対戦可能な麻雀ゲーム
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役満シリーズ 無印 / 天国 / アドバンス / DS (Wi-Fi) / Wii / 鳳凰
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概要
1989年4月21日に任天堂が発売した麻雀のゲームで、ハードであるゲームボーイのローンチタイトルの1つ。
同じくローンチの『ベースボール』や準ローンチ(5月発売)の『テニス』のように無印なタイトルではないがゲームボーイのローンチらしく基本形なベーシックタイプの麻雀ゲーム。
テレビに繋いで画面1つで遊ぶファミコンなどの据置の麻雀ゲームではできなかった対戦プレーが可能になっている。
内容
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最初にルールを決める。下記の通りで適用する場合は〇、禁止するならば×。他にBGMの有無も同時に決める。デフォルトはフリテンリーチのみ×で、それ以外は〇。
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喰断後付
喰ってのタンヤオ・役の後付け和了りに加え、片和了りを認めるかどうか。一般に言う「アリアリ・ナシナシ」の選択のことで、×ならいずれも不可能。
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フリテンリーチ
フリテン状態でもリーチをかけることができるかどうか。
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ノーテン親流
親がノーテンならば親の権利が相手側に流れるかどうか。×にすると子が和了るまで親が流れない。
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南入
東場が終わってから南場に入るかどうか。×にすると東場のみになる。
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ツモ・ピンフ
ツモ和了り時の平和の複合(いわゆるピンヅモ、ツモピン)を認めるかどうか。〇なら平和・ツモで2飜20符、×にするとツモのみ1飜30符。
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ファミコン版無印タイトルの『麻雀』にあったヤクナシやノーテンリーチ、ノーテン和了、フリテンといったチョンボは「ツモ」「ロン」「リーチ」を選んだ時点で受け付けないので発生しない。
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おおまかなルール。
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持ち点はお互いに30000点からスタート。ハコテンによるトビはなく0点未満はマイナスで計算される。
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上記に伴って持ち点が1000点を切っていてもリーチはできる。
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役満の複合があっても1つ分の得点(親48000点/子32000点)。ただし役名は対象の分だけ並べて表示される。
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「オーラスでの親和了り止め」は採用されていない。
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焼き鳥関連の罰はない。
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無印『麻雀』ではドラは当該牌だったが、ちゃんと時代に合わせて次位牌ルールが適用されている。
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1人プレイの場合、対戦相手をCPUプレイヤーを5人(下記)の中から選んで開始。
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キマジメタロウ
基本的にはリーチ主体だが時としてチーやポンなど喰いもし不利な状況では降りるなど守りにも精通した正攻法の麻雀をする。カーソルの初期位置になっているので弱そうに思えるが実は役満和了頻度では後述の「センニン」に次ぐ上に、際立ったクセがなく攻守のバランスが良い正攻法というだけ(他はみな固有のクセがある)なので決して「最弱のザコ」などではない。
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ヤミノハンゾウ
常に鳴きを使わずリーチもかけないので手配の動向が読みにくく降りやすいので守りに強い一方、役の組立ては自力のツモのみなので和了が遅く小さい役が多くなるので攻めに弱い…はずなのだが何故かテンパイを滅多に外さないし一度和了れば連荘しまくる。イカサマ濃厚
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リーヅモヒメコ
テンパイしたら必ずリーチをかけてくるため鳴きは使わない。必ずリーチをかけてくる以上満貫などそれなりの大役を取ってくるが、裏を返せば降りないのでこちらも大役を狙いやすい。
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ナキノジョー
鳴きを多用してスピードで勝負してくるためテンパイ率が高い。反面、手牌が見えやすいので、こちらとしても的を絞りやすい。
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ヤクマンセンニン
説明書に「彼の和了は必ず役満」とあり基本的に役満ばかりを狙ってくるには違いないが実は必ず役満とは限らない。もちろん和了られると高確率で役満なのでまず大きな痛手を受けるが、根本的に役満のいずれか狙いに加えて鳴きの頻度は「ジョー」に次いで高く、捨て牌からも何を狙っているのか絞りやすいので逃げの目安はある程度つけられる。
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半荘が終わると、自身とそれぞれの相手のスコアが累計で記録される。
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もちろんバックアップはないため電源を切ると消える。
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特にクリアという概念はない。『役満』というタイトルはあるが無印タイトルのようなゲーム性。
評価点
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しっかりと中身の構築された麻雀。また対戦相手のロジックパターンも豊富。
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ファミコン版の無印『麻雀』はCPUのロジックが構築されておらず、ほとんど運だけの勝負になっていたがその点は解消されている。
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CPU5人はそれぞれ個性を持っている。
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ケーブルにより対戦ができる。
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ファミコンなどの据え置き型ゲームでは不可能な「お互いの画面が見えない」という利点を早速活かしている。
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ルールの細かい設定が可能。
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ゲームボーイのローンチでもあり無印なタイトルでこそないものの『ベースボール』や『テニス』といったベーシックスタイルのゲームだけに、ただ麻雀ができる、ファミコンではできなかった対戦麻雀ができるだけでも充分だが、細かいルールまである程度の変更ができるのはプレイヤーの好みに対応できている。
問題点
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複合役満が無効。
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それ自体滅多に起きるものではないので、せめてダブルだけでも複合を採用しても良かっただろう。
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ただし現実の麻雀でも地域ルールなどで複合役満はカウントしない場合もある。
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ゲームクリアなどの最終目標が無い。
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エンディングが無いのはもちろん、ハイスコアの記録などもなく、純粋に麻雀をプレイするだけ。
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セーブ機能がないのは仕方ないとしても、何かしらの達成感のある目標が欲しかったところ。
総評
携帯ゲームの始祖的存在ゲームボーイのローンチだけあって、特にエンディングなどもなく得点を突き詰めていくだけというシンプルな構成。
特筆した点こそ少ないが様々な相手のロジックがあったり、限られた中でありながら細かい設定ができたりと当時のファミコンの麻雀ゲームと並べても及第点な水準は満たせている。
ファミコンをはじめ据置ハードではできなかった対戦もできるなど目の付け所も良い。
その後の展開
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1991年6月28日、任天堂からファミコンソフトとして『新4人打ち麻雀 役満天国』が発売。
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本作と同時にファミコンの『4人打ち麻雀』双方の名前を受け継いだ続編という位置付けになっているが、開発元はどちらとも違う。
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2005年3月31日に発売された『役満DS』(ニンテンドーDS)は本作と同じインテリジェントシステムズが開発に携わっている。
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この作品ではマリオシリーズのキャラがプレイヤーキャラとして登場している。
余談
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本作のタイトル『役満』のルーツは単に麻雀の最高役というだけでなく、任天堂が販売していた麻雀牌セットの名前にある。
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任天堂が1983年2月に発売した電子麻雀ゲーム『コンピュータマージャン役満』にもそれは引き継がれている。
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ゲームウオッチシリーズではないが、その技術を用いて作られている。
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そう考えるとファミコン時代の無印の『麻雀』こそ、ある意味異例と言えるかもしれない。
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2013年より、『役満 鳳凰』として新製品も発売されている。
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1993年3月19日に同じゲームボーイで『ダブル役満』というまるで本作の続編のようなタイトルの麻雀ゲームが発売されているが、こちらはバップによる発売なので特に関連はない。
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パッケージやカートリッジのイラストに描かれている人物は『大乱闘スマッシュブラザーズX』でシール化されたが、「役満の人」というひねりがない名前だった。
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初期パッケージ及び任天堂ホームページでの役満仙人のイラストはよく見ると多牌している。
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ホームページのイラストは更新停止しているからか修正されていないが、後期パッケージ及びスマブラのスピリットではちゃんと修正されている。
最終更新:2024年02月12日 15:05