ハーヴェステラ

【はーヴぇすてら】

ジャンル ファンタジー生活シミュレーションRPG
対応機種 Nintendo Switch
Windows(Steam)
発売元 スクウェア・エニックス
開発元 Live Wire
発売日 2022年11月4日
定価 7,680円(税込)
プレイ人数 1人
レーティング CERO:B(12歳以上対象)
判定 良作
ポイント スクエニ版『ルンファク』ではなく「スクエニらしいRPG」
評価の高いシナリオとBGM
戦闘がやや単調


概要

「Nintendo Direct 2022.6.28」にて発表された完全新規IP作品。

プロデューサーとディレクター及びゲームデザインとシナリオは『アナザーエデン 時空を超える猫』の初代P&Dコンビである高大輔と古屋海斗が担当しており、
メインの開発はかつて『ルーンファクトリー』シリーズを開発していたネバーランドカンパニーの元社員が複数名在籍している株式会社Live Wireが行っている。


ストーリー

(公式サイトSTORYより引用)

物語の舞台は「シーズライト」と呼ばれる巨大な四つの結晶体が存在する惑星。
「シーズライト」は四季をつかさどり、生きとし生けるもの全てがその恩恵を授かっていた。

しかし、いつしかシーズライトに異変が生じ、季節の変わり目に「死季」が発生するようになる。
シーズライトは異常に発光し、大気を舞う光の塵があらゆる生命を脅かす。
作物は枯れ人々は外を歩くことすらできない。

ある死季の日に、辺境の村で生き倒れていた旅人の主人公。
主人公と、とある少女のとの出会いが冒険の始まりを告げる。
……少女は言う。
「たぶん、私は……この時代の未来からやってきたのだと思う。」

死季の謎を究明しようとする少女――アリアとともに、
主人公はこの世界の真実に迫る旅路へと、歩みだすのだった。


特徴

  • 基本的なゲームの流れとしては自宅で行える農作業や食品の加工、クラフトで探索の準備を整えつつ、各街やダンジョンに赴きストーリーを進める…というRPGになっている。
    • 季節・時間の経過や毎日の活動可能時間の限界自体はあるが、特定の日までに条件を満たさないとバッドエンドになるようなゲームシナリオとしての時間制限はない。

季節と時間の流れ

  • 作中では四季の概念があり、時間経過と共に春→夏→秋→冬と季節が変化していく。
    • 季節によって栽培できる農作物が異なる他、特定の季節しか出現しない魚が存在する。
    • 一つの季節は30日で切り替わるが、月末になると「死季」が訪れる。
      • 死季の日になると果樹以外の栽培中の作物が全て枯れてしまう。街での買い物やダンジョンの探索もできないが、死季の日のみに挑めるやり込み用ダンジョンに挑戦することができる。
      • ちなみに作中では「死季の日は年々延びている」と何度か言及されるが、実際にはゲームバランス的な事情から一日のみで終わる。
  • 一日の活動可能な時間は朝6時~深夜2時頃まで。
    • 夜10時になると「眠くなってきた」と表示されステータスに強制的にデバフがかかる。深夜以降も自宅のベッドで寝ずに活動を続けていると徐々に視界が暗くなっていき、最終的にはその場で倒れてしまう。
    • 時間限界まで活動した時や戦闘中にHPが0になった場合は翌日は昼12時からのスタートとなる。
      • 例外的にベッドまでたどり着かなくとも自宅内で深夜2時を迎えた場合は翌朝も6時からスタートできる。

農業・料理・クラフト

  • 農作業は本格的な農業シミュに比べると簡素化された作りで、原則的にプレイヤーがやるのは耕耘・作付け・潅水・収穫のみとなっている。種や苗の選別や土壌改良・防除作業などの要素は存在しない。
    • これに加え畑の拡張時には岩を破壊する作業があるが、一度破壊すれば以降永続的にそのままとなる。また、潅水もストーリー中盤以降製作できる物品を畑に配置すれば自動化できるようになる。
    • 収穫時に背景が金色の「高品質」の作物が収穫できる場合がある。実績要素である妖精オーダーをこなすと畑のレベルが上昇し、高品質な作物を入手しやすくなる。
  • 料理を作るためにはまずレシピを入手しておく必要があり、各街の商店で購入できる本やダンジョン内の宝箱や一部のクエストの攻略でレシピを入手できる。
    • レシピの入手後、対応する食材が揃った状態で時間を消費すると料理を作れる。この際に高品質な食材を使うと料理の回復値やバフ効果が上昇した品を作れる。
    • 料理はアイテム画面からいつでも食べられるが、満腹値の概念があり満腹値が100を超えてしまう場合は新たに食べることができない。
  • クラフト
    • 料理同様レシピを入手している状態で素材と時間を消費することで食品の加工機や探索・戦闘用アイテムを製作できる。
    • 高品質品の概念はないが、一部のアイテムはレベルの高い上位種が存在し、上位種では一度にまとめて加工したりや完了までの期間を短縮できる。

探索・戦闘

  • 自宅・各街とダンジョンはワールドマップを介して移動する。
    • 各街やダンジョンにある「転移モノライト」に触れることで同一マップ内での移動および自宅への帰還が行える。
    • 一日の時間制限がある都合上ダンジョンには梯子を降ろしたり橋を作ったりすることでショートカットできるようになるポイントが設けられており、ある程度進んだら家に帰って料理やクラフトを行い翌日探索再開…という形で数日がけで攻略するのがセオリーとなる。
    • 各ダンジョンには「FEAR」という強敵が徘徊している。概ねそのダンジョンの雑魚よりも20レベル程度高く初来訪時はまず倒せないため、戦闘を回避して進むことになる。
      • 撃破できればレアなドロップアイテムが手に入ったり、妖精オーダーにも規定数倒すという実績があったりと一種のやり込み要素となっている。
  • バトルシステムはターンの概念や三次元的なアクション要素がなく、しいて例えるとMMORPGに近い物で、敵に近づくとそのままシームレスに戦闘が開始できる。
    • 全ての敵キャラには弱点属性があり、弱点属性の攻撃を使い続けるとダメージが増加するブレイク状態にできる。
    • ブレイク状態でダメージを与え続けることでケージを溜めると仲間キャラの必殺技が発動可能となる。

主人公と仲間キャラクター

  • 戦闘は3人PT制だが仲間になるキャラクターはそれ以上おり、主人公以外の2名は自宅やフィールド・モノライトの近くにいる時のみ入れ替えできる。
    • 新たな仲間が加入すると主人公がジョブをラーニングし、そのキャラと似た能力を持つジョブを習得する。
      • ジョブは一度に最大3職までセットしておくことが出来て、探索・戦闘中にジョブチェンジが行える。
    • 転移モノライトの近くでは一日一回だけ仲間と一緒に料理を食べるブレイクタイムを行える。
      • ブレイクタイムでは食べたメニューのバフ効果が上昇する。進行状況や食べたメニューによっては仲間キャラとの会話イベントが発生することもある。

評価点

  • 高評価のストーリー
    • 本作をクリアしたユーザーが第一に挙げるであろう評価点。
      • 生活シミュレーションというジャンルからは想像がつかないほど壮大なスケールの物語が繰り広げられ、中盤以降は次々と作品世界に関する衝撃の事実が明らかになっていく。
      • そして終盤に待つのは世界の命運を左右するようなドラマチックな展開で、最後までプレイヤーの興味を惹き続ける。
    • このような壮大なストーリーは生活シミュレーションゲームに親しんだプレイヤーにとっては新鮮さを感じさせるとともに、往年の名作RPGをプレイしたユーザーにとっては懐かしさを感じさせる内容でもある。
      • スタッフインタビューでも類似点がある作品として『FFIV』や『クロノ・トリガー』の名前が挙げられており、こうしたSFとファンタジーが融合した世界観はユーザーがスクエニの作品と聞いて第一に連想するような要素をしっかり押さえている。
  • キャラクター・サブイベント
    • 謎に満ちたパートナー、孤児院に努める元暗殺者、機械生命体、果てはコメディリリーフのユニコーンなどキャラクターはいずれも個性的。
      • 特にメインヒロインのアリアはただの仲間その1に留まらず、ストーリーの佳境で壮絶な生い立ちや覚悟が明かされるなどもう一人の主人公的な役割も果たしている。
    • 仲間キャラクター8人とサブキャラクター2人にはそれぞれキャラクターイベントが存在し、合計 94話 の豊富なキャラクターイベントが描かれる。サブイベントとしては申し分ないボリュームである。
      • 上述のブレイクタイムでの仲間同士での会話イベントも膨大に用意されており、穏やかな会話やコミカルな内容もあるためシリアスなストーリーの中で一服の笑いと癒しとして機能している。
      • シナリオクリア後のおまけ要素として、上記10人のキャラクターのうち一人と同居することもできる。
    • 各街で受諾できるサブクエストもゲーム序盤に受けられる物は牧歌的なエピソードが中心だが、徐々に人間同士の心の微細な動きに触れる物や軽い人助けから始まったと思いきや様々な人間の人生を左右するようなクエストが増えてくる。
      • ストーリーの本筋に限らずこちらでも一部のクエストではSF要素がエッセンスとして機能しており、なかなか読み応えがある。
  • 美しくゲームを飾りつけるビジュアル
    • 四季折々の自然環境が美しく描かれると同時に、人工物に関してはいかにもスクエニのファンタジーらしさを感じる造形となっており、単純なフォトリアル的なグラフィックのゲームとの差別化に成功している。
    • キャラクターデザインやキービジュアルを担当しているスクエニ所属・長谷川靖のイラストがとにかく美麗で、絵画的で繊細なタッチながらもキャラクターの表情付けに関しては漫画的な表現を使っており、登場人物に愛着を感じやすい。
    • また、料理ごとに個別のイラストが用意されているのだが、どれもクオリティが高く見てるだけでお腹が空いてきそうになるほど。
      • ゲームの機能的にはアイテム欄で使用する小さなアイコンぐらいのサイズで十分にもかかわらず、かなり大きなサイズのイラストで細部まで描き込んでいるためスタッフのこだわりを感じられる。
      • 作れる料理も中世風ファンタジーRPGらしい洋風食中心と思いきや、ゲームが進むにつれ現実での様々な文化圏の料理が作れるようになっていくため視覚的にも飽きが来なくなかなか楽しい。
  • BGMは『テイルズ オブ レジェンディア』や『GOD EATERシリーズ』等で有名な椎名豪がほぼ全曲製作*1しており、こちらも高評価。
    • 印象的な点として美しくメロディアスな「HARVESTELLA〜メインテーマ」のフレーズをメインストーリーやサブイベントの場面場面に合わせたライトモチーフとして活用しており、季節やダンジョンごとに様々な表情を見せるゲーム展開に統一感を持たせつつ作品世界観を彩ることに成功している。
    • 他の楽曲も、桜が咲き誇る春の街の情緒を感じさせる「ネメアの街 昼」、緊迫感あるイントロからまともにやり合えるレベルになればこちらの一転攻勢を思わすサビまで聞ける「FEAR!!」、いかにも椎名豪らしい弦楽器の使い方が特徴の「ゆずれぬ戦い」「運命に抗う者たち」、流れるタイミングが話の展開にガッチリ噛み合った「彼女の帰るところ」「Innocent Prayer」等いずれも良曲ばかり。公式サイトで何曲か試聴もできるため、ゲーム音楽が好きな人はぜひチェックしてみて欲しい。

賛否両論点

  • シナリオ上の主人公一行の目的と農業要素の接点が弱い。
    • 主人公が農業を始める経緯が「行き倒れていた主人公に借してくれた家にたまたま畑があった」という理由で、その後もメインシナリオと農業要素が直接絡むことがない。
      • 一例を挙げると、エニックスがかつて発売した『アストロノーカ』は「害獣を退治していい野菜を作る」という農業とゲーム内のシステム・最終目標が一致していた。
        対して本作の農作業は、料理やアイテム用に素材を調達するだけの要素となっており、これならば一般的なRPG同様店売りの回復アイテムや敵を倒して得た素材でクラフトという形でも代用できてしまう。
        このため、農業をゲームのオリジナリティを成立させる上で必須の要件までに昇華できていないと言える。
    • 農業を手助けしてくれる妖精たちも、加入時には小話があるがシナリオ後半ではほぼ空気と化してしまう。
    • ただし作業自体はやるのが億劫になるほど面倒でもなく、住民から逐次「〇〇を●個作って納品して欲しい」とおつかいを頼まれるような手間のかかる場面もない。
    • また、「死季」の脅威をプレイヤーに伝えるためには、主人公自身に農業させた方がより説得力はある。
      • 死季の訪れを見越して収穫までの日数を考え、それに合った栽培計画を立てたりと、世界観設定を実感させる事には一役買っている。
  • ブレイクタイムでの会話イベント。
    • ブレイクタイム時に発生する会話イベントはゲーム内で出てこない各キャラの背景設定が語られたり、単純に雑談として楽しめる話題になったりと結構面白い内容が多い。
    • だが、せっかく豊富な会話パターンを用意してあるにもかかわらず1日1回限定かつ特定のキャラクターの加入後にある料理を食べた時だけ見れる話もあるため、会話イベントをあまり見られずにゲームをクリアしてしまったプレイヤーも少なくないだろう。
      • 中盤以降事前予告なしに一定期間ブレイクタイムが生じなくなる期間が存在する。これが思いのほか長く、シナリオ上は確かに雑談を楽しんでる状況でもないのだがもう少し期間を縮めてもよかったのでは。
  • 時間の流れが中途半端にリアリティを意識した部分とそうでない部分が混在していたり、融通が利かない部分がある。
    • 基本的な時間の流れが同ジャンルのゲームよりも早めで、急かされているように感じてしまいがち。
      • 実際にはクリアまでの時間制限要素はないのだが、ワールドマップでは歩いてるだけでゴリゴリと時間が減っていくので、初見時は特に焦りやすい。
      • また、特定の季節しか栽培・収穫できない作物はそれらを栽培し損ねると翌年まで待つ必要がある。
        シナリオをクリアするだけならこうした季節限定品を栽培する必要こそないが、特定の時期内に収穫しておかないと各街に料理を納品して稼いだり妖精オーダーを達成して畑のランクを上げるのに手間取る。
        本作はある程度ゲームに慣れた人なら1年目の秋ぐらいまでにゲームクリア寸前まで行けるため、尚更(季節限定品必須の)料理を納品できないせいで当座の金が無いという状況に陥りやすい。
    • サブクエにおいては時間経過の整合性を取ることを完全に放棄している。このため住民が話の流れで単身で魔物がうろついているダンジョンに行っても何日放置しようと無事ということがしょっちゅうある。
      • もちろん似たような仕様のゲームは現代でも無数にあるが、本作は明確にメインシナリオで主人公が寝て起きて話が進む場面があったりと時間の経過がしっかりと描かれているためこのような「ゲーム的な事情」というのを強く感じてしまう。
      • この手のクエストはダンジョン内で緊急的に始まる流れ(スタート地点がプレイヤー次第になるのでいつ開始になろうと違和感が生じにくい)にすれば違和感も薄かったと思われる。
    • 逆に時間に関するリアリティのせいで面倒になった部分がある。それがお店の開店・閉店時間である。
      • 全体的に「朝一に行くとまだやってないがギリギリまで探索して帰りに寄ろうとするともう閉まってる」という具合。
        本作は商品の消費期限もなければ雨でも住民は傘もささず外出しているため、これならリアリティよりも常時開店して利便性の方を取った方が良かったのではないか。

問題点

  • バトルシステムは2022年に大手メーカーが販売するゲームとしてはあっさりめで、気になる部分もある。
    • 特徴欄においてMMORPGのようなものと記載はしたが、PT単位での戦略や立ち回り、技の組み合わせによるコンボ、仲間との役割分担、仲間キャラの育成・カスタマイズ要素と言ったMMORPGで定番の要素がほとんどなく簡素。
      • システムはMMORPGに近いのにオートアタック式ではなく通常攻撃はプレイヤーがボタンを押さないといけないアクションRPGのような中途半端な仕様になっている。
      • 一応一部の強敵・FEAR・ボス戦はあらかじめ敵の攻撃範囲が表示されるのでそれを避けたりと若干のアクション要素はあるが、これが無い雑魚戦はやや単調なバトルになる。
    • 満腹度の概念があるので料理を食いまくることへの制約はあるのだが、体力を回復できるジュース系のアイテムは満腹度が上がらないため、ジュースを大量生産して飲みながら戦えば苦戦することはない。
      また、敵は執拗に主人公だけを狙ってくる傾向があり、移動速度や可能なアクションの関係で攻撃の回避も困難である。ジュースで回復しつつ被弾上等でひたすら攻撃をし続ける戦闘になりがち。
      • 回復やヘイト管理に関して仲間キャラの役割分担・スキルなどで戦略性が練られていれば戦闘もより面白かっただけに惜しい。
    • ジョブチェンジやスキルを撃つためにはZRを押しっぱなしにしてUIを切り替える必要があるのだが、切り替え中画面では主人公及び仲間の残HP量が確認できなくなるというUI上の問題点がある。
      • HPが危険域に入った時は仲間キャラが忠告ボイスを発してくれるのだが、それ以外に分かりやすいエフェクトなどが無いためピンチに陥っていることを把握しにくい。仲間のボイスもタイミングによっては他のボイスに上書きされて流れないこともある。
  • 会話イベントが飛ばせない。
    • ボス戦の前には必ず会話イベントが挿入されるためリトライするたびに見なくてはならずストレスが溜まる。
  • 外注の新規IPということもあってか、随所に予算や開発規模上の限界を感じる部分はある。
    • せっかく有名声優を使ったわりには各キャラは掛け声程度しか声を発せず、固有の特殊セリフが発生するのもそのキャラと縁のあるイベント・ボス戦ぐらいである。
    • 人物のモーションの少なさ・流用が目立ち、子供が年少者らしからぬ動きをしたり、重要な会話シーンでも普段からよく見るモーションだけで話が進むためにどうしても気になってしまう。
    • サブクエストも内容そのものは高評価なのだが、基本的にモブキャラクターを中心に進行していくため、複数のイベントをこなしていると、同じ顔を何度も何度も拝むことになってしまう。
      • その一方で、立ち絵が用意されているにもかかわらず、メインシナリオ・サブイベントのいずれにも殆ど絡まないような人物もいる。
    • 3Dモデルの表情差分が目を開けるか閉じるか程度。主要キャラは会話時に色々な表情のイラストが出るため感情移入しにくいということはないが、なにぶんイラストが麗しいだけに3Dモデルの方を見ると落差を感じてしまう。
    • この価格帯のスクエニタイトルとしては意外にもムービーシーンが少なく、大きな山場以外は人物が突っ立ったままイベントが進行する。
      • もちろんむやみにムービーを入れればよいわけではないが、ボス戦前後などはもう少し演出を頑張って欲しかったところ。

総評

練り込み不足なバトルシステムやテーマとの合致が弱い農業要素、特定の場面において演出面で感じるパワー不足など気になる部分自体はいくつか存在する。
しかしながら、ストーリーはRPG黎明期からのギミックを用いられたファンタジーの現代版として素晴らしい出来であり、
これらを支えるキャラクターや楽曲も良好で、物語を楽しむという点においては良作と言って差し支えないだろう。

インタラクティブ体験的な面白さには欠けるが、JRPGにおけるシナリオや世界観・BGMを重視している人には特に薦めたい一作と言える。


余談

  • 発売後はクリアユーザーが増えるにつれ高評価を得ていったのだが、事前のプロモーションのまずさから発売直前~直後には厳しい意見が多かった。
    • 発売前に公開された体験版では、製品版ですら早いと言う意見もある時間の進み方がより早く、動作の安定性に難があるものだったためにかえって不安視するユーザーを増やしてしまった。
      • また、やむを得ないのだが本作のストーリーは徐々に面白くなってくる筋書き故に、体験版の範囲内ではシナリオが大きく動く前段階までしかプレイできないため、製品版のようにシナリオ面での評価を獲得することも難しかった。
    • 上述の通り農業要素はゲームの主題ではないにもかかわらず発売前はゲーム内において農業要素の比重が大きいと誤認されかねない宣伝を行っていた。このため体験版公開直後~発売時には農業目当てで買ったユーザーを中心に不満が噴出することになった。
    • ネット上のプロモーションの一環として現実世界でフィールドワークを体験しつつ作品を紹介する企画があったのだが、これが連想ゲームレベルの接点しかないところにお邪魔して無理にゲーム内の要素と絡めて宣伝するという無茶のある物で、しかもこのPR記事が掲載されているサイトも別件で炎上した過去が複数回あるために尚更悪印象を与えることになってしまった。
      • 一応、体験版に関しては後々アップデートが入り製品版と同仕様になった。
  • 釣りで入手できる魚系のアイテムの中に、明らかに他のゲームを意識した、ネタ的な名称のものが見られる。
+ タグ編集
  • タグ:
  • ARPG
  • スクウェア・エニックス

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最終更新:2024年03月01日 22:09

*1 「新キャラが仲間入り時の曲」の一曲のみ他のスタッフが担当