ティンバーマン:ザ・ビッグ・アドベンチャー
【てぃんばーまん ざ びっぐ あどべんちゃー】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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Nintendo Switch
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メディア
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ダウンロード専売
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発売元
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Forever Entertainment
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開発元
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Digital Melody
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配信開始日
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2022年8月18日
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定価
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499円(税込)
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プレイ人数
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1~2人
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セーブデータ
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1箇所・オートセーブ方式
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レーティング
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IARC:7+
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判定
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なし
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ポイント
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『Timberman』の横スクロールアクション アクションゲームとしては極めて上質 プレイボリュームは価格相当
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概要
ボタン左右連打でひたすらに木を切りまくるシンプルアクション『Timberman』のスピンオフ的な作品。発売・開発元は『Timberman』と同じ。
ジャンルはスタンダードな横スクロールアクション。2人同時プレイ可能。作中で初代『Timberman』を再現したミニゲームがプレイできる。
邪悪な企業「Evil Corp」にさらわれた動物たちを救うため、初代『Timberman』の木こり2人が活躍する設定。
ゲームルール
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ゲームの流れ
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全3ワールド×5ステージ構成のステージセレクト方式。各ワールドのステージ1~4は通常ステージ、ステージ5はボスステージとなる。
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2人同時プレイにおいては各使用キャラのライフは別々だが、スコアは共通で扱われる。ゲームを中断すると貯めていた残機がリセットさせる仕様。
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1人プレイでは使用キャラを「人間」か「クマ」から選択できるが、各キャラの性能差はない。またポーズ中に2人プレイの途中参加が行える。
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操作体系
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一般的な横スクロールアクションと同じ感覚で使用キャラを操作していく。
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アナログスティック左右で左右移動。スティック下でしゃがみ(移動可)。ジャンプボタンでジャンプ(二段ジャンプ・落下速度抑制可)。
特定地形にてスティック下とジャンプボタンでそこから降りる。はしごに接した状態でスティック上下で昇り降り。
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パンチボタンで低リーチだが比較的隙が少ないパンチ。ジャンプ中にスティック左右とボタンの組み合わせで威力の高いダッシュパンチ。
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ブーメランボタンで半飛び道具タイプのブーメラン投げ。攻撃手段以外にも、ブーメランを利用したアイテム取得やレバー作動ができる性能あり。
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ジャンプ中にアナログスティック下とパンチボタンで踏みつけ攻撃をするスマッシュ。原則としてスマッシュ以外でのジャンプ踏みでは敵を倒せない。
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アクションボタンで「箱を持ち上げて投げる」「木を切る」「何かを調べる」などの行動。箱に接しながらアナログスティック左右で押しながらの移動。
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『Timberman』プレイ時は原典同様の「左側の木を切る」「右側の木を切る」の交互連打操作。
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アイテムについて
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主に放置される形で以下のアイテムが配置されている。場所によってはアイテムが出現する仕掛けも存在。
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アイテム一覧
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アイテム
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コイン
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スコアアイテム。「銅」「銀」「金」「ダイヤ」の4種類(後者ほど高得点)。ステージ中でスコアが加算される唯一の要因。 スコアが1000点台に達する度に1UPとハートが出現するボーナス(自動回収)。
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ハート
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ライフ1ポイント回復。
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1UP
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通常ステージ限定アイテム。残機1機追加。
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TIMBERプレート
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通常ステージ限定アイテム。「T」「I」「M」「B」「E」「R」の6種類。 プレートすべて集めると1UPとハートが出現するボーナス(自動回収)。またステージクリア後に特別スコアが入る。
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アイテムが出現する仕掛け(すべて通常ステージ限定)
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檻
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檻を調べる(破壊する)と捕らわれた動物が救出でき、その際にハート出現。ステージクリア後に壊した檻の総数に応じた特別スコアが入る。
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宝箱 木箱
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宝箱を調べる(破壊する)とコイン出現。木箱を破壊すると稀に1UP出現。
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Timberman筐体
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各ステージの隠された通路内に1箇所存在。ゲームの『Timberman』そのものがプレイでき、結果に応じたコインが大量出現。 ステージ中において何度でもプレイできるが、出現するコインに限りがある。プレイ人数に限らず1人プレイ専用。
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雑魚ラッシュ
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一時的に大量の雑魚との戦いを強いられるシーン。雑魚殲滅でコインが大量出現。また雑魚単体を倒す事でもコインを落とす。
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ステージクリアとミス条件について
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通常ステージは「ステージ奥にあるゴールポイントへ到達」、ボスステージは「ボスを倒す(もしくはボスから逃げ切る)」とクリア。
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各ステージには「地面のスイッチに箱に乗せる」「複数の箱を重ねて段差を作る」「レバー作動」などの謎解きチックな行動をしないと先に進めない局面がある。
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ステージクリア後は「ステージ内で獲得したスコア+クリア後の特殊スコア」のハイスコアがステージ別で記録される。
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4ポイントのライフ制&残機制。敵の攻撃やトラップ等に触れると1ポイントダメージですべて尽きるとミス。残機全滅でゲームオーバー(コンティニュー可)。
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通常ステージとワールド2のボスステージにはチェックポイントがあり、ポイント通過後にミスするとそこからの再開。それ以外でのミスはステージ最初から。
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ミス後の復活では取得したTIMBERプレートを除き、そのステージ内のすべてのアイテム・敵・仕掛け等の配置のほぼすべてが初期化されている。
評価点
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アクションゲームとしての完成度の高さ
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全体的に丁寧な作りであり、純粋にアクションゲームとしての完成度が高い。
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敵や仕掛け等の配置が絶妙、かつ操作性が軽快であり、程よい難易度でさくさくと攻略できる。アクションゲーム初心者でもオールクリアは難しくない。
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ダメージ後の無敵時間が皆無という厳しい一面はあるものの、それに合わせてハートの出現率も多く配置されており、ゲームバランスの調和がとれている。
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ただ先に進むだけではなく、謎解きチックな局面もあるためプレイが単調になりにくい。謎解きといっても簡易なもので、テンポが削がれる心配も薄い。
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使用キャラの操作は豊富で、それぞれの操作に何の意味があるのかを考えて先に進む面白みも詰まっている。適当な操作だけではクリアに到達できない。
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必要最低限な内容ではあるが、ステージ中に『Timberman』そのものがプレイできるサプライズも嬉しい。
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16bit風のコミカルグラフィックの良さ
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16bit風に描かれたコミカルなグラフィックは極めて上質で、外観的な意味でも完成度の高さが光る。
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ワールドごとに異なる背景が用意され、仕掛けの種類もそれなりに豊富。使用キャラの躍動感のある動きや、お茶目な仕草の数々も見所。
問題点
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ボリュームは価格相当
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アクションゲームとしての完成度は高い反面、ボリューム的には価格相当な小粒さに留まっている。
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そこまでクリアに時間がかからないであろうステージが15つしかなく、オールクリアまでの道のりは意外なほどにあっさりと終わってしまう。
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ワールド1-1はチュートリアルを兼ねた練習ステージで、ボスステージ全般はボス戦のみで済まされるため、まとまったステージはさらに限られる事に。
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ハイスコアの意味が成していない
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ほとんどのステージで永久スコア稼ぎができてしまい、ハイスコアの記録の意味が成していない。
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ミスをするとほとんどのアイテム等は初期化した状態での再開、すなわち残機が残る限りはスコアアイテムであるコインが何回でも取り放題となる。
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後述の残機増殖の件もあり、「限られた中でスコアを稼ぐ」という緊張感がなく、何のためのハイスコア記録なのかが分からない。
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本作における1UPの頻度が非常に多く、その気になれば何回でも残機が増やせしまう。
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アイテムの1UPだけに留まらず「TIMBERプレート全回収の1UP」「スコアエクステンドの1UP」もあり、普通にプレイすればかなりの頻度で1UPが起こる。
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TIMBERプレート以外の1UPはミスするたびに何度でも発生するため、「ミス⇔1UPとコイン取得」のループが半永久的に繋がってしまう。
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なおダメージ対象物が出現しない(=ミスできない)ワールド1-1と、1UPの機会がほぼないボスステージでは永久スコア稼ぎは行えない。
総評
アクションゲームの完成度は非常に高く、純粋なクオリティという面では良作になり得るポテンシャルを持った一作。
それだけにボリュームの短さや、一部システム面での詰めの甘さが色々と惜しいところ。
最終更新:2023年03月27日 16:05