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グーニャモンスター
【ぐーにゃもんすたー】
ジャンル
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非対称型パーティゲーム
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対応機種
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Windows(Steam) Nintendo Switch プレイステーション5
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発売・開発元
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MUTAN
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発売日
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2022年12月4日
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定価
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【通常版】1,980円(税込) 【デジタルDX版】2,980円(税込)
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プレイ人数
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1~4人
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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ゲームバランスが不安定
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ポイント
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グニャグニャキャラの非対称型対戦ゲーム 人気イラストレーター・人気声優の起用で話題に ゲームバランスに課題あり 知り合いと遊ぶ分にはそれなりに楽しい
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概要
『グーニャファイター』で知られるMUTANからリリースされた3対1の非対称型対戦ゲーム。
本作は宣伝にかなり力を入れており、キャラクターデザインに人気イラストレーター・寺田てら氏を起用する、キャラクターボイスに人気声優を起用するなどにより、一部ユーザーの間で話題となった。
特徴
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3対1の非対称型対戦ゲーム。
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プレイヤーはアンデッドを倒してソウルを集める3人の「バスター」と、バスターを襲撃してソウルを守る1人の「モンスター」に分かれて対戦をする。
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Steam・Switch・PS5でリリースされているが、異なる機種間での対戦ができるクロスプラットフォームにも対応。
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バスター
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アンデッドを倒してソウルを入手し、中央のソウルポットに運んで浄化する。3分以内に合計7つのソウルを浄化したらバスターの勝利。
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ウェポンでの射撃、パンチ・キックで敵を転ばせる、ガードでHP回復、といった行動ができる。
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HPが0になったバスターは死亡してゴーストになってしまう。全員が同時にゴーストにされるとバスターの敗北となる。
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ゴースト状態のときはショットが撃てなくなるが、ソウル集めは通常通り可能で、ゴーストアタックでモンスターの邪魔をすることもできる。
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ゴーストになってから一定時間経過した後、生存しているバスターから生き返らせてもらうことが可能。
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モンスター
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バスターを捕食などでやっつけてソウルの収集を妨害する。バスターを全員倒してゴーストにするか、時間切れになればモンスターの勝利。
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攻撃ボタンで壁などの一部地形を破壊できる。バスターの近くで攻撃ボタンを押すとバスターを捕食できる。捕食中に転んだり、バスターの近接攻撃を受けると捕食がキャンセルされる。
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一定時間経過することで、モンスターの種類ごとに異なる強力なスキルが使用可能。
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モンスターがソウルに触れることで、倒されたアンデッドを復活させることが出来る。バスターが運んでいるソウルも奪い返せる。
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アンデッド
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ステージ内を徘徊しているNPC。バスター側における雑魚敵で、モンスター側における味方。倒すことでソウルを落とす。
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落ちたソウルはバスターが触れると、バスターの後ろ側にソウルがくっついてくる。このソウルを中央のソウルポットまで持っていくことで浄化できる。
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アンデッドもバスターに攻撃してくるので、油断しているとアンデッドに倒されてしまう場合もある。更にモンスターがメッセージを発信すると一斉にバスターに突撃してくる。
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アンデッドの一種であるアメーバゾンビは近くのソウルを拾って、ステージ内を逃げ回る特性を持つ。
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グー
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アンデッドの周りを徘徊しているオバケ。時々バスターに体当たりしてくるが、ウェポンで攻撃すると簡単に倒せる。エピソードマッチで倒すとソウルコインが手に入る。
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強化ギア
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ステータスを底上げできる装備品。ゲーム内通貨のソウルジェムを使って購入したり、性能を強化することができる。
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強化ギアは複数ある中から、3つ選んで装備する。強化ギアはバスターとモンスターそれぞれ装備可能。
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エピソード報酬やソウルガチャで直接入手することもできる。この場合はソウルジェムを消費せずに入手や強化が可能。
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ゲームモード
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エピソードマッチ
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オンラインで世界中のプレイヤーとランクマッチ対戦をして、ストーリーを進めていく本作のメインモード。
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一度解放したストーリーは、オプションのストーリーイベントからいつでも見返すことができる。
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プライベートマッチ
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パーティプレイ
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オフラインで対戦するモード。対戦する際は画面を分割してプレイする。
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トレーニング
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アップデートにより追加。バスターとモンスターのどちらかを選んでCPU戦を一回行うモード。対戦が終了すると少量のソウルコインが手に入る。
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ゲームの流れ
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「エピソードマッチ」ではバスターとモンスターのどちらかを選んで対戦し、試合が終わると報酬としてゲーム内通貨のソウルコインやソウルジェムが手に入る。
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経験値が溜まっていくとエピソードレベルが上がり、対応するエピソード報酬を入手できる。レベル及び報酬はバスターとモンスターで別々だが、一部報酬はエピソード毎に配信される有料のバトルパスを購入することで入手可能になる。
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どちらかのエピソードレベルが最大に到達するとクラウンランクが出現する。対戦を続けてクラウンランクを上げていくと豪華な限定報酬が手に入る。クラウンランクの最大は10で、クラウンランクはエピソードを跨いで保持される。
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エピソード報酬はソウルジェムとソウルコインと強化ギアを除いて、次のエピソードに移行するとゲーム内ショップやソウルガチャに出現するようになる。ただし一部はソウルガチャ限定。
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「プライベートマッチ」と「パーティプレイ」では、バスターとモンスターを交代でプレイしていき、戦績によって賞金が付与されていく。いち早く懸賞金1億円を達成したプレイヤーが優勝。
評価点
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全体的にポップな世界観・キャラクターデザイン。
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寺田てら氏が手掛けるキャラクターデザインと人気声優によるキャラクターボイスによって、醸し出される雰囲気は非常にポップ。
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キャラクターボイスは、野上翔氏、逢田梨香子氏、ファイルーズあい氏、杉田智和氏、井澤詩織氏、鬼頭明里氏、岸田メル氏、大野柚布子氏、井上雄貴氏といった豪華なメンツが担当している。
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岸田メル氏はイラストレーターを本業とする人物で、声優としての出演は初である。
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バスターが小さなでっぱりで転んでしまうシステムなど、どことなく「ゆるさ」が出ているのもポイント。
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後述するようにゲームバランスは悪いが、プライベートマッチとパーティプレイでは、ゲームバランスが多少マシになる。
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プライベートマッチとパーティプレイでは、強化ギアを一律にするオプションや、ウェポンがランダムになるオプションが存在し、モンスターを担当するプレイヤーも種類もランダムになるため、エピソードマッチよりは能力差が離れにくい。
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豪華アーティストの起用。
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人気アーティスト「FAKE TYPE.」ともコラボしており、本作の主題歌である「GO ON YA WAY」もFAKE TYPE.作曲である。DLCを購入すればゲーム内BGMとして流すこともできる。
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上記のとは別にDLCを購入するもしくはパッケージ版であれば、トップハムハット狂氏とDYES IWASAKI氏をモンスターとして操作することも可能。発売一周年記念コラボではFAKE TYPE.の楽曲中のアバターであるハム男爵とイワサケちゃんもバスターとして実装された。
問題点
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コンセプトの1つである「グニャグニャした体幹」がゲームに悪影響を与えている。
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本ゲームでは、コンセプトの1つとして「グニャグニャした体幹」を掲げている。しかし実態は「壁をジャンプで登る効率が下がる」「着地時に隙が出来る」「方向転換が遅くなる」などのデメリットしかなく、プレイヤーの間では「武器を構えることで体幹を安定させ移動速度を上げる」というテクニックが一般化していた。
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現在はアップデートにより一部の武器では体幹固定が削除されてデメリットが浮き彫りになっている。
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バランスが不安定な上に調整が完全に的外れ。
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リリース当初はモンスター側が有利だったが、その後アップデートによってバスターに有利なステージが追加されたりバスターの上方修正、モンスターの下方修正が行われてバスターが断然有利な環境になり、バスター側に中級者以上のプレイヤーが1人でも混ざった場合モンスター側の勝機は薄く、全員CPUでさえ慣れないうちはノルマ達成されやすい。
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それに加えてVer.2.0.0からは捕食の仕様が変更され必要な打撃が1発から2発になった上にモンスターは開始から3秒間動けず、さらにVer.2.2.0で中央付近に留まっているとモンスターのHPが減少していくダメージエリアが実装され、バスター側は倒されたとしても仲間に触れたり時間が経てば即座に復活するようになった。結果としてバスター有利環境が更に加速し、このゲームの魅力の1つであったスリリングな駆け引きは崩壊の一途を辿っている。
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ゲーム内の誘導が不親切。
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対戦に必須となる技術の多くがゲーム内で説明されない上に、モンスター側はチュートリアルすら存在しないため、プレイヤーが自主的に攻略サイト等で情報を集めないと不利になる。結果としてプレイヤー間での情報格差が生まれている。
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武器が調整不足。
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一部の武器は異常なノックバック性能を持つため、ソウル集めを完全に放棄してモンスターを妨害し続ける戦術が存在する。
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特定の武器だけが強く、その他の多くの武器は存在意義が全く無いに等しい。
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CPUが遅延に特化した武器ばかりを持っている為、CPU戦での練習が極めて苦痛であり技術を磨きにくい。
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アップデートにより以上の問題点は緩和されつつあるが、ゲームの性質上DPSや安定性が低い武器は存在意義が希薄である。
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マッチングシステムに不備あり。
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3対1が基本の構成であるが、人数が足りない場合はバスター側に数合わせのCPUが参加することになるので不公平。だが現在はバスターが断然有利な状態であるため3対1のフルマッチどころかバスター全員CPU相手ですらモンスター側が不利であるなど不健全な状況である。
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エピソードマッチでは実力差の離れたプレイヤーがマッチングしてしまう。
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Ver.1.2.0のアップデートで低いレート帯では、よりレートが近いプレイヤーとマッチするように調整された。
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ゲーム上ほとんど意味がないコラボ。
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FAKE TYPE.等の起用アーティストとコラボしていたのは初期のみで、その後は紀文、トランセンド、チェリオ等の一般企業とのコラボを続けた。だがコラボで追加されたウェポンは殆どが既存の武器に対する下位互換やコンパチ武器である上に、ゲーム内でユーザーが参加できるようなキャンペーン・イベントが一切無い。コラボステージが追加されることもあったが、その数もたった2つだけで、うち1つはエピソード1期間限定であり現在はプレイできない。
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コラボキャラクターに関してもモンスターが追加されたのはエピソード1期間のみで、エピソード3からは追加されるコラボキャラクターが専らバスターのみとなっており、明らかにバスター側が優遇されているとしか言えない。
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紀文とのコラボウェポンである「ちくわガン」に至っては攻撃力が0であるためにアンデッドどころかグーすら倒せないという有様。
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地味にリザルト画面で勝者が敗者を死体蹴りできてしまうのも、良くないポイント。ただ、エピソードマッチではアップデートにより廃止された事で改善されている。
総評
有名デザイナーや人気声優の起用・人気アーティストによる主題歌などで注目を浴びた一作。
キャラデザや主題歌などの評判は良い一方で、一つの対戦ゲームとして見た場合、対戦バランスが非常に悪く、現状ではお世辞にも良作とは言えない内容である。
特にエピソードマッチでは、対戦環境が不安定なせいで、不満意見も多く見られる。
一方、ゲームバランスの悪さを除けば、それなりのクオリティを保っているため、気の知れた仲間内で遊ぶパーティーゲームとして見るなら、決して遊べないほど酷い内容ではない。だが、突き詰めていくと競技性が非常に高くなり「遊び」を一切許容しなくなるゲームバランスな上に、全体的に誘導やチュートリアルが疎かなせいでまともに遊べるまで練習が必要な点はパーティーゲームとして致命的だろう。
バランス調整などのアップデートは継続的に行われていく予定であるため、今後の様子を見守っていきたいところである。
余談
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本作の宣伝に力が入っている理由の一つにMUTANがリリースした前作『グーニャファイター』の商業的失敗が挙げられる。
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前作『グーニャファイター』は宣伝を殆どしていなかったせいで、話題になることもなく、当然売れることもなかった。
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100円セールを行ってようやく注目を浴びたのだが、当然それで売れても利益は出なかったそうだ。
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本作の宣伝費は開発元曰く、『グーニャファイター』の開発費の4倍はかかっているとのこと。
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(参考リンク)
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2023年7月13日には、Switch/PS5でパッケージ版が発売された。
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パッケージ版ではデジタルDX版(ソウルコインとソウルジェムはSwitch版のみ)のDLCに加え、ダウンロード版では別途購入となるバスター4人とシステムボイス4種、上述したFAKE TYPE.のモンスター2人も付属している。
最終更新:2024年02月14日 13:02